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ツンさんの「勘違いで撮った映画」に映画監督の四宮さんが新しいコメントをつけてくれました。映像も、それにつけるコメントも、そのセンスにいつも驚いていましたが、今回四宮さんの新しいコメントを見て、更にその感を強くしました。これからが楽しみです。
http://pukapuka-pan.xsrv.jp/index.php?新しいコメント
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"MS 明朝";mso-ascii-font-family:Helvetica;mso-hansi-font-family:Helvetica;
mso-bidi-font-family:Helvetica;mso-font-kerning:0pt”>「プリン・ほうじ茶ゼリー・バジルのポッシュ」の盛り合わせ
ツンさんの20分映画の試写会。30名ほどの参加。みなさん、映像の力、センスの良さに圧倒された感じ。国産小麦、天然酵母のおいしいパンとか、仕事の丁寧な説明など、ほとんどなかったのですが、それを超える映像としての魅力があった、と多くの方が語っていました。
驚いたのはつい1週間ほど前にあった瀬谷区役所新庁舎お披露目イベントに出店したときの映像がすでに編集されていて、これは4作目(わずか2ヶ月の間に)だけに、更に磨きのかかった作品でした。ツンさんの勘違いで、私のリクエストしたぷかぷかの外販のシーンはほんのわずかで、ほとんどは新庁舎お披露目イベントの映像。子どもの笑顔がたくさん撮られていて、ツンさんの優しい気持ちがとてもよく伝わってきました。
今回もさまざまな音楽が使われていましたが、途中、吉田拓郎の「今日までそして明日から」が使われているところがあって、「わたしは今日までいきてみました。そして今、私は思っています。明日からも、こうして生きていくだろうと。」が繰り返し流れ、ツンさんのあふれるような思いにふれた気がして、涙が止まりませんでした。
ツンさんはつい数年前までうつの状態が本当に悪く、思い通りにならない体の状態に怒り狂って頭を壁にぶっつけ、わめきちらしていた時期があったそうです。お母さんはどうしてあげることもできなくて、ただそばで背中をさすってあげるしかなかったと話していました。
そんなすさまじい人生を生きてきたが故の、本当に叫ぶような、精一杯思いを込めたメッセージだったのだと思います。何人ものお客さんが涙を流していました。
映画が終わってツンさんに何かしゃべってもらおうとしたのですが、「あの~、何しゃべればいいんですか?」「なんでもいいんですよ」「これは私の勘違いで撮った映画でした」「!」
勘違いで撮った映画で、こんなにも人を泣かせてしまうなんて、ツンさんてやっぱりただ者じゃないと思いました。
ミーちゃんはヒロ君が好きです。外販の帰り、駅で二人を降ろすと、ミーちゃんは歩きながらヒロ君の手を握ったり、肩に腕を回したり、もう、好きで好きでしょうがない、といった感じです。駅前の喫茶店に寄って、お茶でも飲んでいくのでしょう。
ところがヒロ君は典型的な自閉症で、計算などはすばらしく得意ですが、人とのおつきあいがあまりうまくありません。場の雰囲気を感じ取るとか、相手の気持ちを考える、といったことは、かなり難しいです。同じことを繰り返しいうと、相手がうんざりする、といったことは全く想像できないようです。
ヒロ君に「ミーちゃんのこと、好き?」と聞くと、「好き」といいます。はにかむわけでもなく、「好き」と、にこりともせずにいいます。「本当か?」と思ってしまうくらい気持ちが全くこもっていません。
毎週金曜日は仕事が終わってから、駅の近くのマクドナルドでデートをするといいます。二人はどんな話をするんだろう、といつも思います。職場で給食を食べる様子から想像すると、ヒロ君はコーヒーをがぶがぶ飲み、ハンバーガーをがつがつ食べ、「ごちそうさま」といって、さっさと席を立ち、脇目もふらずに帰ってしまう、といった感じです。ミーちゃんと楽しそうにお話しする、といった姿は、なかなか想像できません。
