ぷかぷか日記

表現の市場

  • 第7回表現の市場をやります。
     11月27日(日)横浜線長津田駅前のみどりアートパークホールで第7回表現の市場をやります。  みんなの表現が舞台で爆発します。「私たちはここにいるぞ!」「ここでこうやって生きているぞ!」という力強いメッセ−ジ。そのエネルギーは社会を変えるチカラを持っています。  彼らのエネルギーはもっともっと社会に生かした方がいい。生かさないともったいない。生かすことで、社会は変わっていく。障がいのある人もない人もみんながもっと生きやすい社会に。  あの忌まわしいやまゆり園事件から2年目。表現の市場を見に来た人がこんなことをおっしゃってました。  《 事件のあと、みんな障害者を「守る 」と言っているけど、結局は「囲い込む」わけで、彼らを「生かす」なんてことは全く考えていない。それを考えると、表現の市場でやっていることは彼らを全面的に生かすというか、積極的な「攻め」ですよね。それがいいと思っています 》  攻め、というか、彼らと一緒に新しい物語を作ること、一緒に舞台に立つこと。そして、何よりもこういったことを続けること。  そのことが、あのような忌まわしい事件が二度と起こらない社会を作ることにつながると思っています。  ああだこうだ批判するだけでなく、彼らと一緒に本気で新しい社会を作っていく。そのことが大事だと思っています。  今回参加するのは「あらじん」「はっぱオールスターズ」「シーホース工房」「みんなでワークショップ」です。 あらじん 和太鼓あらじんは横浜市鶴見区知的障害児者親の会「ひよこ会」の余暇グループとして2003年に活動を開始しました。まもなく20年目を迎えます。メンバーは大好きな太鼓を大好きな仲間と演奏するのが大好きです。 www.youtube.com   はっぱオールスターズ  第1回より参加させていただいております。グループのモットー、「なんでもOK!」 の通り、様々なジャンルのパフォーマンスにチャレンジしています。今回は、この世 の全てのものに感謝の気持ちを捧げるあの南国のダンスを披露いたします。衣装にも ご注目を! www.youtube.com シーホース工房 シーホース工房はSeahorse Covoとも表記します。Covoとはイタリア語で「隠れ家」意味します。竹林を整備し、間伐した竹で楽器や道具を作り、それを使って紙芝居ミュージカルという独自の表現活動を展開する。障がいのある人もない人も共に集うみんなの隠れ家であり、居場所なのです。自然再生、ものづくり、表現活動を三本柱に活動しています。NPO法人2年生のフレッシュな団体です。 www.youtube.com  みんなでワークショップ  NPO法人ぷかぷかが毎年企画し、ぷかぷかで働くぷかぷかさんと地域の人達が一緒に芝居作りをしています。月一回集まり、6ヶ月かけて作った芝居を舞台で発表します。今年は『銀河鉄道の夜ーぷかぷか版』です。 www.youtube.com
  • 湯船につかると〝ゆっくりゆきちゃん〟を歌うのが習慣になってしまった
     『どんぐりと山猫』一郎が山猫に会いに行くところは「ゆっくりゆきちゃん」の歌に合わせてゆっくり歩きます。その歌を歌ったのが、ひよりちゃんのグループ。右の方、オレンジ色のシャツがひよりちゃん。  で、そのひよりちゃん、毎日お風呂で「ゆっくりゆきちゃん」をうたっているそうです。 ●●● 表現の市場は終わってしまったのですが、我が家でまだまだ進行中です! というのは、いつも〝ゆっくりゆきちゃん〟の歌をお風呂で練習していたので、湯船につかると〝ゆっくりゆきちゃん〟を歌うのが習慣になってしまったのです(笑) それで今ごろになってですが 日和が上手になってきています(笑) 今まで日和は顔を洗うのが適当で、指先でちょちょっと撫でて終わり!とか言っていたのですが、〝ゆっくりゆきちゃん〟の歌詞に「ゆっくりがおを〜♪ ゆっくり洗い〜♪」とあるので、ここで実際に湯船のお湯で顔を洗うようにしたら、ゆきちゃん効果でゆっくり洗うようになりました(笑) という事で、私たちは毎晩お風呂で表現の市場の舞台進行中です!╰(´︶`)╯♡    お風呂上がりのひよりちゃん    「あの広場のうた」熱唱。ひよりちゃん、気合いが入っています。
