ぷかぷか日記

実はとても大事な存在

 かながわ生き活き市民基金の助成金申請書に「解決したい地域や社会の課題」というのがありました。

 「ぷかぷか」にとって、地域や社会の課題は、言うまでもなく、障がいのある人たちの社会的生きにくさです。

  口にはしないものの、障がいのある人たちのことを「何となくいやだな」と思っている人は多いと思います。

 障害者施設を建てようとすると、地元市民から反対運動が起きることさえあります。とても悲しいことですが、これが障がいのある人たちの置かれた状況です。

 これは障がいのある人たちに問題があるのではなく、彼らのことを知らないことによって生じる問題です。何となく怖いとか、不気味、といった印象は、彼らのことを知らないことから生まれます。“知らない”ということが彼らを地域から排除してしまうのです。

 彼らの生きにくい社会、異質なものを排除してしまう社会、他人の痛みを想像できない社会は、誰にとっても生きにくい社会だろうと思います。誰かを排除する意識は、許容できる人間の巾を減らすことにつながります。社会の中で許容できる人間の巾が減ると、お互い、生きることが窮屈になります。これは同じ地域に暮らす人たちにとって、とても不幸なことです。

 逆に、彼らが生きやすい社会、社会的弱者が生きやすい社会は、誰にとっても生きやすい社会になります。

 社会の中で邪魔者扱いされ、閉め出されてしまっている彼らが、実はとても大事な存在であり、本当は彼らに私たちが助けられている、ということがワークショップの中では実感できます。彼らがいないと、あんなに楽しいお芝居作りはできないのです。いっしょににやった方が絶対に楽しい、という体験が、いっしょに生きていった方が絶対にいい、というふうになっていけばいいなと思っています。そういう思いを抱く人が増えていけば、地域社会は少しずつ変わって行くと思うのです。

 

 

 

 

評価のポイント

 来年春から予定している演劇ワークショップの講師料がどこかから出ないか、助成金情報をいろいろ探していたのですが、かながわ生き活き市民基金の福祉たすけあい基金の募集要項がワークショップの企画にぴったし、という感じがしました。

 いちばんぴったしだと思ったのは「評価のポイント」です。

1,創造性:新しい価値の創造に挑戦するもので,他のモデルとなる可能性がある。

 ワークショップで創り出すものは、障がいのある人たちといっしょだからこそ創り出せるオリジナリティあふれるものです。彼らの圧倒的な存在感、発想の豊かさが、そのままワークショップで創り出すものに反映されます。それはまさしく新しい価値の創造です。

 また、ワークショップを通してできあがった作品は、そのまま障がいのある人たちと一緒に生きていく意味を表現するものであり、新しい社会の方向性を示していると思います。

2,参加性:さまざまな立場の人が参加できる可能性を持ち、市民同士の交流、協同が期待できる。

 ワークショップは広く地域の人に参加を呼びかけるので、子どもからお年寄りまで、いろんな人が集まります。障がいのある人たちをはじめ、いろんな人が集まるから、おもしろいものが生まれます。そのことをみんなで共有できます。

3,地域性:地域の課題、ニーズに即した活動を行っている。

 誰もが暮らしやすい地域社会を作ることは、地域の大事な課題であり、ニーズだと思います。ワークショップを通して障がいのある人たちと地域の人たちとの出会いは,その課題を解決するはじめのいっぽになると思います。

4,先見性:社会で見落とされがちな価値や、まだ注目されていない大切な価値を可視化させる可能性がある。

 ワークショップは障がいのある人たちの存在感や発想の豊かさがそのまま生かされます。また彼らといっしょにワークショップをやることで創り出せるものは、そのまま彼らと一緒に生きる意味を表現します。それはまさに社会で見落とされている価値であり、ワークショップではそれが目に見える形で表現されます。特に最後に予定している発表会ではたくさんの人たちがそれを目にすることになります。

