ぷかぷか日記

上からじゃない、平らだからこそ、ひとりひとりのもってるよさが引き出されてくる

 金沢の水野スウさんが自宅で開いている「紅茶の時間」で第一期演劇ワークショップ記録映画を上映するというので日帰りで行ってきました。

 玄関がすごくよかったです。木の表札、木の「紅茶の時間」がすばらしくいい。

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カランカランとベルを鳴らして入るのですが、紅茶の時間が始まると鳴らさずに入って下さい、という札になります。

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シンプルでおいしい昼食。お皿がすばらしかったです。

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スウさんと旦那さん

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 20人くらいのこぢんまりした上映会でしたが、とても密度の濃い話ができたと思います。映画もよかったけど、やっぱりタカサキさんに直接会って話が聞けたのがすごくよかったと何人もの人に言われ、出かけてよかったと思いました。100人とか200人の上映会では、こんな密度の濃い話はできなかったと思います。

 

 80歳に近いお姉さんがいる方は、映画を見終わったあと、姉がこんな所にいたら、もっと幸せな人生を送れたんじゃないか、と涙を流しながら語っていました。お姉さんは知的障がいがあって、施設に預けているそうですが、施設長に、「何にもできないのに、手ばかりかかる」などとひどいことをいわれ続けたそうです。福祉施設なのに、何もできないことをいうのはおかしいのではないかと、言ったそうですが、聞き入れてくれなかったそうです。だからお姉さんは、ずっとそういうことを言われ続け、本当に辛い人生を送ってきました、と涙を流しながら語っていました。映画を見て、姉がぷかぷかのような所にいたら、全く違う人生だったと思います、と。

 

 ぷかぷかが始まって2年目くらいに、以前作業所にいたぷかぷかさんが介護認定調査の際「最近、仕事はどうですか」というケースワーカーさんの問いに

「以前は毎日うつむいていましたが、今はまっすぐ前を向いて生きています」

と答えたことがありました。ぷかぷかの仕事がそんな言葉で語るくらい彼女の人生を支えていたようです。

 ぷかぷかに活気があるのは、みんながそんなそんな思いで働いて、みんなの生き生きとした人生が渦巻いているからだと思います。

 

 80歳に近いお姉さんのいる方は、映画を見ながら、そのことを感じられたのだろうと思います。

 お姉さんは昔から絵が好きで、私たちには思いつかないような面白い絵を描くとおっしゃっていました。だったら、その絵を何枚か写真に撮っておくって下さい、とお願いしました。ぷかぷかはぷかぷかさん達の絵を社会に出していくことを一生懸命やっているので、ひょっとしたら社会に出していく一枚になるかも知れません。ずっと施設の閉じた世界に生きてきたお姉さんの絵が社会に出て行って、たくさんの人の心を癒やすようなことになったら、お姉さんの人生が、今までと全く違うものになるかも知れません。辛いことばかり多かった人生が、前に向かってゆっくりと動き始めます。

 

 水野さんご夫婦が、そろって「ぷかぷかは13条そのままですね」とおっしゃっていました。13条は憲法13条です。

【第13条】

 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

 水野さんの娘さんが13条と出会ったときの話をこんなふうに書いています。

 ーはじめて13条を読んだとき、「個人として尊重」と「幸福追求の権利」という言葉が真っ先に飛び込んできました。個の人、ってことは…たった一人の人として、ほかの誰ともとりかえのきかない存在として、大切にされる、っていうこと?なんかこれって『ほめ言葉のシャワー』の最後に書いたこととつながっている気がするよ。

 しかも「すべて」だから、社会の役に立っている人だけ、テストの点のいい人だけ、GDP国内総生産あげるのに貢献している人だけ、とかそういう条件一切なしの、どんな人も、だ。ってことは、私も?

 何も立派なことのできていない自分が恥ずかしくて、幸せになる資格なんかないって、私が私を責めてたときも、ずっと13条は「ううん、そうじゃないよ、何かができる/できないは関係ない。たった一人のあなた、ただそれだけで、大切な存在なんだよ。生きて幸せを追い求めていいんだよ」って言い続けてたの?憲法って、もしかして、私の味方…

          『たいわ けんぽう BOOK」

         (この本はぷかぷかにも置いてます。アート屋わんど魚住まで)

 

 

 80歳に近いお姉さんに「何かができる/できないは関係ない。たった一人のあなた、ただそれだけで、大切な存在なんだよ。生きて幸せを追い求めていいんだよ」っていう環境があれば、お姉さんの人生は全く違ったものになってたはず。ぷかぷかは期せずして13条やってました。みんなでぜひ13条やりましょう。そうすればお互い、もっと生きやすい社会になると思います。

 

 今朝アップされた水野スウさんのFacebookにはこんなことが書かれていました。

10日のとくべつ紅茶。ぷかぷかさんの約半年におよぶ演劇ワークショップの映像記録「もうひとつの 森は生きている ぷかぷか版」の上映+ぷかぷか村長こと理事長の高崎さんのおはなし会。

急なよびかけに、しかも、ほとんどのひとが、ぷかぷかって何?誰?状態できてくれたにもかかわらず(笑)、最後は、ほんとにきてよかった〜〜!!って顔になってたのがうれしかったな。
2時間におよぶドキュメントのあちこちで、おもわずあったかい笑い声になんども包まれる。私が一人でDVD見たときに感じたしあわせ感を、きてくれた20人弱のひとたちと共有する。

養護学校の先生を30数年してた高崎さん。先生になりたてのころはとまどうことばかりで、毎日おろおろしながら、はだかで彼らとむきあうしかなかったこと。そのおかげで、どんどん自分の規範が外され、高崎さん自身が自由になっていったこと。退職後も、障がいをもつ彼らと一緒に生きていく場をつくりたくて、パン屋さんぷかぷかをすぐにはじめたこと。

映像なしに、言葉だけできいてたら、ほんとかな、って思う人もいるかもしれない。でもワークショップ映像を見た後は、その言葉にいっぱいうなずける。参加した人同士で「ぷかぷかさんといるとなんで楽しいんだろうね〜」「なんでだろね〜〜」といいあう映像場面をみながら一緒に、うん、うん、してる自分がいるから。

