たからくんとお母さんが遊びに来ました。
たからくんは今、田奈高校に通っています。彼が中学卒業の時、どうしても高校で勉強したいといい、お母さんとまわりの人たちの努力で田奈高校に入学できました。
入学したものの、授業について行くのはやっぱり大変だろうな、なんてつまらない心配をしてしまったのですが(一応「重度障害者」なのですから)、そんな心配を遙かに超える楽しい毎日を送っているようでした。
お母さんの話を聞くと、毎日生徒達に囲まれ、超人気者になっているようです。
「ねぇねぇ、私の名前覚えた?」
って何人もの人が毎日のように聞いてくるそうです。そういうことを聞いてみたくなるような雰囲気がたからくんにはあるのだと思います。そんな風にしてたからくんとおつきあいすることがみんなとても楽しいようです。
高校生達のこういう感性こそが新しい時代を切り開いていくのだと思います。インクルーシブ教育をどうやって実現するのか云々の疲れる話ではなく、「ねぇねぇ、私の名前覚えた?」っていう感じのおつきあいって、誰にでもできて、ここから始まる新しい関係にはわくわくするようなものがあります。
「なんかクラスの雰囲気がとてもよくなったみたい」という保護者の方もいるようです。たからくんが入ることで、クラスがそんな風に変わってきたというのはとても大事なところだと思います。そこにこそ、いっしょに生きていく意味があるように思います。
障がいのある人達はマイナス面の評価のために社会から排除される場面がたくさんあります。でも、田奈高校では排除どころか、超人気者になっています。何が違うのでしょう。こここそ丁寧に考えていく必要があるように思います。
あーだこーだややこしい話ではなく、「ねぇねぇ、私の名前覚えた?」から始まるおつきあい.これからどんな風になっていくのか、わくわくします。
昔、「障害児を普通学級へ」という運動があり、全国でいろんな人達が頑張っていました。それはそれでひとつの時代を作ってきたとは思うのですが、「ねぇねぇ、私の名前覚えた?」の言葉は、全く違う発想で新しい時代を作っていくように思うのです。
インクルーシブ教育をどうやって実現するか、みたいなことが最近話題になっています。
ま、こういったことも大事だと思いますが、障がいのある人をそのまま普通の学校に放りこめば、あーだこーだややこしい話なんかしなくても生徒達は自然にいい関係を作る、ということがたからくんの例を見ればわかります。。障がいのある人達を当たり前のように受け入れる柔らかさを生徒達は持っているのだと思います。大人達よりもはるか先を行っている感じです。
だから、やっぱりこういう人は社会に必要なんだと思います。彼らがいなければ、社会はどんどん息苦しく、だめになっていくんじゃないかと思います。障がいがあるということで、社会的な生きにくさを強いられている彼らによって社会が救われているのです。そのことを忘れないでいたいと思うのです。彼らに感謝!
今日は来なかったそらくん
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まず感じたことは障がいをもつ人たちを支援する対象とした見方でなく、「共にはたらく・生きる」同志として地域を巻き込み(耕す)ながら一緒に活動し、そのほうが絶対楽しいということ。そして持続性があること。「多様性を認め合うインクルーシブ社会の実現を」とどこでも耳にしますが、今の社会の在り方は、教育、就労が障がいをもつ人たちとそうでない人たちとを分けた制度の上で成り立っています。
分離が進むほどその社会の規範に縛られて、障がいをもつ人たちがその多様性を認めてもらうどころか社会に合わせるために押し殺さなければならない、ますます支援、配慮の対象にされてしまう。
ぷかぷかさんのように障がいをありのまま楽しむ方法を作り上げれば、そこに生産性も生まれ、制度も使い倒し、地域も社会も豊かにしていくことを実現していけるのだなととても参考になりました。障がいをもった人たちと関わる仕事をされている方、学校教育関係の方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。
何より、ぷかぷかさんたちがとても魅力的です。
だから、内容もおもしろくてあったかくてやさしい。
「好き」という思いで、まわりを巻き込んで、心を耕してやわらかくする。
その場も街も、ふかふかにしていく。
「あなたが好き」から出発した世界に人間の上下はない。
人を矯正していく支援はやはり無意識に「上下」があるのだと思う。
相手だけでなく、修正する側も自分自身が縛られていく。
自分を修正し、社会も修正しようとする。
それが今の息苦しさにつながっているのではないだろうか。
という訳で
先生や支援職にある人やサポートの組織を立ち上げる人には
ぜひ読んでほしいと思う。
他では得られない大きな気づきがあるはず。
最後の相模原障がい者施設殺傷事件への言及も必読です。
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もう読んでしまった方は、ぜひアマゾンのカスタマーレビューを。