ぷかぷか日記

ぷかぷかな日常

  • 目の検査
    にほんブログ村ケンちゃんはマックのテリヤキバーガーが大好きです。そのせいかかなり太りすぎです。ある日まぶたをめくって「ああ!これは赤い!これは糖尿病だよ」「糖尿病って?」「ハンバーガーを食べ過ぎるとなる病気だよ。体のあちこちが腐ってぼろっと落ちるんだよ」「ぼろっと落ちるの?」「そう、たとえば、朝、おしっこしたはずみに大事なところがぼろっと落ちるんだよ」「じゃあ、女の子になるの?」「そう」「スカートはくんですか?」「そうです」「東洋英和に行くんですか?」「そうです」「チャペルでウエディングドレスですね」次の日「ウエディングドレスってこれですか?」と自分のスマホにダウンロードしたウエディングドレスの写真を見せてくれた。これを着るんですね、と実に嬉しそう。 サンリオピューロランドではジャンクフード食べ過ぎてめちゃくちゃ太ってしまった魔女が印象に残って「マックに行き過ぎると魔女になるよ」「じゃぁ、ほうきにまたがって空を飛ぶんですね」といい、電話していると、「今の相手は魔女ですか」という。「昨日はぷかぷかの健康パン食べました」「そういえば目がちょっと白くなってるね」と毎日目の検査を楽しみにしているケンちゃんです。★「ぷかぷか」のホームページは http://pukapuka-pan.xsrv.jp/      
  • アルゴリズム体操
     パン屋のレジのそばでいつもなにかぶつぶつおしゃべりしているツジさんは(世界中のマイナーな都市の名前を言ったり、1980年代の歌謡曲の名前であったり、しっかり聞いていると、けっこうおもしろいです)、暗算の名人であり、記憶の達人でもあります。つい先日の3周年の記念イベントでは、小学校の2年生で習った「ふきのとう」という作品を、暗記だけを頼りに実に朗々と朗読してくれました。 そのツジさん、なぜか歯磨きの時に歯を磨きながら「アルゴリズム体操」を歌うのです。歯ブラシをごしごしやりながらですから、結構歌いにくいと思うのですが、それでも毎日歯を磨きながら大きな声で一生懸命歌います。♪あっち向いて二人で前ならえ こっち向いて二人で前ならえ … 手を横に あら危ない 頭を下げればぶつかりません…ぱっちんぱっちん がしんがしん ぱっちんぱっちん がしんがしん…♪ 歯を磨きながら一度歌ってみて下さい。けっこう大変です。これをでも、朝、昼、晩、と一日3回歌うそうです。 「アルゴリズム体操」のあとは、少し時間をおいて「アルゴリズム行進」を歌います。♪一歩進んで前ならえ  
一歩進んで偉い人 
 ひっくりかえってぺこりんこ… 歌い終わったあと、歯ブラシをおき、気をつけをして「アルゴリズム体操、終わり!」と元気よく言って終わりになります。★「ぷかぷか」のホームページは http://pukapuka-pan.xsrv.jp/      
  • 利用者さんのひとことが頑固な心を…
    にほんブログ村    養護学校時代の元同僚の旦那さんがパキスタン人で、ぷかぷかで働かせてもらえないかという依頼がありました。言葉ができないので、奥さんといっしょにボランティアという形でこの夏実習してもらいました。 イスラム教徒は豚肉が食べられないので、給食は自分で持ってきてもらいました。少しでもいい出会いのきっかけになれば、と少し多めに作ってもらい、みんなでパキスタン料理を味見しました。中身はチキンであったり、マトンであったり豆であったりしましたが、毎日カレーでした。それに細長いパキスタンのお米。評価はまちまちでしたが、日本のカレーとは辛さの質の違うカレーも、ぱさぱさのご飯も、利用者さんたちにはいい体験だったように思います。 言葉も通じないながらも、それなりにコミュニケーションを取っていました。とにかく外国人はほとんどの方は初めてでしたので、言葉の通じない人とどのように気持ちを伝え合うか、みんな苦労していましたが、これもいい体験になったようでした。 パキスタンでの本職は映像の編集をしていたそうで、時々プロが使う大きなビデオカメラを持ち込み、撮影したりしていました。「ぷかぷか」のプロモーションビデオができればいいなと思っていました。  ぷかぷかで仕事がしたいということでしたが、日本語がまだまだうまく話せません。ちょっとした会話はともかく、仕事をしていくにはかなり厳しいレベルでした。それを正直に伝え、職員として採用はできない旨伝えました。 プライドの高い方で、その不採用の通知に怒ってしまい、もう「ぷかぷか」には来ない、ぷかぷかのビデオも作らない、と子どもじみたことをいいだし、間に立った奥さんは困り果てていました。 たまたま夏休みの余暇支援で水族館にいっしょに行ったとき、利用者さんと写真を取り合い、あとで交換する約束をしていました。