ぷかぷかパン屋さんをはじめる時、お店だからやっぱり接客を学んだ方がよかろうと、その方面の講師にきてもらって練習した。でも、講師のいう通りにしてるぷかぷかさんたち、気色悪かった、痛々しかった、って。マニュアル通りにするってことは、自分を殺さなきゃいけないことだから。そこで、最低限、お客さんが不愉快でなければいい、とリスク100%ではじめたけど、逆にそれが新鮮、一所懸命さが伝わってきて、ぷかぷかさんのファンが生まれた。意図したんでなく、そうなった。

福祉施設は「支援」をしたがる。それって上から目線でしょ。ぷかぷかさんたちには、できないこといっぱいあるけど、彼らといるといろんなおもしろいことが起きる。彼らといる時間はここちいい。ありのままの自分でいられる。
彼らがいることでぼくら自由になれる、ほっとする。ぷかぷかさんに、支援されてるのは僕の方だ。彼らの存在がまちを耕すという働きをしている。まちを豊かにしている。そういうふうに人をみていくと世界がかわっていく。だから、彼らと一緒にいきてったほうが得なんです、と高崎さん。

映画の後は、高崎さんが話すというより、終始、参加した人たちとのきもちキャッチボールタイム。心をひらいて自分の思いを話すと、高崎さんがうけとめて、ときにはその人に必要な具体的なヒントも提示してくれる。

ぷかぷかさんの時間に、私はなんどもクッキングハウスを重ねてた。クッキングハウスにいくと、なんであんなにほっとするんだろう、いごこちいいんだろう。それは一人一人が、なにができるできないのdoで測られずに、存在そのもののbeで大切にされてるからだ、って思ってるけど、それと共通のもの、13条的な場の意味をぷかぷかさんにも感じた。上からじゃない、平らだからこそ、ひとりひとりのもってるよさが引き出されてくる、ってこと、この日のpukapukaな時間でもいっぱい感じたよ。

 

 水野さん、素敵な場を作っていただき、ありがとうございました。 

 

『ぷかぷかな物語』もしくは『今日もせっせと耕して』

 本の原稿ができあがり、先ほど現代書館の編集者に送りました。編集者は季刊『福祉労働』という硬い福祉の本を30年くらい出し続けてきた人です。

http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-2360-8.htm

 大阪で発行されていた『そよ風のように町に出よう』と並ぶ、こつこつやってきた福祉の本です。亡くなった『そよ風』の編集長河野秀忠さんは、

「『福祉労働』を東の古典落語とすれば、『そよ風のように町に出よう』は上方漫才やな」

といっていたそうですが、河野さんらしいうまい表現だなと思いました。

 『pukapukaな時間』を絶賛していましたので、多分そういう雰囲気の本になるのではないかと思います。

 

 8年前、「障がいのある人たちと一緒に生きていこう」「その方がトク!」と書いた柱を広場の真ん中に立てました。ぷかぷかさんを中心に、少しずつ人が集まり、そこからたくさんの物語が生まれました。その物語を集めたのがこの本です。

 題して『ぷかぷかな物語』。(本の名称はこれから編集者と話し合います。)あるいは『今日もせっせと耕して』。

 『ぷかぷかな物語』は『pukapukaな時間』に対抗するわけではないのですが、しっかりと物語を書き込んだものです。

 『今日もせっせと耕して』は、編集者から、障がいのある人たちと健常者が分けられていることで、様々な問題が起きている。ぷかぷかとしてそのことにどう向き合うのか書いて欲しいとリクエストがあり、あとがきにかえて書いたのが「今日もせっせと街を耕して」。制度的にアーダコーダいったところで何も変わりません。ではぷかぷかは何をしているのかと考えたときに、分けられた社会の中で尚もぷかぷかさんたちがファンを作り続けているわけで、これはまさにそんなふうにして分けられた街を耕しているんだと気づき、「今日もせっせと街を耕して」と題してあとがきにかえました。あとがきのタイトルですが、本のタイトルとしてもいいなと書いてから思いました。「街を」を外して、「今日もせっせと耕して」の方がなんとなくノリがいいですね。『今日もせっせと耕して』に、「街を」を吹き出しにしてくっつけると楽しいなと思っています。サブタイトルにするといいのかも。

 本の目次は以下の通り。

 

はじめに

第1章 物語のはじまり

1−1 「養護学校でもいい」と思って働き始めたら、病みつきに

1−2 障がいのある人たちに惚れこんでしまったー

                    すべてはそこから始まった

1−2−1 ゲハハハ ガハハハ

1−2−2 カンカンカン あたりぃ!

1−2−3 社長の方が何倍もいい顔

1−2−4 障がいのある子ども達に育ててもらった

 

1−3 みんなでパン屋やろうぜ

1−4 夢の始まりーNPO法人の申請書を書く

1−5 とにかくやりたいからやるーそれが福祉起業家

1−6 650万円ゲット!

1−7 2000万円を超える見積書にじわっと冷や汗 

 

第2章 パン屋を始めたものの

2−1 商売のことを何も知らずに始めた「素人パン屋」

2−2 近隣から「うるさい!」と苦情の電話が入り、半年間は針のむしろ

2−3 この1枚の写真を撮るために4年かかりました

2−4 プロから見れば、もう見てられない

 

第3章 なんだ、そのままでいいじゃん   

3−1 気色悪くて接客マニュアルはやめた

3−2 ひとときの幸せをいただきました

3−3 ぷかぷかウィルスに感染! そのお客さんは

3−4 そのままでいいなら、今まで努力は見当違い?

3−5 彼らに社会を合わせた方がいい

 

第4章 ぷかぷかのお店

4−1 おいしい給食が「ぷかぷか三軒長屋」に

4−2 カフェベーカリーぷかぷか

4−3 おひさまの台所

4−4 アート屋わんど

4−5 ぷかぷかさんのお昼ごはん

 

第5章 まっすぐに前を向いて生きています

       ー障がいのある人が働く、ということ

5−1 知的障がいの人にはほんとうに単純作業が向いている?

