ぷかぷか日記

相模原障害者殺傷事件を超えるために

  • 想定外のことが起こり…
     6月8日(火)友達大作戦の打ち合わせがありました。      参加者は、かずやさんほか7名、マスコミの取材3名でした。  内容はホームページのコンテンツなどの確認、早稲田大学での授業ができなくなった件など。 かずやさんちの看板ができました、という報告。絵はヨッシーです。                        早速かずやさんちのドアのそばに置きました。         このドアにかずやさんの似顔絵をパネルにして貼り付けます。どんな人がここに住んでいるのか、少しイメージできると思います。           この前を二階の人は毎日通ります。ほんの少し、気持ちが柔らかくなるかな、と期待しています。  そうして今度の日曜日6月13日(日)に、いよいよあいさつ、謝罪にかずやさんと介護者が行きます。かずやさんがどんな人で、なぜここにいるかを簡単に説明します。「かずやしんぶん」もこの時渡します。   二階の方がかずやさんの顔を知り、どんな人かを知ること。それができれば、今回は最初の一歩達成!だと考えています。お互い顔を知れば、近所で会った時、あいさつができます…  と、甘いストーリーを考えていたのですが、木曜日、想定外のことが起こり、先が見通せない状態になりました。   発端は私の提案 高崎:「かずやしんぶん」を事前に二階の家のポストに入れておいたらどうでしょうか。読むかどうかわかりませんが、ひょっとして読んでくれれば、ラッキー!という感じです。住所を手書きで部屋番号まで入れておけば、下の部屋の人のことなんだということがすぐにわかります。  10日木曜日、大坪さんはかずやさんと二人で行こうとしたようです。 大坪:一応今日、ポスティングを一矢さんと一緒にと試みましたが、本人やはり嫌だったらしく、大声を出されまくって挫折しました。日曜日本当に一緒に行けるのかなぁ…ちょっと気掛かりです。 高崎:そうでしたか。かずやさん、どうして嫌だったんでしょう。 大坪:やはり今日の一矢さんの反応を見て、もう少し慎重にやらないとマズいかなと思いました。 大きな声について介護者が二階に響くのではないかとハラハラしていて、本人も声を出さないように努力をしていると思いますが、それがなかなかできない。 その辺の葛藤、ストレスもかなりギリギリの所に今いると感じます。  そうした中で「謝罪」に行くというのは、本人にとって、かなりツライ経験である事は間違いないと思います。  先日の会議のように皆さんが一矢さんに好意的な場面であれば、様子を見て「一本橋」も出て来るけど、本人に部が悪い場面である事は肌身で感じ取っているのだと思います。  そこで本人が、納得して二階に行くという手続きを取るのはかなり難しい…本人にそれをどう伝えるか。 「障害」を、自己責任論で本人が克服しなければならない問題とするのではなく、環境や関係を変えて行く事で解決して行こうというのが、「社会モデル」の考え方だと思いますが、やはり今、そのギリギリの所が問われているのだと思います。  なので、とりあえず日曜日は、慎重に様子を見ながら二階に行くかどうかを判断したいと思います。  二階にあいさつに行く時、かずやさんは大坪さんに素直についていくものとばかり思っていました。かずやさんの気持ちを丁寧に想像してなかった、ということです。  《そうした中で「謝罪」に行くというのは、本人にとって、かなりツライ経験である事は間違いないと思います。 》  という大坪さんの言葉で、かずやさんの気持ちに初めて気がつきました。情けない限りです。  「大声に対する苦情」という問題を、《環境や関係を変えて行く事で解決して行こう》としたのですが、肝心なかずやさんの気持ちを取りこぼしていたのです。  本人が納得して二階に行くという手続きを取るにはどうしたらいいのか、またまた難題を抱えることになりました。  6月15日(火)の友達大作戦はその「どうしたらいいのか」を考える集まりになります。大学での自主セミナーの企画も。  zoomのオンライン参加もOKです。ぜひいろんなご意見お願いします。 2021年 6月 15日 (火) 午前10:30~ 午後12:00  参加希望者はぷかぷか問い合わせ窓口から申し込んで下さい。URLとミィーティングID、パスコードをお送りします。 www.pukapuka.or.jp  早稲田大学でやる予定だった「友達大作戦」に関する授業は、外部講師の依頼は半期に一度だけ、という規則に引っかかって(担当教員がすでに一人申請していたので)不許可になりました。映画「道草」の続編の撮影も予定していたのですが、それも不許可。  ちょっとがっかりしましたが、授業でなければいい、ということなので、自主的なセミナーみたいな形でやろうかなと考えています。会場は早稲田大学です。大学の枠も超えてたくさんの人に呼びかけ、友達大作戦を展開していこうと考えています。  どういう言葉で呼びかければ学生さんたちが集まってくるのか思案中です。小難しい話ではなく、 「あっ、これ、なんだかおもしろそう」 って軽い気持ちで乗ってきてくれるような言葉を探しています。  