  • ムダに見えるような人たちとのおつきあいが、ぷかぷかを作った。
     朝日新聞『折々のことば』        ぷかぷかさんとのおつきあいって、つまりはこういうことではないかと思います。  障がいのある人たちはいろんなことができないから、彼らとおつきあいしても何も生まれない、ムダ、と多くの人は考えています。そんな中で、タカサキは彼らとおつきあいしたら楽しいし、なによりも「おもしろい人と一緒にいたい」と思い、一緒にぷかぷかを作ってきました。なんかね、彼らと一緒に作っていけば、きっとおもしろいお店ができると思ったのです。    この「一緒に」がキモです。「何かやってあげる」とか「支援する」ではなく、どこまでも「一緒に」ぷかぷかを作ってきたのです。  結果、ご存じの通り、なんとも楽しいぷかぷかができたのです。ぷかぷかの楽しさ、おもしろさ、ホッとする空気感は、みんなぷかぷかさんのおかげです。私たちだけでは、こんなおもしろいお店はできませんでした。  ムダに見えるような人たちとのおつきあいが、こんなにおもしろいぷかぷかを作ったのです。彼らをムダと見るのは、大きな社会的損失だと思います。そんな見方をするのは、もったいないです。  ムダに見えるような人たちと一緒に作った芝居を先日発表しました。彼らとのおつきあいがこんな素晴らしい舞台を作ったのです。  もう理屈抜きに、彼らは私たちにとって必要な人たちです。  一緒に生きていった方がいい。その方がトク!な人たちです。
  • そらくん「またやりたい!」
     そらくんは不思議な存在感の人。どこからともなく現れ、すっと通り過ぎ、みんなを邪魔するわけではなく、それでいて妙にあたたかいものを残していきます。進行役のせっちゃんは『もののけ姫』に登場する木霊のようだ、といってましたが、とにかくうまく表現できない存在。  それでも存在感のあたたかさからか、そらくん、そらくんと、地域の子どもや大人達には大人気の人だそうです。  なんとなくウロウロしながらも、本番はちゃんと舞台に立ってどんぐりやってましたね。写真、真ん中です。  そんなそらくんがお母さんに「またやりたい」といったそうです。  「またやりたい」なんて、うれしいですね。なんとなくウロウロしているようで、ちゃんと参加していたんだ、とうれしくなりました。機会見つけて、ぜひまた一緒にやりましょう。
  • 『表現の市場』はぷかぷかさん達にとって、素晴らしい体験の場
     しょうへいさんがワークショップのことをずっと日記に書いていた、とお母さんが日記を届けてくれました。  みんなで「ゆっくりゆきちゃん」の歌を練習したときの日記です。  「ゆっくりゆきちゃん」をうたいながら一郎は山ねこのところへ  これは配役を決めたときの話で、しょうへいさんは、マサトさん、ヒカリさんと三人で馬車別当をやることになりました。マサトさんは地域のおじさんです。 マサトさんはこんなおじさん。ぷかぷかさん達と、こんなすてきな出会いをしました。 www.pukapuka.or.jp  こんな出会いがあるのが演劇ワークショップ。お互い「あなたにいて欲しい」と思える出会いがたくさんあります。  こんなおじさんといっしょに今回、馬車別当の役をやったのです。手に持っているのは馬の鞭。 左からしょうへいさん、マサトさん、ヒカリさん。登場するときの振り付けが最高に面白かった。伊藤多恵さんの振り付けをイマムーが指導しました。 山猫役のハヤチャンからは葉巻の煙を吹きかけられます。 ハヤチャンから葉巻の煙を吹きかけられる。ハヤチャンの隣が馬車別当役のしょうへいさん。煙を吹きかけられて顔をしかめているのがマサトさん。  お母さんからのメモによれば、本番の朝、メモに書いたセリフを一人で読んで出かけたそうです。  『表現の市場』は、ぷかぷかさん達にとって、素晴らしい体験の場だったと思います。いろんな人と出会い、思いを表現し、ドキドキしながら照明のバチッと当たった、緊張感あふれる舞台に立ったのです。こんな体験はふだんの暮らしの中ではまず体験できません。人生の幅がぐ〜んと広がったと思います。
  • 舞台の真ん中には、目には見えない柱が立っていた。
