ぷかぷか日記

重度の障がいを持った子どもと一緒に自営業始めます

  ある集まりで、「子どもが養護学校卒業したら、一緒に自営業やります」といいだしたお母さんがいて、「おお、すげぇ!」と思ってしまいました。子どもは重度の障がいがあって、自分でなにか仕事をやる、というのはかなり難しいようでした。養護学校卒業後は「重度心身障害者の施設」に行く、というのがおきまりのコースだと思うのですが、「でもそれじゃあ、人生つまらないじゃないですか、子どもと一緒にわくわくするような商売をしたいんです」とあっけらかんといい、思わず拍手したくなりました。

 「それじゃ、人生つまらないじゃないですか」という言葉が光っていました。子どもと一緒に生きてきたお母さんの素敵な人生がそのまま見えるような気がしました。養護学校の進路指導は、こんな素敵な言葉にどう答えるんでしょうね。

 車いすに乗った重度の障がいを持った子どもと一緒に商売をするなんてことは、ふつうは思いつきません。子ども自身は手足を動かして働くのは無理なのですから。それでも、その子どもと一緒に商売をしたいといいます。働けない子どもと一緒に働くとはどういうことなのでしょう。

 そのときの集まりの自己紹介用紙に、そのお母さんはこんなことを書いていました。
 「ものを作る人がいれば、作れないけど、商品の販売によって人と関わり、相手を幸せな気持ちにできる人もいます。それは障がいがあるなしに関係ないと思います。ならば、重い障がいのある人にも仕事があってもいいし、彼らを輝かせる商品や、サービスの提供があればいいのに…と日々考えています。」
 「自分自身が趣味で手織りをしており、障がいのある子どもと生活しているからこそ、質感や色選びのヒントが得られて、ものづくりに反映されていると思っています。」

 働く、働けない、というときのイメージをこんな風に変えれば、働くことのできる人がもっと増えることになります。あるいは、一緒にいることの意味をこんな風に広げていくと、一緒に働く意味も、もっと豊かなものになります。
 そんなことに気がついて、重度の障がいを持った子どもと一緒に商売をしたい、というお母さんの言葉も、ようやくちゃんと受け止めることができたように思います。

 養護学校卒業後、どこかの重度心身障害者の施設に入るというおきまりのコースは親にとっては安心だと思います。でも、その安心の上に乗っかってしまうと、人生つまらないじゃないですか、と、あえて困難な「自営業」を選ぶお母さんの「志」にわくわくするほどの共感を覚えました。

 
★「ぷかぷか」のホームページは
 http://pukapuka-pan.xsrv.jp/
      

自分で作る、ということが一番なんですね。

先週土曜日はパン教室お世話になりました。
今回も皆さんの手際の良さに圧倒されながらも、楽しく参加しました。

英実子は生地をコネコネして、その後にウサギとお花を作って
焼いてもらいました。
本人はしっかり覚えていたみたいで、焼き上がったウサギとお花のパンを
嬉しそうに掴み、美味しそうに食べてました。
「自分で作る」という事が一番なんですね。

貴代子はロールパンが気に入ったみたいで2個も完食。ビックリです。

初参加の主人は、子供二人の面倒もあったので、なかなかスムーズに
参加するのが難しかったようですが、楽しかったみたいです。
食事も「もう食べられない!お腹いっぱい!」っと言いながら、ロールパン&肉まんをもう一つ。
美味しくいただいてました。
家でお土産のピザを食べながら、「本当に美味しいよね!」と。

また、主人が休みの時に参加したいと思っています。

本当に有り難うございました。

★毎日クリームパンを買いに来て下さるご家族です。

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タケちゃん

 タケちゃんは近くの小学校の個別支援級に通う自閉症の男の子。今まで何の関係もなかったのですが、映画「うまれる」の上映チケットを購入したお母さんが映画を見る間、多分落ち着いて映画を見られないタケちゃんを私が面倒を見ようということになり、そのために事前にタケちゃんと「お友達」になっておこうと思ったのです。

