地域の人たちが、彼らとおつきあいしてみようかなって思うような
神奈川新聞「共生への道しるべ」(5月5日)はやまゆり園事件をめぐって地域社会の問題を考えるとてもいい記事でした。 https://www.kanaloco.jp/article/entry-347062.html ああ、いい記事だった、で終わったのではやまゆり園事件を生み出した社会は何も変わりません。やっぱり私達はそれでどうするのかを考えないと、と思うのです。 「『(障害者が)うるさいから、あそこの家に早く行ってくれ』と警察に通報する住民もいた。嫌がらせの電話を受けることもあった」 と記事にありましたが、悲しいですね。こういう地域社会をどうやったら変えられるのか、ということです。 ぷかぷかも創設当初、店頭でお客さんに呼びかけていた 「おいしいパン入りませんか?」 という声がうるさい!と苦情の電話が入ったり、同じところを行ったり来たりする人がいると 「メシがまずくなるからやめてくれ」 といわれたり、ま、とにかく散々でした。 それでもぷかぷかさんがいることで生まれる柔らかな空気に気がつく人がだんだん増えて、いろんな苦情は少しずつなくなっていきました。 ぷかぷか三軒長屋ができる時、 「障害者施設がアメーバのように広がっていくのは不気味だ」 などという人もいました。ぷかぷかが始まって3年経ってもそんな風にしか見えない人がいることにがっかりしました。 一方で上映会をやった時の感想に 「ぷかぷかがあることで霧ヶ丘の街の価値を上げている」 と書いてくれた人もいて(ぷかぷか9年目)、ぷかぷかの周りの地域は少しずついい方向に変わってきています。 「障がいのある人たちとは一緒に生きていったほうがいい」「そのほうがトク!」 とひたすら言い続け、そのことを肌で感じられる関係を地道に作ってきたおかげだと思います。 私たちが動けば、地域社会が変わるのです。地域社会が変われば、障がいのある人たちだけでなく、私達みんなが気持ちよく暮らせます。 だから、関係者の発信、様々な活動がすごく大事です。そこがやはり今まで足りなかったのではないかと、新聞の記事見ながら改めて思います。 地域の人たちが、彼らとおつきあいしてみようかなって思うようなメッセージの発信、イベントの企画です。それを私達自身が楽しみながらやること。楽しくないと続きません。 こういったことと、彼らとお互い 「いい1日だったね」 って言える日々を積み重ねること。それがやまゆり園事件を超える社会を作っていくのだと思います。 神奈川新聞があれだけ頑張って記事を書いてくれたのだから、地域を作っている私たちも動かないと、と思うのです。