ぷかぷか日記

アートで企業とコラボ

  • みんなが幸せな気持ちになれるこれは企画です。
     ぷかぷかのアートを印刷業界に紹介したい、と神奈川県印刷工業組合の理事長の江森さん、常務理事・経営革新マーケティング委員長の荒井さんが見えました。 江森さん 荒井さん    神奈川県印刷工業組合のホームページにある平成30年度事業計画案の概要を見てちょっとびっくりしました。印刷業界は、ただ印刷の仕事をするのではなく、すべての人を幸せにする産業なのです、と書いてありました。    ●●●  東日本大震災は、東北地方沿岸に甚大な被害をもたらしましたが、 週が明けるや食料品メーカーや衣料品メーカーからは矢継ぎ早に支援の表明があり、被災者の命をつなぐための多くの物資が届けられました。 私たちもその支援の輪に加わりたいと心から思ったはずですが、私たちの作る印刷物は被災地ではガレキの一部でしかありませんでした。 自分たちの仕事の意義を見失いかけ、私たちはすっかり自信をなくしてしまったのではなかったでしょうか。  しかし、震災から1ヶ月が過ぎる頃から状況が変わり始めました。 被災地から届く支援物資の要請が、生きるために必要な衣食住に関わるものから、子供が勉強するためのノートや鉛筆、避難所でのストレスを癒すための書籍など、「文化」に関するものへとシフトが始まったのです。 私たちの仲間は、待ってましたとばかりに、業界に声をかけ、残紙を使って「おえかきちょう」を作り被災地に贈るプロジェクトを立ち上げたり、それぞれの場所で自分たちができることを見つけて活動を拡げ始め、多くの印刷会社の善意は東北東海岸に届けられました。 そのような活動を通じて、子供たちをはじめとするたくさんの人々の笑顔に出会ったとき、私たちは自分たちの仕事の本当の意義をはっきりと理解する 機会を得たのだと思います。人は衣食住が足りるだけでは生きていけないのです。 私たちの仕事はただちに生命に関わるようなものではありませんが、人が生きて行くうえで欠かせない「心の栄養」を人々に与え、すべての人を幸せにする産業なのです。  古くは百万塔陀羅尼経の時代から、近代にあってはグーテンベルグの時代から、私たち印刷産業は人々の文化的な活動や、ショッピングやグルメなどの消費行動による生活の質の向上を通じて、世界中の人たちの「幸せな人生」に貢献してきました。 そして同時に印刷産業で働く人たちにも、労働を通してたくさんの幸せを提供してきたのです。現代においてもその使命はまったく変わってはいません。  時代とともに科学技術は発達し、人々の生活様式はどんどん変化します。しかしどんなに時代が進もうとも、人間が人間である限り、私たちは「幸せ」になるために生き続けます。 そんなひとり一人の「幸せ」を紡ぐ産業として、印刷産業はその関わる人すべてが幸せになる産業を目指すべきなのではないでしょうか。   ●●●    私たちの仕事はただちに生命に関わるようなものではありませんが、人が生きて行くうえで欠かせない「心の栄養」を人々に与え、すべての人を幸せにする産業なのです。    どんなに時代が進もうとも、人間が人間である限り、私たちは「幸せ」になるために生き続けます。 そんなひとり一人の「幸せ」を紡ぐ産業として、印刷産業はその関わる人すべてが幸せになる産業を目指すべきなのではないでしょうか。     なんかすごい業界だなと思いました。会社というのは、ただもうけを追うのではなく、本来こういう、人を幸せにする、という大きな目的があったのだと思います。そういうことを思い出させてくれました。  そういったことの上で、ぷかぷかのアートを印刷業界で使いたい、といってきたのです。    ぷかぷかさんのアートは人の心をほっこりあたたかいもので満たしてくれます。ちょっと幸せな気持ちになります。  人を幸せにする、というところで、印刷業界が目指すものとぴったり合うのです。  ぷかぷかさんのアートを見る人も、それを提供した印刷屋さんも、そしてぷかぷかさん達も、みんなが幸せな気持ちになれるこれは企画です。    