ぷかぷか日記

障がいのある人と生きるということ

  • ぷかぷかさんのいる町
     8月4日(土)のぷかぷか上映会では、午後に上智大学新聞学科で映像を専攻している石井さんの作品「ぷかぷかさんのいる町」を上映します。     石井さんのブログ  2016年の夏、相模原で起きた障害者施設殺傷事件。19人の方が亡くなった悲惨な事件。「障害者は不幸を生むことしかできない」という犯人の供述に、驚きと哀しさの気持ちでいっぱいになった。   それは違うと自分の中で言い切るために、障害者の人たちと関わってみたいという気持ちが沸き起こった。そんな時に見つけた、朝日新聞の記事。「障害者はいた方がいい 一緒に生きるパン屋の日常」。  これは行ってみたいと思った…     そんな思いで石井さんはぷかぷかにやってきました。取材すること2ヶ月。10分ほどの作品にまとめました。  取材しながら、ぷかぷかさん達のと素敵な出会いがたくさんあったようです。それがよく見える映画です。セノーさんの仕事を通して地域とのつながり、そのことの意味も明確に語っています。セノーさんのことを楽しそうに語る近くの郵便局の局長さんの映像からはぷかぷかが地域でやってることが見えます。  自分にとって、あるいは地域社会にとって、ぷかぷかさんいるってどういうことなのか、を映画の後半であたたかく語ります。それはぷかぷかさんの日常を撮る中で見えてきたことです。「ぷかぷかさんのいる町」というタイトルには、そんな思いが込められているように思いました。あたたかさを感じるタイトルです。  そして何よりも、このタイトルを持ってくることで「障害者は不幸を生むことしかできない」という犯人の供述に、それは違うといいきったような作品になったと思います。わずか10分の映像で、それを語った石井さんに拍手!です。     あらためて思います。犯人が石井さんのような出会い(障がいのある人たちとの)をしていれば、事件は起こらなかった。だから、犯人がやまゆり園にいたことの意味は、ものすごく大きいと思います。  石井さんがもし津久井やまゆり園に取材に行ってたら、障がいのある人たちとこんな出会いはなかっただろうし、こんな作品もできなかったと思います。  図らずも、事件の核心部分が見えてくるような作品になった気がします。    事件から2年。「決して忘れない」とあちこちで聞かれた言葉も、どこへ行ってしまったんだろう、と思ってしまう今。若い学生さんがこんなすてきな映画を作ってくれたことは、大きな希望だと思います。    ぜひ見に来て下さい。若い学生さんの熱い思いにふれて下さい。      
  • 福祉を腐らせないために、私たちはどうしたらいいのか。
     「第3回ともに生きる社会を考える神奈川集会2018」に参加した小林律子さんのFacebookにすばらしい報告が載っていました。その中のやまゆり園の入所者の生活についての話   シンポジウムの最後の方で、フロアからやまゆり園の元入所者で、地域のGHに移った息子さんをもつお父さんが発言された。 「やまゆり園の事件でいろいろ報道され、語られ、論じられているけれど、あの事件で殺された人たちがやまゆり園の中でどういう生活をしていたのか、まったく報じられていない」と。  7/21のNHKスペシャルで、端なくも、やまゆり園の支援の質と移転した先のてらん広場の支援の質の違いがくっきり出ていたけれど、やまゆり園では1日2時間の活動しかなく、土日はなにもない。一日ボーと過ごすだけ。そんな生活を「亡くなった利用者さんたちはみな、園で穏やかに暮らしていた」と法人側はいうけれど、こんな生活を50年も続けていたら、誰だって生きる目的、意欲を失い、自分の意思や願いを表出することを諦めてしまう、と。    利用者さんだけでなく、スタッフもそういう環境の中でものを考えなくなります。    その人たちを「コミュニケーションがとれない」「生きていても仕方がない」人と植松容疑者は線引きして殺したわけだけれど、そこで自分たちの支援のあり方を顧みたり、望んで施設で暮らしているわけではない、家族や社会の都合でそうせざるを得ないというそれぞれの人が背負う背景、事情に一片の理解を寄せることもなく援助の仕事をしていた自分を顧みることはない。それを利用者家族から、あるいは職員間で問われることも、閉ざされた施設の中ではなかったのだろう。    