それでもミーちゃんはヒロ君が大好きだ。仕事から解放され、寄り添って歩く姿を見ると、「好き」という気持ちの前では「自閉症」等といったことは、どうでもいいのかも知れません。
「監査課へ再度質問(12月10日)」に対して回答が来た。
平成23年12月11日にいただきました「監査課からの回答に対する質問」でございますが、質問項目別に下記のとおり回答いたします。
記
【質問】 今回の苦情に対し、監査課の何が問題だったと考えますか?具体的に挙げて下さい。
(回答)
実地指導を行う職員の対応に関するご指摘と受けとめております。
【質問】 その問題はどうすれば解決できると考えましたか?解決方法を具体的に挙げて下さい。
(回答)
実地指導においては、指導や説明を行う際に、対応いただいた各法人・施設・事業者の方々には不愉快な思いを与えないよう丁寧な対応を行うとともに、簡潔で明快な説明を行うよう心掛けておりますが、改めて実地指導における対応について、課員に十分注意するよう指導いたしました。
【質問】 今回はその問題が解決できましたか?何を持って解決したと結論づけましたか?その評価は誰が行いましたか?身内の方ですか?それとも第三者ですか?私へのメールは問題が解決したから送られたのでしょうか?それともまだ解決してないのに送られたのでしょうか?まだ解決してないのでしたら、これからどんな取り組みをするのか、きちんと書いてください。
(回答)
平成23年12月7日付けの回答は、まずは、非常に不愉快な思いをさせてしまったことに対するお詫びをするとともに、こうした対応が起きてしまったことを重く受け止め、再発することがないよう取り組んでいくことをお伝えさせていただきました。
今後、こうした問題が生じないようにするためには、日ごろからの注意喚起が重要と考えておりますので、適切な対応を行うよう、引き続き指導してまいります。
【質問】 横浜市の監査課からは、苦情解決のために、第三者委員会を設置するよう指導がありましたが、県の監査課は今回のような苦情に対応するために、第三者委員会を設置していますか?今回のような苦情申し立てをするとき、外部の窓口はないのでしょうか?苦情は、当事者同士で話し合うのではなく、苦情の内容を第三者が評価し、その第三者が間に立って話し合いを進める方が問題がこじれなくいいと思います。この点に関してはどうお考えでしょうか?
(回答)
苦情申立てに関する第三者委員会等の設置についてですが、神奈川県職員に対する苦情申立ては、県民課に送信していただいております「わたしの提案」フォームメールや県政総合センター内に設置している「県民相談室」、あるいは行政事務監察課の職員考査グループへの情報提供などがございますが、第三者委員会など外部の独立した機関は現在設置されておりません。
【質問】 今回監査に来た責任者の名前と肩書きを教えて下さい。
(回答)
今回実地指導に従事した職員ですが、安田秀二主任専門員及び越阪部貴史主事の2名でございます。
【質問】 あの方は自立支援法の本を見ながら、一緒に来た監査課の若い職員に「ここのところはこういう解釈だよな」と確認しながら、指導していました。これが「指導」と言えるのでしょうか?本を見ながらでないと指導をできないのでは話になりません。監査課の見解をお聞かせ下さい。
(回答)
前回の回答とも重複いたしますが、障害者自立支援法は詳細な規定が多く、改正等も頻繁に行われることから、皆様に正確な指導・情報提供を行うため、関係法令集やハンドブック等を現場に携行し、必要に応じて確認しておりますことを御理解いただければと思います。
【質問】 監査の事前提出資料の「32 苦情解決」の項目に「苦情に対して、適切に対応していますか。」とありましたが、今回の監査課の対応は「適切な対応」にあたるのでしょうか?今回回答に「監査指導課長」とだけあって、この回答の責任者の名前がありませんでした。ふつう、こういう文書には名前が入ります。どうして責任者の名前が入らないのでしょうか?回答は曖昧な一括回答ではなく、番号順に一つ一つ具体的に答えて下さい。前回、回答をいただくまで一ヶ月近くかかりましたが、時間がかかりすぎです。内容的には2,3日もあれば十分答えられるものです。誠意を持って答えてください。
(回答)