5−2 一大決心で飛び込んだぷかぷか

5−3 「まっすぐ前を向いて生きています」という言葉が出る職場

5−4 障がいのある人たちへの人生への配慮が抜け落ちているんじゃないか

5−5 仕事の持つ意味が、ぐ〜んと豊かに

5−6 ビジネスの面白さで毎日が楽しい

5−7 一石五鳥のソーシャルビジネス

 

第6章たくさんのつながりを作る

6−1 パン教室はぷかぷかさんとのおいしい関係

6-2 ぷかぷかしんぶんでお客さんを作ってきた

6−3 ありがとうカードが手描きで10万枚

6−4 なんでまたパン屋が子ども達にオペラをプレゼント

 

第7章 障がいのある人たちといっしょにあたらしい文化を作る

7−1 識字教育としての演劇ワークショップ

7−2 障がいのある人たちと演劇ワークショップ

7−2−1 障がいのある人に「あなたにいて欲しい」「あなたが必要」と

     しみじみ思う関係

7−2−2「海のぬいぐるみ」だって?

7−2−3 時代が追いついた

7-3 第一期みんなでワークショップ「森は生きている」ぷかぷか版 

 7-3-1 人形に魂を入れるのがむつかしかった

 7−3−2 手話で「もえろ もえろ」

 7−3−3 みんな悪意がないんだね

 7−3−4 このわがままな人間たちをどうしたらいいでしょうか?

 7−3−5 げんさん、タケちゃん、じゅんちゃん

 7−3−6 まーさんの物語

 7−3−7 なぜ彼らといる時に、ゆるっと心地よいのか、

                  わかった気がします。

7−4 第二期みんなでワークショップ 「みんなの生きる」

 7−4−1 「みんなの生きる」の詩を書く

 7−4−2 不満のかたまりむっつり大王

 7−4−3 むっつり大王は自分の中に

 7−4−4 むっつりに感染しない人たちもいるんじゃないか

 7−4−5 電話口で♪おひさま〜が りんごの〜 はっぱをとおして ひ〜

                              かる〜……

 

7−5 第三期みんなでワークショップ「セロ弾きのゴーシュ」ぷかぷか版

 7−5−1 できないことが新しいものを生み出す

 7−5−2 すばらしく味のあるチェロ

 7−5−3 ふつうに書いた字がそのまま背景画に

 7−5−4 クリームパンを買いに来たお客さんがいっしょに舞台へ

 

 

第8章 思いつきのひとことが区役所を巻き込んで生まれた物語

8−1 区民まつりでブースのデザイン

8−2 大きな絵地図を作ることに

8−3 大きな絵地図が区役所のロビーに

8−4 区長、副区長が名刺に似顔絵

8−5 人権研修会講師に「ぷかぷかさん」

 

 

第9章 相模原障害者殺傷事件のこと

9−1 社会全体が障がいのある人たちを排除

9−2 面倒のかかる人たちを排除すると社会はすっきりするのかどうか

9−3 たくさんのファンを作り出してきた

9−4 小さなことを日々の暮らしの中で積み上げる

9−5 人の名前は、その人の人生そのもの

9−6 「決して忘れない」はどこへ行ったのでしょう

9−7 「障害者は不幸しか生まない」?

9−8 たかが握手、されど握手

9−9 障がいの重い子どもとの日々が楽しい

9−10 生産性のない人が社会に必要な理由

9−11 福祉を腐らせないために

9−12 NHKスペシャルで見えてきたこと

9−13 黙々といい一日を作り続ける

9−14 重い問い

 

今日もせっせと街を耕してーあとがきにかえて

 

雑居まつりに行ってきました

 世田谷の雑居まつりに行ってきました。いろんなグループがごちゃっといて、この泥臭い雰囲気がすごくいい。

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煙のあがっているところがなんとものどか。火を使っていい貴重な場所。

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 「みなせた」(水俣と世田谷を結ぶグループ)の舞台。「働くって何?」がテーマ。

ぷかぷかのワークショップの進行役をしているせっちゃん、はるちゃん、表現の市場の舞台監督ナルさんの三人が舞台に立っていました。

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www.youtube.com

 この芝居、「働くってどういうこと?」で終わりました。終わってから、ナルさん、せっちゃんに

「テーマを語るところで終わってるじゃん。このあとが大事なんじゃないの?」

と文句を言ったら、今日のは予告編みたいなもので、本番は12月にやるのだとか。

「だったら来年1月の表現の市場の舞台でもやったら」

と提案。今、ぷかぷかが取り組んでいる「ほらクマ学校を卒業した三人」は「なんでもいいから一番にな〜れ」を忠実にやろうとして、最後には自滅する三人の物語。この「一番にな〜れ」は生産性の評価。そこを問い直すのは、働くことの意味を問い直すことでもあり、今日見た芝居にも通じる話、と表現の市場に誘ったのでした。

 ま、でも、そういう思いで芝居の筋道を作ってしまうのは、それはそれで変なので、どこまでもぷかぷかさん達が作り出すもので勝負するのですが、お話をふくらませていくときの手がかりは提供しようと思っています。あとはぷかぷかさんたちがどんな風にふくらませていくか、です。

 

 もう一つ、ラブエロピースの舞台。これはみんなの思いが爆発するような、すごい迫力。

一番中心でがんばっている実方さん

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全身でシャウトする、この人の生き方がすばらしい!

www.youtube.com

 ラブエロピースは表現の市場で2年続けてロービーコンサーとをやっていただいたのですが、来年はぜひ舞台に立って欲しいと思い、舞台監督のナルさんに相談。音響のセッティングが大変そうでしたが、なんとかやってみよう、の返事。

 来年1月27日の表現の市場の舞台は、和太鼓の「アラジン」、ラップの「はっぱオールスターズ」、「みなせた」の芝居、「ラブエロピース」、それにぷかぷかの芝居。全部で3時間近い舞台になりそうです。

映画には、一緒に生きていった方がいい、という力強いメッセージがいっぱい

 昨日の夕方、金沢の水野スウさんからメッセンジャーで

 