そして津久井やまゆり園を運営する社会福祉法人かながわ共同会のホームページでは事件に関する検証が全くありません。 かながわ共同会 事件から1年目に再開したホームページ ごあいさつ ~ホームページ再開について~    あれだけの事件があり、元ここの職員が起こした事件にもかかわらず、この無責任さにはあきれました。  この法人は神奈川県の職員の天下り先として有名なところだそうです。だから県の検証委員会は施設に不都合なことは書かなかった、いや、「書かせなかった」のかも知れません。そして不都合な部分は法人としても検証しない。  福祉が、こういうところで腐っていきます。    福祉を腐らせないために、私たちはどうしたらいいのか。  それは何度も書いているように、 「障がいのある人たちと一緒にいい一日を作り続ける」 こと、その中から、 「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」と思える確かな「文化」を創り出すこと、 そして「それに共感する人を増やすこと」 だと思います。  障がいのある人たちを排除する「文化」に対して、彼らを排除しない「文化」を彼らと一緒に創り出すのです。その文化は、息苦しい思いをしている私たちをも救います。ぷかぷかに来るとホッとする、というお客さんが多いのは、そのことを語っています。    その「文化」がどういうものか、8月4日(土)みどりアートパークで行われるぷかぷか上映会に来ていただければわかります。  特に10時から上映される第一期演劇ワークショップの記録映画は、彼らとクリエイティブな関係で創り上げるワークショップの空間がいかに豊かな世界か、ということがストレートに伝わってきます。  徐々に見えてきたやまゆり園の世界とは正反対の世界です。  そういったものを私たちがどこまで創り上げることができるか、ということが、今、問われているのだと思います。やまゆり園のあり方を批判するだけでは前に進まないのです。    相模原障害者殺傷事件を超える社会を作る、というのは、やまゆり園の世界とは正反対の世界を私たちが作り出せるかどうか、ということだと思います。アーダコーダの議論も大切ですが、それよりも大切なのは、正反対の世界を実際に作ることだと思います。  午後に上映する「第四期演劇ワークショップの記録」「プロモーションビデオカナダ版Secret of PukaPuka」「ぷかぷかさんがいる町」はいずれも、その正反対の世界が実際にできている記録映像です。午前の映画とあわせて見ていただけると、ぷかぷかが創り出してきた世界の全貌が見えます。     チケットをぷかぷかの「アート屋わんど」に申し込んでいただくとオリジナルクリアーファイルがもらえます。045−923−0282。絶対トク!ですよ。      
  • お互い「いい一日だったね」って、笑顔で言いあえる関係をあちこちで作る
     昨日の朝日新聞夕刊コラム「素粒子」    みずからに問う。障害者への思いはどう変わったのか。社会を見つめる。障害者は暮らしやすくなったのか。やまゆり園事件から2年目の朝に。    事件は、そういう機会を作ってくれたのかとも思います。それぞれが障がいのある人との関係について「みずからに問う」機会です。  私自身は事件を「みずからに問う」つもりで、つたないブログを書いて書いて書きまくりました。書いても書いても、怒りや悲しみややりきれなさが収まらなくて、気がついたら85本ものブログを書いていました。 pukapuka-pan.xsrv.jp    犠牲になった人たちは 「何もしていない私たちが、どうして殺されなければならないの?」 と、やりきれない思いで死んでいったのだと思います。それは犯人だけではなく、この社会に生きる私たちみんなに向けられた重い問いだったと思います。  簡単に答えの出るものではありません。でも、この問いは、この社会において彼らと私たちの関係を端的に表すものとして、私たちに突きつけられた気がしています。 「生産性のないものは、じゃまだよ」 と、多くの人がなんとなく思っているこの社会。生産性がいつも評価の中心にある社会。障がいのある人たちが、生産性がない、と評価の最底辺に位置づけされる社会。そんな社会への重い問いだったと思います。    重い、しんどい問いです。  でも、理屈っぽい話ではなく。 