ぷかぷか日記

舗装道路に落ちた紅葉は…

 道路に落ちた紅葉があまりにもきれいなので、写真を撮りました。舗装道路に落ちた紅葉は土に帰ることもなく朽ちてしまい、かわいそうな気がしました。

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「テレビが、み、た、い!!!」「う〜、でも、が、ま、ん、する〜!!!」

 養護学校に勤めていた頃の話です。

 つう君はよく通る声で一人でおしゃべりします。当時、まだ若い工藤静香が大好きでした。なにかにつけ、工藤静香が登場します。学校であれば、別にどうということはないのですが、バスの中でこんなことを言ったこともありました。

「 くどうしずか、パンツ丸見え。いやらしいこといわない!」

 いやらしいこといわない、と付け加えるあたりが、いかにもつう君らしく、笑いが倍になるのですが、それでも、内容的にはちょっと焦ってしまうものでした。

 そんなつう君を引き連れて箱根の「ひと塾」でワークショップをやったことがあります。相変わらずわめいたりひっくり返ったりでなかなか大変なワークショップでしたが、それでも彼は参加者の中では圧倒的に人気がありました。

 みんなで作った芝居のリハーサルがありました。ところがちょうどその時間につう君の好きなテレビ番組があり、「テレビみたい」「でも、がまんする」「テレビみたい!」「今日はがまんする!」と一人でぶつぶつ言ってました。つう君の気持ちの揺れがそのまま出ていて、楽しい一人漫才を見ているようでした。揺れの巾がどんどん大きくなって「テレビが、見たい!!」「でも、がまんする!!」「テレビが、み、た、い!!!」「う〜、でも、が、ま、ん、する〜!!!」と、このくらいになると、もう顔が苦悩にゆがんで、畳の上をのたうち回っていました。そのうち、とうとう限界を超えたみたいで、「ああ、もう、ダメ!!」と大声で叫んで、ダーッとすごい勢いで部屋を飛び出していきました。

 結局、つう君抜きのリハーサルになりましたが、リハーサルの終わった頃、見たかったテレビを見終わったつう君が、すっきりした顔で帰ってきました。自分の気持ちにこんなにも正直な人はそういないよな、と思いました。

 メイクをして本番。つう君は閻魔大王の役で、芝居の最後を締める主役です。その主役が肝心なところで、舞台の真ん中でわーわー叫びながらひっくり返ってしまい、ハラハラしましたが、それはそれで迫力ある閻魔大王になってしまうあたりが、つう君のすばらしい才能だと思いました。

 何日か後に、ワークショップの参加者の一人から電話がありました。

「今度東京でワークショップやります。ぜひつう君はじめ、養護学校の生徒たちを連れてきて下さい。今までいろんなワークショップやりましたが、彼らといっしょにやったワークショップがいちばんおもしろいと思いました。ぜひ来て下さい」

 ワークショップをやる時間が夜なので、

 「彼らを誘っていくのは無理です」

といったのですが、彼らを送り迎えする車を出してもいい、とまでいいました。

 彼らといっしょにワークショップをやって、そこまで惚れ込んだ人が現れたことに、感動してしまいました。ワークショップの場というのは、つう君はじめ、養護学校の生徒たちの魅力が、日常の世界よりも、もっとよく感じ取れるのだろうと思います。

 来年はぜひそんな楽しいワークショップをやってみたいと思っています。ホームページにお知らせを載せますので、時々チェックして下さい。ホームページは「ぷかぷかパン」→「検索」

 

 

 

しんごっちのように生きていければ 世界はもっと幸せに

お客さんのひとりが 

「今まで、ぷかぷかの人たちって、なにかをやってあげる対象でしか考えていなかったんだけど、しんごっちのお話読んでいるうちに、そうじゃないことに気がついたんだよね」

 っていいました。

「どうしてそんなふうに思うようになったんですか?」

と聞くと、

 その方からメールが来ました。

 

《 ぷかぷかさんの色々な活動に参加していくことを通して

 私は、ぷかぷかのメンバーさんたちの中にいる居心地の良さみたいなものを感じて

どんどんぷかぷかさんが大好きになっていきました。

この人達がいる世界って素敵だなと感じるようになってきました。

私たちが少し手助けをするだけで、この人達がこの街で楽しく過ごして行けるなら

みんなが、この人達を手助けしてくれるなら

すごく素敵な世界になるのになぁなんて思っていました。

 

その気持ちは今でも変わらないのですけれど。

 

しんごっちについてのブログを読んでいるうちに

私の中でしんごっちはいつの間にか、私たちがただ手助けをするだけの人では

なくなっていました。

 

