「FACE of WONDERの世界2024」に行ってきました。
入り口をぷかぷかさんの作品が飾っていました。
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TOSHIKIさんに似顔絵を描いてもらいました。
「FACE of WONDERの世界2024」に行ってきました。
入り口をぷかぷかさんの作品が飾っていました。
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TOSHIKIさんに似顔絵を描いてもらいました。
こういう絵を描く人達こそ大事にしたいと思うのです。こういう絵を描く人達がいること、それが社会の豊かさなんだとみんなが共有できたら、社会はお互いもっと生きやすいものになる気がするのです。
まぁまぁの暮らしができるニッポンにあって、こんなすばらしい絵を描く人達には、まっとうな給料が払えていません。それはやっぱりニッポンの貧しさだと思います。
どうしたらいいのか、それをみんなで必死になって考える。
以前見学にきた市会議員が、絵を見て「指導が大変だったでしょう」などといったことがありましたが、指導しないとこういう絵が描けない、という彼らへの思い込みこそが問題だと思うのです。そういった思い込みが社会全体を覆っている気がします。
これはすごくもったいないと思うのです。宝物を見落としているというか、そんな気がするのです。
こんな作品を作る人達は社会の宝だと思います。だから大事にしたいし、まっとうな給料も支払いたい。そのためにはどうしたらいいのか、そこをちゃんと考えたいと思うのです。
「いい絵ですね」って、みんなが素直に言えるようになれば、社会はお互いがもっと生きやすく、豊かになっていく気がするのです。何よりもまっとうな給料が払える社会になる気がするのです。
先日、福祉事業所で働く方がぷかぷかの見学にきて、こんな感想を書いていました。
「工賃向上に重点をおいていないところにまず驚いた。工賃向上支援員になってからは利用者の工賃を上げることばかり考えていたが、ぷかぷかさんはとにかく利用者本位で、その人らしさを大事にしていた。自分たちもそうしたいが、やはり工賃向上は目指さなければならず、そこの折り合いをどうつけなければならないか、難しいと感じた。」
工賃、つまり給料は少ないよりは多い方がいいとは思います。でも「多くなった給料で何を買い、何を実現するか」「そのことは自分の幸せにつながるのか。」といった問いこそ大事だと思うのです。でも、そういったことはどうもはっきりないというか、後回しのようです。
ぷかぷかが始まった当初、「工賃向上」なんて言葉に初めて出会い(確か障害支援課あたりからの要請)、福祉事業所はそういうものを目指さないといけないんだと思い、結構頑張ったこともありました。でも、どう頑張ってもパンの売り上げなんてたかが知れています。
その頃経営上のアドバイスを色々いただいた経営アドバイザーの方と二人して朝6時からパン屋に入り、たまたま入った大量注文をさばいたことがあります。でも、終わったあと、あれだけ頑張って売り上げはたったこれだけ、と二人してがっかりしたことがあります。
こんなところに力を入れるよりも、ぷかぷかさん達が充実した日々を過ごすこと、お互い「いい一日だったね」って言い合えるような日々を創り出すこと、それが大事じゃないか、ってその時気がつきました。それが今のぷかぷかの雰囲気を作っています。
毎日新聞の記者さんがやっている大学の社会福祉の授業で、今年もzoomでぷかぷかの話をすることになりました。
「ぷかぷかの魅力について」と、「どうやったらぷかぷかみたいな福祉作業所ができるのか」のお話をしてほしいという依頼でした。
ぷかぷかの魅力を自分で語るのはなかなかむつかしいのですが、強いていえば、障がいのある人達が毎日楽しく働いていること、彼らとおつきあいする毎日が楽しいこと、といったことになるでしょうか。
ぷかぷかはみんなで「いい一日をつくろう」というのが大きな目標です。ですから障がいのある人達も、まわりの私たちも楽しい毎日を送っている、というのは当たり前のことです。でも、福祉の世界では「楽しい毎日を送っている」なんて、あまり語られませんね。
やはり福祉の世界では、障がいのある人達を「支援する」ということが大きな目的になっているからでしょうか。
授業を受ける学生さんには、どこかで障がいのある人達と出会ってほしいと思っています。支援するとかではなく、人として相手に出会ってほしい。そうすれば今までにない新しい気づきが生まれます。
昔、私自身は養護学校で障がいのある子ども達と出会いました。子ども達は言葉がしゃべれないとか、着替えができないとか、うんこの始末も自分でできないとか、できないことだらけでした。でも毎日おつきあいしていると、そんなできないことを超えてしまうような人としての魅力を持っていることに気がつきました。
こんなステキな子どもたちがいたんだ!