「何もしていない私たちが、どうして殺されなければならないの?」 そう思う人を二度と出さないためにはどうしたらいいのか、というふうに考えてみれば、 〈 彼らとの楽しくてしょうがないようなステキな関係を作ることこそが大事 〉 であることが見えてきます。  お互い 「いい一日だったね」 って、笑顔で言いあえる関係。そういう関係をあちこちで作ること、それを広げていくこと、何よりも彼らとのそういう笑顔の一日を毎日毎日積み上げること、それがすごく大事なことであることにあらためて気がつきました。    8月4日(土)のぷかぷか上映会では、相模原障害者殺傷事件をテーマにしながら、ぷかぷかさんとの握手会をやります。 pukapuka-pan.hatenablog.com    「やわらかい手だね」「あたたかい手だね」 そこから始まる障がいのある人たちとのおつきあいを大事にしたいからです。  人は、やわらかい手の人、あたたかい手の人を殺したりなんかしません。そういうことを感じないところで事件は起きたのだと思います。犯人は、重い障がいのある人たちも、私たちと同じように、やわらかい手をしていること、あたたかな手をしていることを知らなかったのではないかと思いました。    彼らと人としておつきあいすること。たったそれだけのことを私たちはやりきれてなかったのではないか。そんなことを思う事件2年目でした。       
  • 生産性のない人が社会に必要な理由
      社会は男ばっかりでは気色悪いし、女ばっかりでも同じです。年寄りばかりでは元気が出ないし、若者ばかりでは経験の蓄積がありません。生産性のある人ばかりだったり、何事もスピーディにこなす人ばっかりだと、これもなんかすごく疲れる感じがします。  やっぱり社会には男がいて女がいて、年寄りも若者もいて、生産性のある人もいて、ない人もいて、スピーディに物事をこなす人もいれば、なかなかこなせない人もいる、つまり、いろんな人がいた方がいい。このいろんな人がいること、それが社会の豊かさではないかと思います。  自分とちがう人たちと、どうやったらお互い気持ちよく暮らせるのか、そのことを考えることが人を豊かにします。  ぷかぷかのある町にはインド人がたくさん住んでいます。彼らはゴミを出すマナーがなっていないとか、集会室を使うマナーがひどいとか、いろいろ文句を言う人がいます。でも、そもそも生活習慣が違う上に、言葉がわからなければ、トラブルが起こるのは当然です。ゴミ出しのルールを英語で書き、きちんと説明する、集会室を使うルールも英語で書き、きちんと説明する、といったことを実際にやる中で、ずいぶんトラブルは減りました。  地域に外国の人がいる、ということは、それだけで地域が豊かになります。ぷかぷかではインドの方をお呼びして料理教室をやろうと思っています。本物のインドカレーを作り、おいしいナンを焼いて食べます。  みんながそんなふうに、自分たちとちがう人がいることを楽しめれば、お互い気持ちよく暮らせるだけでなく、社会そのものが豊かになります。  ぷかぷかに来るとホッとする、という人が多いのは、社会に欠けてるものがぷかぷかにはあるからだと思います。あれができない、これができない、ああいう問題がある、こういう問題がある、と社会から排除されている障がいのある人たちが、ぷかぷかでは元気に、笑顔で働いています。そこに来てホッとする、というのは、排除してしまったものが、実は社会には本当は欠かせないものだった、ということではないかと思います。  ぷかぷかにあるホッとするような空気感は、社会が排除した人たちが作り出したものです。社会が排除したものに、社会が癒やされる、というこの大いなる皮肉。  今まで何度も話題にしているセノーさんの話を例に、この問題を考えてみます。  セノーさんは、働かない、を理由に作業所で居場所を失い、ぷかぷかに来ました。働かない、つまり生産性がないことを理由に、そこから排除されたのです。障がいのある人が働く作業所でありながら、生産性を第一とする社会の論理がそのまままかり通っていたようです。ですからセノーさんは、社会から排除された、といってもいいでしょう。  その社会から排除された人が今どうしているか。  セノーさんは毎日郵便局に前日の売り上げの入金に行きます。セノーさんは入金伝票にぷかぷかのはんこを押し、金額を書き込む仕事をします。