 で、パン屋に連れてきてもらったのですが、入り口でいきなり、「わ~!いやだ!」と大声出して、騒ぎ始めました。お母さんの話だと松ぼっくりが苦手なんだとか。お店にいたスタッフが慌てて松ぼっくりを片付けました。タケちゃん、お母さんになだめられて、恐る恐るお店に入ってきました。私と握手を交わし、自己紹介。

 パン屋ではお客さんに感謝の気持ちを込めて、利用者さんが描いた「ありがとうカード」を手渡しています。そのカードをタケちゃんも描きたいと言い始めました。同じくらいの大きさの白い画用紙と色鉛筆を渡して好きなように描いてもらいました。なにかのきっかけで、そばにいたツジさんがブルガリアの国旗を描いてあげてたりしてましたが、こういう突然始まるおつきあいがおもしろいですね。

 結局その日は完成しなくて、次の日にしっかり描き上げたタケちゃん特製の「ありがとうカード」を持ってきました。タケちゃんは他のカードと同じ扱いでお客さんに渡して欲しいみたいでしたが、すばらしいできだったので、記念にとっておいた方がいいと思いました。それで、お客さんに渡してしまうと、このカードはタケちゃんの手元に残らないんだよ、すごい上手にできたので、記念にとっておいた方がいいよ、と説得しましたが、どうしてもお客さんに渡して欲しいと言い張ります。いわわせた何人かのスタッフがみんなもったいないよ、と言ったのですが、お客さんに渡して欲しいの一点張り。

 じゃあ、いちばん目立つカウンターの後ろの壁に貼りだして、いつもお客さんに見てもらうのはどう?と提案したスタッフがいて、それならいい、とようやく納得。お母さんといっしょにパンをたくさん買い、ご機嫌な顔をして帰っていきました。

 タケちゃんとはまだ三日しか会ってないのですが、人と人の間にある「垣根」のようなものが全くない人だなと思いました。お店に来て、みんな初対面なのに、ずっと前から知り合いだったように、何のためらいもなく溶け込んでいました。

 こうやって霧が丘でどんどん関係を作っていってほしいなと思うのです。タケちゃんが霧が丘で生きていくために必要なものは、ハードな設備ではなく、あくまでやわらかな人間関係です。ぷかぷかとのおつきあいが、そういう関係の広がりのきっかけになってくれればいいなと思うのです。

 ぷかぷかも、地域の障がいを持った子どもたちが気楽に出入りできるお店でありたいと思います。

 映画「うまれる」は、上映する前からこんなすてきな新しい関係を作ってくれました。明日の上映会のあとはどんな関係が広がっていくんだろうと、今からわくわくしています。

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瀬谷区役所

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 「ぷかぷか」は毎日のように外販に出かけていきます。外販は言うまでもなく、パンを売ることですが、毎週木曜日に出かける瀬谷区役所では、単なるパンの売り買いを超えた、予想もしなかったおもしろい広がりがありました。

 お昼休みに販売するのですが、最初は5,000円前後だった売り上げが、3年たった今、40,000円を超えるほどに売り上げが伸びました。売り上げが8倍になったことは、それ自体驚異的なことですが、その中身をしっかり見ていくと、障がいのある人たちとのおつきあいをめぐっての新しい可能性を感じさせるものだったことがわかります。
 
 外販を始めるにあたって瀬谷区役所との最初の打ち合わせでは、ただ単にパンを販売する、ということでした。ところが始めて何ヶ月かたつと、ただ単にパンを売ったり買ったり、の関係にとどまらず、利用者さんと会うのをとても楽しみにするような、そんな関係になってきたのです。

 利用者さんたちのにぎやかな声を聞くと「あ、来た来た!」と、なんだかちょっとわくわくするという人、彼らに会うと元気になるという人、あたたかい気持ちになれるという人、彼らとお話ししているとすごく楽しいという人、そんな人たちが、外販を重ねる中で、少しずつ増えていったのです。