    第6回表現の市場で『どんぐりと山猫ーぷかぷか版』の発表をしました。  10年前、 「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」「その方がトク!」 と、一本の柱を立てました。その柱に共感する人が少しずつ、少しずつ増えてきました。  いっしょに生きてると、ほっこりあたたかな、楽しい物語がたくさん生まれました。  いっしょに生きてると、ゆるい、ホッとできる空気感が生まれました。  いっしょに生きてると、ぷかぷかさんが好き!というファンがたくさんできました。  いっしょに生きてると、障がいのある人たちは社会を耕し、豊かにする、ということが見えてきました。  舞台の最後、思いを込めて「あの広場のうた」をうたいました。   ♪  ……     歌が生まれ  人は踊り出し     物語がはじまる  あの広場がここに       昔 広場に一本の柱     ここに立てよう  目には見えない柱を       昔 広場に一本の柱     ここではじまったぷかぷか  いまここで ♪  舞台の真ん中には、目には見えない柱が立っていたのです。  障がいのある人たちと一緒に生きていくことで、あんなにも素晴らしい舞台ができたのです。いっしょに生きていくと何が生まれるか、がよく見えたと思います。ここで生みだしたものは新しい「価値」といっていいと思います。この「価値」は社会を豊かにします。  同じようの障がいのある人たちにかかわりながら、津久井やまゆり園ではあの悲惨な事件が起きました。  何がちがうのか。  あまりの落差にめまいがしそうですが、ここをしっかり見つめていくことが、今、すごく大事な気がします。犯人の特異性のせいにしてしまうと、大事なものを見逃してしまいます。  あの事件と、下の写真の文字が作り出す世界とのちがいはどこにあるのか、ということです。  ●見に来た人たちの感想 ・とてつもなく大きなエネルギーを感じました。元気をたくさんいただきました。 ・たくさんの人の力が、とてもほっこりあたたかくしてくれました。もっとたくさんの人に見て欲しいです。 ・とてもレベルが高く、びっくりしました。 ・とても自由で、楽しい時間でした。 ・不思議な気持ちです。なんだか楽しかったです。 ・時間があっという間に過ぎてしまいました。 ・心があたたかくなる舞台でした。 ・お客さんが非常に多く、素晴らしかったです。 ・続けていくって大変ですよね。有料にしてもよいのかな、と思います。 ・「表現の市場」いつまでも継続して欲しいと思います。 ・何かをやってみようという気持ちになりました。 ・舞台に立つ人たちは、とても輝いていて、素晴らしかった。一生懸命なみなさんに感動し、勇気づけられた。 ・こうでなかったらいけないというのがなく、素晴らしかった。 ・このようなすてきなメッセージをこれからも発信してください。 ・アラジンの太鼓では感動して、涙が出ました。 ・和太鼓、すごい迫力。ポップ、太鼓を交えたミュージカルっぽくて面白かったです。 ・和太鼓といえば筋肉ムキムキの男の人が力強くたたいているというイメージだったのが覆されました。 ・観客との一体感が素晴らしい。 ・見事です。自分の子どもにも教えて欲しい。 ・「ほうきぼし」だいちゃんがかすんでしまうほど、粒違いの演奏ぶり。 ・シーホースの「みどりがめ」のお話は、人間の本質を突くようなセリフで、ドキッとしました。飼われていたときは餌の心配はなかったけれど、楽しくもない。川の生活は本当のいる場所ではない…って、なんか今の自分の心境にも近くて。 ・紙芝居の内容が深い。音と光の演出が新しく、面白かった。 ・メッセージが込められている素晴らしい活動。 ・ラポエアガールのナルコビックは楽しく体を動かし、全身を使えてとてもよいと思いました。 ・とってもよかったよ。 ・千本桜がよかった。 ・みなせたのみなさんのファンキースタイルでの「あるある」最高でした。 ・体を張ったメッセージに感服 ・みなせたの方の「あるある」を聞いて、私も歩けるうちは駅で階段を使おうと思いました。 ・私も子ども二人と電車、バスを利用する際の「あるある」で、わかります。車イスのあんなデザインのものがあるなんて知りませんでした。 ・車イスの大変さをwest side storyに載せて楽しく伝えてくださり、ありがたかった。 ・世間をやわらかく風刺するという芸能の原点を考えさせられて、非常によかった。 ・小学校で車イス体験授業がありますが、乗ったり押したりの体験をするより、みなせたさんのミュージカルを見る方が、よほど学びになると思いました。車イスに乗って街へ出てみると、世間の無関心や冷たさがわかるともいわれてますが、当事者の目線で授業をして欲しいです。 ・チェロと太鼓の間に「チケット レコード」というつぶやきが入り、自閉の方のつぶやきが楽器のように聞こえてよかったです。 ・素晴らしいコラボ。いつも息がぴったりで、回を重ねるごとに深まっている様子が、すてきだなと思っています。 ・演奏中は表情の硬いだいちゃんが、演奏が終わった瞬間にニコッとなるのがよかった。 ・ダイちゃんの太鼓が力強くてとてもカッコイイ! ・モンゴルを思い出させてくれて感謝します。 ・相鉄ーJR開通の新線をすぐに組み込んでいるのが、さすが!と思いました。 ・はっぱの最後の歌には涙が出てきた。 ・はっぱオールスターズ、最高に楽しくて感動しました。 ・いかりや直樹さんのおしゃべりよかったです。 ・『どんぐりと山猫』音楽、舞台美術が素晴らしかったです。 ・すべて手作りで、驚いた。 ・『どんぐりと山猫』みんないっしょに何かするのっていいなと思いました。 ・ぷかぷかさんだけでなく、地域の子どもやおじさん、おばさんもいっしょに楽しそうなのがよかったです。 ・『どんぐりと山猫』のセリフ、「認め合う」一人ひとりにその言葉があると、生きやすい世の中になると思いました。 ・暖かいステージ、ジンときました。 ・ぷかぷかの舞台の最後の歌「あの広場のうた」は、いつも感動します。 ・ななちゃん、かわいかった。  ●「表現の市場」の夜、舞台の感想をすぐにブログにアップした方がいました。 ameblo.jp  ●新聞記者の方は  劇が終わったときに、もう少し見ていたい!えーもう終わってしまうの!と いう気持ちがわき上がってきました。    ハイライトのどんぐりの「優しさと寛容が~」というセリフが、大きな声ではなかったのが心に残りました。大事なことって意外とこんな感じなんだろうなと思わせる素敵なシーンでした。  そして、最後の歌になぜかじんわりきてしまいました。    いわゆる健常者といわれる人たちが集まってやっても、うまい下手がどうだとか、メッセージ性がどうだとか、考えてしまって、こんなに素直ににこにこしながら劇をみるなんてことないのではないかと思います。    10何人もの記者が難しい顔をして横浜地裁に缶詰になっても何も生み出さない という現状が本当に情けなくなりますが、どうにか、一緒に生きる社会を少しでも 伝えられる原稿にできればと思います。  ●ワークショップに参加した人はFacebookにこんな感想書き込んでいました。  「(ぷかぷかさんは)自由だねえ」  もともと私ひとりで参加する予定だった ぷかぷかの演劇ワークショップに三女を連れて行ったのは、何度目かのワークショップのあった土曜日にたまたま夫が休日出勤になったせいだ。 3人姉妹の中でも一番人見知りで一番内弁慶の彼女は、最初の日は部屋の外で漫画を読んでいるわ、練習室の中では壁に貼りついて”ひとりで遠巻きに眺める”わ、誰かに声をかけられると背中の毛を逆立てるように睨むという、まるで人に懐かない野良猫のようだった。ま、予想はしていたけど(^^;)   それが、1月の練習日に衣装の試着があって、すごくファンタスティックな、つまり、ぷかぷかチックな「どんぐりの帽子」が出てきたら突然スイッチが入ったのだ。その後は、私よりも早くセリフを覚え、ぷかぷかのテーマソングを歌い、コンちゃんと笛を吹き、時々行方不明になるセノーさんを探すという200%コミッターに変貌した。   本番前日、当日となると、やっぱり緊張感がただようし、ワサワサしてるし、舞台上は照明で汗をかくほど暑いし、たぶんそんな空気感が苦手なセノーさんは本番当日のリハーサルに姿を見せなかった。セノーさんと一緒の私たちのチームはセノーさん(熊役)不在の時のセリフ回しも用意した。そして昼やすみ。お弁当を食べた後のみんなが思い思いにゴロゴロする練習室で、伴奏者が席を外したピアノから、ポロロンと流れ始めた「さそり座の女」。   セノーさんだよ!   