はんこを押すために窓口のお姉さんにスタンプ台を借ります。セノーさんはふだんから言葉がなかなか出てこない人です。「あ〜〜〜」というばかりで、なかなか言いたい言葉が出てきません。郵便局でも「スタンプ台かして下さい」という言葉がなかなか出てこなくて、でも、窓口のお姉さん達は、言葉が出てくるのを毎日待っていてくれました。毎日待っているうちに、その待つ時間がとても楽しくなって、セノーさんが来るのを楽しみにするようになりました。「今日もおもしろかったね」「今日はこんなこと言ったよ」「今日はまだ来ないね、どうしたのかしら」と、郵便局のお姉さん達の話題になっていると局長さんが話してくれました。  セノーさんは「あ〜〜〜」といいながら、郵便局を耕していたのです。郵便局のお姉さん達の心を癒やしていたのです。  郵便局のお姉さん達と障がいのある人との素敵な出会いをセノーさんは作ってくれたのです。セノーさんと出会うことで、郵便局のお姉さん達の、人としての幅がグ〜ンと広がった気がしています。  仕事をバリバリやる人、言い換えれば、生産性の高い人が郵便局に行っても、こんなすてきな出会いは作れません。ただ入金の仕事をそつなくこなしてくるだけです。  セノーさんは入金の仕事をそつなくこなすことはできませんでした。でもそれ故に、人を豊かにする素敵な出会いを作りました。  これが、「セノーさんという仕事」です。社会から排除された生産性のない人が社会に必要な理由です。  下の写真、桜美林大学での授業の一コマ。セノーさんは「あ〜〜〜」といいながら、なかなか言葉が出てきません。学生さんたちは何を言い出すのだろうとずっと待っています。この待っている時間がお互いの関係を作る豊かな時間になります。郵便局のお姉さんたちとの素敵な関係はこうやって生まれました。
  • 「なんでもいいから 一番にな〜れ」を超える社会をぷかぷかさんと一緒に見つける
     8月18日(土)から第五期の演劇ワークショップが始まります。今期は宮澤賢治の『ほらクマ学校を卒業した三人』に取り組む予定です。ほらクマ学校を卒業した「赤い手の長い蜘蛛」と「銀色のナメクジ」それに「顔を洗ったことのないタヌキ」の三人が卒業後、どのような人生(?)を送ったのか、というお話です。  冒頭のほらクマ学校の校歌は(オペラシアターこんにゃく座による挿入歌ですが)この物語のテーマといっていいくらいです。   ♪ カメはのろまに 歩いて見せた ウサギだまされ昼寝した   早いはえらい 大きいはえらい 勝てばそれまで だまされたが悪い  なんでもいいから 一番にな〜れ なんでもいいから 一番になれ   なんでもいいから 一番にな〜れ なんでもいいから 一番になれ     今の競争社会を象徴しているような歌で、この競争故に、みんなどこかで追い詰められ、自分をすり減らし、息苦しい思いをしたりしています。(今朝の朝日新聞には自殺急増」に関する大きな記事が載っていました)  そもそもこれに乗っかれない人たちもいます。自分のペースで自分の人生を生きている人たちです。  でも社会は「生産できない人」として排除してしまいます。競争からこぼれてしまった人たちを蔑む視線は、広く社会を覆い、社会全体を息苦しいものにしています。  相模原障害者殺傷事件は、その排除がもっとも悲惨な形で起こったものだと思います。     ほらクマ学校の校歌をぷかぷかさん達が歌うと、どんな感じになるのだろうと思います。ぷかぷかさん達とは正反対の世界なので、多分違和感というか、「なんか変」という感じがあると思います。  その違和感、「なんか変」はどこから来るのか、といったところから芝居ができないかと思っています。ぷかぷかさん達と一緒に作れば、この歌を超える世界が見えてくるのではないかと思います。    第二期演劇ワークショップで『みんなの〈生きる〉』という芝居を作りました。谷川俊太郎の詩『生きる』を元に『みんなの〈生きる〉』という詩を書き、『みんなの〈生きる〉』世界を壊してしまう『むっつり大王』を考えました。社会の不満がどんどん高まってコントロール不能に陥った社会を象徴する存在です。  その『むっつり大王』をどうやってやっつけるか、が芝居の大きなテーマでした。『むっつり大王』は、実は私たちの中にある、ということがワークショップをやっていく中で見えてきました。その『むっつり大王』は「もっと働け」なんて叫んだりしていました。