ぷかぷか日記

一矢さんの物語

  • マイカップから始まる自立生活はどんな一日なんだろう
    尾野一矢さんのマイカップ、ソーサー、お地蔵さんが焼き上がりました。  朝、マイカップでお茶を飲むところから一日が始まります。  自分の手で 自分の一日を作る。  それが自立生活。マイカップから始まる自立生活はどんな一日なんだろう、とちょっとわくわくします。生活にはやはりこの「わくわく」感が大事です。  お地蔵さんはどこに飾ったのでしょう。自分で作ったお地蔵さんが部屋にあるって、素敵だと思います。大きな目をしたお地蔵さんは何を思っているのでしょうね。  昨日は部屋に花を飾る一輪挿しを作りました。麺棒とたたら板を使って厚さ7ミリほどの粘土の板を作ります。麺棒を使って、たたら板の厚みに粘土の厚みを合わせていきます。一矢さん、この作業を結構楽しんでいました。  この板から、一輪挿しのベースになる部分と花を挿す部分を切り出し、粘土を溶かしたノリで貼り合わせていきます。こんな感じになります。  2週間ほどすれば焼き上がります。一矢さんの部屋に一輪の花が飾られます。部屋がぱっと明るくなります。  たまたま今朝の朝日新聞「折々の歌」に詩人田村隆一の言葉が紹介されていました。お見舞いにもらった一輪の花に 気が利いているねえ。一本というのがとてもいい。じゃまにもならずに格別にきれいだ  一矢さんの部屋に飾られる一輪の花は訪れた人からどんな言葉を引き出すのだろう。楽しみですね。
  • 自分の手の届くところで、事件を超える社会を作るにはどうしたらいいんだろう
     明日11月14日(土)、午後1時から横浜ラポールで映画を手がかりにやまゆり園事件を考える集まりをやります。  映画は第6期演劇ワークショップの記録です。障がいのある人たちといっしょに生きると、こんなにも豊かなものが生まれる、ということが一目でわかります。やっぱりいっしょに生きていった方がトクだよね、って素直に思えます。事件を超える、というのは、そう思う人を自分のまわりに増やしていくことです。  明日は事件を巡る大きな話、例えば優生思想云々とか、施設のあり方を考える、といった、私たちには手の届かない大きな話ではなく、自分の手の届くところで、事件を超える社会を作るにはどうしたらいいんだろう、といったことをみんなで考えます。  創英大学の学生さんとぷかぷかさんですごろくワークショップをやった時、こんな感想が出てきました。 「たくさんの笑顔を見ることができて、とても心があたたかくなった。」  ぷかぷかさんたちの笑顔を見て、ただそれだけでとても心があたたかくなった、というのです。  社会には「障がい者はなんとなくいや」「怖い」「そばに寄りたくない」と思っている人がたくさんいます。でもここでは、彼らの笑顔を見て心があたたかくなった、というのです。この違いは何なのでしょう。  簡単な演劇ワークショップをやった時は、絵を見ながら一緒にこんな顔やりました。          こんな楽しい顔を一緒に作るような関係をもっともっと広げていきたいと思うのです。  事件で重傷を負った尾野一矢さんが時々ぷかぷかに来て陶芸をやったりしています。                 こんな活動をして、心も晴れ晴れとしたのか、こんな優しい顔しました。  やまゆり園を出て、自立生活を始めた一矢さんに、心安らぐ時間を提供すること、そういったことも事件を超えていく大事な活動です。  マイカップが焼き上がったら、一矢さんの生活に彩りが生まれます。朝、マイカップで飲むコーヒーはどんな味なんだろう、と想像するだけで楽しくなります。  明日は一矢さん似顔絵Tシャツ着て参加します。  明日の上映会、会場の定員の三分の一くらいに人数制限していることもあり、参加される方は事前に連絡をお願いします。info@pukapuka.or.jp