 障がいのある人たちとのこういう関係が、パンの販売を通してごく自然にできたことは、障がいのある人たちのパン販売の意味を大きく広げてくれたように思います。
 ここでの関係は、障がいのある人たちを「支援する」といった、上から目線の関係ではなく、「彼らといっしょに生きていきたいね」「いっしょに生きていった方がいいね」という対等な関係です。障がいのある人たちと、本当にいい出会いをしたんだなと思います。

 区役所の職員の方たちが、今まで障がいのある人たちとどのようなおつきあいをされていたのかわかりませんが、少なくとも外販の現場でのおつきあいはとても新鮮で、こういった関係がどんどん広がっていけば、ひょっとしたら区役所も、障がいのある人たちへの対応においては、少し変わるのではないかと思ったりします。障がいのある人たちへの対応が変わると、お年寄りの方たちを始め、あらゆる人たちへの対応が変わってきます。ベース部分の底上げと言っていいかもしれません。

 こういうことが、たとえば「障がいのある人たちとどう接していけばいいのか」といったことをテーマにした「研修会」ではなく、ただおいしいパンを買いに来ただけで、それを繰り返しているうちに、職員のみなさんが自然にこんな風に思うようになった、というのがおもしろいと思います。おいしいパンを買った、いわば「オマケ」みたいなものだと思います。ただこの「オマケ」は、それの生かしようによっては、「オマケ」が何倍にも価値あるものになる可能性を秘めています。

 売り上げが8倍に伸びたことはぷかぷかにとっては大きなことですが、区役所側にとっても、お金では換算できない大きな収穫が、この外販によって得られたのではないかと思います。それを区役所がどう生かしていくのか、区役所の「センス」と、「やる気」にかかっています。区役所がどんなふうに変わるのか、楽しみにしています。

     

3年たちました

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 霧が丘に「ぷかぷか」のお店が誕生して3年がたちました。
 障がいのある人たちといっしょに生きていきたい、とただそれだけを考えて、商売のことなど全く知らないままのスタートだったので、最初の1年目は本当に大変でした。恐ろしい勢いでお金が出ていき、つぶれなかったのが不思議なくらいです。

 天然酵母、国産小麦にこだわったパンは絶対売れる、と思っていたのですが、予想したほど売れ行きは伸びず、こんなにおいしいパンがどうして売れないのだろうと頭を抱え込む日々が続きました。それでも、牛乳も卵も入れないパンは素朴においしくて、少しずつお客様が増え、ずっと赤字だった収支も、3年目にしてようやく黒字になりました。

 お店が3年続いたことで、すばらしい時間を過ごすことができたと思っています。経営的には苦しいことばかりでしたが、それでもたくさんのお客様と出会ったり、利用者さんたちの成長ぶりに驚いたり、毎日の売り上げに一喜一憂したり、本当に充実した3年だったと思います。この3年はお店を支えて下さったお客様方からの、すばらしい「プレゼント」だったと思っています。ありがとうございました。

 パン屋を始めなければ出会えなかったお客様がたくさんいます。出会ったお客様の数だけ、いろいろなことを教わり、それはそのまま私たちのかけがえのない財産になっています。みなさまと出会えたこと、本当に嬉しく思っています。

 「こんなすてきなパン屋と出会って、本当によかったと思っています」と言ってくださるお客様がたくさんいます。嬉しいですね、こんな言葉を聞くと。おいしいパン、安心して食べられるパン、メルヘンのような店作り、それになんともいえない魅力にあふれた、にぎやかで、いつも一生懸命な利用者さんたち。そういうものと出会えた素直な喜びがお客様の言葉から伝わってきます。

 人と人との「出会い」は、お互いを豊かにします。そんな出会いをこれからもたくさん作っていきたいと思っています。

 お店が始まった頃、お母さんに抱っこされたり、背中に負ぶわれていた赤ちゃんたちが、今はすっかり大きくなって、お店にやってきます。初めて歩いてお店にやってきたときや、たどたどしくおしゃべりし始めたときは、自分の子どものように嬉しく思いました。お店を続けていくって、こういううれしい関係が続いていくことなんだ、って子どもたちから教わりました。出会った子どもたちに感謝!です。