高崎さん 来週の紅茶で、「森は生きている」ぶかぶか版の上映会をすることになりました!!6回のワークショップ、本番、そして日常のぷかぷかさん、すばらしい映像の記録。自分も参加してるような臨場感…

 

というメッセージが届きました。

 8月のみどりアートパークの上映会に、スウさんの娘さんが見に来ていて、すばらしい映画でしたという感想をもらい、よかったらぜひ金沢で上映してください、と「森は生きている ぷかぷか版」のDVDを預けました。それをお母さんが見て、上映会やろう、と決めたようです。

 「森は生きている ぷかぷか版」は2時間11分の大作です。それをDVDを見ただけで、やろう!と決めた水野スウさんの思いを見たとき、これは行かねば、と思ったのです。すぐに金沢行きのチケットを予約しました。

 映画は発表会の舞台の映像から始まり、その舞台に至るまでの6ヶ月にわたるワークショップの活動を記録したものです。ひとつの表現が出てくるまでの長い時間をそのまま記録しています。障がいのある人たちとおつきあいする、というのはこの長い待ち時間を共有することなんだ、ということがよく見えます。そういう作業を繰り返し、最後の発表会の舞台ができあがります。

 彼らと一緒に生きること、その結果、何が生まれるのかがよく見える映画です。共生社会を作ろう、とか、共に生きる社会を作ろう、とか聞こえのいい言葉が飛び交っていますが、ぷかぷかはそういう言葉は一言も発することなく、黙々と彼らと一緒に芝居を作り、彼らといっしょに舞台に立ちます。

 共生社会を作るためにワークショップをやっているのではありません。どこまでも彼らと一緒にやるワークショップが楽しいからやっているのです。彼らと一緒に生きることが楽しいからやっているのです。

 だから最後、すばらしく楽しい舞台ができがあがります。彼らと私たちの関係がとてもよく見えます。一緒にいると楽しい!という関係。

 その関係の中で、障がいのある人たちに向かって、

「ここにあなたにいて欲しい」「ここはあなたが必要」

と心から思えるようになります。

 相模原障がい者殺傷事件の犯人は

「障がい者はいない方がいい」

といいました。そしてそれに同調してしまう社会があります。それに対して、

「それはちがう」「障がいのある人たちはいた方がいい」「社会に必要」

というメッセージを出し続けなければならないと思っています。

 それは「共に生きる社会を作ろう」といった抽象的なメッセージではなく、もっと具体的な形のある、思いのこもったメッセージです。障がいのある人達と全くおつきあいのない人たちが見ても、

「一緒に生きていった方がいいよね」

って共感できるようなメッセージです。ぷかぷかさん達といっしょにやっている演劇ワークショップは、そういう目に見えるメッセージ・舞台を毎年創り続けてきました。

 映画には、一緒に生きていった方がいい、一緒に生きていくとこんなにすばらしいものができる、という力強いメッセージがいっぱい込められています。

 

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10月10日、とくべつ紅茶の時間で、ぷかぷかさんの上映会&ぷかぷか理事長・高崎明さんのおはなし会することになりました!
題して、「pukapukaな時間」
1:00〜5:00(うちわけは、ぷかぷかさんの映画上映+高崎さんのおはなし+参加したみんなとのきもちキャッチボールタイム) 参加費1000円。@紅茶・水野宅 076−288−6092

「障害者雇用が意味あるもの」として見る視点

 神奈川県印刷工業組合の理事長さんから全日本印刷工業組合連合会のCSR推進委員会の定例の委員会でぷかぷかさん達の人権研修会をやってくれないか、という依頼がありました。

 〈 印刷業界ではダイバーシティ経営も進めており、「障害者とともに生きる」ということについてぜひ高崎さんはじめぷかぷかさんたちにも教えていただきたいと思っています。〉とありました。

 全国から印刷会社の経営者が10名ほど集まるそうです。

 〈 各地域の業界ではそれなりに影響力をもった社長たちが集まりますので、横浜から「障害者が創る新しい価値」を発信できればと思います。〉とあって、やる気満々です。

 人権研修会で、何がどれだけできるのか、まだ未定ですが、とりあえずぷかぷかさん達と出会ってもらうこと、その上で、彼らと何ができるのか、を一緒に考えたいと思っています。

 相手はビジネスの最前線に立つ人たちです。生産性がまず求められる現場にあって、尚も「障害者とともに生きる」ことを考えたい、とぷかぷかにやってきます。ですから、人権研修会というよりも。ぷかぷかと印刷業界とのコラボ、という感じで、生産の現場に障がいある人たちがいた方がいい理由を一緒にさぐれたらと思います。

 ぷかぷかの空気感を味わってもらいます。ぷかぷかさんとおつきあいしてもらいます。ぷかぷかの映画を見てもらいます。ぷかぷかが創り出したもののお話を聞いてもらいます。

 そこで感じたことを生産の現場目線で評価してもらいます。生産性の論理では語れない価値がぷかぷかにはあります。その価値を生産の現場に取り込むにはどうしたらいいのか、といった話をいっしょにします。ここがぷかぷかと印刷業界のコラボです。

 「生産の現場に障がいある人たちがいた方がいい理由」が現場でも通用するほどの価値として確立できるなら、それは企業が障害者雇用を進める上で大きなチカラになります。

 障害者雇用の一番の問題は、障害者を雇用する理由が語られないまま、雇用達成率のみ押しつけられている所にあると思います。だから中央官庁で障害者雇用数を水増ししたなどという恥ずかしい事件が起こりました。

 そんな社会情勢にあって、生産現場に障がいのある人たちがいた方がいい理由が、現場目線で明確に語られるなら、「障害者雇用が意味あるもの」として企業が積極的に取り入れるようになります。その結果、更に多くの障害のある人たちが企業で働くことになります。すばらしいことだと思います。共生社会を作ろう、などという言葉よりも、確実に社会が変わっていきます。

 この「障害者雇用が意味あるもの」として見る視点が、すごく大事だと思います。この視点こそが、社会を豊かにしていきます。

 

 今まではいろんなことがよくできる障害者が企業に雇われ、それを障害者雇用としていました。これからは生産性に関わりなく、障がいを持ちながらも、働きたい人がいれば誰でも働けるような、そんな新しい価値観が、ぷかぷかと印刷業界とのコラボから生み出せたら、と思っています。