友達大作戦に、軽いノリで 「こうやったらおもしろいんじゃない」 という提案をしてもらい、その提案で 「あ、おもしろい、おもしろい」 と、人が動き始めるかも知れません。その動きの中で、かずやさんと様々な形で出会う人も増えます。 「かずやさんのような大声出すような人もいていいか」 っていう人が地域に増えれば、地域社会は受け入れる人の幅が増えることになります。 かずやさんの周りの小さな社会が、ほんの少し居心地がよくなります。みんなにとって居心地のいい社会が、こうやって実現するのです。  「自分の手で社会が変えられる!」 若い人たちがこんな風に思える体験をすれば、社会に希望が持てるようになります。  大学で若い学生さんたちを相手に「友達大作戦」の授業をやるのは、そんな思いがあるからです。今までにない新しい提案が出てくるかも知れないし、学生さんたちも変わります。  重度障害者の自立生活は、社会を豊かに変えていくのだと思います。  「友達大作戦」はこちら www.pukapuka.or.jp
  • かずやさんが大学で授業やります。
     知り合いの大学の先生が「ボランティアとNPO・NGO」という授業をやっていて、先日の入管法改悪の動きと市民による阻止行動など、社会運動についていろいろ話をしているようです。  その中で学生さんから、署名運動をいくらやっても社会はなかなか変わらない、といった社会に希望が持てないような感想がFacebookで紹介されていました。こりゃいかんなと思い、書き込みをしました。 「議論も大事ですが、まずは具体的に動いてみてはどうでしょうか。いろんなことが見えてくること間違いなしです。」 「抽象的な議論ではなく、具体的な問題に対し、どうしたらいいかをみんなで考え、それをとにかく実際にやってみる。たとえそれがうまくいかなくても、抽象的な議論よりははるかに収穫があるはず。」  この書き込みがきっかけで実際に大学で授業をやることになりました。かずやさんも参加し、友達大作戦をテーマにした授業をします。    かずやさんは昨年夏、施設を出て、アパートで自立生活を始めました。かずやさんはときどき大声を出します。二階に住んでいる方から、その大声に対して苦情が来ました。  介護者を派遣している事業所の方でとりあえず謝ったそうですが、かずやさんは 「大声を出さないで下さい」 といっても、 「はい、わかりました」 と聞いてくれる人ではありません。これからも大声を出します。  ならば大声と共存する方法を考えないと、この先、お互いが辛いことになります。そこでスタートしたのが「友達大作戦」。要は、ただ謝るだけでなく、 「友達になっちゃおう」 というわけです。  大声が聞こえて、 「うるさい!」 と怒鳴り込むのではなく、 「ったくしょーがねーなー」 とブツブツ言いながらも、なんとかそこで踏みとどまれる関係。  街で会えば 「よう、元気?」 って声をかけられるような関係。  「かずやんちカフェ」を開く時は、一緒においしいコーヒー飲みながら、いろんな話ができる関係。  餅つきをやる時は、かずやさんと一緒に餅つきを楽しんだりする関係。  そんな関係になるにはどうしたらいいかを考えるのが「友達大作戦」。    授業では実際にかずやさんの大声を聞いてもらい、どうしたらいいかを学生さんに考えてもらいます。そこで出てきたアイデアは、実際に現場で試してみます。うまくいくかどうかはやってみないとわかりません。  この「実際に現場で試す」というところが大事です。あーだこーだ言うだけで終わらないところが今回の授業。ほんの思いつきのアイデアであっても、それがおもしろいものであれば社会は反応します。 「自分の手で、社会が変えられるんだ」 って、そんなことに気づくかも知れません。  その気づきは、これから長い人生を生きていく上で大きな自信になります。社会に希望が持てます。若い人たちが社会に希望が持てるって、なんかすごいじゃないですか。    「友達大作戦」の対象は二階の人だけでなく、地域社会全体の人です。地域の人たちみんなといい関係を作ること、それが地域に暮らすことの意味だと思います。  街を歩くと、 「こんにちは」「元気?」 って、いろんな人から声をかけられる関係があることは、とても大事なことです。こういった関係がお互いを豊かにします。重度障害者の自立生活が地域社会を豊かにしていくのです。    問題は授業の時にかずやさんが大声を出してくれるかどうかわからない、ということです。先日もかずやさんの陶芸教室をテレビが取材に来たのですが、その日はかずやさん陶芸に全く乗ってこなくて、本当に困りました。そういうことが十分に予想されるのです。なので、アパートで大声出した時に映像で記録していただいて、一応それを持っていく予定でいます。  いずれにしても、そういうかずやさんのわからなさと、頭抱えながらつきあっていくところにこそ、かずやさんとのおつきあいの奥深さというか、面白さがあるような気がします。    6月14日(月)早稲田大学で授業をやります。どうなりますか。また報告します。    機嫌がいいと下の写真のような感じですが、授業の日、こんな顔をしてくれるかどうかは全くわかりません。そのわからなさの中での授業です。           友達大作戦はこちら www.pukapuka.or.jp