その利用者さんが写真を持ってきて、毎日のように「シーさん、来ないのかなぁ。写真を渡すって約束したんだけどなぁ」といっていました。シーさんは不採用に腹を立ててもう「ぷかぷか」には来ない、とも言えず、困ってしまってシーさんの奥さんに写真の交換のことを伝えました。 シーさんは水族館で利用者さんと写真を撮り、それを交換する約束をしたこともちゃんと覚えていたそうで、それがきっかけでかたくなになっていた心がほどけたのか、31日の午後に写真と、編集した「ぷかぷか」のビデオを持って挨拶に来ると連絡が入りました。 頑固でプライドが高く、日本では仕事もできないので、もうパキスタンに帰ると言い張り、周りの人たちは困り果てていたようですが、利用者さんの「シーさん、来ないのかなぁ。写真を渡すって約束したんだけどなぁ」というひとことが、その頑固な心をもやさしく溶かしてしまったようです。
  • 計算外
    にほんブログ村  竣くん、櫂君は小学2年生。小学校に上がる前からぷかぷかパン教室に一家4人で参加しています。小さな子どもとはいえ、2年半もパン教室に通っていると、パン作りのおおよそのコツがわかったのか、なんと先日自分たちで作ったバターロールをお店に持ってきてくれたのです。ちょっといびつな形のバターロールでしたが、パンはパン。しっかりバターロールの味がしました。パンをかじりながら、なんだか涙が出そうになりました。 ぷかぷかの利用者さんと地域の人たちの出会いの場としてパン教室を始めたのですが、こんなことは全くの計算外でした。お母さんよりもさきにぼくのところへ持ってきたそうで、竣くん、櫂君のまっすぐな気持ちに感動してしまいました。 パンを作りながら、ツジ君ととてもいい友達になり、ホームページのトップを飾っている素敵な写真も撮れました。
  • 二人でガチャガチャ
    ノンちゃんはシンちゃんが好きです。今日は二人で青葉台へ行くんだ、と張り切っています。お昼休み、シンちゃんとノンちゃんが二人でトランプやっていたので、「今日は二人で青葉台行くんだって?」「そう」とシンちゃんは満面の笑み。こんなにいい顔見たのは久しぶり。今までノンちゃんの片思いだとばかり思っていたのですが、シンちゃんもまんざらでもない様子。「で、二人でおいしいものでも食べに行くの?」「違う、ガチャガチャやりに行くの」「え?ガチャガチャ?それをふたりでやるの?」「そう」と二人ともうれしそうな顔。 ずいぶん子どもっぽいな、と思いつつ、二人のうれしそうな笑顔は、そんなこちらの思いを飛び越して、二人だけのとびきり素敵な時間を創り出そうとしていました。 ぷかぷかでは毎日帰りの会で「今日はいい一日でしたか?」ってみんなに聞きます。ノンちゃんとシンちゃんは「いい一日だったね」って思える一日をガチャガチャで仕上げようと思ったのかも知れません。そんな二人を応援したいなと思いました。にほんブログ村
  • あ、ごめん、勝ってしまったわ
        2周年記念フェアで、全品3割引に加えて、メンバーさんとじゃんけんして勝ったら「食パン3割引券ゲット!」としました。これが結構受けて、お客さんはみんな実に楽しそうにじゃんけんをしていました。  ふつうのパン屋ではこんなことはしません。「ぷかぷか」でもスタッフ相手では、こんな楽しみは成立しません。相手がメンバーさんだからこそ成り立つ「楽しみ」なのだと思います。  こんちゃんはじゃんけんに負けてばかりいました。負けると食パン3割引券をプレゼントするので、「ぷかぷか」としては損が増えます。「真剣にじゃんけんやらないと、負けた分、来月の給料が減るかもよ」というと、「やめてください!」と悲しそうな声を上げました。それを聞いたお客さんが、「あ、ごめん、勝ってしまったわ、でも、給料下げないでね」って笑っていました。こんなやりとりが楽しいな、と思うのです。こんな楽しいやりとりができるのが「ぷかぷか」です。  ふだんの生活にはこんな楽しいことは、あまりありません。「ぷかぷか」に来ると、それが自然にできます。これはやっぱりメンバーさんのおかげだと思います。彼らは街の人たちを、ごく自然に癒やしています。それがすごいなと思います。私にはこんなこと、できないから。
  • 押し入れで泣く