 「ぷかぷか」では障がいのある人たちが当たり前のように働いています。いつもわけのわからないことをしゃべり続けている人がいます。接客がぎこちない方もいます。おしゃべりが上手く出来ない方もいます。でも、みんな元気に、一生懸命働いています。何よりも楽しい、あたたかい雰囲気があります。
 そういったことを子どもたちが小さな頃から見続けていることは、とても意味のあることだと思います。子どもたちが大きくなって、やがて社会を担うようになったとき、「ぷかぷか」で働いている障がいのある人たちのことを、ちょっとだけ思い出してほしいなと思っています。

 子どもたちには何の偏見もありません。私たちよりずっと素直に障がいのある人たちのことを見ています。
 優しい人だなと思うと、素直に抱きついてきます。おもしろいなと思うと、どんどん話しかけてきます。障がいがあると言うだけで引いてしまうのは大人だけです。
 子どもたちは大いなる「希望」です。その希望に、私は自分の夢を託したいと思っています。

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見たことのないくらい目がキラキラ

とても楽しかったです!
 子供達もはりきって、初めてパンを作りました。
 また参加したいと思っています。
 みなさん、手馴れた感じでたくさん教えてくださいました。
 見ていて、ぷかぷかさんで働くことができて、いいなあと思いました。
 ホームページも色々見させてもらいました。
 高崎さんの思い、心に響きました。
 すてきですね、ぷかぷかさん。
 またぜひ、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。  (To)
★★★

初めて子供と参加する「ぷかぷかのパン教室」。子供たちにできるのだろうか?という不安と、緊張でドキドキしてました。
ところがパン教室??というぐらい和やかで、にぎやかな雰囲気に私自身が驚きました。
子供たちは粉を触って喜んでいたり、ぷかぷかの皆さんと話したり、見たことのないくらい目がキラキラして参加していました。

娘は人一倍張り切って作り、息子は途中でつまみ食い…。 見つかって泣くというハプニングにも、「どうして泣いてるの?」と心配して声をかけてくれました。
たった一言なのに、すぅっと心に響きました。私自身がぷかぷかの皆さんに、癒されたみたいです。
そんな皆さんと一緒に作るから、パンにも気持ちが伝わり美味しくできたんだなぁと思います。
すごーく美味しかったです。

あっという間に楽しいひと時が終わってしまい、子供たちも「また作りたい」と言い、持ち帰ったパンは独り占め状態。
きっと近いうちに、また参加したい!と思います。

今日は、ありがとうございました。(Ma)

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スタッフの小田さんの提案で「絵本の朗読」をパン教室の合間を縫ってやりました。利用者さんも小さな子どもたちも一生懸命聞き入っていました。「パン教室」と「絵本の朗読」ほとんど結びつく要素がないのですが、それでもやってみたら何の違和感もなく、みんな受け入れてくれましたので、またやりたいと思っています。

画像の説明

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ツンさん、四宮さん、三宅先生、高崎の座談会

                          四宮鉄男(映画監督)

先日、『2013年2月 ツンさんの新しい作品』についての感想を ここに記した。そのツンさんと、3月9日にいろいろと話した。わたしと 高崎さんとツンさんと、それにツンさんの主治医である三宅先生も 加わって。
とても楽しくて、面白かったので、それを報告しようと思う。

最初は、高崎さんの「記録映画ってどう思う?」とか「この前見てもらった 記録映画はどうだった?」なんて語りかけに対して、ちっともツンさんが興味も 示さないし、反応もしないし、いったいどうなることかと感じて いた。でも、三宅先生も加わって、それぞれが勝手なことを言って、 勝手にツンさんの映画の感想を語り合ったり、ツンさんの映画 手法を推察して話したりしているうちに、ツンさん、それを聞いていて、 そうじゃないよ、それはこうだよ、と言いたくなったらしく、 初めはちっとも発言しなかったのに、だんだん発言が増えてきて、 後半は、積極的にかなりまとまった時間で長く話していた。
ツンさんとはまだ数えるほどしか会って話したことがないのだが、それでも、 こんなに話すツンさんは初めて見た。
それだけでも、今回の話し合いは成功だったのかなあ、と思う。