一つ一つ見ていくと、思わず心がキュンとなります。疲れた心を癒やしてくれます。ぷかぷかさんのアートが、印刷業界を通して社会に広がって行くと、社会はちょっとゆるやかに、豊かになる気がします。  障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ、という言葉のメッセージは、障がいのある人たちとおつきあいのない人にはなかなか伝わりにくい感じがします。でも、アート作品は、ちょっと見ただけで心がキュン!となって、受け入れてくれます。障がいのある人のことを全く知らなくても、「いいね」と受け入れてくれます。  障がいのある人たちとの、これはひとつの出会いだろうと思います。前向きの、とてもいい出会いです。自分の心を癒やしてくれた絵を描いた人はどんな人だろう、こんな絵を描く人は社会にいた方がいいね、というふうになっていくといいなと思います。  中には絵の作家さんに会いに来る人もいるかも知れません。ぷかぷかにやって来れば、絵を描くだけではなく、いろんな仕事をしているぷかぷかさん達に出会います。訪ねてきた人に中にある障害者のイメージが、ひょっとしたらひっくり返るかも知れません。  相模原障害者殺傷事件の犯人は「障害者はいない方がいい」と言いましたが、ぷかぷかさんのアートに出会った人は「こういう絵を描く人は社会にいた方がいいよね」ってきっと思います。犯人の言った「障害者は不幸しか生まない」という言葉も、ぷかぷかさんの絵に出会って、ほっこりあたたかな気持ちになった人は、あの言葉はおかしいよね、って思います。ぷかぷかさんのアートは事件の犯人の発したメッセージが間違っていることを言葉を使わずに教えてくれます。     今後は業界の人たちにぷかぷかさんの絵を紹介するシステムを具体的に作っていくそうです。絵がどんな風に広がっていくのか、すごく楽しみです。    思えば8年前、カフェを構えたときから壁にぷかぷかさん達の絵を飾り、いつかこの絵たちが社会に広がってくれたらいいな、と思っていました。そうやってぷかぷかのメッセージを広げたかったのです。こんな絵を描く人たちとは一緒に生きていった方がいいよ、って。  ただその頃は、その絵をどうやって社会に広げていったらいいのか、なかなか手がかりがつかめませんでした。藤が丘駅前のマザーズという大きな自然食品のお店の壁に飾る案が浮上したこともあります。実際に下見をし、絵を掛けてみたり、お店の人とも打ち合わせをやりました。でも結局いろんなことがあって実現できませんでした。  2年前、プロボノ活動をやっているサービスグラントに依頼することを思いつき、ぷかぷかさんのアートを企業の売り込む営業資料を1年かけて作ってもらいました。その資料のプレゼンの中で、太陽住建の人たちと知り合い、その太陽住建の方が、今回見えた協進印刷の社長江森さんを紹介してくれました。その後江森さんは神奈川県印刷工業組合の理事長になり、今回の企画が実現することになりました。  人のつながりのありがたさをしみじみ感じました。それとぷかぷかさんの絵を社会に広げたいとしつこく思い続けたことが大きかったと思います。  障がいのある人たちのアート展が、最近あちこちで開かれています。たくさんの人が障がいのある人たちのアートを知る機会を作る、という意味ではいい試みだとは思います。でも、そのことで社会が変わるわけではありません。障がいのある人の社会的生きにくさは、相変わらず変わらないのです。  やっぱり私たちから社会に直接出て行かないと社会は変わりません。企業にアートを売り込む営業資料は、その手がかりをつかむものでした。今回その営業資料がきっかけで、神奈川県印刷工業組合という大きな力ある団体が反応してくれました。150社くらい加盟しているそうです。  私たちが社会に直接出て行くこと、そのことによって、社会はいい方向に少しずつ変わっていくのだと思います。  
  • え?これ障がいのある人が描いたの?