  • ふつうの優しいおじさんです。
    やまゆり園を出て、自立生活を始めた尾野一矢さんが陶芸をやりに来ました。今日はご飯茶碗を作り、マイカップとソーサーに絵付けをしました。     味のあるいいお茶碗ができました。ちょっと分厚い感じなので、そのまま置いておいても、いい置きものになります。ピーナッツなんか入れてもいいなと思います。         マイカップとソーサーに絵付けもしました。         すごくいい時間を過ごしたようで、穏やかな心がそのまま顔に出ていました。一矢さん、ふつうの優しいおじさんです。 11月14日の上映会、一矢さん、似顔絵Tシャツ着て、名刺を持って参加します。名刺交換したい方、似顔絵Tシャツ着た一矢さんと一緒に写真撮りたい方、ぜひおいで下さい。  
  • 「楽しい!」と言って、こんないい顔
    やまゆり園事件で重傷を負い、この9月からやまゆり園を出て自立生活を始めた尾野一矢さんがマイカップとソーサーを作りに来ました。粘土はほとんどさわったことがない感じで、介護の人に手伝ってもらいながらなんとか形を作りました。  ウォーミングアップでお地蔵さんを作りました。 一矢さんがヘラで目をあけると、味のあるお地蔵さんができました。  マイカップを作るところは残念ながら写真が撮れなくて、気がついたら形ができあがっていました。ちょっとうまくできすぎた感じなので、次回はもう少し味のあるマイカップを目指して一矢さん自身に作ってもらおうと思っています。  このあとソーサーを作りました。マイカップやソーサーは自立生活に彩りを添えます。朝、飲むお茶がおいしくなります。  次回は自立生活に使うお皿や鉢も作ってもらおうと思っています。お皿や鉢には絵付けもします。花を飾る花瓶や一輪挿しも作ってもらう予定です。一矢さんがくつろぐ部屋に、一輪の花があると、それだけで一矢さんの自立生活がちょっと華やぎます。そういったお手伝いをぷかぷかはやります。  一矢さんの似顔絵をぷかぷかさんたちが描きました。すごく楽しい似顔絵です。 顔を少しアップにしたもの 顔を少しアップ お父さん、お母さん、一矢さん、介護の人で、絵と文字のデザインを選びました。 そうやって決まったのがこの2種類。マスコミなどの取材が多いので、2種類200枚を注文。 似顔絵Tシャツもできました。肩書き、名前も入ります。 似顔絵作者のアヤさんがTシャツの絵の説明  自立生活を応援する人たちはこれを着て街を歩くと楽しいですね。「みんなで楽しく自立生活始めようぜ」なんていいながら。  一矢さん、ぷかぷかがとっても楽しかったようで、帰りがけ、「楽しい!」と言って、こんないい顔しました。   前回来た時は緊張してか、ご飯も食べられなかったのですが、今回は陶芸をやったり、ご飯食べたり、できあがった似顔絵Tシャツ着たり、名刺を注文したり、何よりもぷかぷかの楽しい雰囲気をいっぱい感じ取って「楽しい!」って言ってくれたのだと思います。  マイカップ、ソーサーの素焼きができあがったら絵付けに来てもらう予定です。こうやって世界がどんどん広がるといいなと思います。  11月14日(土)の上映会にも来る予定です。名刺を持っていきますので、名刺交換する人はぜひおいで下さい。Tシャツも着ていきます。ひょっとしたら販売もするかも。
  • 自分の人生の物語を自分で作っていく