ほらクマ学校の校歌と同じ発想です。  「むっつり」がどうやって広がっていくかのゲームをしたとき、「むっつり」に感染しない人たちがいることがわかりました。ぷかぷかさん達のことです。  ぷかぷかさん達こそ、この「むっつり大王」を超えるものを持っていることが見えてきたのです。  芝居の中では、社会全体が「むっつり」の仮面に覆われる中で、ツジさんが一人おしゃべりをしたり、ショーへーさんが〈おひさまキラキラ〉を歌ったり、コンノさんが地域のおじさんとへんてこ会話をやったりして、なんだか楽しい雰囲気を作ります。  その楽しさの中で、「むっつり大王」は退散していく、という芝居でした。「むっつり」が支配する息苦しい社会をぷかぷかさん達が救うというお話でした。障がいのある子どものお母さんで、この芝居を見て泣いてしまったという人がいました。  ぷかぷかさん達といっしょにやったワークショップだからこそ見つけることのできた解決方法だったと思います。 pukapuka-pan.xsrv.jp    さて今回の『ほらクマ学校を卒業した三人・ぷかぷか版』でも、ぷかぷかさんと一緒にワークショップをやることで、校歌に象徴される社会を超えるものを見つけられるような気がしています。   いっしょにそれを見つけたい人募集します。芝居の経験は全く不要です。必要なのはぷかぷかさん達と一緒に、この息苦しい競争社会を超えるものを見つけたい、という思いだけです。彼らと一緒にワークショップをやると、もういろんな発見があって、あなたの人生の幅がグ〜ンと広がります。絶対にトク!です。  お子さん連れOKです。募集は10名くらい。10名になり次第締め切ります。なので、なるべく早く連絡下さい。やってみようかな、どうしようかな、と迷っている方、お問い合わせ下さい。    オペラシアターこんにゃく座の『ほらクマ学校を卒業した三人』で歌われている楽しい歌を何曲か歌います。  目くらのかげろうが蜘蛛の糸に引っかかり、食い殺されそうになったとき  「あはれやむすめちゝおやが、旅ではてたと聞いたなら、ちさいあの手に白手甲、いとし巡礼じゅんれの雨とかぜ…」 と言うセリフが出てくるのですが、これをこんにゃく座の作曲家林光さんは浄瑠璃で歌わせます。ここがすごくおもしろいので、ぜひみんなで歌いたいと思っています。    今期のワークショップは8月18日(土)、9月22日(土)、10月20日(土)、11月17日(土)、12月15日(土)、2019年1月19日(土)、1月26日(土)、発表会は1月27日(日)の表現の市場です。  時間は毎回9時15分から夕方4時まで。発表会前日と、当日は少し遅くなります。  参加費1000円とお弁当、飲み物持って来て下さい。  参加申込、問合せはpukapuka@ked.biglobe.ne.jp                045−453−8511 (ぷかぷか事務所 高崎)         
  • 自分の日々の中で小さなできることを実行する
     7月21日(土) 筑豊にある「虫の家」でぷかぷかの映画の上映会とトークセッションを行います。  いい映画だったね、いいお話だったね、で終わるのではなく、参加した人みんなが小さな新しい一歩を踏み出せるような、そんな集まりにできれば、と思っています。   上映会のあと、最近作った「相模原障害者殺傷事件を超える社会を作るための道筋のようなもの」の話をする予定です。ムズカシイ、大きな話ではありません。ぷかぷかで日々やっていることが、相模原障害者殺傷事件を超える社会に、どのようにつながっていくのか、その道筋のようなものを描いたものの話です。  ぷかぷかは特別なことをやっているわけではありません。ぷかぷかさん達とフラットな関係で、楽しい日々を作りだしているだけです。その気になれば誰にでもできることです。  優生思想云々の大きな話を持ち出されると、もう何やっていいのかわからなくなりますが、ぷかぷかが日々やっている小さなことは、誰にでもできることです。  その気になれば誰にでもできることを、あちこちでたくさん積み上げていけば、事件を超える社会を作っていくことは、夢物語ではなく、実現可能なものになります。     下記サイトのダウンロードボタンを押すと、道筋がもっと大きく見えやすくなります。 