という気づき。この気づきは、私の人生にとって、ものすごく大きなものでした。それまでは、なにかができることはいいことだ、みたいに思っていましたが、そうじゃないところで生きている子どもたちがいて、しかもずっとそばにいっしょにいたいような魅力を持っていた。
世界の見方が変わりましたね。
障がいのある人達との出会いは、きっとあなたの人生を豊かにします。そんなことを学生さん達に伝えたいです。
hanaちゃんとお母さんがぷかぷかにごはんを食べに来たので、久しぶりに色々お話ししました。
hanaちゃんはこの4月から支援学校の高等部に行きます。で、卒業後の行き先をすぐに探さないと、先々困ってしまうとお母さんはお話しされていました。hanaちゃんは重度障がいのお子さんで、学校の終わった後の放課後デイサービスも、面倒見るのが大変だからと、一箇所では預かってくれず、毎日違うデイサービスに行くそうです。そんな苦労をしているので、卒業後の行き先の心配を今からされているようでした。
ま、それも大事なことかも知れませんが、それと並行して、hanaちゃんが気持ちよく毎日過ごせる場所をお母さん自身が作る、ということを考えてもいいんじゃないか、と提案しました。どこかいいところを探したり、誰かにまかすのではなく、自分で作る。
なんといってもhanaちゃんのこといちばんわかっているのはお母さんです。そうであれば、お母さんが作るのがいちばんいいのではないかと思います。
この「自分で作る」ということをなかなかみんな思いつかないし、「そんなの無理無理」とはじめから逃げてしまう人が多いです。
でもトライすることがやはり大事だと思います。トライしてだめなら、どうしてだめなのかを考えればいいし、たとえ失敗しても、そこから得るものは大きいです。何もしないよりは、とにかくやってみた方がいいのです。
「hanaちゃんの家」をみんなでつくろうよ、って呼びかければ、hanaちゃんのファンはきっと集まってきます。みんなでわいわい楽しみながらできたらいいな。
ずいぶんお姉さんになりました。
お母さんの幸せそうな顔!