三女の目が輝いた。誰に聴かせるでもなく、セノーさんが弾いていた。その次の瞬間、三女が言ったのが冒頭の 「自由だねえ…」。   そう、そうそうそうそう!この感じ。 「台本は、変えられる」のだ。 言いたくないセリフは直前でも変えちゃうとか、舞台に出たくない時は出なくていいとか、だけど、大丈夫って声を掛けたら次のシーンでは出られるとか、ぷかぷかの歌が始まったら客席から乱入する青年が出てくるとか、次々に出てくる「予定外」「予想外」をみんなが「おお!」「それもいいね~」って受けとめる感じがあれば、ちゃんと”仲間”でいられるんだということ、助け合えるんだということ、一緒なら恐れることは何もないんだということ。それを、受容とか、共生とか、そんな手あかのついた言葉を1万個並べるより、すとんと理解させてくれる、やっぱり、ぷかぷかさんってすげえなって思うし、一緒にいさせてくれて、ありがとう♡ ●記録映画のための音を録音しに来ていた人は  表現の市場楽しかった!なぜどこが楽しいのか考えてみると、彼彼女たちは‪心が広く他人に立ち入りすぎず自分らしさを持っているからかもしれなくて、妬んだり画策したりせず本当に興味のあることだけにめちゃこだわり集中し誰にも似ていないし似ようともしないなんて、みんなそうありたいと思ってるんじゃないかな。 10年後か20年後かにはこのひとたちががっつりみんなと混ざってたら未来面白いだろうと思う。いまの障害者という呼び名は、社会で暮らすため混ざるため生きるために乗り越えなくてはならない障害がある「被障害者」という意味だとするとこの障害は社会ががんばれば無くすことができて、そうしたら障害者はいなくなっちゃうよね、あらら!なーんておもいます。
  • 「あなたがいて、幸せだよ」って思える関係
     NHKの津久井やまゆり園事件の裁判を伝える記事に 《 「お母さん、幸せだったよ」〜法廷に響いた“反論” 》 というタイトルがついていました。あえて反論という言葉が入っています。多分被告のいった 「障害者は不幸しか生まない」 という言葉に代表される被告の発想への反論なのだと思います。「不幸しか生まないんじゃない、私は幸せだったよ」という、ストレートな反論です。  「お母さん、幸せだったよ」  人間は、どんなに悲惨な中にあっても、こうやって希望を感じる言葉を紡ぎ出すんだと思いました。 www3.nhk.or.jp  事件を超える社会、というのは、このお母さんのように 「あなたがいて、幸せだよ」 って思える関係を障がいのある人たちと作ることだと思います。共に生きる社会、というのは、お互い「あなたがいて、幸せだよ」と泥臭く思える社会です。  それは遠い未来の社会の話ではありません。関係の作り方一つで、すぐにでもできる話なのです。  ぷかぷかができたのは、代表のタカサキが、養護学校の教員になったころ、重度障害の子ども達に惚れ込んだことが、そもそものきっかけです。惚れ込んだ、つまり、彼らのそばにいて、私は幸せを感じていたのです。「共に生きる社会」という言葉すらなかった時代、私は彼らに惚れ込み、彼らのそばにいて幸せを感じていました。  街の人たちにも、その幸せ感を感じて欲しいと、10年前、障がいのある人たちとの出会いの場としてぷかぷかを街の中に作ったのです。たくさんの素敵な出会いがあり、たくさんのファンができたことはすでに何度も書きました。  『ぷかぷかな物語』を読んだ人がこんな感想を書いてくれました。 「あなたが好きだから♪」 これがぷかぷかを作った理由なの。最高じゃないかなー? 「好きだから♪」会いに行きたくなる。 「好きだから♪」会うたび元気をもらう。 「好きだから♪」笑顔が続くことを願う。 ・・・そういうことなんだよね。 読んだら会いたくなっちゃったよーん。ぷかぷかさん。  「あなたがいて、幸せだよ」と思える関係は、こんなふうにぷかぷかのまわりにいっぱいできているのです。事件を超える社会、共に生きる社会が、すでにぷかぷかのまわりにはできているのです。  そういった関係を作るコツは何か。それは彼らとフラットなおつきあいをすることです。上から目線で「何かやってあげる」とか「支援する」といった関係では「あなたがいて、幸せだよ」と思える関係は出てきません。  「障害者は不幸しか生まない」という言葉は、支援の現場の空気をいっぱい吸い込んだ被告から出てきた言葉です。「お母さん、幸せだったよ」なんて言葉が想像もできなかった現場だったんだろうと思います。   だからこそ「お母さん、幸せだったよ」の言葉は、忌まわしい事件を裁く法廷にあって、小さな希望をともすように輝いていたと思います。NHKの深い読みに拍手!です。  1月26日(日)の「表現の市場」では、演劇ワークショップの中で「あなたがいて、幸せだよ」と思いながら作った芝居を発表します。あなたにもそれを感じて欲しいと思っています。ぜひ見に来て下さい。