今まで会ったツンさんは、僕らには、ほとんど話しかけてこなかった。 尋ねられたことに、短い言葉で応答するだけだった。今回のように、 自分の考えや気持ちをしっかりと言葉にして、そういう風に話しかけようと 思ったということが、ツンさんにとっても貴重な体験だったのかなあ と想像する。

そんなことは言っても、実は、わたしには、ツンさんが何を語って いるのか、ほとんど聞き取れていなかった。ツンさんが小さな声で、 俯き加減にボソボソと語るし、和室で、ふすま一枚で隔てられている という環境のために、隣の部屋の声がうるさくてうるさくて、それに、 だんだん歳を取ってきて、わたしがずいぶん耳が遠くなってきている ためだった。
それにしても、高崎さんにしても三宅先生にしても、聞き慣れているというのか、 そういう環境での話をよく聞き取って、ああ、そうかとか、うん、そうだね、 と盛んに相槌を打っておられたことに感心した。

うん、それにしても面白かった。
それを書く前に、わたしの感想に対する、ツンさんのお母さんの感想が 届けられたので、それを紹介しよう。

四宮さんの感想、ありがとうございました。 高崎さん、四宮さん、そして それぞれの思いが交錯しているように思えました。私の印象は、陽一は チャレンジャーだなぁと思いましたが…。
陽一は何も話さないとは思いますが、十一月のあの頃は鬱が酷い時期 なのです。一泊の旅行にもよく行けたと感心したくらいです。

陽一の作品はやはり彼の心象風景なのでしょうね? 今回の作品、訪問先の レジャーも施設のメンテナンスが行き届かず荒れた感じで、天気も悪く、 画像の色が汚くて耐えられなかったから色を消したのだそうです。
また、その当時は白黒の黒沢作品や戦前の無声映画をよく研究していた 時期であり、モノクロ映像を基本にすることで、アングルや一枚の映像の レイアウトの洗練に感心が高かったようです。おっしゃる通り、アップル の映像ソフトの編集テンプレートを一つ一つ試していると言っていました。

また、音楽も七人の侍の農民たちのテーマ音楽に古典落語を被せて、 実際の音響は使わなかったと…。動物園はフランス語のセリフが何気なく 入り、尚且文字表示もしています。そのセリフはかなりおちょくっている 内容のようですが、誰もフランス語が理解できないのか、コメントがない と不思議がっていました。最近はアニメ映画をフランス語バージョンで 見たりするのが楽しいですから…。

四宮さんは水族館の魚がさぞや美しいのにとおっしゃっていましたが、 水族館の水槽のライティングが悪くて、映像は耐えられない酷い色だった ともいっておりました。人間の目は騙せても映像は光の具合で不細工に 写ってしまうそうです。プロの撮影でない性ですが…。
運転会は私の一番のお気に入りでした。実はメインの部分を誤って消して しまったそうで、残った映像は最後の掃除のどうでもいいものだったとか。 それをあそこまで遊ぶとは…﨏最後の男の子の顔のアップに青空に沸き 立つ雲のテンプレートを重ねたところは感心しました。

高崎さんがプカプカの記録映画を取りたいとの思いは、残念ながら陽一 には伝わっていないようですが…? 何か高崎さんに言われたのと 聞きましたら、特に何も言われていないと申してました。また、緑の家 診療所の先生にも、治療が第一なので、くれぐれもストレスにならない ようアドバイスを受けております。

陽一は映像表現というアートの世界に自己表現の出口を見つけたところ なのです。十年以上の時間に何を思ったかを、漸く表現出来るまで熟成 したのだと…。私はそれだけでも、涙が出るほど嬉しいのです。
川井憲治の深淵な音楽にのせて、バスの車窓から映した京浜工業地帯の 風景を流す。まるで建物がダンサーの様にリズミカルに踊る!バスの揺れ と手振れを逆手にとり、リズムに合わせて自由自在に編集するセンスは、 ビックリしました。東京駅にも使いましたが、私が川井憲治の音楽が 大好きだといったので、また、使ってぐれて最高に興奮したのです。