     ミヨッシーのアート作品が、今、銀座のArt Mallで展示・販売されています。本日から8月末までです。ぜひお出かけ下さい。 www.artmall.tokyo      障がいのある人たちのアート展ではなくて、プロの作家さんの作品に混じって展示されてるなんて、すごいなと思います。こういうところでも十分勝負できる作品なんだと思います。  こういうところに来る人は、障がいのある人の作品があるとは思っていません。純粋に作品だけを見てくれます。  「これめっちゃおもしろいじゃん!」「え?これ障がいのある人が描いたの?」「障がいのある人って、こんなおもしろい作品作るんだ」 と、作品を通して障がいのある人たちに出会ってくれます。  彼らは、私たちが逆立ちしても追いつかないような発想で絵を描きます。そんな発想にアートを通して出会うとき、彼らとの関係はどこまでもフラットです。そういう関係は社会を豊かにします。  彼らのアートがもっともっと社会に行ってくれたら、社会はもっと楽しく、もっと豊かになります。銀座のArt Mallに行けば、そのことが容易に想像できます。ぜひお出かけ下さい。    「障害者はいない方がいい」「障害者が不幸しか生まない」「障害者は生きている意味がない」などといった言葉が如何に狭い世界から生まれた言葉か、画廊に飾られたミヨッシーの作品を見ているとわかります。    
  • ぷかぷかさんの絵はそのまま使えそうですね
     「ぷかぷかとアートでコラボ」の集まりに行ってきました。10社くらい集まっていただき、ぷかぷかのアートを使うことの意味などをお話ししてきました。    企業とのコラボは1+1=5になるような価値を生み出すこと。それをどう伝えるかが大きな勝負所でした。たまたま何かに使おうと思って持って行っていた大きなクジラの絵が目に入り、それを使ってお話ししました。    この絵はぷかぷかさんと地域の子ども達、大人たちがアートのワークショップで描いたものです。  この大きな絵は完成までどれくらいかかったと思いますか?という質問をしました。3ヶ月くらい、3日くらい、といった意見が出ました。    正解は1時間です。小さなマス目に自由に絵を描くところから始まりました。ぷかぷかさんも子ども達もどんどん描いていきます。みるみるマス目が埋まり、こんなすごい絵になりました。これがワークショップという場の持つエネルギーです。  大人はこういうとき、なかなか筆が進みません。自由に描いていいといわれたものの、何を描いていいかわからなくなります。自分の不自由さに気がつきます。それに引きかえ、ぷかぷかさんと子ども達のなんと自由なことか。  こういう気づきがとても大事です。  自分よりできないと思っていた障がいのある人たちがどんどん描いていきます。彼らに注いでいた《上から目線》が見事にひっくり返されます。いわゆる《健常者》と《障害者》の関係がひっくり返ることになります。これは大変なことです。「障害者は社会にお荷物」であるとか「社会の負担」といった、多くの人が思っていることがひっくり返ります。  あれができない、これができないと思っていた障がいのある人たちが、実は私たちよりも自由で、表現力豊かであることに気がつくこと、それは私たちの中の人間のイメージを大きく塗り替えます。人間が豊かになります。  ぷかぷかとアートでコラボすることは、ただ商品が売れる、といったことに終わるのではなく、こうやって1+1=5になるような価値を生み出すのです。    自動販売機を作っている会社の方が参加されていて、最近子どもの絵を販売機のデザインに採用したそうです。ただそのときは最終仕上げにプロのデザイナーに入ってもらったそうですが、ぷかぷかさんの絵はそのまま使えそうですね、とおっしゃっていました。その会社とうまくコラボができれば、と思っています。          
  • 自由自在な心のあり方も忘れてしまっている気がします。
     明日いよいよ営業資料を使ってぷかぷかのアートを企業に売り込むプレゼンをやります。演劇ワークショップのように1+1=5になるような新しい価値が生み出せたら、と思っています。    今日川崎であったデフパペットシアターひとみの公演『河の童(かわのわっぱ)』を見に行ったのですが、その時にもらったパンフレットに振り付けをやった向雲太郎さんという方がこんなことを書いていました。  《 私たちは生まれた物心がついた頃からしつけや教育によって、だんだんと動きが制御できるようになってきます。他人に迷惑をかけないように行儀よくし、社会的な生活が送れるように、身振り手振りをコントロールできるようになります。