  • よってけ かずやんち
     友達大作戦の打ち合わせをやりました。参加したのは一矢さん、介護者3人、応援団2人の計5名。Eテレが取材していました。  かずやしんぶんの版下をオオツボさんに渡しました。近々地域配布分、7月31日のぷかぷか上映会配布分併せて300〜400部印刷します。  そのしんぶんを持ってなるべく早い時期にかずやさんと一緒に大声の迷惑をかけている二階の方に、あいさつ、謝罪に行きます。色々準備して行っても、会いたくないと拒否される可能性もあるので、油断は禁物。なんかドキドキします。でも、たとえうまくいかなくても、そこで撤退してしまうのではなく、なんとか大声と共存できるうまい方法をしつこく、楽しく模索します。  かずやクッキーは同じアパートの住人4人に配る予定で、注文しましたので、来週にはあいさつ、謝罪に行きます。花の植わった植木鉢、コーヒーカップも持っていきます。さて、どうなりますか。  かずやんちの看板を玄関のドアに飾ろうと思っています。        写真を見ると、二階の方はいつもかずやさんちのドアの前を通るようです。ならばそこに「かずやんち」と書いたほっこりあたたかな気持ちになるような絵が掛かっていれば、気持ちが和みます。たとえばこんな絵。「かずやんち」の文字はもちろんぷかぷかさん。暖簾もいいんじゃない、という意見もあります。              ホームページを作ります。まだ正式ではありませんが、「よってけ かずやんち」みたいなタイトルはどうかなと思っています。「かずやんち」に寄り道してみたら、思ってもみないものがいっぱい詰まっていて、なんだかトクした気分になったり、心がちょっと豊かになったり、そんなイメージです。  コンテンツは「かずやさんのプロフィール」「介護者の日記」「かずやさんの日々」「お知らせ」などですが、そのままのタイトルではおもしろくないので、ちょっと覗いてみようかなって思うようなタイトルをこれからみんなで考えます。何かいいアイデアがありましたらメールでお知らせ下さい。  「かずやんてどんな人」と書いたこんなアイコンをクリックすると、                          Q&Aの形式でかずやさんがどんな人かわかるようになっているとか… 「○○ぼちぼち日記」と書いたアイコンをクリックすると、        介護している人の日々の様々な気づきを書き込んだ日記が出てきます。かずやさんのそばにいるとくつろげる、というオオツボさんの「くつろぐコツのヒミツ」もシリーズで書いていただく予定です。若いカワタさんは、初めて介護に入った日は、おばあちゃんちに遊びに行った時のようなゆるっとした時間を過ごしたそうで、そのあたりの話も書いてもらう予定です。かずやさんの周りにゆるっとした空気が流れているのはどうしてなんでしょうね。そういうことにホームページ見た人が気がついて 「そっかー、今度遊びに行ってみようかな」 って思ってくれれば、ホームページは大成功。  「かずやんのまったりの日々」と書いたアイコンをクリックすると、              今日はこんなことしました、こんなもの食べました、ソファーでぼーっとして過ごしました、というかずやさんのまったりした日々の記録が出てきます。   ま、こんな感じの楽しいホームページができるといいなと思っています。  ホームページを担当する方も会議に出ていましたので、多分近いうちにでき上がると思います。  午後、かずやさんの陶芸教室やりました。全く乗ってこなくて困りました。かずやさんの目を見て下さい。「こいつ、うるせーな」みたいな目です。           お皿を作る時だけ、ちょっとやりました。                      でも、最後に笑顔      Eテレが取材していたのですが、陶芸をやっている絵はほとんどとれなかったようです。ま、こんなもんですね。  予定していたことが予定どおりに行かなかったり、かずやさんが何を考えてるのかさっぱりわからなかったりでしたが、だからこそかずやさんとのつきあいは奥が深くておもしろいのだと思います。いつも私たちが試されているというか… 「友達大作戦」はこちら www.pukapuka.or.jp
  • 打ちひしがれることもあるけどさ、また花を見たら、やっぱり水をあげよう、頑張ろうって思っちゃうわけ