5,運動性:社会的な課題解決に向けた提案、行動を社会に対して行う視点がある。

 「NPO法人ぷかぷか」の設立の目的として、「障がいのある人たちの社会的生きにくさを解消する」というものをあげています。彼らの生きにくさは、私たち自身の生きにくさにつながっています。その社会的課題を解決するためにNPO法人ぷかぷかは「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」というやわらかいメッセージを毎日のように「ホームページ」「Facebookページ」「ぷかぷかしんぶん」など、さまざまな形で発信しています。

 障がいのある人たちの働くお店を街の中に構え、ふだんの暮らしの中で地域の人たちと彼らとの出会いの機会を作り続けています。また地域の人たちとぷかぷかの利用者さんたちがいっしょに活動するパン教室や、運動会なども毎月のようにおこなっています。

6.継続性:継続的な事業運営や活動が期待できる。

 障がいのある人たちの就労支援事業所として神奈川県の指定を受けている事業所であり、彼らの働くお店を運営しながら、余暇活動の一環としてワークショップをおこなっています。

 

 

 

 

アンタがいないと困る、という関係

 来年春から予定しているワークショップの会場として「みどりアートパーク」を見学しました。昨年10月にできたばかりのぴかぴかの建物で、300人入るホール、アート作品を展示するギャラリー、リハーサル室、練習室など、すばらしい設備にびっくり。

 難点は希望者が多いので、使えるかどうかは抽選になるということ。1年間通して予約しようと思っていたので、困ったなと思いましたが、とにかくエントリーしないと前へ進まないので、申し込むことにしました。

 ワークショップは、昔、竹内敏晴さんの「からだのレッスン」を受け、ワークショップの場では自分のからだと心がびっくりするくらい自由になることを体験しました。養護学校の子どもたちとワークショップをいっしょにやれば、日常よりももっと素敵な出会いがあるのではないかと思いました。

 劇団の68/71黒色テントの役者さんたちに来てもらい、養護学校の生徒たち、地域の人たちが一緒になって演劇ワークショップをやりました。役者顔負けの存在感、発想の違いに、ワークショップはほんとうにエキサイトしました。始めた当初は「彼らのために」という思いがあったのですが、何回かやっていく中で、支えられているのは私たちの方だということがだんだん見えてきました。

 どちらかといえば社会から排除されることの多い彼らと、「アンタがいないと困る」といった関係がワークショップの中で自然に生まれたのです。これは画期的なことでした。よくある「障害者と共に生きよう」といった上滑りする感じではなく、泥臭く、「アンタがいないと困る。」「一緒にいて欲しい」「一緒に芝居やりたい」と切に思う関係です。

 ぬいぐるみを作り、それを元にお話を起こしていくようなワークショップをやったことがあります。たいていは熊のぬいぐるみとかいった丸っこいものを作るのですが、養護学校の生徒で「海のぬいぐるみ」を作った方がいました。これには完璧に負けたと思いました。勝った負けたの話ではないのですが、それでも発想の豊かさ、という点ではほんとうに負けたと思いました。そういう思ってもみないことが、ポロと出てくるところが、彼らといっしょにやるワークショップのおもしろさです。

 そんな彼らとのワークショップは、普通(?)の人たちだけでやるワークショップよりも何倍もおもしろいものを生みだしたように思います。(詳しくは『街角のパフォーマンス』をご覧下さい。)

 来年春から予定しているワークショップは、ぷかぷかが地域で作ってきた関係を更に豊かなものにすると思います。彼らといっしょだからこそ生み出せる「文化」をみんなで共有したいと思っています。どんなものが飛び出すか、今からわくわくしています。

 

 

ぷかぷかのミッション(実現したいこと)

 ぷかぷかのミッション(実現したいこと)をあらためて考えてみました。

 

●障がいのある人たちといっしょに、お互い気持ちよく生きていける社会を実現します。

・障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ、というメッセージをさまざまな形で発信し、みんなが気持ちよく生きていける社会を実現します。