しかしそれは言い換えると、他人の目という制約によって「自由自在な体のあり方を殺して忘れてしまうのだ」とも言えます。忘れ去られ、葬られてしまった、豊穣で怪しい身振り手振りたち。しかしもともと生まれながらに持っていた、わけのわからなさは、今も私たちの体の中にしまわれて、記憶の中に深くきざまれているのです。さあ、はるか大昔から連綿と続く、豊穣で怪しい身振り手振りを探しに、みんなで河童の世界へと旅に出ましょう。》    私たちは今、「自由自在な体のあり方を殺して忘れてしまう」だけでなく、自由自在な心のあり方も忘れてしまっている気がします。  私は彼らと出会って何がよかったかというと、“規範”に縛られない彼らのおかげで、この自由自在な心のあり方を思い出したことです。こんなことやっていいんだ、あんなこともやっていいんだ、もっと自由に生きていい、と気づかせてくれたのです。彼らのおかげでどんどん自由になって、人生の幅がグ〜ンと広がりました。何よりも人生が両手をば〜っと広げるくらい楽しくなりました。    こんな猫がいてもいい。    こんな犬がいてもいい。   こんな像がいてもいい     ぷかぷかさんのアートが企業の力で社会に広がると、みんなが自分の体の中で眠っていた自由な心とからだを思い出します。  1+1=5になるのです。   pukapuka-pan.hatenablog.com
  • ただアートを売り込むことで終わらない、豊かなコラボ
     2月26日(月) 企業とアートでコラボするための集まりがあります。  そもそもの発端は演劇ワークショップを運営するためのお金がないことです。演劇ワークショップは6ヶ月もかけて芝居を作るので、講師料、会場費などで、200万円を超える費用がかかります。今まではなんとかあちこちの助成金でまかなったのですが、今年は助成金が100万円しかなく、100万円を少し超える赤字です。貧乏なぷかぷかにとって100万円はとても大きなお金です。  演劇ワークショップは収益を生む事業ではありません。でも、障がいのある人たちと一緒に生きる理由がひと目でわかるような舞台ができるので、ぷかぷかとしては何とか費用を工面して続けたいと思っています。そこで思いついたのがぷかぷかさんたちの味のあるアートを企業に売り込み、それで上がってくる収益を、非収益事業の演劇ワークショップの運営に使おうというアイデアです。    企業とどういう風なコラボができるかは、26日にプレゼンをやってみないとなんともわかりません。昨日ぷかぷかに見学に来られた太陽住建の会長河原英信さんはFacebookに「一緒にいるといい時間が流れ、生命の洗濯をしている感じでした。」と書かれていましたが、そういうことで繋がれるコラボができたら、と思っています。  サービスグラントの人たちに営業資料を作っていただいたのですが、最後の納品の時、ぷかぷかのファンになっちゃいました、とおっしゃってましたが、そんなつながりがベースにあって、その上でアートをどんなふうに使えるかの話し合いができたらいいなと思っています。  ただアートを売り込むことで終わらない、豊かなコラボです。 pukapuka-pan.hatenablog.com
  • ぷかぷかとアートでコラボ
     12月にぷかぷかのアートを売り込む営業資料を持ってテストマーケティングに行った太陽住建さんの社長河原勇輝さんが先日見学に来られました。ちょうど33才の誕生日だったので、お菓子と似顔絵をプレゼントしました。  グリーンバードという街の掃除をするNPO法人の横浜南チームのリーダーをやっていて、月4回、土曜日に地域の人たちと一緒に掃除をやっているそうです。掃除をすることで地域でたくさんのつながりができ、それが仕事も含め、思ってもみない新しい価値を生んでいるとエネルギッシュに話していました。とにかく元気な方です。  アートを企業に売り込む営業資料の話をし、河原さんの知り合いの社会貢献に熱心な会社を紹介して欲しいとお願いしました。いろいろ話をしているうちに、太陽住建さんが運営しているコミュニティスペースでぷかぷかの映画の上映会をやることになり、そこに社会貢献に熱心な会社を集めてもらい、一気に宣伝することになりました。2月26日(月)午後6時半から井土ヶ谷アーバンデザインセンター。 www.facebook.com    いくつかの会社を前に、サービスグラントに作っていただいた資料を使って、アートを売り込むためのプレゼンをします。9ヶ月もかけて作っていただいた営業資料が、いよいよ活動を開始します。 pukapuka-pan.hatenablog.com    ぷかぷかのアートは、すごく楽しいです。