陽一はアニメの背景やレイアウトをずっと研究しているので、多分その 前面に主役を登場させたら、皆様には分かりやすいのかもしれません。
でも、工場や鉄塔や高速道路は沢山の人が作った作品なんだと! その 作品に対する敬意の姿勢にはいつも感心します。きっと、無機的なものは 決して自然が作ったものでなく、血の通った工事現場で働く一人一人の 血と汗の結晶だと。
そして連続する美しいレイアウトの世界を、今は探求している過程にいる とごを理解いただけた幸いです。

高崎さんの思いも良く分かる。せっかくツンさんがレベルの高い技量を もっているのだから、もっとみんなに共感されるような、平易な作品を 作って欲しいという願いだった。
「表現する」ことは基本だが、「伝える」ことも大事じゃないかという のだ。もっと多くの人にツンさんの作品を見せたいという思いだった。
単に自己表現にとどまっているのでは、自己満足で終わってしまって 勿体ない!  というものだった。
それに対して、ツンさんが、自分の作品は「ぷかぷか」の障碍を持った メンバーの人たちにもちゃんと理解してもらえる筈だと、きっぱりと 語っていたのが面白かった。

それはそうだと思った。現代音楽なんて、わたしにはさっぱり理解できない。 それでも、心に響いてくる時がある。小鳥のさえずりも、意味は分からない、 それでも何かを感じさせられる。ピカソの絵だって、ゴッホの絵だって、 最初は、これはなんだって、人々の評価は受けられなかった。
そんなものだと思う。わたしは、記録映画でもなんもで、絵でも音楽でも そうなのだが、見る人の勝手だと思っている。そこから、どんなメッセージ を受けようが、どんな風に感じようが、それは受け取る方の勝手なのだ。

話の途中で、三宅先生が、高崎さんの思いを、「それは、高崎さんが ゴールを見ているからだ」と指摘されていたのが印象的だった。わたしも、 そう思う。いま、ツンさんは自分を開いて、自分を表現しようとして いるのだから、それからどうなっていくのかは、ツンさん次第なのだ。 表現手法なんて、表現様式なんて、自然に変わっていく人もいれば、ひたすら、 一筋の人もいる。それは、表現者の側の問題なのだ。
それは、絵描きさんを見ているとよく分かる。

たしかに高崎さんが言うように、今回の作品には重いものがあり、 最初の作品のような明るさや、暖かさや親しみを感じられなかったのは 事実だった。そのために、メンバーの共感を得られにくかったのかも しれない。
たしかに今回の作品はツンさんの心象風景だと、三宅先生もおっしゃる。 それだけに、あの時期に、結構、症状が重くて苦しんでいた時期に みんなと一緒に出かけていって、これだけの作品に仕上げていった 力に感心されていた。
ツンさんが、エネルギーの切れている時にも、エネルギーを底上げして いく力があることも指摘されていた。

三宅先生は、ツンさんがご両親や高崎さんや「ぷかぷか」のメンバーに 見守られているのが素晴らしい、と話されていた。先生なんかの立場からは ツンさんは病気かもしれないが、ツンさん自身は病気でも何でもなく、 そのまま、ありのままに、自分を生きて、自分を表現していけばいいのだと。
そうした意味で、ツンさんの今が素晴らしいと。

最初、三宅先生は、今回の作品はシナリオがないから高崎さんが「伝らない」と 感じているのではないか、と話されていた。でも、それは違うと、わたしは 説明した。例えば今回の『動物園』にしても『千葉県への旅』にしても、 しっかりと構成されていて、しっかりとした構造を持っていた。そのことを 「感想」にも書いた。

ただし、ツンさんの天才ぶりを強調するあまり、直観的に、パッパッパッと撮って、 パッパッパッと編集していくと話したら、ツンさんから、そうではないとしっかり と指摘されてしまった。
ワンカット、ワンカットごとに、このカットの次には何がくるべきなのか、しっかりと、 じっくりと、考え詰めたのちにつないでいくのだと語ってくれた。その時の、 「べき」という言葉に感動させられてしまった。そこまで突きつめて考えながら 編集しているのだった。
それが、ツンさんの映画の重量感になっていっているのだろうなあ、と感じた。