病院に付きそうお母さんを心配して「もう帰っていいよ。」と言うしんごっち。

子どもに電車の展開図を書いてあげるしんごっち。

頭にかぶっているネットを顔全体に引き伸ばして看護婦さんを笑わせるしんごっち。

大好きな電車の模型をもらってVサインをするしんごっち。

お給料をもらって短いグリーン車の旅を楽しむしんごっち。

 

そんなしんごっちの話を読んでいるうちに

いつの間にかしんごっちは、ごく普通の青年になって

すっくと私の中で立ち上がったのです。

いきいきと自分の世界を持ち、人生を誰よりも楽しんでいる一人の青年です。

障害があったって、そんなこと関係ない。

手助けが必要だって、そんなこと関係ない。

そんな風に感じたのです。

 

例え障害があったとしても、無かったとしても

手助けが必要だって、必要じゃあなくたって

そんなことなぁんにも関係なく生きていければ

しんごっちのように生きていければ

世界はもっと幸せになれるのに!

そう思ったと言うことです。 》

 

 

 

 

 

 

 

カフェで馬頭琴の演奏

 知り合いが、馬頭琴を弾くモンゴルの方をカフェに連れてきました。近くの小学校で会った演奏会のあと、食事に立ち寄ったのでした。せっかくなので馬頭琴を演奏していただきました。チンゲルトさんという、馬頭琴の演奏の世界では有名な方だそうです。

 メンバーさんたちにプレゼントということで4曲も弾いてもらいました。モンゴルの広い草原を吹き抜けるさわやかな風を感じました。たくさんの馬たちが草原を疾走する風景が目に浮かぶ曲もあって、昔、養護学校でやった《スーホーの白い馬》の舞台を思い出しました。あのときはスーホーが馬の死を嘆き悲しむ場面で、馬頭琴の演奏を流し、そのもの悲しい響きが心にしみました。f:id:pukapuka-pan:20131129233306j:plain

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お金を使うことで、何倍も価値あるものが生まれる、ということがイメージできなくて

本の原稿、また少し書きました。

 

設備費・工事費などで2000万円を超える見積書に冷や汗

  パン屋を始めるための資金は、どこからも助成金をもらえなくて、自分の退職金を「投資」するつもりでいました。

  でも、実際に設備費934万円、改修工事費1,345万円と、見積書が上がってくると、じわっと冷や汗が出てきました。

  設備費の内訳はオーブン、ミキサー、モルダー、リバースシート、ガスフライヤー、ドゥコンデショナー、冷凍冷蔵庫、パススルー冷蔵庫など、あわせて934万円。

 

 改修工事費の内訳は店舗デザイン料、内装下地工事、造作工事、内装仕上げ工事、電気設備工事、給排水設備工事、換気設備工事など、あわせて1,345万円でした。

 両方あわせると2,279万円で、退職金がほぼ全部飛んでしまう額でした。

 当時はこのお金を使うことで、何倍もの価値あるものが生まれる、といったことがイメージできませんでした。パン屋が絶対にうまくいく、という自信もなく、「下手するとお金はもう戻ってこないかも」と思っていました。

 今でこそ、その時の「投資」があったから今の「ぷかぷか」がある、ということがよくわかるのですが、その当時はそういったことがよくわかりませんでした。「投資」から生まれる今の「ぷかぷか」を想像できなかった、ということです。

 それでも、前へ進むしかありませんでした。明るい展望のないまま、前へ進むのは本当に辛いことでした。でも、前へ進まなければ、展望も開けません。

 自分の家に、一銭も入れないまま、先がはっきり見えないことに大金をつぎ込むことは、二重にしんどいことで、この頃の精神状態は最悪でした。家にお金を入れないことについて、何一つ文句を言わなかった連れ合いにはほんとうに感謝しています。

 家族に障がいのある子どもがいたわけでもありません。それなのに家に一銭も入れることなく、障がいのある人たちのために退職金のすべてを使うことは、連れ合いも養護学校の教員をやっていたとはいえ、やはり抵抗はあったと思います。それでも黙って見ていてくれたことには、今更ながら頭の下がる思いです。

 当時は法人でありながら、私のまわりに物事を一緒に考えるブレーンと呼べる人がいませんでした。ですから2,000万円を超える「投資」について、誰かと議論する、といったことは全くありませんでした。ほんとうはこの「投資」が生み出す「価値」について、スタッフに中でもっともっと議論しておくべきだったと思います。それをやっていれば、利益が生まれる3年目までの苦しい時期は、もう少し違う形で乗り越えられたように思います。

 

