昨日の朝日新聞神奈川版に「やまゆり園事件4年 投げかけたものは」と題した記事の中でぷかぷかの活動が紹介されました。
「事件を超える社会」って、どういう社会なんだろう。
ひとことで言うと、それは障がいのある人たちを排除しない社会、彼らとフラットな関係でいっしょに生きる社会です。
彼らに何かやってあげるとか支援するとかではなく、彼らの持っているチカラを素直に認め、それを生かす社会です。いっしょに生きる、というのは、彼らの持っているチカラと私たちの持っているチカラが合わさって、もっと大きなチカラを生み出す、ということです。
今まで何度も書いていますが、彼らの持っているチカラが生み出す価値を1とし、私たちの持っているチカラが生み出す価値を1とすると、ぷかぷかは1+1が2以上になる価値を生み出しています。
下の写真は5月から始まった新しい事業所「でんぱた」の玄関に飾られた大きな植木鉢です。焼き物の技術を持ったスタッフのチカラとぷかぷかさんの造形のチカラが合わさると、こんなすごいものができるのです。1+1が5くらいの価値になっています。
パン屋のポスター制作にぷかぷかさんのチカラが加わると、こんな素敵なポスターができます。
パン屋の大きな窓の描かれたぷかぷかさんの絵。お店の価値がグ〜ンと上がります。
今回の記事を書いてくれた記者の似顔絵です。こんな似顔絵の入った楽しい名刺を作れば、一枚の名刺から今までにない新しい関係が広がり、新しい物語が生まれます。
ぷかぷかさんのチカラと私たちのチカラが合わさってできた素晴らしい舞台。
こんな風にぷかぷかは、彼らといっしょに生きることで、新しい価値をどんどん生み出しています。いっしょに生きると何が生まれるのか、が一目でわかります。
ぷかぷかではみんなで「いい一日だったね」っていえる日々を毎日に作り続けています。「いい一日だったね」というのは、「今日、幸せだったね」ということです。「いっしょに生きて、今日、幸せだったね」って思えるような日々をぷかぷかは大事にしています。いっしょに生きて、幸せを感じないなら、なんのためにいっしょに生きているのかわからなくなります。
何か訓練したりして、何かができるようになっても、本当に幸せになるのかどうか。それよりも「いい一日だったね」「今日、幸せだったね」ってお互いいえる日々を作り出す方が、「今」幸せな人生を送ることができます。
といったことをいろいろ考えていくと、事件を超える社会は、小さいながらもぷかぷかではすでに実現しているのです。あとはこういった関係をどんどん外に広げていくだけです。
先日のNHK「あすへの一歩」では、近所に住むお年寄りの方が、お店に行くこと、ぷかぷかさんとつきあうことは生活の一部です、とおっしゃっていました。いっしょに生きるという関係、事件を超える社会が、地域人たちの生活の中で少しずつ広がっているのです。
新聞では「『いい一日だったね』とお互いいえる日々を積み重ねる。それが結果的に、事件を超える社会を作ると信じています」と書いてありましたが、確かに社会全体が変わるのは時間がかかります。でも手の届く範囲の社会は、その気になればすぐに変えられます。ぷかぷかは、そんな社会を日々作り出しているのです。