・  生産の効率が落ちても、彼らといっしょに働いた方がいい、という新しい価値観を生み出します。(スタッフだけで働いた方が、ひょっとしたら生産量は増えるかも知れませんが、彼らのいない「ぷかぷか」は、なにかつまらないし、彼らといっしょに働いてこその「ぷかぷか」だと、スタッフたちは思っています。これはまぎれもなく「彼らといっしょに働いた方がいい」という新しい価値観ではないかと思うのです)

・「いい一日だったね」ってお互い言い合えるような、そんな一日をみんなで作ります。

・利用者さんの笑顔が絶えない職場にします。

・就労支援の事業所として、利用者さんの毎日が充実するような,楽しいと思える仕事を提供します。

・「カフェベーカリーぷかぷか」は 、お客さま(大人も子どもも)が安心して食べて頂けるおいしいパンを提供します。「ぷかぷかカフェ」はお客さまが安心して召しあがって頂けるおいしい食事を提供します。

・「ぷかぷかカフェ」は小さなお子様連れのお客さまもゆっくりくつろげる雰囲気を、利用者さんと一緒に作ります。

・ 障がいのある人たちの文化、あるいは彼らといっしょだからこそ生み出せる文化を発信します。  

・利用者さんの自立生活を支えます。

・利用者さんとお客さまの素敵な出会いの場を提供します。

 

 ビジョン(5〜10年後の姿)も考えてみました。

・ぷかぷかのメッセージを発信する回路を太くし、共感する人を5〜10倍増やします。

・外から見ても「楽しそうに働いていますね」って思えるような職場、利用者さんも、スタッフも目が生き生きしているような職場,笑いの絶えない職場にします。

・ぷかぷかパンのファンを増やし、売り上げを2倍に増やし、利用者さんの給料を2倍に増やします。

・安心して食べられるおいしいパン、食事をたくさん開発します。

・新しい文化の発表の場として、毎年「ぷかぷか元気まつり」を開きます。それに向けて、月一回程度、地域の人たちにも呼びかけて、利用者さんといっしょに、みんなで楽しいワークショップを行ないます。

・空き店舗ではなく、広くゆったりしたスペースで、アート(創作)活動を楽しみます。そのスペースを創ります。

・グループホームを実現します。

 

 

バリュー(大事にしたい価値観)も考えてみました。

・障がいのある人たちといっしょに生きていった方がいいよって素直に思える価値観。

・仕事は楽しくやるものと思う価値観。

・彼らといっしょに生きる毎日が楽しいと思う価値観。

・一日一日を大事にする価値観。

・命が大事、だから「安心して食べられる」ということはすばらしいと思う価値観

 

 

ぷかぷかはどんどん進化?していきます。ですから具体的な項目は、これからも増えていくのだろうと思います。

ご意見いただければ幸いです。pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた出会えて良かったよ」ってお互いが思えるような

 毎週外販に行っている区役所の方からメールが来ました。

【職場でぷかぷかさんのシュトーレンを紹介しましたら、ぷかぷかさんのスッタフさんの話でいっぱいになりました。

 計算が早い人の話、看板の文字を読み上げる人の話、販売上手な人の話・・・。
スタッフさんの名前は分からないけど、
それぞれの人の特徴を言うだけで、顔が思い浮かぶなんてすごいですよね。】

 

 こういう関係ができたことがすごく嬉しいです。“障がいのある人”ではなく、“計算の早い人” “看板の文字を読み上げる人” “販売上手な人”というふうに表現できるのは、一人一人とのおつきあいがあったからできるわけで、ここから新しい関係が始まりそうな気がしています。

 それは“障害者”と“健常者”という、どこかいびつで、対立するような関係ではなく、「あなた出会えて良かったよ」ってお互いが思えるような、前向きの関係です。

 人は誰かと出会うことで、自分を豊かにしていきます。障がいのある人たちとの出会いは、自分の世界を豊かに広げてくれます。自分の中の人間の幅を広げてくれます。

 障がいのある人たちの働く場、生活する場が地域の中にできることに抵抗を持つ人はまだまだ多いと思います。「不気味だ」などといわれ、とても悲しい思いをしたこともあります。