人の心をほっこりあたたかくします。ぷかぷかのアートが街に広がると、街が楽しくなります。街がほっこりあたたかくなります。    「こんな楽しい作品、誰が作ったんだろう」とたどっていくと、障がいのある人にたどり着きます。ステキな作品の「作家」さんが、実は障がいのある人だった、という思いもよらない出会い。その出会いは人を豊かにし、社会を豊かにします。  そんな出会いを企業の力を借りてたくさん作りたいと思っています。ぷかぷかのアートを使って、いっしょに社会を豊かにしていきませんか。    あの忌まわしい相模原障害者殺傷事件の犯人は、「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」などと言いました。  ぷかぷかのアートを街に広げ、街を豊かにすることで「障がいのある人が街にいた方がいい」「障がいのある人はみんなにほっこりあたたかな幸福感をプレゼントしてくれる」といった思いを街の人たちと共有したいと思っています。そうやって相模原障害者殺傷事件を超える社会をみんなで作っていきたいと思います。   
  • 営業資料を作ることで、深い人生を生き始めた私
     ぷかぷかのアートを売り込む営業資料ができあがりました。作ったのはサービスグラントというプロボノ活動をやっている人たちです。自分の仕事をやりながら、空いてる時間を使って9ヶ月もかけてぷかぷかのために営業資料を作ってくれました。全くのボランティア活動です。  4月に今回の企画についての思いを書いています。 pukapuka-pan.hatenablog.com    「ぷかぷかの魅力・価値と課題を、外部目線で振り返り、再認識することが必要」と、サービスグラントの2次審査のヒアリングを受けた際いわれました。それを実際にやったのが今回のプロジェクトチームの活動でした。今回できあがった営業資料は、その外部目線による評価の結集です。  ただ評価する人が、プロジェクトチーム6名のうち5名は今まで障がいのある人にかかわったことがなく、「障がいのある人とはいっしょに生きていった方がトク」なんていわれても、何のことかよくわからなかったようでした。そんな状態からスタートしたので、最初は本当に大変だったと思います。ブログをいくら読んでも、障がいのある人とのおつきあいの経験がなければ、文字の上で共感できても、感覚的にはなかなか納得できなかったのではないかと思います。  それでも、スタッフや関係者からヒアリングしたり、パン教室やアートワークショップ、演劇ワークショップに参加する中で、ぷかぷかさんと出会い、ぷかぷかの魅力がだんだんわかってきたようでした。そして昨日いただいたみなさんの「感じたコト、考えたコト」   の最後には  「ぷかぷかのbig fan!プロボノチームメンバーより」 とありました。  「ぷかぷかのbig fan!」 みなさんの熱い思いが、ワ〜ッとあふれ出たみたいで、この言葉にはちょっと涙がこぼれそうでしたね。全くおつきあいのなかった人たちが、わずか9ヶ月で「ぷかぷかのbig fan!」と自ら言うくらいになったのです。この変わりようがすごいなと思います。      「感じたコト、考えたコト」の中に、こんな文章がありました。 ●●●  1年前の今頃の私は、声に出していえるような目標もなく、仕事に追われる日々を過ごす、そんな毎日を送っていたように思います。耳にするニュースに対しては、立ち止まって考えることはなく、他人事で、日々、つきることのない話題を聞き流していました。  福祉イベントがあること、障がい者の方も地域でいっしょに暮らしていること、相模原事件のこと、もちろん知っていました。しかし、そのことに自らふれて、考えて、何か行動を起こすことは今までありませんでした。  初めて私がぷかぷかさんに出会ったのはパン教室です。パンやお料理を作って食べて、歌を歌って遊んで、純粋に楽しい時間でした。しかし、帰り際、私は「正しい接し方」ができていただろうか、と考えていました。久しぶりに障がいのある方を目の前にして、戸惑っていたのです。どう接すればよいのか、そもそも接し方の正解なんてあるのだろうか…。  翌月にはアートのワークショップに参加しました。そこで不思議な体験をします。「自由に描いて下さい」と言われ、渡された筆は、全く動かなかったのです。自分が何を描いていいのかわからず、困惑している私の横で、ぷかぷかさんや子ども達は“自由に”楽しげに筆を滑らせていました。「自由」とはなんだろうと考えた一日でした。  その後、ヒアリングや打ち合わせを重ねましたが、初めに感じた疑問の答えはまだ見つかっていません。