ぷかぷか日記

ぷかぷかのミッション(実現したいこと)

 ぷかぷかのミッション(実現したいこと)をあらためて考えてみました。

 

●障がいのある人たちといっしょに、お互い気持ちよく生きていける社会を実現します。

・障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ、というメッセージをさまざまな形で発信し、みんなが気持ちよく生きていける社会を実現します。

・  生産の効率が落ちても、彼らといっしょに働いた方がいい、という新しい価値観を生み出します。(スタッフだけで働いた方が、ひょっとしたら生産量は増えるかも知れませんが、彼らのいない「ぷかぷか」は、なにかつまらないし、彼らといっしょに働いてこその「ぷかぷか」だと、スタッフたちは思っています。これはまぎれもなく「彼らといっしょに働いた方がいい」という新しい価値観ではないかと思うのです)

・「いい一日だったね」ってお互い言い合えるような、そんな一日をみんなで作ります。

・利用者さんの笑顔が絶えない職場にします。

・就労支援の事業所として、利用者さんの毎日が充実するような,楽しいと思える仕事を提供します。

・「カフェベーカリーぷかぷか」は 、お客さま(大人も子どもも)が安心して食べて頂けるおいしいパンを提供します。「ぷかぷかカフェ」はお客さまが安心して召しあがって頂けるおいしい食事を提供します。

・「ぷかぷかカフェ」は小さなお子様連れのお客さまもゆっくりくつろげる雰囲気を、利用者さんと一緒に作ります。

・ 障がいのある人たちの文化、あるいは彼らといっしょだからこそ生み出せる文化を発信します。  

・利用者さんの自立生活を支えます。

・利用者さんとお客さまの素敵な出会いの場を提供します。

 

 ビジョン(5〜10年後の姿)も考えてみました。

・ぷかぷかのメッセージを発信する回路を太くし、共感する人を5〜10倍増やします。

・外から見ても「楽しそうに働いていますね」って思えるような職場、利用者さんも、スタッフも目が生き生きしているような職場,笑いの絶えない職場にします。

・ぷかぷかパンのファンを増やし、売り上げを2倍に増やし、利用者さんの給料を2倍に増やします。

・安心して食べられるおいしいパン、食事をたくさん開発します。

・新しい文化の発表の場として、毎年「ぷかぷか元気まつり」を開きます。それに向けて、月一回程度、地域の人たちにも呼びかけて、利用者さんといっしょに、みんなで楽しいワークショップを行ないます。

・空き店舗ではなく、広くゆったりしたスペースで、アート(創作)活動を楽しみます。そのスペースを創ります。

・グループホームを実現します。

 

 

バリュー(大事にしたい価値観)も考えてみました。

・障がいのある人たちといっしょに生きていった方がいいよって素直に思える価値観。

・仕事は楽しくやるものと思う価値観。

・彼らといっしょに生きる毎日が楽しいと思う価値観。

・一日一日を大事にする価値観。

・命が大事、だから「安心して食べられる」ということはすばらしいと思う価値観

 

 

ぷかぷかはどんどん進化?していきます。ですから具体的な項目は、これからも増えていくのだろうと思います。

ご意見いただければ幸いです。pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた出会えて良かったよ」ってお互いが思えるような

 毎週外販に行っている区役所の方からメールが来ました。

【職場でぷかぷかさんのシュトーレンを紹介しましたら、ぷかぷかさんのスッタフさんの話でいっぱいになりました。

 計算が早い人の話、看板の文字を読み上げる人の話、販売上手な人の話・・・。
スタッフさんの名前は分からないけど、
それぞれの人の特徴を言うだけで、顔が思い浮かぶなんてすごいですよね。】

 

 こういう関係ができたことがすごく嬉しいです。“障がいのある人”ではなく、“計算の早い人” “看板の文字を読み上げる人” “販売上手な人”というふうに表現できるのは、一人一人とのおつきあいがあったからできるわけで、ここから新しい関係が始まりそうな気がしています。

 それは“障害者”と“健常者”という、どこかいびつで、対立するような関係ではなく、「あなた出会えて良かったよ」ってお互いが思えるような、前向きの関係です。

 人は誰かと出会うことで、自分を豊かにしていきます。障がいのある人たちとの出会いは、自分の世界を豊かに広げてくれます。自分の中の人間の幅を広げてくれます。

 障がいのある人たちの働く場、生活する場が地域の中にできることに抵抗を持つ人はまだまだ多いと思います。「不気味だ」などといわれ、とても悲しい思いをしたこともあります。

 異質な存在を締めだしてしまう地域社会は、締めだした側も息苦しく、生きにくい社会になります。許容できる人間の幅が、異質な存在を締めだした分、狭いからです。

 そんな中にあって、彼らと「あなたと出会えて良かったよ」って思えるような関係ができることは、お互い気持ちよく生きていける社会に向けて、ささやかな一歩を踏み出すことになると思います。

 

 

 

笑顔で働いている姿を見て

 実習生に実習の感想を聞いてみました。

 「毎日がほんとうに楽しいです。一日が終わると、次の日がすごく楽しみです。あと一日で実習が終わることがとても寂しいです」

 こんな嬉しい感想を言ってくれた実習生は初めてです。実習生はたいてい緊張していて、仕事に慣れ、職場の雰囲気に慣れる頃には実習が終わっていることが多いです。でも今回の実習生は、もう初日から