    にほんブログ    もんちゃんはAKBのあっちゃんの熱烈なファン。休みの日にAKBのコンサートに行くことが大の楽しみ。そのためにお金を稼いでいる、といっていいくらい。  そのもんちゃんが先日、朝、仕事を始めて間もなく、2階の押し入れに頭を突っ込んで、声を出して泣いていました。  もんちゃんは体が大きい。ひげを生やし、貫禄のあるおっさんのような風体。その大きな体を震わせながら声を出して泣いていました。どうしたのか聞いても、ただ泣くばかり。  いろいろ情報を集めてみると、前日にAKBのあっちゃんが卒業することがわかり、それがショックで、今日は仕事もしたくないし、押し入れに頭を突っ込んで泣いているらしい。  なんというかわいいやつかと思いました。26歳で、こんなにも純情な青年は、そうそういません。抱きしめてやりたくなりました。
  • 誕生日にご招待
    「ぷかぷか」では誕生日を迎えたメンバーさんをカフェに招待することになっています。一人でお茶を飲んでも楽しくないので、好きな人とペアで招待します。 2月24日はモコさんの27歳の誕生日。朝の会でハッピーバースディ・トゥー・ユーを歌ったあと、「今日はペアでカフェにご招待します。誰と行きますか?」と聞くと、はにかみながらも、迷わずムラ君を指さしました。ムラ君は女性達に人気があるので、あちこちから「きゃー」という声が上がります。男性達は選ばれなかった悔しさも含めて「おー」という声。月に何回か、こういうわくわくする場面があるって、楽しいなと思います。 仕事の手が空いた午後、カフェをのぞくと窓際の席に二人並んで座っていました。ふだん見せないような楽しそうな顔。 その日のスイーツセット「プリン・ほうじ茶ゼリー・バジルのポッシュ」の盛り合わせが二人の前に運ばれ、カフェ担当のメンバーさん、スタッフで「おめでとう!」ってお祝いしたところ、居合わせたお客さんも「おめでとう!」って言ってくれ、「ハッピーバースディ・トゥー・ユー」も一緒に歌ってくれたそうです。 お客さん達も一緒にお祝いしてくれたんだよ、ってあとで聞いて、すごくうれしく思いました。そんな関係が自然にできたこと、そのことが今、すごくうれしいです。そんな関係をもっともっと広げていきたいな、と思っています。
  • ヒロ君が好き
    にほんブログ村  ミーちゃんはヒロ君が好きです。外販の帰り、駅で二人を降ろすと、ミーちゃんは歩きながらヒロ君の手を握ったり、肩に腕を回したり、もう、好きで好きでしょうがない、といった感じです。駅前の喫茶店に寄って、お茶でも飲んでいくのでしょう。  ところがヒロ君は典型的な自閉症で、計算などはすばらしく得意ですが、人とのおつきあいがあまりうまくありません。場の雰囲気を感じ取るとか、相手の気持ちを考える、といったことは、かなり難しいです。同じことを繰り返しいうと、相手がうんざりする、といったことは全く想像できないようです。  ヒロ君に「ミーちゃんのこと、好き?」と聞くと、「好き」といいます。はにかむわけでもなく、「好き」と、にこりともせずにいいます。「本当か?」と思ってしまうくらい気持ちが全くこもっていません。  毎週金曜日は仕事が終わってから、駅の近くのマクドナルドでデートをするといいます。二人はどんな話をするんだろう、といつも思います。職場で給食を食べる様子から想像すると、ヒロ君はコーヒーをがぶがぶ飲み、ハンバーガーをがつがつ食べ、「ごちそうさま」といって、さっさと席を立ち、脇目もふらずに帰ってしまう、といった感じです。ミーちゃんと楽しそうにお話しする、といった姿は、なかなか想像できません。  それでもミーちゃんはヒロ君が大好きだ。仕事から解放され、寄り添って歩く姿を見ると、「好き」という気持ちの前では「自閉症」等といったことは、どうでもいいのかも知れません。
  • ゴーカイジャー、ギガレンジャー、メガレンジャー
     瀬谷区役所の外販。久しぶりに担当したのだが、ツジさんの人気ぶりは目を見張るものがあった。来るお客さんのほとんどはツジさんとの話のやりとりを楽しんでいて、こんなにも楽しむ人が増えたことに正直驚いた。帰りがけも庁舎内を「ゴーカイジャー、メガレンジャー、ギガレンジャー……」とよく通る大きな声で言いながら通路を歩いていたのだが、窓口の人たちはみんなツジさんのしゃべりっぷりを楽しんでるようだった。障害支援課の人たちならいざ知らず、全く違うセクションの人たちが、こんなふうにツジさんの振る舞いを受け止めてくれるのは、本当に画期的だと思う。こういう人がいるって、楽しいじゃん、とふつうに思えるようになったんだと思う。 ぷかぷかの外販がなければ、こんな素敵な出会いはなかったと思う。「彼らとは一緒に生きていった方がいいね」ってふつうに思える関係ができたらいいな、という思いで障がいのある人たちの働く「ぷかぷか」を街の中に立ち上げたのだが、いい形で結果が出てるように思う。(そのあたりの思いは「ぷかぷかパン」のホームページに詳しく書いています。)
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