 

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ぷかぷかさん カナダをゆく

 映画『ぷかぷかさん カナダをゆく』の完成お披露目回上映会がありました。

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 昨年9月にバンクーバーで開かれた「世界自閉症フェスティバル」に参加することが大きな目的ではあったのですが、映画から見えたのは、ぷかぷか珍道中というか、ぷかぷかさん達と一緒に旅したからこそ生まれた、わくわく、ドキドキするような、すばらしく楽しい物語でした。

 きっかけは2年前に作ったぷかぷかのプロモーションビデオが世界自閉症フェスティバルの主催者の目にとまり、昨年9月のフェスティバルで上映して欲しいという話が飛び込んできたことです。スカイプで参加すればいい、という話でしたが、やはり映画の反応を直に見たいという思いがあり、どうせ行くならぷかぷかさんも一緒に行っちゃおう、ぷかぷかさんが行くなら、その珍道中を映画にしちゃおう、と話がどんどん盛り上がって、最終的には19名もの人たちがワイワイと出かけたのでした。

 映画の上映をして欲しいという話に、「だったらみんなで行っちゃおう」と軽いノリでこたえたところがいかにもぷかぷからしいのですが、何か新しいことを始めるには、こういう軽いノリこそ大事な気がします。

 あれを、旅の目的はなんだ、とか、予算はどうするんだ、とかいろいろ会議を重ねていたのでは、多分行けなかったと思います。

 

 で、行ってどうだったかが今回の『ぷかぷかさん カナダをゆく』の映画になったのですが、珍道中ながら、最後は涙が止まらないくらい感動してしまいました。

 ぷかぷかさん達と一緒に生きていくって、こんなに素敵なことなんだって、じわ〜っと感じさせるエンディングでした。

 ぷかぷかの大ファンであるFujikiさんは

「冒険が始まったよ。冒険はスタートしたばかりだよ。まだまだ行くよ」

と感じたそうです。

 そうか、ぷかぷかのみんなが

 

♪ ぷかぷか どきどき そわそわ わくわく

 ぷかぷか どきどき そわそわ わくわく

 

って歌っているエンディングで、涙が止まらなかったのは、そういうことだったのかって思いました。

 

 最近は神奈川県にも「共生社会推進課」なんてところができ、みんなして「共生社会」を口にするのですが、そんなことのはるか先を「どきどき そわそわ わくわく」と歌いながら行っているぷかぷかの映画でした。

 絶対に見た方がトク!です。

 あちこちで上映会やる予定です。またいろいろお知らせをアップします。

 お問い合わせは 045−453−8511 ぷかぷか事務所 高崎 まで

 

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 「だったらみんなで行っちゃおう」と軽いノリで書いた「カナダ物語」

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(第2回『哲学対話』)ぷかぷかさんたちと対話しているときの方が「素のまま」の私でいられる 

 ぷかぷかさん達と一緒に立教大学まで出かけ、学生さん達と第2回目の「哲学対話」をしてきました。

 1年ほど前、立教大学の河野先生から

 「ぷかぷかさんと哲学対話をしたい」

という提案をいただいたとき、最初はちょっとびっくりしました。今までそんなことをいう人はいなかったからです。彼らと関わる人の多くは、上から目線で何かやってあげるとか、支援するという関係です。そんな中で、彼らときちんと対話をしたい、という提案は目が覚めるほどに新鮮な提案でした。今までにない、何か面白いことが起こるかも、とわくわくしながら提案を受けました。

 彼らとフェアに向き合って対話をし、何かを見つけたい、今回はその新しい試みの2回目です。 感想に

〈 ぷかぷかさんたちと対話しているときの方が

           「素のまま」の私でいられるような気がする 〉

と書いた方がいました。これはすごい発見だったと思います。学生さんはいろんな人たちと「哲学対話」をしています。そんな経験の中で、なおも〈ぷかぷかさん達と対話しているときの方が、「素のまま」の私でいられる〉と書いています。

 これはぷかぷかさん自身が「素のまま」でいることが大きいと思います。障がいのある人たちは社会にあわせないと生きていけない、とよくいわれます。そのために大変な努力をみんなしています。それは自分を押し殺す努力です。自分らしさを表に出さない努力です。

 私は養護学校の教員をやっているとき、障がいのある人たちに惚れ込んでしまい、彼らと一緒に生きていきたいと思ってぷかぷかを作りました。ですから、ぷかぷかでは社会が求めるものよりも、「素のまま」の彼らを私は選びました。「素のまま」の彼らにこそ、私は惚れ込んだからです。「素のまま」の彼らこそ、魅力的だと思ったからです。

 ぷかぷかさん達は、社会にあわせるのではなく、「素のまま」の彼らで働いています。だからたくさんのファンができました。「素のまま」のぷかぷかさんに出会い、ふっと自由であることの大切さを思い出したのだと思います。

 ぷかぷかさんと「哲学対話」をやった人たちも、多分、そういう発見をしたのだと思います。

 

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●今日は遠い立教大まで足を運んでくださり、ありがとうございます。お昼の「セントポールの隣」での白いカツ丼もぷかぷかさんたちに気に入ってもらえたようで、なんだかそれもとても嬉しかったです。

 私自身外部の方と哲学対話を行うのが久しぶりで、かつ5月にも一緒に対話したぷかぷかさんたちや高崎さんとまたお会いできるということで、今日は朝起きたときからワクワクしていました。教室に入ると、どこか懐かしいような、たった1度しか対話したことがないとは思えないようなあたたかな雰囲気でぷかぷかの皆さんが迎えてくださいました。対話後も、「やっぱり一緒にお話しできてよかった」と、ぷかぷかさんたちから元気をもらったようでした。結果、その後の授業もいつもより明るい気持ちで受けられました(笑)。