  • 「表現の市場」は、社会全体で支えて欲しい。
    今度の日曜日1月26日(日)はいよいよ第6回目の「表現の市場」。  準備は着々と進んでいるのですが、気がかりはやはりお金のこと。半年かけて芝居を作り、その発表の場として「表現の市場」をやると、講師、舞台監督などの人件費、会場費を合わせると230万円ほどのお金がかかります。ヨコハマアートサイトから100万円の助成金をゲットしましたが、ほかの助成金申請はすべて没。結局残り130万円ほどはぷかぷかで負担することになります。  ぷかぷかは貧乏なので、130万円というのは大変な負担です。とりあえず今年は払っていくにしても、この状態が続けば、「表現の市場」の存続は、かなり難しくなります。  ぷかぷかは収益を増やす工夫をいろいろやっていますが、残念ながら「表現の市場」を支えるだけの収益は得られていないのです。ですからぷかぷかだけで「表現の市場」を存続させることは、もう限界に来ています。  「表現の市場」の社会的な意味を考え、これを存続させるためにはどうしたらいいのかを考えるとき、ぷかぷかだけが四苦八苦するのではなく、やはり社会全体で支えていく仕組みを作っていかないとだめだろうと思います。  もう一つ大事なこと。3年前の津久井やまゆり園事件は「障害者はいない方がいい」というメッセージを社会にばらまきました。全国で起こっている障害者グループホーム建設反対運動は、自分の地域に「障害者はいない方がいい」という運動です。頭の中では「共に生きる社会を作った方がいい」と思いながらも、自分の家のすぐ隣に障害者のグループホームが建つことになったら、やっぱり不安に思う、という人はたくさんいます。  そういった社会の中で  「障がいのある人とはいっしょに生きていった方がいい」 というメッセージを、言葉だけでいうのではなく、舞台というストレートに見える形で表現する「表現の市場」は、とても大事だと思います。「共に生きる社会」がどういうものか、いっしょに生きていくと何が生まれるか、といったことがひと目でわかります。  事件を超える社会が、ここから生まれます。だからこそ、社会全体で支えて欲しいと思うのです。  どういう仕組みがいいかは追々考えるとして、1月26日には会場費、付帯設備などの支払い、その後、人件費、舞台装飾の支払いがあります。ぷかぷかにとっては、一番厳しい局面です。  「表現の市場」を支えるための寄付を、ぜひお願いします。  ぷかぷかは「横浜夢ファンド」の登録団体になっています。夢ファンドに寄付をしていただくとぷかぷかにお金が入ります(寄付の申込書の希望する団体の欄に「NPO法人ぷかぷか」とお書きください)。税制上の優遇措置があります。詳しくは下記サイトをご覧下さい。 横浜夢ファンド www.city.yokohama.lg.jp archive.city.yokohama.lg.jp ★寄付の申込書の希望する団体の欄に「NPO法人ぷかぷか」とお書きください。 横浜市 基金の活用 横浜市 税制上の優遇措置 障がいのある人もない人も、お互いが気持ちよく暮らせる社会を目指します。 どうか応援して下さい。  ★1月26日(日)「表現の市場」当日にも、寄付箱を用意します。
  • 「表現の市場」は、津久井やまゆり園事件に対する、私たちの体を張ったメッセージ