「豊かな地域社会」とは何かを、うまく言葉にすることもまだむつかしいです。  ただ、この7ヶ月の活動を通じて「疑問を持つこと」「考える」ことから始まるということに気づかされました。地域で起こっていることやニュースになっていることは、他人事なんかではなく、自分が暮らしている社会そのものです。自ら関心を持ち、まわりの人を巻き込んで考えていく、それが豊かな社会を作る一歩目だと思っています… ●●●  すごいですね。「1年前の私」に比べると、はるかに「深い人生を生き始めた私」が見えます。なんか感動してしまいました。こういう変わりようがあるから、みんなプロボノ活動をするのですね。  ぷかぷかの営業資料を作る仕事は、ぷかぷかさんの魅力、ぷかぷかさんと一緒に生きていくことの意味を、どうやって相手に伝えるかを考える仕事でした。それを考えることは、結果的にはこの社会の中で自分はどう生きるのかを問い直す仕事であり、何よりも自分を耕す仕事だったと思います。 《 地域で起こっていることやニュースになっていることは、他人事なんかではなく、自分が暮らしている社会そのものです。自ら関心を持ち、まわりの人を巻き込んで考えていく、それが豊かな社会を作る一歩目だと思っています…》 という言葉は、本当に宝物にしたいくらいすばらしい気づきであったと思います。こういう気づきが出てきたことが、営業資料ができあがったこと以上に、価値のあることだったと思います。    みなさん、本当にありがとう!    今回できあがった営業資料は、プロジェクトチーム6名のたくさんの熱い気づきから生まれました。   全部で26ページあるのですが、そのはじまりのページを紹介します。    近々これを持って企業に営業に出かけます。ぷかぷかさんたちといっしょに生きる、ゆるやかで、豊かな社会目指して。      
  • リズムのある言葉で、ぷかぷかが生みだしているものを端的に表現
     ぷかぷかのアートを企業に売り込むことを考えています。うまくいけば企業の力でぷかぷかのほっこりしたアートが社会に広がっていきます。ホッとする雰囲気が広がり、社会が耕され、豊かになります。おまけに企業がアートを買ってくれれば収益が上がり、そのお金で、非収益事業だけれども、とても大切な事業である演劇ワークショップの運営が楽になります(演劇ワークショップには講師料、会場費、舞台製作費など大変なお金がかかります)。  そんな夢のような計画が、サービスグラントの人たちによって、具体的に前に進んでいます。    先日、サービスグラントの中間報告がありました。ぷかぷかの関係者のヒアリングをまとめたあと、企業のヒアリングをし、それをまとめた中間報告でした。   ヒアリングをした企業からはなかなか厳しいことも言われたようですが、こんなうれしいことを言ってくれた企業もあったようです。    ぷかぷかのアートを売り込める可能性を見た気がしました。    企業のヒアリングを元に作った「営業提案書」がすばらしい仕上がりでした。  「共感」し「応援したい」と思ってもらうための「共感メッセージ」を伝え、「一緒に地域社会を豊かにしたい」という思いを共有するところを入り口にする、という作戦がすばらしいですね。企業に対する営業に、「一緒に地域社会を豊かにしたい」という提案もあったんだ、と目からうろこでした。  ぷかぷかとおつきあいすることが「社員にプラスになりそう」と思わせる作戦もうまいなぁ、と思いました。社員にプラスになる、ということは社員が豊かになる、ということです。そういうことこそ今の企業には必要な気がします。  そしてうまくお店に来てもらい、「理解」「共感」を得る。その先に「交流」「提携」「協働」の相談があるといいます。      《はじめに》と題したページには    地域と共に生きる企業や、店舗のみなさま。    おとなもこどもも、障がいのある人もない人も  みんなが気持ちよく暮らしていける    そんなやさしく豊かな地域社会を  私たち「ぷかぷか」と一緒に作りませんか?     と、短い言葉が並び、相手の懐に飛び込みます。 何かを売り込むのではなく、「一緒に作りませんか?」という提案がいいですね。   ここでぷかぷかの目指す社会的成果を述べます。  ぷかぷかがやってきたこと、やっていること、やろうとしていることを、実にうまくまとめています。  「一緒に出会う場」「一緒に生きる場」「一緒に働く場」「一緒につくる場」とリズムのある言葉で、ぷかぷかが生みだしているものを端的に表現しています。うまいなぁ、と拍手したいくらいです。  この言葉は、障がいのある人たちとどういう関係にあるのかが、いっぺんに見えてきます。