 今回対話をしてみて、考えたい点が2つあります。

1つ目は、養護学校などの教育機関では特別辛い経験などないとしても、その後の就職先でも同じだったのかということです。今回話をきいてみると、多くのぷかぷかさんたちにとって、学校(特別支援学校等)の思い出はそれほど悪いものではなかったようです。実は私も先日特別支援学校を訪れて2日間生徒たち(高校生)と過ごしました。面倒見の良い先生たちのもと、大多数の生徒は生き生きと楽しそうに学校に通っていました。と考えると、学校は守られた環境で過ごしやすいかもしれませんが、学校を出た後の就職先ではどうなのかという疑問が湧きました。ナカタクさんや辻さんはぷかぷかに来る前、他の職場に勤められていたということで、そこでの体験や経験などをもう少し聞ければよかったかもしれません。

2つ目は、私はぷかぷかさんたちと対話しているときの方が「素のまま」の私でいられるような気がすることです。ぷかぷかさんたちとの対話は本当に刺激的です。自分の言いたいことをそのまま言葉にし、自分なりのペースで語っている姿をみていると、私も「それでいいのだ!」と思います(その方が相手に深く響くかもしれないし)。そうすると、だんだん私も「素のまま」の私をぶつけようという気になって言葉に困らなかったり、すんなり質問できたりします。とにかく、ぷかぷかさんたちとの対話には普段ゼミ生同士でするものにはないスパイスを感じるというか、毎回、考えさせられます。

つらつらと脈絡のない文章で恐縮です。最後になりますが、今こうして対話を振り返っていると、自分らしく生きることについてぐるぐると思考がめぐり、すごく「耕されて」いるなあと感じます。本日は誠にありがとうございました。また次回も楽しみにしております。

 

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●ぷかぷかさんと2回目の哲学対話でした。
前回よりもぷかぷかさんたちのことが知れました。
みなさん一人ひとりが唯一無二の存在なんだなぁと実感できた対話は初めてでした。
 
セノーさん:立教でもゴローンと寝てしまうセノさん。セノーさんはどこに居てもセノーさんを貫いている感じがしました。対話中の質問に対する答えもセノーさんらしさに溢れていました。
 
ツジさん:対話中にツジさんが突然発する言葉に興味津々でした。ツジさんが突然、「7人の小人がシンデレラの居場所を知ってるよぉ~」と言いみんなが笑う瞬間がありました。ツジさんの頭の中は一体どんな風になってるんだろう?どんな世界が広がっているのか興味津々です。
 
ナカタクさん:絵が上手なナカタクさんは、話す時の比喩表現が素敵でした。ナカタクさんの言葉で特に心に残っているのは「将来というのは霧のようでコロコロと変わって、突然光ったり消えてしまったり、決めようというのは難しい」です。
 
ハヤチャン:優しい人柄がすごく素敵です。本がお好きと聞きました。グリム童話、マニラオーシャン、宇宙についての本、ハヤチャンが好きなものについてもっと話が聞きたくなりました。
 
テラちゃん:以前の上映会で初めてお会いしただけなのに私の名前を覚えていてくれていました。驚きました。友達作りのプロだと思います。
 
ショーへーさん:ショーへーさんは、対話の後半で「ツジさん!さっきからトートゥルトゥルトゥルと言ってどうするんですか!」と言っていました。わたしも対話中に少し気になることがあったのですが、ショーへーさんも同じ気持ちだったんだと思いました。私はなんだか気にしちゃいけないかなと思って少し我慢していたけれど、ショーへーさんのように素直に気持ちを伝えることができるということは、相手と対等に接している証なんだと思います。相手に障害の有無は関係なく、素直に気持ちを伝えることができる関係は素敵だと思いますし、そうありたいと思いました。
 
対話の中で、ぷかぷかさんが将来のことについて語る時、「事業所」や「作業所」、「グループホーム」という言葉が出てきました。
「事業所」や「作業所」、「グループホーム」について私はよく知りません。
今の社会で所謂「障害者」の人がどんな人生を歩んでいるのかよく知らないのです。
今回のぷかぷかさんとの哲学対話を通して、色々な人と共に生きていくためにはもっと相手のことを知らなければならないと思いました。
ぷかぷかさん、立教にきてくれてありがとうございました。これからもよろしくお願いします!

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●私は今回が初めてのぷかぷかさんとの哲学対話で、初めは少し緊張していました。

 理由は1つです。障害をもつ方々と深くお話をするのが初めてだったからです。

 小学校教員の過程に所属しているため、今月あたま特別支援学校に介護等体験でうかがったため、お話することや一緒に過ごすことに抵抗はありませんでしたが、今回は哲学対話。どこまでお話を掘り下げていいものかと、考えてしまいました。

 しかし、実際にお会いしてみると一人ひとりの魅力に引き込まれて、気づいたら対話を楽しんでいました。

 私の質問である「養護学校での生活はどうでしたか」について、みなさんに丁寧に答えていただいたこと、とても嬉しかったです。楽しかったという感想が思ったより多くて驚きましたが、理不尽さを感じていたというお話から、教員のあるべき姿勢など、考えさせられました。今後の自分の学びや姿勢に生かしていこうと思います。

 ぷかぷかの皆さんと今回お話したことで、障害をもっている人の可能性を強く感じることができました。是非、パン屋さんにもその他ワークショップにも伺えたらと思っています。

 

●初めてぷかぷかさんたちと、対話するので、どんな話になるか、分からなくて緊張していたんですが、気さくにぷかぷかさんたちが話して下さったお陰で緊張がとれました。

さらに、話している人以外の人が話しているのも、見ていてとても面白かったし、微笑ましかったです。対話のなかで、私の頭の中に「?」が浮かんできたので、この次はじっくりと一人一人とお話しをしたくなってきました。「私の頭のなかでこれってこういうことかな」と一人で考えたりするのも、楽しかったです。

ありがとうございました。

 

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ぷかぷかさんが大学の正門あたりで集まってるのを見つけたとき、なんだか楽しく面白い感じがしました。

この間知り合った友達が遥々自分の家まで来てくれたような嬉しさ。はたまた大学という場所にぷかぷかさんがいる、その組み合わせの妙なのか。

やっぱり普段大学にいる人たちって偏ってるんだなと改めて感じます。もっとぷかぷかさんのような人たちがたくさんいたら楽しいのに。そのためにはもっとみんながぷかぷかさんたちと仲良くなる必要がありそうです。