前回の回答に時間がかかりましたことをまずお詫び申し上げますとともに、氏名につきましては、責任者氏名を明確にしないという趣旨ではございませんので、今回は明示させていただきます。
以上
平成23年12月28日
高崎 明 様
神奈川県保健福祉局地域保健福祉部福祉監査指導課長
村松 隆
監査課としては精一杯の回答なんだろうと思う。ただこんな回答をよこす前に、手土産のひとつもぶら下げて上司が失礼をした部下を連れて謝罪に来るのがふつうではないのか。そんな当たり前のこともせず、メール一つですむと思ってる監査課の感覚こそが問題だと思うのだが、こういったことはどうやれば伝わるんだろうか。
ツジさんは外販の時も,のべつしゃべりっぱなしで、しかも大概は脈絡のない話で、知らない人は何となく近寄りたくないと思ってしまうくらい大きな声でしゃべりまくっている。ところがこの脈絡のないおしゃべりも、なれてくると結構楽しく、ツジさんのファンは多い。
28日の瀬谷区役所の外販は、ツジさんはディズニーシーに出かけて不在。「あれ、今日はツジさんいないの?」「なんかさびしいわ」「そうそう、先週から今日はディズニーシーに行くんだと張り切ってたわ」「計算は誰がするの?」お客さんのほとんどがツジさんのことを口にする。あらためてツジさんの存在の大きさを思った。私なんかの知らないところでお客さんとの関係をしっかり作ってたんだと思う。
ある訓練会(障がいのある子どもたちの親の勉強会)をやってる場所でも外販をやっているのだが、その訓練会に参加している人たちが最近全くといいほどパンを買わなくなった。いろいろ聞くところによると、その訓練会の先生はとても厳しい指導をする方らしく、だからツジさんのように販売をしながらおしゃべりしてるような人は許せないらしい。ああいう人を野放しにしている「ぷかぷか」は指導がなってない、ということになり、「ぷかぷか」は障がいのある人たちが将来働く場としてはきわめて不適切ということになる。
もっともな話だと思う。でも、少なくとも瀬谷区役所の外販はツジさんのあの脈絡のない話でもっている。ツジさんがひと言もしゃべらずおとなしくしていたら、ここまでのお客さんはつかなかっただろうと思う。外販を始めた当初、売り上げはわずか6~7,000円だった。それが最近は少なくても15,000円、多いときは30,000円を超える。この1年で売り上げが3倍から5倍伸びたことになる。パンがおいしいということはもちろんある。でも、お客さんの多くはおいしいパンを買うだけでなく、ツジさんとのちょっとした会話を楽しみにやってくる。ツジさんの脈絡のないお話を楽しんで聞いている。(パン教室の時にツジさんの延々続くお話を聞いた人が、あれはツジさんの創作ですか?と聞いてきたことがあるが、丁寧に聞くと結構面白いお話の時もあるのだ) そしてツジさんがいないとみんなとても寂しがっている。ぷかぷかの外販のある日をみんなとても楽しみにしている。おいしいパン+αで元気をもらうという人もいる。売り上げの伸びは、そのまま「ぷかぷか」のメンバーさん達の魅力に気づいた人の数に比例している。
訓練会の先生はこういった事実をどう説明するのだろう。
クリスマスパン教室で作ったのは、クリスマスケーキ、タタンタルト、ピザ、ポトフ、ロールパン、ローストチキンの6種類のメニュー。前日の夜買い出しに行ったのだが、スーパーの買い物かご二つでも足りないほどの量で、こんなにできるのだろうかと不安になった。
ポトフ以外はすべてオーブンを使うのだが、ガスオーブンが4台しかないので、段取りを相当うまくしないとお昼までにできあがらない。
集まった人25名。うち、障がいのある人たちが15名、動ける大人は5名。子ども5名。テーブルが四つなので、全員を四つのグループに分けてパン教室開始。
ピザとパンの生地をこねるところから始めた。いつものように計量にえらく時間がかかる。こねるのも少しずつ交代でやるので、時間がかかる上に、交代するたびに手についた生地を洗い落としてしまうので、生地がだんだん少なくなってくる。オーブンに入れ一次発酵。
クリスマスケーキの台を作る。卵と砂糖をハンドミキサーで泡立てる。もりもりと泡立ってくるのがみんな楽しそう。粉をふるいにかけ、バターをレンジで溶かす。泡だったところへ粉とバターを入れてさっくりと混ぜる。型に入れて、オーブンに入れる。