そしてそういう関係にあるから、地域社会を豊かにしたり、新しい文化を生み出したりします。それを企業と一緒にやろう!と。  なんかね、ウキウキしながら営業に行けそうです。     次のページでは「地域社会を豊かにする」とはどういうことか、それを次に具体的に語っています。企業に売り込むためには、その具体性が大切なのだと思います。  ヒアリングで拾い上げた言葉から、「豊かにする」ことの意味を具体的に伝えようとしています。ヒアリングがこういうところで生きるとは思ってもみませんでした。アンテナの張り方がちがうんだと思いました。      文化については  ここは、メッセージが今までに比べ、少し弱い気がしました。これはぷかぷか自身の問題で、文化についての発信が 弱いのだと思います。  ぷかぷかが創り出している文化は、要するに障がいのある人たちを排除しない文化です。生産性、効率などが優先される社会にあって、そういった物差しでは測れない新しい価値、文化をぷかぷかは障がいのある人たちと一緒に作り出しています。  障がいのある人たちと一緒に生きていった方がいい、というのは、新しい生き方の提案です。そしてその生き方から生まれるのが、生産性、効率を優先する文化に対する新しい文化だと思います。  その文化は自分が人間であることを思い出させてくれます。私が私らしくいられる文化です。  障がいのある人たちは社会にあわせることを求められていますが、ぷかぷかは社会を彼らに合わせた方が、社会そのものがゆるやかになり、お互いが生きやすくなると考えています。そういう新しい文化に企業が共感してくれるかどうかだと思います。  演劇ワークショップやアートのワークショップでは、彼らとフェアに向き合う関係だからこそ、そこから新しい文化と呼べるものを作り出しています。彼らとは一緒に生きていった方がいい、と新しい生き方を提案する文化です。それは社会を豊かにする文化です。  そんな文化に企業が共感してくれるかどうか、あるいは、そういう文化を企業と一緒に創り出せるかどうか、が問われます。         
  • 社会における「ぷかぷかの価値」
     今朝の朝日新聞の読書欄に「築地市場の価値」と題して築地市場について大きくページを割いて書いていました。その中で「築地市場は単なる市場であることを超えて、世界にも希有な生きた食文化博物館にして、いまや世界中から注目を集めている…」というところが、すごいと思いました。「豊洲市場への移転によって、東京は自分の中の重要な経済的文化的機構の一つを、永遠に失うことになる。日本人は築地市場のような価値ある場所を失ってなならない」と結んでいました。    ぷかぷかも単なる福祉事業所であることを超えて、福祉の枠にもう収まらないほどの「新しい価値」を創り出している気がします。  先日の上映会では朝日新聞、毎日新聞、神奈川新聞、それにNHKが取材にきていました、単なる福祉事業所の映画であれば、こんなに取材はきません。  毎日新聞は一面使ってぷかぷかのことを書くそうで、度々取材にきています。先日は一日メンバーさんと一緒に働く体験取材をしていました。    今週はサービスグラントのキックオフミーティングを取材します。 サービスグラントについては下記サイト。 www.servicegrant.or.jp    サービスグラントには企業にアートを売り込む営業資料を作ってもらいます。6ヶ月かけてパワーポイントで20ページ分くらいの営業資料を作ります。  営業資料というのは「ぷかぷかの社会的価値」を企業に伝えるためのものです。そのためにいろんな人にぷかぷかについてヒアリングをしたり、イベントに参加したり、ぷかぷかの日中活動を取材したりして、「ぷかぷかの社会的価値」を掘り起こしていきます。  福祉の業界だけに通用するようなものではなく、社会全体に通用する「ぷかぷかの価値」です。そうでないと、企業には伝わりません。企業を説得できるだけの価値です。企業がお金を出してでも買いたい価値です。  ぷかぷかのアートを企業が採用することにどんな意味があるのか、それを社会における「ぷかぷかの価値」という視点から書いていきます。すごく大変な作業になると予想されますが、大変だからこそ、この作業はおもしろいと思います。  毎日新聞が一面も使ってぷかぷかを紹介したい、というのは、多分一面使って紹介するに値する「ぷかぷかの価値」を見つけたのだろうと思います。一面でそれを書ききるのはすごく大変だと思います。パワーポイント20ページ分の方がまだ楽な気がしますが、いずれにしてもすごく楽しみです。    「ぷかぷかの価値」とは「ぷかぷかさん達が作り出す価値」です。障がいのある人たちが作り出す新しい価値です。彼らと一緒に生きることで生まれた新しい価値です。      