     先日ぷかぷかに取材に来たEテレのディレクター坂川さんの書かれた本。              あゆちゃんは坂川さんの妹。やまゆり園事件の犯人が発した 「障害者は不幸を作ることしかできません」 という言葉に猛烈な怒りを覚え、あゆちゃんの介護をしながら家族にカメラを向けたセルフドキュメンタリー「亜由未が教えてくれたこと」を作ることになったという。  あゆちゃんを前にした坂川さんの介護の悪戦苦闘ぶりがすごくいい。重度の身体障害者とあまりおつきあいのない私のような人間にとっては、変な話ですが、この悪戦苦闘ぶりに、なんだかちょっとほっとしたりしたのでした。  私が養護学校の教員になって、初めて接する重度の知的障害の子どもたちを相手に悪戦苦闘したときのことを思い出しました。その悪戦苦闘があったからこそ、坂川さんもあゆちゃんと、そして家族とあらためて出会えたのだと思います。この本はその記録。そして何よりもあゆちゃんがいることによる家族の幸せが見えます。  お母さんの言葉がすごくいい。 「亜由未が花だとするでしょ。私はその花を愛しているのよ。その花を守るためには、たとえば暴風雨の日にでも外に出て、倒れていないか気にかけてやらなくてはいけない。日照りが続けば遠い川から水を汲んできて、あげたりとかね。もちろん手間はかかるよ。辛い時は多少げんなりするすることがあるかも知れない。人はその姿を見て、私のことを『不幸そうだ』と思うかも知れないけどさ、それは花のせいじゃないよね。つまり亜由未のせいじゃない」 「私は亜由未に咲いていて欲しいのよ。ずっと。亜由未を咲かせるためには、何度でも遠くの川まで歩いて水をくみに行ったり、悪天候でも体を張って守ったりしたくなるの。たとえその姿が“大変でかわいそう”に見えようと、私は花を守れたらそれでいい。嵐のあとに、お日様の光に照らされて咲いている花を見ることが、無上の喜びというか、何ものにも代えがたいのよ。亜由未といっしょにいることで見えたこと、出会えたことがいっぱいある。もちろんいいことばかりじゃないけどね。辛いこと、嫌なことも人生を豊かにしてくれた。何もない平板な人生じゃなくてね。山あり谷ありで楽しかった。それを見せてくれたのは亜由未なんだよ。打ちひしがれることもあるけどさ、また花を見たら、やっぱり水をあげよう、頑張ろうって思っちゃうわけ。花を見るだけでいいの。花はそんなつもりもなく、ただ咲いている。それを見て勝手にこっちが幸せになっちゃう。必死でやる分、そこで穏やかに咲いている花を見るのが本当にうれしいんだよ」  なんて深い言葉なんだろう。障がいのある人と生きるって、こういうことなんだと思う。  ぷかぷかは「障がいのある人たちは社会を耕し、豊かにする存在」という風に言っていますが、お母さんの言葉を見ていると、あらためてそう思う。あゆちゃんに耕され、豊かになったんだと。  多分悪戦苦闘の人生だったのだと思います。でも、それ故にこそ生まれたこの豊かさ。深い言葉。そして幸せ。  共生社会を作ろう、だの、ともに生きる社会を作ろう、だのの言葉がどこか胡散臭い理由が、お母さんの言葉にふれて、あらためてわかりました。  そして「支援」という上から目線の関係が、豊かさを生まない理由もよくわかりました。 「障害者は不幸を作ることしかできません」 は、事件の犯人が日々相手にしていた重度障害者といかに薄っぺらな関係しか作っていなかったかがよくわかる言葉だとあらためて思いました。  明日からぷかぷかさんとの日々が、更に輝くような気がしました。坂川さん、いい本をありがとう!
  • 「好きになっちゃったよ」の連鎖
     NHK Eテレの取材。パン厨房の撮影と、高崎のロングインタビューがありました。  インタビューは1時間にも及ぶもので、なかなか鋭い質問に「う〜ん」と言葉に詰まってしまうこともしばしば。  「どうして彼らに惚れてしまったのですか?」  「う〜ん、彼女に惚れた理由なんて、言葉ではなかなか説明できないし…」 と、言葉に詰まってしまいました。目の前でカメラが回っているので、「う〜、困った」と思いましたが、どうしようもありません。  彼らといっしょにいると楽しい、そばにいると心が安らぐ…と色々言ってはみたものの、なんかいまいち伝え切れていない気もして、言葉が続きません。  要は 「好きになっちゃったんですよ」  もう、それしかない。だから彼らのそばにずっといっしょにいたくて、ぷかぷかを立ち上げた、という単純な話。 「好きになっちゃう」 って、そういうエネルギーを生み出すのだと思います。言葉で「あーだこーだ」言ってても、こんなエネルギーは出てきません。だから誰かを好きになるって、侮れない。  彼らのこと好きになって立ち上げたぷかぷかで、やっぱり彼らのこと好きになってしまったお客さんがたくさん現れました。「好きになっちゃったよ」の連鎖です。  もちろん、「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」「その方がトク!」というメッセージを発信し続けていましたが、そのメッセージを見て、お客さんはぷかぷかさんのことを好きになったわけではありません。どこまでもぷかぷかさんと直に接し、出会ったこと。ここが出発点です。  大きなポイントは、ぷかぷかさんたちがありのままの自分で振る舞える環境があったことだと思います。だからお客さんが彼らの魅力に気づき、出会うことができたのだと思います。彼らを管理するような環境、彼らが自分らしく振る舞えない環境なら、お客さんが彼らと出会うなんてことはあり得ません。   で、彼らの魅力ってなんなのか。  彼らと出会い、「彼らのことを、なんだか好きになっちゃったよ」って思わせてしまうものです。それは、やっぱり彼らのそばにいて「心が安らぐ」「なんだかあたたかな気持ちになれる」「楽しい!」ってことではないでしょうか。  