    昨日ぷかぷかに遊びに来た尾野一矢さんが自立生活を始めるまでの記録映像です。 www.youtube.com  昨日その一矢さんがぷかぷかに遊びに来ました。 www.pukapuka.or.jp  その時に注文した似顔絵が1枚だけですができていました。  似顔絵を描く画伯が5,6人いるので、みんなが描き終わった頃、一矢さんに来てもらって、どの似顔絵がいいか選んでもらいます。似顔絵を描いてもらうなんて多分初めてだと思いますので、一矢さん、どんな表情をするのか楽しみです。  一矢さんの選んだ似顔絵を使って名刺を作ります。Tシャツも作ります。似顔絵の入った「かんちゃんTシャツ」です。  できあがった頃、一矢さんに来てもらって、「かんちゃんTシャツ」を着て、片手にはできたての名刺を持って写真を撮ります。名刺の肩書きは「神奈川自立生活実践者第1号」。  ひょっとしたら、ここから一矢さんの人生の新しい物語が始まるかも、と思ったりしています。自立生活、というのは、いろんな人たちの介護の手を借りながらも、自分の人生の物語を自分で作っていく、ということだと思います。今まで誰かに任せっきりだった人生を、自分の手に取り戻すことだと思います。  昨日ぷかぷかに見えた時、介護の方から、テレビのリモコンを自分で操作する、といった当たり前のことが施設での生活ではなかった、という話を聞きました。大きな部屋にテレビはあるのですが、自分でリモコンを操作し、好きな番組を見る、といったことはありません。ただぼんやりテレビの方を見てる、という感じ。  でも、今、自立生活が始まり、自分でリモコンを操作し、大好きな「笑点」を見て笑っているそうです。好きな番組を自分で選び、それを見てけらけら笑う。たったそれだけのことですが、一矢さんにとっては人生が変わるほどの大きな大きな出来事です。  これからは自分の人生の物語を自分で作っていきます。一矢さんはどんな物語を作っていくのだろう。ぷかぷかもそのお手伝いができれば、と思っています。
  • 尾野一矢さんが遊びに来ました。
     やまゆり園事件で重傷を負った小野一矢さん、8月から自立生活を始め、今日ぷかぷかに遊びに来ました。初めての場所で、かなり緊張している様子でした。  アート屋わんどで紙と色鉛筆を用意し、 「よかったらどうぞ絵を描いて下さい」 と誘ったのですが、全く乗ってきません。困ったなと思っていたのですが、ぷかぷかの雰囲気の中で少しずつ気持ちがほぐれてきたのか、自分からまわりの人たちと「一本橋こちょこちょ」をやり出しました。これをやる時は機嫌のいい時だそうです。介護の人やぷかぷかさんだけでなく、取材に来ていたNHKのカメラマンともやっていました。  お昼、ぷかぷかさんのお昼ご飯で、突然大きな声を上げ始めました。「せりがやなんとか」って言ってて、芹が谷帰りたくない、そこの仕事したくない、と言ってるのだと思います、と介護の人。よほど悪い思い出があるのだろうと思いました。それが何かの拍子でわ〜っと吹き出してくる感じでした。顔もかきむしっていました。  お昼ご飯はなぜか全く食べず、パン屋でカレーパン、コロッケパンを買って食べました。  暖かな日差しの中、ぷかぷかのまったりした時間を過ごしました。普段なかなか経験できないいい時間だったと思います。日中活動をする場所を決めていないので、毎日どこに行くか決めるのが大変だそうです。  ぷかぷかで毎日働くことは難しいですが、このまったりした雰囲気に浸りに週一回でも遊びに来てくれればと思います。管理されないぷかぷかの心地よい世界に浸ることで、大声を出すほどに傷ついている心が少しずつ回復するといいなと思います。「楽しかった人?」って聞くと「は〜い」と手を上げていたので、多分また来るのではないかと思います。  帰りがけ、わんどで写真を撮り、似顔絵名刺を注文しました。一矢さんはやまゆり園での生活のあと、自立生活を始めたというので、いろいろ取材が入ります。そんなときに渡す名刺です。肩書きは「神奈川自立生活実践者第1号」。なんだかカッコいい!  似顔絵の入るTシャツも注文しました。取材に来た記者に名刺を渡し、似顔絵の入ったTシャツを着て対応します。
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