結論なんて何もない話し合いだったが、べてる的に「順調! 順調!」って 感じでこの日の話し合いは終了した。
一つの映画を見て、好きって言う人がいても、逆に嫌いっていう人がいてもいい わけだし、映画の表現に良い悪いなんてないし、正しいとか間違っていると いうのがある訳でもないし。
次の、ツンさんの作品が楽しみだ。

3年目でようやく黒字に

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 ぷかぷかの経営を見ていただいている経営アドバイザーから「3年目で、ようやく黒字になりそうです」という連絡が入った。通帳の残高が、ほとんどいつもマイナス表示になっているので、黒字というのが実感としてわからない。実感はなくても、経理の数字上は黒字になるというのだから、まぁ、間違いないだろう。
 
 経営など、全くの素人ではじめたので、今から思えば、つぶれもせず、よく持ったものだ、というのが正直なところ。毎月のように資金投入していたので、最初の1年は本当に苦しかった。先の見えない中で、お金だけがどんどん出ていき、正直怖かった。

 たまたま1年目の秋頃、経営アドバイザーをやっていただいている比企野さんが見学に見え、経営状況をおはなししたところ、大変な状況であることがわかり、以来、さまざまなアドバイスをいただくようになった。

 毎日の「資金繰り表」をきちんとつけることから始まり、パンの売り上げ記録、外販の記録等、きちんとデータを取るようにし、そのデータを元に製造計画を立て、外販先の販売計画を立てる、というパン屋としては当たり前のことをようやくはじめたのだった。

 資金繰り表をつけることで、お金の動きが手に取るようにわかるようになり、月末は何となく資金不足になりそうだとか、今月は何とかいけそうだとか、そういったことが見えるようになった。見えるようになっても、苦しい資金繰り状況からはなかなか抜け出ることはできず、時々は資金投入が必要だった。

 日々のお金の出し入れをしている通帳が赤字ということは、パンとカフェの稼ぎよりも、材料費や光熱費、家賃などで出ていくお金の方が多い、ということで、その赤字分を福祉サービスの収入で何とか埋め合わせをしてきた。それが今年の3月15日、福祉サービスのお金が入る日に、初めて通帳が黒字だった。これは本当に画期的なことだった。パンの売り上げが少しずつ伸びて、ようやく支出を上回ったということだ。

 ぷかぷかは障がいのある人たちの作ったパン、ということで売るのではなく、あくまでパンの味で勝負してきた。障がいのある人たちの作ったパンだから買うのではなく、おいしいパンだから買う、ということを大事にしてきた。だからお店のお客さんのほぼ100%が一般のお客さんだ。そのお客さんの数が少しずつ増え、売り上げが伸びていった。それが3年目でようやく黒字という結果を生み出した。

 債権の返済が始まり、まだまだ油断はできないのだが、それでも気分的にはずいぶんゆとりが出てきた。このゆとりを「ぷかぷか」が更に発展する方向で使いたいと思う。

 
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ツンさんのお母さんの感想

四宮先生の感想、ありがとうございました。 高崎さん、四宮先生、そしてそれぞれの思いが交錯しているように思えました。、私の印象は、陽一はチャレンジャーだなぁと思いましたが…。

陽一は何も話さないとは思いますが、十一月のあの頃は鬱が酷い時期なのです。一泊の旅行にもよく行けたと感心したくらいです。

陽一の作品はやはり彼の心象風景なのでしょうね?今回の作品、シーワールドもマザー牧場も施設のメンテナンスが行き届かず荒れた感じで、天気も悪く、画像の色が汚くて耐えられなかったから色を消したのだそうです。

また、その当時は白黒の黒沢作品や戦前の無声映画をよく研究していた時期であり、モノクロ映像を基本にすることで、アングルや一枚の映像のレイアウトの洗練に感心が高かったようです。おっしゃる通り、アップルの映像ソフトの編集テンプレートを一つ一つ試していると言っていました。

