具体的な事業を提案し、それが相模原障害者殺傷事件を超える社会を作ることにつながる
日本財団の助成金申請が先ほど終わり、ホッとしたところです。今日の23時59分が申請締め切りでしたが(ネット上で申請します)、少しゆとりを持って申請を終えることができました。 助成金申請書作りは、本当に自分が鍛えられる感じがします。事業の目的、目標、内容を限られた文字数で表現します。それを書いていく中で、自分がやろうとしていることがくっきりと見えてきます。 今回は相模原障害者殺傷事件があり、それを超える社会はどうやったらできるのか、が大きなテーマでした。抽象的な言葉ではなく、具体的な事業の提案です。目指す社会を実現していく事業です。 映画と芝居作り(演劇ワークショップ)を提案しました。 映画については先日日記に書きました。 pukapuka-pan.hatenablog.com 芝居作りについては以下のように書きました。 《目的》 相模原障害者殺傷事件の容疑者は「障害者はいない方がいい」と言い、それを支える社会全体の意思があります。効率一辺倒の社会にあって、生産性の低い障害者は社会の負担になっている、と多くの人が思っています。出生前診断で陽性の出た人の94%の人が中絶を選んでいます。障害者を排除する社会はお互い窮屈になり、貧しくなります。 そういった社会の中で「障害者はいた方がいい」というメッセージを明確に出します。言葉ではなく、そのメッセージを実感できる芝居を作ります。障がいのある人たちがいた方が豊かなものができる、と実感できる芝居です。その実感は、いろんな人がいることで豊かになる社会を作っていく出発点になります。 《目標》 ぷかぷかで働いている障がいのある人たちと、地域の人たちで一緒に演劇ワークショップ(芝居作り)をおこないます。障がいのある人たちと一緒に芝居作りをすると、ふつうの人たちだけでも芝居を作るよりも、ワークショップの場が何倍も楽しくなります。私たちとちがう感じ方、考え方から発せられる言葉、しぐさ、動きが、ワークショップを豊かなものにします。そしてそういったものを全身で感じる中、障がいのある人たちに向かって「あなたにいっしょにいて欲しい」「あなたが必要」とごく自然に思えるようになります。ワークショップで創り上げる芝居には、そういったものがすべて反映されます。 その芝居を舞台にあげます。芝居には「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい」「その方が豊かなものが生み出せる」というメッセージが様々な形でこめられることになります。そのメッセージを舞台を見に来た人たちと共有します。ネット上にもアップしますので、数え切れないくらいたくさんの人たちとメッセージを共有することになります。 「障害者はいた方がいい」とたくさんの人が思えるようになると、社会はみんなが生きやすい豊かな社会へ少しずつ変わっていきます。 《内容》 1)(計画) 2017年8月から2018年1月まで、毎月一回演劇ワークショップをおこなう。発表会前日、当日のリハーサルも入れて計8回。参加者はぷかぷかで働く障がいのある人たちと地域の人たち(大人、子ども)。場所はみどりアートパークリハーサルルーム。1月末の「表現の市場」で創り上げた芝居を発表。みどりアートパークホール。「表現の市場」は障がいのある人たちの表現活動の発表の場。ぷかぷかも含め5団体参加予定。 2)(成果測定) ワークショップでやったことは参加した人たちの気づきも含め、毎回ぷかぷかホームページ上に発表。みんなで創り上げた芝居を舞台で発表し、たくさんの人たちに見てもらう。ネット上にも発表。たくさんの人たちと成果を共有する。 3)(継続・発展性) 参加者を入れ替え、ワークショップを体験する人を増やしていく。ワークショップのテーマを発展的に変える(一期目は『森は生きている』、二期目は『みんなの《生きる》』、三期目は『セロ弾きのゴーシュ』)。 4)(連携とその効果) みどりアートパークと共催することで、公的施設に障がいのある人がいて当たり前という雰囲気になってきている。緑区役所保健福祉局と連携し、演劇ワークショップで作り出したものを横浜市内の区役所をはじめ、福祉関係者、たくさんの地域の人たちと共有する機会を作り出す。 5)(戦略的な広報) ぷかぷかのホームページ、Facebookページを中心に、地域の様々なネットワーク、福祉関係、行政関係、障がいのある人たちの親のネットワークなどを使って、情報を流していく。 抽象的な話ではなく、あくまで具体的な事業を提案し、それが相模原障害者殺傷事件を超える社会を作ることにつながる、という思いをこめて書きました。 ちなみに今やっているワークショップの発表会は来年1月29日(日)みどりアートパークホールでおこなわれる「表現の市場」の中でおこないます。先日ぷかぷかマルシェで演奏した江原さんの「レクイエム」の演奏もおこないます。いろんな機会にみんなで相模原障害者殺傷事件を思い出し、あの事件はなんだったのか、あの事件を超える社会はどうやったら作り出せるのかを考えていきたいと思うのです。