pukapuka-pan.xsrv.jp    この道筋の話を元にトークセッションをやります。どんな話になるか楽しみにしていて下さい。たくさんの「気づき」があるような、ぷかぷかオリジナルな話をします。映画のタイトルは『Secret of PukaPuka』なので、ぷかぷかのヒミツに迫るお話をします。ぷかぷかにはたくさんのファンがいます。障害のある人たちのファンを作るコツなど、ぷかぷかのヒミツに迫る話をします。これは、もう、絶対に聞かなきゃソン!な話です。  集まりの最後に、10人ずつぐらいにグループに分かれていただいて、グループごとに「気づきの共有」をやってもらおうと思います。映画とトークセッションを通して気づいたことをみんなで共有します。グループごとに共有したことを発表してもらいます。  あとはその共有したことを、参加した人それぞれが、自分の日々の中で実行するだけです。自分でできる小さなことの実行です。  気づきの共有の中に、「障害のある人たちのファンを作るコツ」が入っていて、それをあちこちで実行する人が現れたら、あちこちに障害にある人たちのファンがたくさんできます。これって、なんかすごいことだと思いませんか?  社会はね、こんなふうにして楽しいことをやりながら変えていけるのです。相模原障害者殺傷事件というとんでもなく重い事件を超える社会を作るためには、あの重さをひっくり返すだけの楽しさこそが必要だと思っています。そんな楽しい集まりにできれば、と思っています。  
  • 障がいの重い子どもとの日々が楽しい!
     以前、NHKラジオ深夜便で私が言った「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」という言葉に衝撃を受け、愛知からぷかぷかを訪ねてきた人がいました。カツタさんといいます。私といろいろ話をしたあと、パン屋で体験実習をやり、演劇ワークショップに参加し、ぷかぷかさん達といっしょに舞台に立つという大変な経験をし、大きく変わったその後の人生を話しに来てくれました。  ラジオ深夜便の言葉に出会う前は、相模原障害者殺傷事件の犯人の言葉に、否定しきれない自分がいた、自分の中にも彼らを別な世界の人として意識の外に追いやろうとしている感覚があった、と言っていました。ぷかぷかさん達との出会いを経て、今は障がいのある子どもと関わる仕事をしています。その変わりように注目したNHKが取材に来ていました。 pukapuka-pan.hatenablog.com pukapuka-pan.hatenablog.com      今、放課後デイサービスの仕事をしていて、高校生でうんこを漏らしてしまうほど障がいの重い子どもとの日々がすごく楽しい、とカツタさんは言います。障がいの重い子どもの世話はすごく大変です。でも、その子との日々が楽しい!といいます。  ほんの2年前、 「相模原障害者殺傷事件の犯人の言葉に、否定しきれない自分がいた、自分の中にも彼らを別な世界の人として意識の外に追いやろうとしている感覚が確かにあった」  と言っていた人が、 「障がいの重い子どもとの日々が楽しい!」 と言うほどに変わったのです。その変わるきっかけを作ったのがぷかぷかさん達です。  私たちがどんなに言葉を尽くしても、人をこんなふうに変えることはできません。それをぷかぷかさん達は、アーダコーダと理屈っぽいことをひとことも言わず、人をこんなふうに深いところで変えてしまったのです。そういうチカラを彼らは持っているのだと思います。それは相模原障害者殺傷事件を超える社会を作っていくチカラといっていいと思います。    事件の犯人は重い障がいのある人たちと日々おつきあいがあったにもかかわらず、「障害者はいない方がいい」とか「障害者は不幸しか生まない」「障害者は生きている意味がない」などと言い、事件を起こしました。  毎日、障がいのある人たちとどういうおつきあいをしていたのか、と思います。  カツタさんは同じように重い障がいを持った人たちとのおつきあいしながら毎日楽しくてしょうがない、といいます。  この違いは、なんなのでしょう。  結局福祉の現場で、日々、障がいのある人たちとどういうおつきあいをしているのか、ということだと思います。  下の写真はぷかぷかでやったワークショップの時の写真です。障がいのある人たちと日々こんな楽しいおつきあいをしていれば、事件は起きなかった、と思うのです。言い換えれば、犯人のいた福祉の現場で、障がいのある人たちとこんな豊かな関係を築いていなかった、ということです。犯人の言葉は、彼がいた福祉の現場の、障がいのある人たちとの関係の貧しさを象徴しています。    7月21日(土)放送のNHKスペシャルで、ぷかぷかのことがカツタさんの変わりようを通して少し紹介されます。 www6.nhk.or.jp  