 異質な存在を締めだしてしまう地域社会は、締めだした側も息苦しく、生きにくい社会になります。許容できる人間の幅が、異質な存在を締めだした分、狭いからです。

 そんな中にあって、彼らと「あなたと出会えて良かったよ」って思えるような関係ができることは、お互い気持ちよく生きていける社会に向けて、ささやかな一歩を踏み出すことになると思います。

 

 

 

笑顔で働いている姿を見て

 実習生に実習の感想を聞いてみました。

 「毎日がほんとうに楽しいです。一日が終わると、次の日がすごく楽しみです。あと一日で実習が終わることがとても寂しいです」

 こんな嬉しい感想を言ってくれた実習生は初めてです。実習生はたいてい緊張していて、仕事に慣れ、職場の雰囲気に慣れる頃には実習が終わっていることが多いです。でも今回の実習生は、もう初日から

「楽しかったぁ」

と、家でお母さんに報告していたそうです。

 「ぷかぷか」に来る前、他の福祉事業所で実習していたのですが、仕事が厳しかったのか、うまくいかなかったようです。そのあと「ぷかぷか」に見学に来て、みんなが笑顔で働いている姿を見て、ここならやっていけそうだ、と思い、実習に来たそうです。

 そして、予想通り、笑顔で実習できた、というわけです。

 「みなさんが笑顔で働いていました」

 今日、初めて聞いて、そうか、「ぷかぷか」は利用者さんにとってそういう職場だったんだ、とあたらめて気がつきました。これは特に意識したわけではないのですが、自然にそうなっていたのでしょう。

 別の実習生の方で、

 「あの〜、ここは仕事中におしゃべりしてもいいんですか?」

と聞いた方がいました。仕事そっちのけでおしゃべりするのは困りますが、楽しい会話は職場の楽しい雰囲気を作り、仕事がはかどります。

 養護学校で教員やっていた頃、

「仕事中のおしゃべりはダメです」

なんて指導したりしていましたが、今から思うと、何が仕事をはかどらせるのか、といったことが全くわかってなかったな、と思います。

 黙りこくったまま、黙々と仕事をするなんて、息が詰まりそうで、素直にいやだなと思います。仕事が楽しいと感じられ、笑顔で毎日仕事できることがいちばんです。

 実習生は「ぷかぷか」が一番大事にしていることを、しっかり見抜いていたんだなと思いました。

 

 

シュトーレン

 シュトーレン、販売中です。ラム漬けされたドライフルーツが深い味を演出します。ジンジャーピールがアクセントです。1,500円です。

 「カフェベーカリーぷかぷか」で販売中。045-921-0506   

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『街かどのパフォーマンス』在庫あり−3

 昨日学校に『芝居小屋』を作ったことを書きました。これは芝居をやる人、見る人、というふうに分けないで、みんなで一緒になって芝居を楽しむ熱い空間を作り出そうという試みでした。

 『海賊ジェイクがゴンゴンすすむ』は『海賊太っちょジェイク』という絵本を元にした、本番までどうなるかわからない、わくわくハラハラする芝居でした。稽古をするたびにお話がどんどん変わり、小道具、大道具を作ると更に変わってしまい、子どもたちが動き回ると、あ、こういう動きがいい、とまた変わってしまう、実に自由な芝居作りでした。

 海賊のお話なので、模造紙を30枚くらいつないで、フィンガーペインティングで海の絵を描きました。その細長い海の絵を『芝居小屋』の壁をぐるっと一回りするように貼り付けました。部屋の真ん中に座ってぐるっと見回すと、もうそれだけで海の真ん中にいる気分になります。耳を澄ますと「ザザザザ〜ン、ザザザザ〜ン」と波の音が聞こえてきそう。