今回はもっと仲良くなるために、立教大学で哲学対話をしました。前回の続きです。大学の少し狭い教室で、いつもと違う雰囲気で緊張されたかもしれませんが、みんな聞きたいことを質問し、お互い答えることがたくさんできて良かったと思います。

ぷかぷかさんたちは自分が話したいことを話し、聞くときは真剣、面白ければこぼれるように笑う。憧れます。

お互い知らないことばかり。

これからも対話を続けていきたいです。

 

●今回、ぷかぷかさんと哲学対話をして見て思ったことが大変共感できることが多かったことということです。例えば、将来どうなりたいという話題の時、お隣の方が「将来はまだよく見えていない、ただ今できることはその方向性を決めて行動すること、そこに最終的に行くかどうかは分からないけど、その方向性を決めることが大切」というようなことをおっしゃっていました。わたしも今就職活動をしていて、自分の将来について考えることが多いのですが、この方の考えにすごく共感したし、なんだか勇気づけられたような気がいたしました。

哲学対話が始まる前までは、対話が成り立つのかなど不安なこともあったのですが、実際してみてぷかぷかさんにすごく共感したし、むしろ教えられたような気がいたします。
私も、本当はあまり人の空気に合わせるのが得意ではないので、自由にしていらっしゃるぷかぷかさんさんをみて羨ましくも思っておりました。
また機会があれば、是非一緒に哲学対話したいです!!!
 
 ●先日の哲学対話では、日頃、悪く言えば、分断されている健常者と障害者の境界を越えて、1人の人間として同じ場を共有できたと感じられるような、そんな体験ができました。

障害者の方が持っている考えや気持ちは、健常者と何も変わらない。そのことに改めて気がつける、実感できる場でした。
それと同時に、健常者が普通だ、と思って従っているルールの異常さが分かり、いかに現代社会が神経症的なのかを思い知らされました。
将来について話した時にみんなそれぞれの夢を持っていて、健常者よりよっぽど未来に希望を持っているとも感じました。
これからの皆様のますますのご活躍をお祈りしつつ、私も未来に希望を持とうと思いました。
 

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今日も靴下を脱いで昼寝。でも…

 先日立教大学に「哲学対話」に行く前、大学のそばのレストランでごはんを食べました。セノーさんはハンバーグステーキの温玉のせを注文。おいしそうに食べながら、

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「ぷかぷかでは何人働いていますか?」

と聞いてきました。

「40人です」

そのときは、どうしてそれを聞いてきたのかよくわかりませんでした。

 

その日の夜、お父さんのFacebookに

 

秋葉原です。むすこさん、ぷかぷかのみんなにどうしてもお土産が買いたかったそうです。

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という記事がアップされていました。

私が

「今日、お昼ごはん食べながらぷかぷかさんの人数聞いていました。友だち思いで、優しいですね」

と書き込むと、

「健介にとって大切な仲間です!」

と、お父さんから返事がありました。

 

学校の教師をやっている方が

「優しいですね。仲間を感じるって、人として一番大事なことだなって思います」

と書き込んでいました。

 

 ぷかぷかさん同士で、そんな風にお互いのことを思い合う関係ができていたことが、すごくうれしかったです。

 セノーさんは今日も靴下を脱いで昼寝。でも、ちゃんと仲間のことを思っているセノーさんです。

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彼らに、私たち救われてるのかも

 ぷかぷかは「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」「その方がトクだよ」と言い続け、そのことを実感できる関係を様々な形で作って来ました。そのおかげでぷかぷかのまわりは、障がいのある人はいて当たり前であり、むしろいた方がいいと思う人がたくさんいます。彼らとの関係も、上から目線で何かやってあげるとか支援するとかではなく、どこまでも「一緒に生きていくといいよね」「一緒にいると心ぷかぷかだよね」という関係です。

 

 ところが周りを見渡すと、全く違う関係が広がっています。すぐ近くで障がいのある人たちのグループホーム反対の声が上がったことがあります。

「障害者は犯罪を犯す。だから彼らのグループホームができるととても不安。地域社会の治安が悪くなる」

といった声です。障がいのある人たちとおつきあいしている人であれば、こんなふうには思いません。相手を知らないということが、ここまでひどい偏見、思い込みを生むのだと思いました。でもその偏見、思い込みが、場合によってはグループホーム建設の計画をつぶすほどの力を持つこともあります。

 

 どうしてこういったことが起こるのか。それは小さな時から障がいのある人たちと健常といわれる人たちが分けられていることが大きな原因だと思います。障がいのある人たちのことを知る機会がほとんどないのです。

 障がいのある子ども達はたいてい特別支援学校、特別支援級に振り分けられ、よほど希望しないと普通級には行けません。時々健常児との交流が行われたりはしますが、日々の暮らしの中でのふつうのおつきあいはほとんどありません。

 いろんな人とおつきあいをする中で人間は豊かになっていきます。一番人間ができていく子どもの頃に障がいのある子ども達とおつきあいする機会がない、というのは人間形成の上ですごくもったいないと思います。いろんなことができなくても、その子のそばにいると、なぜかあたたかな気持ちになれること。これはどうしてなんだろうって考えることは、子どもを豊かにします。子ども達がいずれ社会を担うことを考えれば、これは社会的な損失といってもいいくらいです。

 学校を卒業してからも、一般就労して社会に出られるのは、ごく一部のいろいろ仕事のできる人たちです。障がいのある人たちの多くは、生活支援とか就労支援、地域作業所、特例子会社など、福祉の世界に入り、やはり健常といわれる人たちと交わる機会はほとんどありません。

 

 同じ社会にいながら、障がいのある人たちとおつきあいする機会がない、というのは、すごくもったいない話だと思います。障がいのある人たちのことを知れば、その分人間の幅が広がり、社会が豊かになります。いろんな人がいること、そしてお互いおつきあいすること、それが社会の豊かさです。いろんな人がいても、それが分けられた状態では、豊かさは生まれません。