どうもそこのところは言葉ではうまく表現できません。やはりここは、彼らと直に接してもらうしかありません。  障害者はなんとなくいや、という人は多いと思います。やまゆり園事件では「障害者は不幸を生む」という言葉が拡散し、事件そのものは否定しても、このメッセ−ジには否定しきれないものを感じた人が多かったのではないでしょうか。  「いや、そうじゃない。彼らには素敵な魅力がある」という言葉くらいで、「障害者はなんとなくいや」と思っている人たちを変えることはできません。  やっぱり彼らとどこかで直に出会う。そこにしか人が変わるチャンスはないような気がします。  ぷかぷかはそういうチャンスをいっぱい作っています。お店に来ていただいてもいいし、お弁当やパンの外販先(区役所や子育て拠点)に来ていただいてもいいし、ぷかぷかの企画するイベント(様々なワークショップ、上映会)に来ていただいてもいいと思います。  「いや〜、なんだか彼らのこと好きになっちゃったよ」 って言い出す人がたくさん出てくるといいな、と思っています。  Eテレの放送日、決まりましたらまたお知らせします。
  • ぷかぷか上映会やります。
    今年も映画を見て、やまゆり園事件を考える集まりをやります。  やまゆり園事件について考える集まりですが、ムツカシイ、しんどい話ではなく、「やっぱりいろんな人がいた方がいいね」って、みんなで前を向けるような話になればいいな、と思っています。  『いろとりどりの親子』は、いろとりどりだからこそ、そこには葛藤があり、葛藤故に、豊かなものが生まれることを映像を通して見せてくれます。葛藤の先にある、思いもよらない親子の出会いは、とてもハッピー。見ているこっちまでハッピーになりました。社会にいろんな人がいるっていいなって思いました。  事件の犯人の言う「障害者はいない方がいい」ではなく、障がいのある人たちとは「いっしょにいると心ぷかぷか」になるような関係を作っていった方がいい、と思うのです。『Secret of Pukapuka』は、それがどういった関係であるのかを語った映画です。見ている方まで「心ぷかぷか」になります。そういう関係を広げていくこと、それがやまゆり園事件を超える社会を作ることだと思います。  今回のトークイベントではゲストに尾野一矢さんに登場していただきます。かずやさんはやまゆり園事件で重傷を負った方ですが、昨年8月から施設を出て街の中で自立生活をしています。                      かずやさんは時々大声を出すので、アパートの2階の方から苦情が来ています。ただ謝るだけでは、大声の問題は解決しません。なぜなら、 「大声出すのはやめましょう」 なんていっても、かずやさんには通じないからです。悪気はないのですが、これからも大声は時々出てしまいます。結局はその大声とどう共存していくのか、共存するにはどうすればいいのか、ということです。  先日大声が外に聞こえにくいようにかずやさんの部屋の天井に防音のパネルを貼りました。窓に防音のカーテンもつけました。これで多少は改善できますが、完璧ではありません。  あとは多少声が聞こえても、 「ったくしょーがねーなー」 とブツブツ言いながらも、そこで踏みとどまれるような関係ができるかどうかです。  苦情をきっかけに2階の方と前向きのいい関係ができるといいな、と思っています。休みの日に、おいしいケーキの差し入れがあったから、とかなんとか声をかけて、一緒にお茶飲んだり、お正月には一緒に餅つきをしたり…そんな関係です。  2階の方だけでなく、地域の人たちみんなと顔なじみになって、一緒に何かおもしろいことができるような関係もつくりたいと思っています。題して「友達大作戦」。  友達大作戦はこちら www.pukapuka.or.jp  重度障がいの方の自立生活というのは、ただアパートを借りて生活する、というのではなく、地域の人たちとのさまざまな関わりの中で生活する、ということだと思います。今回、大声に対する苦情をきっかけに、地域との新しい関係が生まれます。  重度障がいの方の自立生活が、地域社会を豊かにしていく。かずやさんの周りに、なんだか素敵な物語が生まれそうです。  地域には大声を出すとか、色々おつきあいのむつかしい方はいらっしゃいます。そんな人たちともお互い地域で気持ちよく生きて行ければ、地域社会はとても豊かなものになります。かずやさんの大声問題は、どこにでもある問題なのです。  トークイベントのテーマは《あなたととなりのかずやさん》です。  そうそう、トークイベントが始まる時、ツジさんが舞台で「きみのためにSuperman」を歌うそうです。今からもうノリノリです。これはもう絶対に聞かなきゃソン!です。  「何でやまゆり園事件を考える集まりで、きみのためにSupermanなの?」なんて考える人も多いと思います。でも、これがぷかぷかなのです。これがぷかぷか流の事件の超え方です。  ツジさんの歌を聴いて、一人でもたくさんの人が心ぷかぷかになること。それが事件後の今、とても大事だと思っています。社会はそうやって少しずつ変わって行くからです。
  • 『かずやしんぶん』できました!