 そんな雰囲気の中でお客さんに波になってもらいました。

 「ザザザザ〜ン、ザザザザ〜ン」

 お客さんの体が気持ちよさそうに揺れます。何度も何度も繰り返します。波が大きくなったり、小さくなったり。それにあわせて声も体の動きも変わります。日がサンサンと照り、海はきらきらとまぶしい、とか何とかいいながら

「あっ! トビウオ! 」

と叫びます。お客さんの誰かを指さし

「はい、あなた、トビウオです。ピョ〜ンと飛びます。さあ、いいですか。せ〜の、ピョ〜ン」

というと、お客さんはほんとうにピョ〜ンと飛んでしまうのです。そういう雰囲気が「芝居小屋」にはあったのです。

「あっ、今度はイルカだ」

っていうと、イルカになって飛ぶ人がいました。

 そんな中、海賊船が登場し、お芝居が始まります。波や魚をやったお客さんは芝居への集中力が違います。途中、風が吹いてくると、お客さんは風になり、嵐が来て雷が鳴ります。

「ビュ〜ン」「ビユ〜ン」「ピカピカッ!」「ぴか!」「ゴロゴロ!」「ゴロゴロゴロ」「ドッカ〜ン!」

なんとこの芝居40分もあって、役者もお客さんもくったくた、汗びっしょりになって楽しんだのでした。私自身は半年分をいっぺんに生きた気がした、と書いていました。

 

 こんなにも熱気むんむんの空間が学校の中にできたこと、それが子どもも大人もみんなが一緒になって創り出したことがすばらしかったと思います。あれはやはり「ポラーノの広場」だったと、今あらためて思います。みんながあれほど自由になれる空間は、そう簡単に創れるものではありません。何ヶ月もかかって、芝居を創ったり、壊したりしながら、自由な雰囲気を創っていったのだと思います。

 来年4月からまたワークショップを再開しようと思っています。こんな自由な空間が、今度は街の中にできれば、と思っています。ホームページにまたお知らせを載せます。時々チェックしてください。

 

 

『街かどのパフォーマンス』在庫あり−2

 昨日『街角のパフォーマンス』の目次の紹介をしましたが、中身の紹介をします。

 ひとことで言うと、障がいのある人たちとの新しいおつきあい、といったことになるでしょうか。養護学校の教員になり、最初の頃は子どもたちのやることなすことすべて想定外で、どう対応していいかわからず、おろおろする毎日でしたが、それでもよ〜くつきあってみると、心がホッとなごむような素敵な人たちでした。こんな素敵な人たちを養護学校へとじこめておくのはもったいないと、半年ほどたった頃、武蔵野の原っぱまで子どもたちを連れて行きました。そこでたくさんの人たちと出会い、それがすべての始まりでした。「あそぼう会」を立ち上げ、近所の公園であそんだり、「あおぞら市」に養護学校の生徒といっしょにうどん屋を出したり、演劇ワークショップをやったりしました。

 演劇ワークショップは当初、彼らのためにやる、やってあげる、といった意識がどこかにあったのですが、やっていく中で、支えられているのは私たちの側なんだということがだんだん見えてきました。社会の中で排除される側にいる彼らと、あなたがいないと困る、あなたが絶対に必要、といった、社会とは逆方向のベクトルを持つ関係がワークショップの中でできたのでした。

 それと平行して、学校の中でもワークショップの手法を使って、彼らといっしょに芝居を作り始めました。教師が台本を作り、その台本通りに子どもを動かす、といった方法ではなく、子どもたちと一緒に作り、子どもたちといっしょに舞台に立つ、という方法です。発表の場も、ステージではなく、教室を使って「芝居小屋」を作り、お客さんたちといっしょに舞台を作る、そんな発表の場でした。そこに集まる人みんなが、なんだかとても自由になって、宮澤賢治の「ポラーノの広場」のような場が出現したのでした。

 『街角のパフォーマンス』はそういったことの記録です。読んでみる価値はあると思います。

 

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