重度障がいの子どもってこういう世界を生きているんだ、とあらためて思いました。こういうことが見えてくると、あれができないこれができないといったことでしか重度障がいのこどもを見ていない私たちって、なんかはずかしい気がします。
先日静岡から11名もの方が見学に見え、リーダーの方が
「ぷかぷかには福祉の匂いがしない」
とおっしゃっていました。
福祉の匂いがしない、とはどういうことか。
福祉事業所にある「利用者さんがいて、指導者がいて」という、そういう人間関係がぷかぷかにはなかったということだと思います。どこまでも一緒に仕事をする関係。
そういうフラットな関係がどこから生まれたのか、を考えてみます。
ぷかぷかを始める前、私は養護学校(今でいう特別支援学校)の教員をやっていました。教員というのは生徒を指導します。私は30歳で教員になったこともあって〔つまり社会人の生活がまずありました)、この「指導する」という上から目線の学校用語(言葉)がどうもしっくりきませんでした。
生徒たちは言葉がしゃべれないとか、字が書けないとか、うんこの後始末ができないとか、できないことはいっぱいありましたが、それでも彼らを指導する、という言葉には、どうしてもなじめませんでした。
そんなえらそうなこと口にするほどの私は人間なの?と思ったのです。
色々できないことは、ふつうに教えてあげればいいだけの話であって、指導なんてえらそうな言い方しなくてもいいじゃん、て思っていました。ですから、生徒たちとはふつうにつきあっていました。
ふつうにつきあってなんの問題もありませんでした。こちらが教えたいことはちゃんと伝わったし、教わることもたくさんありました。
いちばんの気づきは『こんなステキな人達がいたんだ』ということでした。いろんなことができなくて大変な人達だと思っていましたが、でも毎日つきあっていると、ものすごく楽しくて、そばにいるだけで心が和み、私はいっぺんに惚れ込んでしまいました。色々できないことを突き抜けてしまうような人としての魅力を彼らは持っていました。
人間を見る目を大きく変えてくれましたね。世界が違って見えた感じです。
その時の気づきが今のぷかぷかにつながっています。障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい。そうすることで私たちが、そして社会が豊かになる。
それらはすべて養護学校の子どもたちに教わったことです。あらためて子どもたちに感謝!です。
昨日テレビ神奈川が取材に来ました。3月16日(土)18:00〜18:30 ハマナビという番組で「ハマのパン祭り」というタイトルで、四つくらいのパン屋が紹介され、その中の一つに「ぷかぷか」のパン屋が紹介されるそうです。
おもしろかったのは、若い女性のナビゲーターがショーへーさんに色々質問をするのですが、ショーへーさんが相手ですから会話がうまくかみ合いません。ナビゲーターは少し困っていましたね。
私はそのかみ合わないところがすごくおもしろかったのですが、ディレクターはどんな風に受け止めたのでしょう。
かみ合わないところにこそ、障がいのある人達との出会いのきっかけがあります。かみ合わない、ということをどんな風に受け止めるのか、私たちがいちばん問われているところだと思います。
会話は障がいのある人達との大事なおつきあいの一つ。それが楽しめるかどうかはとても大事なことです。
ショーへーさんも、色々指導したりすれば、もう少し会話がうまくいくのかも知れません。でも私は、今のかみあわなさが好きです。ショーへーさんらしさがとてもよく出ていると思うからです。そこを大事にするかどうか、ということだと思います。
ハマナビはこんな感じ。
心がほっこりあたたかくなるような絵です。
こんな絵を描くぷかぷかさんは、やっぱり町の宝物だと思います。
障がいのある人が町の宝物。みんながそう思えるようになれば、この社会は誰にとっても、もっともっと生きやすい社会になると思います。
障がいのある人達とどうつきあっていくのか、という問題は、結局のところ私たちがどんな社会をつくりたいのか、ということだと思います。
共生社会社会を作ろう、とか、ともに生きる社会を作ろう、ということはかなり昔からいわれていますが、今ひとつ抽象的な言葉でとまっている気がします。
そんな中にあって、ぷかぷかはぷかぷかさんたちといっしょに生きるってどういうことなのか、どんな社会が実現するのか、を具体的に示し、それを発信してきました。
先日おこなった『表現の市場』もそのひとつです。
日々のFacebookでも、撮りためたぷかぷかさんたちの写真をアップしています。
たとえばこんな写真です。
今日のお惣菜メニュー。すべてヨッシーが考えた絵のメニューです。私たちが作るような活字のメニューの何倍もいいです。
牛めしの宣伝
テーブルクロスにこんな文字が
牛?
Tシャツの襟元にちょっと眠そうなネコの刺繍。眠そうな目がなんともいえずいい。
「障害者はいろんなことができない」という偏見がまだまだあります。彼らの創り出すもの、まさに創造したものを日々発信することで、そういった偏見を少しでもなくし、お互いがもっと生きやすい社会を創っていきたいと考えています。
障がいがある人と一緒に暮らす社会について掘り下げて考えるためのトピックス集です。