     『かずやしんぶん』ができました。A5版、6ページです。『ぷかぷかしんぶん』と同じサイズ、ページです。まだ印刷ができていないのですが、とりあえずこんな感じでできましたという報告です。表紙のタイトル文字、かずやさんの絵はぷかぷかさんが描きました。    表紙                          2ページ                       3ページ                                      4ページ                                  5ページ                       6ページ                  「かずやしんぶん」 いかがでしたか?ぜひ感想、お寄せください。  こんなことやったらおもしろいんじゃない、という友達大作戦に対する提案も大歓迎です。たくさんの方がこの友達大作戦に参加することに意味があります。重度障がいの方が自立生活することの意味が、たくさんの人に共有されます。一緒に闘う、とかじゃなくて、一緒に楽しむ、という感じ。一緒に楽しんでいるうちに、社会が少しずつ変わっていけばもうけもんです。  ぷかぷかも彼らとの日々を楽しんでいるうちに、周りの社会が変わってきました。えらいトクした気分。  「かずやしんぶん」をはじめとする友達大作戦が目指すのは、しんぶんの 6ページに書いているように 「時々大声出すけど、こういう人も地域にいていいよね、いた方が楽しいよね」っていう人が少しずつ増えてくれる ことです。そのためにはかずやさんの自立生活を支える人たち、応援する人たちが、かずやさんと一緒にいて、なんかいいよねって思っていることが大事です。施設を出て一番最初から介護している人は、かずやさんのそばにいると「くつろぐ」そうです。その「くつろぐ」コツを、ぜひどこかでお披露目して欲しいです。      くつろぐとこんな顔になります。これはもう、くつろがなきゃソン!        重度障がいの人って大変じゃないの、って多くの人は思っています。そんな中でかずやさんのそばにいたらくつろぐんですよ、という話は社会の偏見を思いもよらない形でひっくり返します。差別と闘ったりしなくても、くつろぎながら、楽しみながら社会を変えていけるのです。みんなが心地よく生きていける社会に。  一番いいのは、かずやさんとの楽しいおつきあいの機会を実際に作ることです。「かずやカフェ」と名付けて、定期的に楽しいお茶会をやるのもいいなと思っています。おいしいコーヒーとおいしいお菓子があれば、話が弾みます。かずやさんのそばにいて、みんなでくつろぐ。カフェ付き自立生活です。そうそう、ここで使うコーヒーカップはかずやさんが作ったものです。こんなカップで飲むコーヒーの味は格別です。               こんなおつきあいを周りに広げていくこと、そうやって地域社会を少しずつ変えていくこと、それが友達大作戦の目指すものです。  かずやさんの自立生活は、ただ単にアパートで暮らすのではなく、かずやさんがそこで暮らすことで、地域社会がこんな風にして誰にとっても暮らしやすい街に変わっていくのです。かずやさんにとっても地域の人にとっても、これはものすごいトク!なことです。   
  • 友達大作戦は、夢みたいな話を実現するプロジェクト
    「かずやしんぶん」の話です。                                          「かずやしんぶん」は地域社会を耕すしんぶんです。かずやさんの自立生活が、施設を出てアパートで暮らす、といったことだけにとどまるのではなく、地域社会を耕す、といったことにまで広がるといいなと思っています。重度障がいのかずやさんが地域で暮らすことが、そのまま地域社会を変えることになる、というわけです。そのためには地域の人たちと様々な関わりを持つ、様々なメッセージを発信する、そういったことが大事です。「かずやしんぶん」はそんな活動の一つです。  ぷかぷかは、障がいのある人たちがお店で働いている、というだけでなく、地域社会を柔らかく耕してきました。ぷかぷかは創設以来地域社会とのいろんな関係を積極的に作ってきました。ぷかぷかさんたちとの楽しいおつきあいの中で、「ぷかぷかさんが好き!」というファンがたくさん現れ、地域社会が明らかに変わってきました。障がいのある人たちを排除してしまうことの多い社会全体の雰囲気を考えれば、彼らのことが好き!という人たちが現れたことは画期的です。  障がいのある人たちは、あれができないこれができない人たちではなく、「彼らは地域社会を耕し、地域社会を豊かにする存在」というふうにぷかぷかはいいます。それは彼らのおかげで地域社会が変わってきたという実感から出てきた言葉です。  彼らが地域にいるというのは、そのことで地域社会が変わることだと思います。そういったことがかずやさんの場合もできないだろうか、と思うのです。「重度障がいの人が地域で暮らすと地域社会が変わってくる」なんて素敵じゃないですか。  夢みたいな話です。友達大作戦は、その夢みたいな話を実現するプロジェクトです。「かずやしんぶん」は、その実現のための一つの重要なツールです。  出発点は、かずやさんの大声に対する苦情にどう向き合っていくのか、というところでしたが、プロジェクトを進めているうちに、これは重度障がいの人が地域で暮らすことの意味を深く問い直すことにつながることに気がつきました。      第1号では、かずやさんがどういう人か、どうしてここで暮らしているのか、といったことを書いています。いってみれば自己紹介号です。