また、音楽も七人の侍の農民たちのテーマ音楽に古典落語を被せて、実際の音響は使わなかったと…。動物園はフランス語のセリフが何気なく入り、尚且文字表示もしています。そのセリフはかなりおちょくっている内容のようですが、誰もフランス語が理解できないのか、コメントがないと不思議がっていました。最近はアニメ映画をフランス語バージョンで見たりするのが楽しいですから…

四宮先生は水族館の魚がさぞや美しいのにとおっしゃっていましたが、水族館の水槽のライティングが悪くて、映像は耐えられない酷い色だったともいっておりました。人間の目は騙せても映像は光の具合で不細工に写ってしまうそうです。プロの撮影でない性ですが…

運転会は私の一番のお気に入りでした。実はメインの部分を誤って消してしまったそうで、残った映像は最後の掃除のどうでもいいものだったとか。それをあそこまで遊ぶとは…﨏最後の男の子の顔のアップに青空に沸き立つ雲のテンプレートを重ねたところは感心しました。

高崎さんがプカプカの記録映画を取りたいとの思いは、残念ながら陽一には伝わっていないようですが…?何か高崎さんに言われたのと聞きましたら、特に何も言われていないと申してました。また、緑の家診療所の先生にも、治療が第一なので、くれぐれもストレスにならないようアドバイスを受けております。

陽一は映像表現というアートの世界に自己表現の出口を見つけたところなのです。十年以上の時間に何を思ったかを、漸く表現出来るまで熟成したのだと…﨏私はそれだけでも、涙が出るほど嬉しいのです。

川井憲治の深淵な音楽にのせて、バスの車窓から映した京浜工業地帯の風景を流す。まるで建物がダンサーの様にリズミカルに踊る!バスの揺れと手振れを逆手にとり、リズムに合わせて自由自在に編集するセンスは、ビックリしました。東京駅にも使いましたが、私が川井憲治の音楽が大好きだといったので、また、使ってぐれて最高に興奮したのです。

陽一はアニメの背景やレイアウトをずっと研究しているので、多分その前面に主役を登場させたら、皆様には分かりやすいのかもしれません。

でも、工場や鉄塔や高速道路は沢山の人が作った作品なんだと!その作品に対する敬意の姿勢にはいつも感心します。きっと、無機的なものは決して自然が作ったものでなく、血の通った工事現場で働く一人一人の血と汗の結晶だと。
そして連続する美しいレイアウトの世界を、今は探求している過程にいるとご理解いただけた幸いです。

ご期待に添えない部分はどうかお知り合いにご依頼いただくなど、お好きな方策を遠慮なくお考え頂ければと…﨏

また、四宮先生とお話し出来るチャンスがあればと思います。
よろしくお願いいたします。

 

出会いに感謝 ぷかぷかパン教室

はじめまして。
ぷかぷかスタッフのしーさんです。
初ブログになります。
どうぞよろしくお願いします。

先日16日のぷかぷかパン教室に参加してくださったみなさま、
本当にどうもありがとうございました。(^∇^)

早速、あたたかな感想を寄せてくださり、
嬉しい気持ちで一杯です。

パン教室を通して、ぷかぷかのメンバーさんたちと触れ合い、
パンのように心もおなかも、ふんわりほっこりするようなひと時を
すごせていただけたら、嬉しいです。

それから今回は、初めて、
詩の朗読や絵本の読み聞かせをさせていただきました。
初めての試みで、ドキドキしましたが、
みなさんの笑顔で私自身も気持ちがほぐれ、
拙いながらも、楽しく読ませていただきました。
こらからも、パン教室の合間に、みんなでほっと一息つけるような、
楽しい時間をつくっていけるといいなと思っています。

ぷかぷかパン教室での素敵な出会いに感謝し、
そしてまた新しい出会いにわくわくして・・・(*^.^*)

ぜひ、ぷかぷかパン教室へのご参加をお待ちしています。

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