  • 新しい挑戦ー企業活動のどこかにぷかぷかのアートを取り入れる
      「サービスグラント」というプロボノ活動をやっているNPOがあります。仕事をやりながら「社会的、公共的な目的のために、職業上のスキルや専門知識を生かしたボランティア活動」をする人たちの集まりです。  そこにぷかぷかのアートを企業に売り込む営業資料の作成をお願いしようと思っています。サービスグラントのホームページにはこんなふうに書いてあります。 「NPOにとって企業との連携・協働の実現は、重要な資金調達の方法であるとともに、NPOの活動を広げる貴重な機会となるものです。  しかしながら、日々の実務に追われ十分な営業活動ができていなかったり、企業を訪問しても、なかなか連携・協働の実現につなげられずにいるNPOも少なくありません。 営業資料支援プログラムでは、企業との連携・協働の実現に向けて、企業へのアプローチ手法の検討や、企業に魅力を感じていただけるような提案内容の検討を踏まえ、営業資料の作成を実践的にサポートします。 」  以前神奈川県の主催で企業とNPOのマッチングを目指す集まりがあったのですが、何を、どう売り込んでいいのかよくわからなくて、結局マッチングはうまくいきませんでした。  先日サービスグラントの2次審査のヒアリングを受けた際、「ぷかぷかの魅力・価値と課題を、外部目線で振り返り、再認識することが必要」といわれ、そこを出発点にして、ぷかぷかのアートを企業に売り込む戦略を立てようかと思っています。  ぷかぷかと組むと企業のもうけにつながる、といった狭い話、短期的な話ではなく(もちろんそこは必要不可欠ですが)、もっと広く社会全体が豊かになることに貢献できる、といった話に持っていきたいと思っています。  ぷかぷかのアートにはその可能性があると思っています。      ぷかぷかのアートはすごく楽しいです。ひと目で「あっ、おもしろい!」と、そのアートのおもしろさを納得することができます。なんか楽しい気分になったり、ほっこり心があたたまったり…。言葉によるくどくどした説明よりもはるかに説得力があります。  この「あっ、おもしろい!」という発見をたくさんの人たちと共有したいと思うのです。世界をみんなでおもしろくしたいからです。こういうアートがあちこちにあると、世界が楽しくなります。世界が豊かになります。  「あっ、おもしろい!」は企業の売り上げを伸ばします。有名デザイナーにはできない面白さがぷかぷかのアートにはあります。そのオリジナリティは大きな強みです。世界を楽しくするようなアートを採用する企業は、たくさんの人に受け入れられます。 「あっ、おもしろい!」は、その作品を作った人との出会いでもあります。こんなおもしろい作品は、どんな人が作ったんだろう、とたどっていくと、障がいのある人に行き着きます。素敵な作品の「作家」さんが、実は障がいのある人だった、と。彼らはこんなおもしろい作品を作るんだ、という発見、出会い。  「あっ、おもしろい!」が、こんなふうに障がいのある人たちとのいい出会いをもたらします。彼らとの出会いは人間としての幅を広げ、人を豊かにし、社会を豊かにします。  「あっ、おもしろい!」は、こんなアートは社会にあった方がいい、につながります。そしてこんなアートを作る人は社会にいた方がいい、いっしょに生きていった方がいい、と。  アートとそれを作った人が、社会を豊かにしていきます。  企業活動のどこかにぷかぷかのアートを取り入れると、こんなふうに社会を豊かにしていくことにつながっていきます。企業活動の最終目的は、社会を豊かにすることだと思います。未来を見つめる企業なら、自分のところのもうけを最終目標にするところはありません。  企業がぷかぷかのアートを取り入れると、ぷかぷかが宣伝するよりも桁違いに多い出会いを作り出します。そこに企業との連携を作る意味があります。    相模原障害者殺傷事件の容疑者は「障害者はいない方がいい」といいました。ぷかぷかのアートは、そんな発想をひっくり返す力を持っています。企業がぷかぷかのアートを取り入れてくれると、その力が何倍にもなります。    と、いろいろ書きましたが、いずれにしても2次審査に通らなければ何もはじまりません。それに向けてがんばりたいと思います。プレゼン資料などまとまりましたらまた報告します。              
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