  • たかが握手、されど握手。そしてそこから新しい物語を作る。
     8月3日(土)みどりアートパークホールでぷかぷかの映画の上映会を行います。一応テーマは相模原障害者殺傷事件です。上映会とトークセッションのあと、ロビーでぷかぷかさん達との握手会をやります。相模原障害者殺傷事件をテーマにしながら、何で握手会なの?ということですが、ぷかぷかさん達と握手して、 「ああ、なんてやわらかい手なんだ」 とか 「あたたかい手だね」 っていうような、出会いを一人でも多くの人にやって欲しいからです。  2年前、瀬谷であった相模原障害者殺傷事件追悼集会で昔「あおぞら市」で知り合った人が来ていました。  30年ほど前、瀬谷にある生活クラブのお店の駐車所で「あおぞら市」というのがあり、そこに養護学校の生徒たちと地域の人たちで一緒に手打ちうどんのお店を出しました。そのときに手伝いに来ていた人が容疑者の闇の部分が私にもあります、と発言していました。 《 高崎さんに声をかけられて手伝いに行ったものの、障害のある人たちにどう接していいかわからずほんとうに困りました。「ああ、うう」とかしかいえなくて、よだれを垂らしながら歩き回っている人がいて、正直気持ち悪くて、私の方へ来なければいいなと思っていました。ところがお昼になってご飯を食べるとき、たまたまテーブルがその子とお母さんが座っているテーブルしかあいてなくて、ここでやめるのも失礼かと思い、勇気をふるってそこへ座りました。そのとき、そのよだれを垂らしている子どもが私に向かって手を伸ばしてきました。ああ、困った、と思いながらも拒否するわけにもいかず、思い切って、本当に思いきってその子の手を握りました。  すると、その子の手が柔らかくて、あたたかいんですね。もう、びっくりしました。なんだ、私と同じじゃないかと思いました。この発見は私の中にあった大きなものをひっくり返した気がしました。  その子のやわらかくて、あたたかい手にふれるまで、その子をモノとしか見てなかったのです。容疑者とおんなじだと思いました。でもその子の手が、その闇から私を救い出してくれた気がしています。》  この方がおっしゃっていた 〈 「ああ、うう」とかしかいえなくて、よだれを垂らしながら歩き回っている人 〉 は私が担任していたケンタローです。私にとってはかわいくてかわいくてしょうがないほどの子どもでしたが、障がいのある人とおつきあいのない人にとっては 〈 正直気持ち悪くて、私の方へ来なければいい 〉 と思ってしまうような存在なんだろうな、と発言を聞きながら思いました。  障がいのある人たちのグループホーム建設反対を叫ぶ人たちも、多分同じなんだろうと思います。おつきあいがないから、 「彼らは犯罪を犯すんじゃないか」「だからここに来るな」「ここに住むな」 「ここに障害者はいない方がいい」と犯人の発想と同じになってしまうのだと思います。  おつきあいがないことがここまでの思い込みを生み、その単なる思い込みが、グループホーム建設をつぶすほどのチカラを持ってしまう。とても怖いことであり、悲しいことだと思います。  ぷかぷかさんとの握手は、この障がいのある人への思い込みを一挙になくす、とても有効な方法だと思います。 〈 正直気持ち悪くて、私の方へ来なければいいなと思っていた 〉 その人の思い込みを一発でひっくり返してしまったのですから。   ぷかぷかさんと握手する、というのはこういう意味があるのです。相模原障害者殺傷事件を超える社会に向けて一歩前に踏み出すきっかけをぷかぷかさんとの握手は作ってくれます。  「たかが握手、されど握手」なのです。  ここから障がいのある人たちとの素敵な物語が始まるかも知れません。一歩前に踏み出せば、あとはあなたが主人公。ここからはあなたが彼らとの新しい物語を作っていくのです。楽しい物語をたくさん作って下さい。その楽しい物語こそが、社会を豊かにします。
  • 相模原障害者殺傷事件を超えるための社会を作る道筋みたいなもの