かずやさんの家の周りにあいさつ方々配布します。一回で終わるのではなく、ぷかぷかしんぶんのように定期的に発行し、かずやさんの自立生活がリアルタイムで伝わるようにしましょう。あなたの近所にこんな人が暮らしていますよ、というメッセージです。今週はこんなおもしろいことがありました、こんな料理が気にいりました、こんなおもしろい人が訪ねてきました、今度お茶会やります、餅つきやります、といった楽しい話をたくさん載せていきましょう。  かずやさんの自立生活を伝えるホームページも立ち上げましょう。かずやしんぶんよりもはるかに詳しくかずやさんの自立生活を伝えます。写真をとって、こんなことがありました、あんなことがありました、と日々の出来事をどんどんアップしていきます。それを見るだけでかずやさんの自立生活がリアルに伝わります。              若い介護スタッフの人たちには日々の思い、気づきをホームページのブログに書いて欲しいなと思っています。かずやさんを介護することで、日々どんなことを感じているのか、どんな気づきがあったのかを書いて欲しいのです。大変なことも多いと思うのですが、それでも日々かずやさんと接していれば、大変さを超えて、楽しいこと、笑っちゃうこともたくさんあると思います。何よりも人が生きる上で教えられるものもたくさんあるのではないでしょうか。そんなことを飾ることなく、気軽に書いて欲しいと思うのです。すぐ忘れてしまうような気づきを書いて残しておくと、それは自分の財産になります。  社会の多くの人は、重度障がいの人たちのことを知りません。どんな生活をしているのかほとんど知りません。彼らの生活を介護するなんて大変だろうな、というイメージだと思います。そんな人たちに向けて、今日こんなことで笑っちゃいました、こんな楽しいことがありました、といったメッセージは、彼らを見る社会の目を確実に変えていきます。  メッセージを読むのがだんだん楽しくなって、ひょっとしたら「あ、私もやってみようかな」って思う人が出てくるかも知れません。かずやさんでおもしろい!っていうファンが現れるかも知れません。「かずやさんみたいな人、地域にはいた方がいいね」って思う人が少しずつ増えてくるかも知れません。地域社会を耕す、というのはそういうことです。  「障害者はいない方がいい」というメッセージを発信したやまゆり園事件は、こうやって地域の人たちと一緒に乗り越えていけます。  友達大作戦、これからおもしろくなります。  友達大作戦開始のキーポイントになるアイテムができ上がりました。                                                   近々大声で迷惑かけている方のところへ、「かずやしんぶん」とこのアイテムを持ってあいさつに行く予定です。もちろんかずやさんも一緒です。かずやさん、その時にまた大声出さないとも限らないので、まさにハラハラしながらの友達大作戦です。 ●●●  7月31日(土)桜木町駅前の横浜市健康福祉センターホールで「あなたととなりのかずやさん」をテーマに上映会とトークイベントをやります。社会にはいろんな人がいた方が楽しいねって思えるような映画と、そういったことを話し合うトークイベント。トークイベントでは友達大作戦の経過報告もします。友達大作戦、こんなこともやるとおもしろいよ、といったアイデアも募集します。かずやクッキーも販売します。 来なきゃソン!
  • あなたととなりのかずやさん
    先日の一矢さん、 「うるさくしないの」 と何度も大声を出しながら、コーヒーカップ作りました。   集中する目がすばらしくいいです。一矢さん、一生懸命です。      介護する人と一矢さんのすばらしい連係プレー    かずやクッキーができました。ぷかぷか焼き菓子工房が焼きました。文字と絵はぷかぷかさん。            似顔絵の下に 「いつも大声出してごめんなさい」 みたいな吹き出しを入れる予定です。文字は一矢さんが書きます。わんどに置いてあった書道の道具一式を持ち帰りました。  一矢さんの大声に対し、先日一矢さんの部屋に直接苦情が来たそうです。介護者派遣事務所の苦情の窓口に電話するだけでは何の解決にもならないので、直接文句を言いに来たようです。介護の人はひたすら謝るばかりだったようです。  一矢さんは「静かにして下さい」といっても聞いてくれる人ではないので、苦情を言いに来た人を前に、本当に困ってしまったと思います。  一矢さんはいつも「うるさくしないの」といわれるせいか、余計に「うるさくしないの」と大声で言ってしまうようです。先日の陶芸教室ではずっとその大声が出ていました。いつまた苦情が来るかわからないので連休明けに「友達大作戦」開始します。 www.pukapuka.or.jp  花の植わった植木鉢、コーヒーカップ、かずやクッキー、かずやしんぶんを持って、かずやさんと一緒に苦情の出ている家に行ってきます。まずは謝ること、向こうの言い分を謙虚に聞くこと、一矢さんのことを丁寧に説明すること、ご迷惑おかけして申し訳ないのですが、声の大きいご近所さんとしておつきあいしてもらえたらうれしい、といったことなどを話してくる予定です。  結果、どうなるかは今のところ全くわかりません。  これからも続く一矢さんの大声に 「ったくしょーがねーなー」 と聞き流してくれるようになるのか 「うるさい!」 とまた怒ってしまうか。  苦情にきちんと向き合うこと。ここからしか未来は始まりません。  ここからどういう物語が生まれるのか。未来に希望が感じられるようなものが生まれるなら、一矢さんの自立生活は社会的にものすごく意味のあるものになります。