つながり、という財産

 九州で障がい児ための放課後等デイサービス立ち上げでがんばっている方から

人とつながるために大切なこととは何ですか?」

という質問が来ました。ずばり直球の質問に、どぎまぎしながらも、誠実につきあっていくことだと思います、と答えました。

 こうやればすぐに人とつながれる、といった特効薬はもちろんありません。日々、誠実につきあっていくことを積み重ねていくことしかないと思うのです。

 幸い《ぷかぷか》はこの3年半でたくさんの人と新しいつながりを作ることができました。《ぷかぷか》を始めてなかったらできなかったつながりです。

 始めた当初はほんとうに大変でした。資金繰りがうまくいかなくなったり、障がいのある方への苦情の電話が入ったり、途中で何度も、もうダメかも、と思ったこともありました。そんな中で《ぷかぷか》を支えてくれたのは、少しずつできてきた人のつながりでした。

 パンおいしいですよ、といって下さるお客さん、毎週ぷかぷかの外販をすごく楽しみにしてくれている区役所の人たち、毎日のようにクリームパンを買いに来てくれる小さなお客さん、にっこり笑ってくれる赤ちゃん。そういったつながりが、今にもこけそうな《ぷかぷか》をしっかり支えてくれたのです。

 人のつながりは、かけがえのない大きな財産です。この財産をこれからも大切に育てていきたいと思っています。お金は増えませんでしたが、このかけがえのない大きな財産だけは、確実に増えたと思います。《ぷかぷか》は貧乏ですが、この財産のおかげで、心はとても豊かです。

自画像は挑戦的

 昨日、ボーカロイドに凝ってる方と面談しました。事前に進路担当の方が持ってきた自画像はマスクをし、片目でこちらをにらみつけるような挑戦的な絵だったので、ちょっと楽しみにしていたのですが、意外とおとなしい方で拍子抜けしました。

 ボーカロイドも自分でソフトを使っていろいろ作るわけではなく、そういう世界が好き、という程度でした。ま、それでもいい感覚は持ってるなという気はしました。ツンさんといっしょにボーカロイド使っておもしろい映像を作ってくれるとおもしろいなと思いました。ツンさんについては 

http://pukapuka-pan.xsrv.jp/index.php?ツンさんの映画

 

 今度は《ゴスロリ》の方です。どんな格好で来るのか、お会いできるのを楽しみにしています。

 先日アートかれんでお会いした方が、カフェに食事に見えました。両手を使ってすばらしい絵を描く方です。

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gottiが勇気を送ってくれた

 gottiのために火渡りをして祈願してくださった方からのメールです。

 

《 あの火の強さの時は殆どの方は渡っていません‥。 
  gottiが きっと勇気を送ってくれたのだと思います。 

  自分が出来ることしか出来ませんが 少しでも 和らぐことを願ながら‥ 》

 

もう一つ

 

《 考えてみますと 私も励まされていることが判りました。 

  こちらこそ感謝しています。 


  こころの引き出しが又ひとつ増えました 》

 

最後の言葉がすばらしくいいですね。

 

 

 

 

近所の子どもが

 近所の子どもがgottiの好きな「東急5050系4000番台」の写真をパン屋に届けてくれました。自分で撮ったもので、線路際で撮ったのか、なかなか迫力ある写真でした。日常的な視点で撮られているせいか、妙にリアルな感じがして、カレンダーの写真よりもgottiは喜ぶのではないかと思いました。

 gottiのことを思いやる人が少しずつ増えてきて、とても嬉しいです。

 近所の方が、ぷかぷかの利用者さんのことをこんなに心配してくれたのは初めてです。 先日のカフェの誕生会での写真といい(11月15日)、いい関係がどんどん広がって、これから先がほんとうに楽しみです。「自分の手で、未来をもっと素敵にできる」ぷかぷかはほんとうにそれをやってるんだ、と思います。

ずいぶん助けられているなぁという気がして…

 gottiがほしがっていた「東急5050系4000番台」の電車の模型を、昨日お母さんに手渡し、gottiに届けてもらいました。

 電車の模型を受け取ったときのgottiの笑顔。想像するだけで楽しいです。

 

   このブログを読んでいる方が、「今まで、なにかをやってあげる対象でしか考えていませんでしたが、gottiのお話読んでいるうちに、そうじゃないことに気がつきました」と先日おっしゃってました。

 これは本当にすばらしい【気づき】だと思います。この気づきこそが、お互いの関係を変え、新しい社会を作っていくのだと思います。

 話をすると、通じないことの多いgottiですが、それでいて、こういった「お互いが支え合う関係」といったものは、いつの間にかgottiのまわりにできてしまいます。ここがgottiの魅力であり、彼の持っている力だろうと思います。その力に私たちはずいぶん助けられているなぁという気がします。電車のプレゼントはその感謝の気持ちです。

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