     ぷかぷかがやっていることが、相模原障害者殺傷事件を超える社会を作ることに、どのようにつながっていくのかを考えてみました。  下記サイトの〈ダウンロードボタン〉を押して下さい。下に貼り付けた図よりもはるかに鮮明に見えます。 pukapuka-pan.xsrv.jp    ぷかぷかがやっている様々な取り組みは何を生み出しているのか。「相模原障害者殺傷事件を超える社会を作る」それは言い換えれば、「障がいのある人たちを排除しない社会」「障がいのある人もない人もお互い気持ちよく暮らせる社会」を作ることになるのですが、それにどのようにつながっていくのかの、いわば〈道筋〉みたいなものを示すことができたと思います。  まだまだ言葉が足りない部分がたくさんあります。これからもっと書き加えるものも出てきます。  それでもとりあえず今の時点での全体像みたいなものが見えてくると思います。ご意見などいただけるとうれしいです。
  • ぷかぷか上映会
      8月4日(土)みどりアートパークホールで行う「ぷかぷか上映会」のチラシができました。下記サイトにある〈ダウンロードボタン〉を押してください。下に貼り付けたチラシよりも、大きくて鮮明なチラシが出てきます。   pukapuka-pan.xsrv.jp    相模原事件を超える社会がどうやったらできるかを、映画を見たあと、ぷかぷかさん達を交えた楽しい雰囲気の中で考えたいと思います。  事件後「共生社会を目指そう」とか「共に生きる社会を目指そう」なんて言葉が飛び交いましたが、そんな言葉を口にするだけでは、社会は何も変わりません。大事なことは具体的な提案です。  「テラちゃんとFacebook友だちになろう」とか「セノーさんと一緒に寝っ転がってみよう」とか「ツジさんと一緒にカラオケに行って歌おう」とか、そんな小さな具体的な楽しい提案です。いずれも、その気になればすぐにできる提案です。Facebookのアカウント持っている方はスマホを持ってきて、テラちゃんに渡してください。すぐにFacebook友だちになれます。  そんなふうに彼らと具体的につながっていくこと、そのことこそが大事だと思います。そしてそのつながりの心地よさを友だちに伝えてください。「友だちになるといいよ」って。そうやって彼らの友だちが広がっていけば、社会はきっと変わります。    ぷかぷかを取材に来て、テラちゃんのはげしい濃厚な接客にあい、一発でぷかぷかのファンになってしまったNHK記者、朝日新聞記者にゲストで来てもらいます。テラちゃんに心奪われてしまったことと相模原障害者殺傷事件がどう関係するのか、といったこともムズカシイこと抜きにちょっと語ってもらおうかなと思っています。「ムズカシイこと抜き」ですから、みなさん、安心して聞いて下さい。  プロモーションビデオカナダ版、及び第四期演劇ワークショップの記録映画の制作をしていただいたpvプロボノの信田さんにも登場してもらい、ぷかぷかさんと一緒にカナダまで行ったお話、演劇ワークショップを記録したお話を伺います。  映画「はたらく」の監督齋藤さんにも登場してもらいます。プロモーションビデオカナダ版を見たとき、「これ、いいところばかり集めたんじゃないですか」と質問し、直後にぷかぷかにごはんを食べに来て、「ああ、そのまんまの映画ですね」と言った方です。以来ぷかぷかのファンになりました。第五期演劇ワークショップの記録映画制作を依頼しています。  スペシャルゲストのセノーさん、ツジさん、テラちゃんにも話しに加わってもらいます。話がうまくまとまるか、全く保証できないのですが…。    上智大新聞学科の石井さんの映像のタイトルは「ぷかぷかさんのいる町」です。タイトル聞いただけで、「ああ、楽しくて、ホッとする雰囲気があって、心安らぐ町なんだろうな」と思います。事件を超える社会が、この町にはあるような気がします。来週ぷかぷかで試写会やりますので、また報告しますね。    ぷかぷか上映会スペシャルイベントとして上映後、会場にいるぷかぷかさん達にロビーに並んでもらい、ぷかぷかさん達との握手会をやります。ぜひお友達になってください。サインももらえます。似顔絵師がいれば似顔絵も描いてもらえます。    
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