これこそが重度障がい者が地域に暮らすことの意味だと思います。  彼らの自立生活が社会を耕すことになるなんて、今まで考えたことがありませんでした。一矢さんの苦情にどう向き合っていくのか考えているうちに気がついたことです。うまくすれば彼らとはいっしょに生きていった方がいいね、って思う人が地域の中で少しずつ増えていくかも知れません。やまゆり園事件を超える社会がここから始まります。  7月31日(土)桜木町駅前の横浜市健康福祉センターホールで「2021年ぷかぷか上映会」をやります。午後「あなたととなりのかずやさん」というタイトルでトークイベントをやります。 【たとえば人よりも目立ちやすい側面があったとしても、人と自分は全く違うわけではないし、全く同じわけでもありません。すごく当たり前のことです。   なのに社会の中にいると簡単に「違う」とか「同じ」とかくくってしまいそうになることが多くあります。 それに待った!をかけて、「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話がしたくなる作品でした。】(午前中に上映する『いろとりどりの親子』という映画のレビュー)  一矢さんの自立生活を手がかりに、「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話ができたらいいな、と思っています。一矢さんの話は特別なものではありません。迷惑をかけたりかけられたりは、あなたの近所にもある話です。だからテーマは「あなたととなりのかずやさん」。  津久井やまゆり園事件から5年目になります。異質なものを排除する社会はどこまで変わったのでしょうか?  異質なものを排除する社会は、許容できる幅が狭まり、お互いが窮屈になります。違うものがたくさんある方が社会は豊かな広がりを持ちます。いろとりどりの人がいる方が、お互いの幅が広がって、人として豊かになります。なによりも社会が楽しくなります。  そんな社会はどうやったらできるのでしょう。それはたとえば一矢さんの大声とどうやったら共存できるかを考えることだと思います。それはそのまま、障がいのある人たちを暴力的に排除したやまゆり園事件を超える社会を作ることだと思います。  今まで書いた一矢さんの物語はこちら www.pukapuka.or.jp
  • こういった日々を作っていく先に、お互い生きやすい社会が実現するように思う。
    一ヶ月ほど前、聖火リレーの火をやまゆり園の事件現場で採取することが報道され、すぐに相模原市のホームページから質問状を送りました。 ●●●  聖火リレーの火を津久井やまゆり園で採取するそうですね。「共生社会の実現を目指すパラリンピックの理念に沿ってあらゆる差別をなくしていくという強い決意を世界に向けて発信したい考えです。」とNHKの報道がありました。「あらゆる差別をなくしていくという強い決意を世界に向けて発信」するそうですが、今まで差別をなくしていくためにどんなことをされましたか?これからどんなことをされますか?やまゆり園事件を超える社会を作るためにどんなことをされましたか?これからどんなことをされますか?具体的に教えて下さい。 ●●●  で、一週間ほど前、相模原市から回答が来ました。 ●●●  本市では、平成14年3月に、本市が実施すべき人権施策についての基本理念を明らかにし、主要な人権分野における具体的施策の方向性を示した「相模原市人権施策推進指針」を策定し、人権施策の総合的・体系的な推進に取り組んでまいりました。  平成31年1月には、新たな人権課題などへの対応等のため、同指針を改定し、あらゆる施策への人権尊重の理念の反映、人権教育・人権啓発の推進、人権擁護に向けた相談・支援体制の充実を基本姿勢として示すとともに、それを踏まえ主要な人権分野における具体的施策の方向性を定め、人権施策の推進に取り組んでいます。  また、障害の有無に関わらず、誰もが安全で安心して暮らすことのできる共生社会の実現に向けて、「共にささえあい、生きる社会」をキャッチフレーズに掲げ、様々な周知啓発活動を行うほか、パラスポーツの体験イベントや障害者週間のつどいの開催等に取り組んでいるところです。  今後も、津久井やまゆり園事件のような悲惨な事件が二度と起こらないよう、事件を風化させることなく、障害等の理解促進などの取組を推進してまいります。 ●●●  もっともらしいことを書いていますが、それでいて、あの悲惨極まりない事件現場からお祭り騒ぎのための聖火の火を採取するというのです。何という感覚かと思います。  事件で犠牲になった人たちの悲しみ、痛みといったものが、全くわからないのだと思います。だからこんなとんでもない企画が出てくる。  毎日新聞の報道に寄れば、この相模原市の企画を神奈川県、オリンピック組織委員会、津久井やまゆり園がそろって「了承」しているというのですから、あきれました。 mainichi.jp  これが彼らのいう「共生社会」です。人の痛み、悲しみはすべて他人事。自分が人であることを忘れています。空っぽの「共生社会」。  なんか相手をするのも時間の無駄、というか、ひたすらむなしい感じがします。  そういうことに時間を割くより〔もちろん抗議することは必要です〕、ぷかぷかさんと一緒に今日も明日もいい一日を作り続けることに力を入れる方が、ずっといい。こういった日々を作っていく先に、お互い生きやすい社会が実現するように思うから。  
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