 先に紹介した障がいのある人たちのグループホーム建設反対の声は、障がいのある人達を地域社会から排除します。「知らない」ということが力を持つと、知らない人たちを排除してしまうことになるのです。これは双方にとって、とても不幸なことです。

 グループホーム建設反対の声でなくても、障がいのある人たちのことを知らないと、「障害者はなんとなくいや」「こわい」「近寄りたくない」「社会のお荷物」「生産性が落ちる」などと思ってしまい、様々な形で彼らを私たちのまわりの社会から排除してしまいます。 

 誰かを排除すると、その分、社会の幅が狭くなり、お互い窮屈な社会になります。

 私が私らしくある、という当たり前のことが、とてもやりにくくなり、息苦しい社会になります。社会の許容量が狭くなると、社会はだんだんやせこけてきます。

 

 ぷかぷかに来るとホッとする、というお客さんが多いのは、そういった社会を反映しているのだと思います。

 ぷかぷかは就労支援の事業所です。一般企業で働けない障がいのある人たちの働く場です。そういう意味では、障がいのある人たちと健常者を分ける仕組みの一つになっています。 

 でも、お客さんはぷかぷかに来るとホッとする、といいます。どうしてなのでしょう。

 それは多分、ぷかぷかさん達がありのままの自分を出して働いているからだと思います。ぷかぷかでは、彼らは社会にあわせるために自分を押し殺してしまうのではなく、ありのままの自分で働いています。ああしなければいけない、こうしなければだめ、といった「社会の規範」に縛られることなく、それぞれの自分らしさを存分に出して働いています。

 そのことがぷかぷかの自由な空気感を生み出しています。その空気感の中で、お客さんはホッとした気分を味わうのだと思います。私が私らしくあることの大切さを、ぷかぷかの自由な空気感の中で思い出すのだと思います。

 ホッとした気分の中で、ぷかぷかさん達、つまりは、障がいのある人たちはやっぱり社会にいた方がいいよねって、お客さんたちは多分、思います。

「彼らに、私たち救われてるのかも」

とひょっとしたら思います。

 こんなふうにしてぷかぷかは、障がいのある人たちと健常者と分けられた社会を耕し、

「一緒に生きていくといいよね」

ってみんなが思える社会を作っています。誰にとっても居心地のいい社会です。 

 

 ぷかぷかさん達は日々の仕事(パン屋の仕事、お惣菜屋の仕事、アートの仕事、食堂の仕事、畑の仕事)をしながら、社会を耕し、社会を豊かにする、というすばらしい仕事もしているのです。

 

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お昼ごはん ももちゃんと、セノーさんに囲まれて、 なんだか、(初対面なのに)リラックスしました

 養護学校の教員をやっている方が参加しました。養護学校の教員がワークショップに関心を持って参加するのはひょっとしたら初めてかも。こういうおもしろい試みにこそ関心を持って欲しいと思っているのですが、養護学校のみなさん、何考えてるのですかね。

 

●●●

演劇ワークショップ、たのしかったです!
普段受けるワークショップより、早めに、自分を出していけた気がします。

歌もすてきでした。
実は、今回のワークショップについて、ほとんど情報を得ていっていなかったので、
(最近、まとめて高崎さんのブログを拝見したのですが、
 なぜか、今回の演劇ワークショップについてのものは、拝見し落としていました。)
「わっっ!!こんな歌なんだ!!」
と、曲と、歌詞で思いました。
(曲もすてきでした。)

「なんでもいいから 一番になれ」

の繰り返しでは、初めて歌う時から、ちょっと泣きそうになりました。
3つ目の高音から入るところぐらいです。
「つらいなぁ~。」「(そんなこと、いわんといてぇ~なぁぁ~。)」

と、自分の体から、すなおに出てきました。
(きっと染み付いているし、いたんだな、と思いました。)

「癒し力、一番。」

っていうのも、あるな。

と、思って、その場は少し明るい気持ちになっていたのですが、

やはり、「一番」という競争に、頭の先までどっぷり漬かっているのかな(思考が)。
とも、思ったりしました。

☆☆☆☆☆☆

午後のワークッショップの様子を、ブログで拝見して、
「あ~。残念だったなぁ~。」「たのしそうだなぁ~。」
と、思いましたが、
お昼ご飯休みも、わたしにとって、たのしい時間でした。

郁ちゃんと、あずみさん(だったように思うのですが…名前が覚えられていなくて、すみません。)、
ももちゃんと、セノーさんに囲まれて、
なんだか、(初対面なのに)リラックスしまし。

ブログで、知っている方だということもあると思いますが、
「あ~。別にそこにいていいよ~。」「何もしなくても~。」
というような雰囲気をうけて、わたしは楽でした。

如何に、いつも「何をしなくちゃいけないか。」「何をするべきか?」を考えているか、だ。と思いました。

特に、職場にいる間は。

障害のある子どもに対しても、学校では、
「(この子に対して)今、何をするべきか?」
「(この子に、)何をさせるべきか。」
を考えているな、と、思いました。

それは、今回のワークショップの場で、
ぷかぷかさん達と触れ合えたから、特に感じたことだと思います。
(社会に出ている(そして自然体な)障害のある方ということ、学校という場ではなかったということ。)
(「自然体な」というところも大事だと思います。)

学校でも、できるだけ「たのしく過ごそう!」としているのですが、
『教育』せなあかん、というのがあって、
どれくらまで『教育』させていただくのか、
どのくらい子どもに「がんばって」いただくのか、

最近、悩むところです。

今、中3の知的障害部門の担任なのですが、
2年がかりで、自分の名前が書けるようになってきた子どもや、
最近、ひらがな、カタカナ、漢字が読めるようになった子どもなんかがいて、

どれくらい「がんばって」「勉強していただくか。」は、時々悩みます。
(できるだけ、たのしく勉強しよう!とは、していますが。)

★★★★★

やはり、ぷかぷかさんたちと触れ合うことによって、感じたことは多かったです。

来月もたのしみです。

作品も、どのようになっていくか、

わたしも、なにを感じていくか。。。

たのしみです。

●●●

 

 養護学校とぷかぷかとの落差で、いろいろ思うことがあったようですね。これからどんな風に変わっていくのか楽しみです。

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