    津久井やまゆり園での虐待が、また明らかになりました。 www3.nhk.or.jp  虐待というのは、相手を人として見ていない、ということだと思います。だからこういうひどいことができる。事件はこういう環境の中で起こったのではないか、というのは以前にも指摘したことです。  昨年7月のNHKスペシャルでは13時間も拘束された女性の話が出てきました。 www.pukapuka.or.jp  第三者委員会の調査結果を見て、あらためて津久井やまゆり園の現場のひどさを思いました。障がいのある人たちとどういう関係を築くのかというところでは、ぷかぷかと全く正反対です。  1月26日(日)の「表現の市場」では 「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」 のメッセージが舞台で全開します。彼らといっしょに生きていくと、こんなに素晴らしい舞台ができるのです。社会が豊かになるのです。  「表現の市場」の舞台は「障害者はいない方がいい」と暴力的に排除した事件に対し 「それはちがう」 という私たちの「体を張ったメッセ−ジ」です。ぜひ見に来てください。
  • 「表現の市場」は、津久井やまゆり園事件を超える社会を表現する舞台
     津久井やまゆり園事件の公判がもうすぐ始まります。それをめぐっての集まりが開かれます。ぜひお出かけ下さい。 dpi-japan.org  事件をめぐっての議論は大事です。ただ議論するだけで終わったのでは意味がありません。議論の先に何を作り出すのか、というところこそが大事だと思います。  「社会が問われている」は事件をめぐる議論でいつも言われることです。でもそこから先がなかなか出てきません。問われた私たちは、では、どんな社会を、どう作ろうとしているのか、ということです。  事件を超える社会を私たちはどうやって作り出すのか、障がいのある人たちと一緒に、お互い気持ちよく生きていける社会をどうやって作り出すのか、ということ。  ぷかぷかは事件よりはるか前から、そういった社会を目指して活動してきました。お互いが 「いっしょに生きていくといいよね」 って思える社会です。  10年たって、そんなふうに思える社会がぷかぷかのまわりには少しずつできてきました。 「ぷかぷかさん(ぷかぷかで働く障がいのある人たち)が好き!」 というファンがたくさんできたのです。障がいのある人たちを暴力的に排除した事件とは真逆の世界です。  何か特別なことをやったわけではありません。「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」「その方がトク!」と言い続け、そのことを実感できるお店や場(パン教室、演劇ワークショップ、アートのワークショップ、区役所での人権研修会、大学でのワークショップなど)を作ってきただけです。  事件の容疑者は 「障がい者はいない方がいい」「障がい者は不幸しか生まない」 といい、ふだん障がいのある人たちをおつきあいのない人は、なんとなく「そうか」と思ってしまいます。それだけではなく、容疑者の発言を積極的に支える声がたくさんありました。  ぷかぷかがつくってきたファンの人たちはその正反対の思いでいます。障がいのある人たちは、いない方がいいのではなく、「いた方がいい!」「いて欲しい!」とみんな思っています。ぷかぷかは10年かけて、そういう関係をたくさん作ってきたのです。  ぷかぷかさんたちはまわりの人たちをハッピーな気持ちにしています。不幸しか生まない、のではないのです。  ぷかぷかさんたちの作品を見てください。  こうやってぷかぷかさんたちはぷかぷかのまわりの社会を毎日せっせと耕しています。みんなのとがった心をまるくしているのです。  1月26日(日)には「表現の市場」をやります。  障がいのある人たちといっしょに生きていくと何が生まれるのかを表現する市場です。「共に生きる社会」「共生社会」を作ろう、とあちこちで言われるのですが、それが何を作り出すのか、ほとんど見えません。「表現の市場」は、それを目に見える形で具体的に表現します。  「いっしょに生きていった方がいいね」と、一目で思える舞台です。いっしょに生きる社会が見える舞台です。  事件を超える社会を表現する舞台です。ぜひ見に来てください。 ★この「表現の市場」を実現するために、100万円を超える資金が不足しています。ぜひご協力下さい。 www.pukapuka.or.jp
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