タタンタルトに使うリンゴの甘煮を作る。リンゴの皮をむき、八等分に。鍋にグラニュー糖を入れ、カラメルを作る。香ばしく色づいたところでバターを入れ、リンゴを入れる。20分くらい煮て、大皿三つに煮上がったリンゴを並べる。パイシートをかぶせ、オーブンで焼く。
同時進行でポトフの野菜を切る。鶏肉、セロリ、人参、カブ、ジャガイモを大きめに切って、鍋に放り込み、ローリエの葉っぱを入れてひたすら煮込む。
更にピザのトッピングに使うタマネギ、ピーマン、ベーコンを切る。発酵の終わったピザ生地をのばし、ピザソースを塗り、タマネギ、ピーマン、ベーコン、シーチキン、コーンを並べ、その上にチーズを載せてオーブンへ。
一次発酵の終わったパン生地を分割。ベンチタイム。
タタンタルト3台が焼き上がり、それぞれ8等分し、24ピースのタタンタルトのできあがり。カフェで働くメンバーは今日仕事なので、3名だけ先に食べてもらう。
パン生地を丸め、二次発酵。
スポンジケーキが焼き上がり、冷たい風の入ってくる吸気口のところへ置いて冷やす。
ポトフができあがり、塩、こしょうは適当に入れたのだが、結構おいしい。カフェで働く3名だけ先に。
骨付きもも肉に、塩、こしょうを振り、タタンタルトを焼いたオーブンへ。
ピザ4台が焼き上がり、これも8等分、32ピースのピザができあがった。3名だけ先に食べてもらう。
スポンジケーキが冷めたので、イチゴを薄く切り、生クリームを泡立てる。スポンジに生クリームを塗り、イチゴをトッピング。生クリーム、イチゴがてんこ盛りの豪華なクリスマスケーキ3台ができあがった。8等分、24ピースのケーキ。
パン生地はやや発酵不足だが、時間がないので、そのまま焼く。
ローストチキン、焼き上がり。10ピースしか買えなかったので、二つに切り分ける。これも適当に焼いたのだが、結構いい焼き上がり。
お昼をかなり回ったところで、食事の準備。お皿に、ピザ、ロールパン、ローストチキン、タタンタルトをのせ、お椀にポトフ。クリスマスケーキはデザートとした。
かなりのボリュームだったので、ケーキは残してしまうのではないかと心配したが、小学校に上がる前の子どももしっかり全部食べていた。
瀬谷区役所の外販。久しぶりに担当したのだが、ツジさんの人気ぶりは目を見張るものがあった。来るお客さんのほとんどはツジさんとの話のやりとりを楽しんでいて、こんなにも楽しむ人が増えたことに正直驚いた。帰りがけも庁舎内を「ゴーカイジャー、メガレンジャー、ギガレンジャー……」とよく通る大きな声で言いながら通路を歩いていたのだが、窓口の人たちはみんなツジさんのしゃべりっぷりを楽しんでるようだった。障害支援課の人たちならいざ知らず、全く違うセクションの人たちが、こんなふうにツジさんの振る舞いを受け止めてくれるのは、本当に画期的だと思う。こういう人がいるって、楽しいじゃん、とふつうに思えるようになったんだと思う。
ぷかぷかの外販がなければ、こんな素敵な出会いはなかったと思う。
「彼らとは一緒に生きていった方がいいね」ってふつうに思える関係ができたらいいな、という思いで障がいのある人たちの働く「ぷかぷか」を街の中に立ち上げたのだが、いい形で結果が出てるように思う。(そのあたりの思いは「ぷかぷかパン」のホームページに詳しく書いています。)
翔平さんは毎日お母さんに電話しています。先日ミカン狩りに行った際には,帰りがけ、電車のホームで携帯を取りだし、「おかあさん、きょうは、ぼくは、みかんがりに、いきました。はさみで、ちょきちょきっと、きりました。とてもたのしかったです。さよなら」
翔平さんは20代半ば。20代半ばで毎日こんな電話をお母さんにしているので,本当にかわいいと思います。
だいたい中学生、高校生になると親とはろくに話しもしません。電話なんかも、よほどの用がない限り、かけません。それを思えば,翔平さんが毎日お母さんに電話かけるなんて、20代半ばの男としてはほとんど奇跡に近いといっていいと思います。
外に出かけると、時々迷子になったりするので、気が抜けませんが、それでもお母さんは翔平さんから毎日こんな電話がかかってくるなんて、やっぱり幸せではないかと思います。
障がいがある人と一緒に暮らす社会について掘り下げて考えるためのトピックス集です。