「楽しかったぁ」

と、家でお母さんに報告していたそうです。

 「ぷかぷか」に来る前、他の福祉事業所で実習していたのですが、仕事が厳しかったのか、うまくいかなかったようです。そのあと「ぷかぷか」に見学に来て、みんなが笑顔で働いている姿を見て、ここならやっていけそうだ、と思い、実習に来たそうです。

 そして、予想通り、笑顔で実習できた、というわけです。

 「みなさんが笑顔で働いていました」

 今日、初めて聞いて、そうか、「ぷかぷか」は利用者さんにとってそういう職場だったんだ、とあたらめて気がつきました。これは特に意識したわけではないのですが、自然にそうなっていたのでしょう。

 別の実習生の方で、

 「あの〜、ここは仕事中におしゃべりしてもいいんですか?」

と聞いた方がいました。仕事そっちのけでおしゃべりするのは困りますが、楽しい会話は職場の楽しい雰囲気を作り、仕事がはかどります。

 養護学校で教員やっていた頃、

「仕事中のおしゃべりはダメです」

なんて指導したりしていましたが、今から思うと、何が仕事をはかどらせるのか、といったことが全くわかってなかったな、と思います。

 黙りこくったまま、黙々と仕事をするなんて、息が詰まりそうで、素直にいやだなと思います。仕事が楽しいと感じられ、笑顔で毎日仕事できることがいちばんです。

 実習生は「ぷかぷか」が一番大事にしていることを、しっかり見抜いていたんだなと思いました。

 

 

シュトーレン

 シュトーレン、販売中です。ラム漬けされたドライフルーツが深い味を演出します。ジンジャーピールがアクセントです。1,500円です。

 「カフェベーカリーぷかぷか」で販売中。045-921-0506   

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『街かどのパフォーマンス』在庫あり−3

 昨日学校に『芝居小屋』を作ったことを書きました。これは芝居をやる人、見る人、というふうに分けないで、みんなで一緒になって芝居を楽しむ熱い空間を作り出そうという試みでした。

 『海賊ジェイクがゴンゴンすすむ』は『海賊太っちょジェイク』という絵本を元にした、本番までどうなるかわからない、わくわくハラハラする芝居でした。稽古をするたびにお話がどんどん変わり、小道具、大道具を作ると更に変わってしまい、子どもたちが動き回ると、あ、こういう動きがいい、とまた変わってしまう、実に自由な芝居作りでした。

 海賊のお話なので、模造紙を30枚くらいつないで、フィンガーペインティングで海の絵を描きました。その細長い海の絵を『芝居小屋』の壁をぐるっと一回りするように貼り付けました。部屋の真ん中に座ってぐるっと見回すと、もうそれだけで海の真ん中にいる気分になります。耳を澄ますと「ザザザザ〜ン、ザザザザ〜ン」と波の音が聞こえてきそう。

 そんな雰囲気の中でお客さんに波になってもらいました。

 「ザザザザ〜ン、ザザザザ〜ン」

 お客さんの体が気持ちよさそうに揺れます。何度も何度も繰り返します。波が大きくなったり、小さくなったり。それにあわせて声も体の動きも変わります。日がサンサンと照り、海はきらきらとまぶしい、とか何とかいいながら

「あっ! トビウオ! 」

と叫びます。お客さんの誰かを指さし

「はい、あなた、トビウオです。ピョ〜ンと飛びます。さあ、いいですか。せ〜の、ピョ〜ン」

というと、お客さんはほんとうにピョ〜ンと飛んでしまうのです。そういう雰囲気が「芝居小屋」にはあったのです。

「あっ、今度はイルカだ」

っていうと、イルカになって飛ぶ人がいました。

 そんな中、海賊船が登場し、お芝居が始まります。波や魚をやったお客さんは芝居への集中力が違います。途中、風が吹いてくると、お客さんは風になり、嵐が来て雷が鳴ります。

「ビュ〜ン」「ビユ〜ン」「ピカピカッ!」「ぴか!」「ゴロゴロ!」「ゴロゴロゴロ」「ドッカ〜ン!」

なんとこの芝居40分もあって、役者もお客さんもくったくた、汗びっしょりになって楽しんだのでした。私自身は半年分をいっぺんに生きた気がした、と書いていました。

 

 こんなにも熱気むんむんの空間が学校の中にできたこと、それが子どもも大人もみんなが一緒になって創り出したことがすばらしかったと思います。あれはやはり「ポラーノの広場」だったと、今あらためて思います。みんながあれほど自由になれる空間は、そう簡単に創れるものではありません。何ヶ月もかかって、芝居を創ったり、壊したりしながら、自由な雰囲気を創っていったのだと思います。

 来年4月からまたワークショップを再開しようと思っています。こんな自由な空間が、今度は街の中にできれば、と思っています。ホームページにまたお知らせを載せます。時々チェックしてください。

 

 

『街かどのパフォーマンス』在庫あり−2

 昨日『街角のパフォーマンス』の目次の紹介をしましたが、中身の紹介をします。

 ひとことで言うと、障がいのある人たちとの新しいおつきあい、といったことになるでしょうか。養護学校の教員になり、最初の頃は子どもたちのやることなすことすべて想定外で、どう対応していいかわからず、おろおろする毎日でしたが、それでもよ〜くつきあってみると、心がホッとなごむような素敵な人たちでした。こんな素敵な人たちを養護学校へとじこめておくのはもったいないと、半年ほどたった頃、武蔵野の原っぱまで子どもたちを連れて行きました。そこでたくさんの人たちと出会い、それがすべての始まりでした。「あそぼう会」を立ち上げ、近所の公園であそんだり、「あおぞら市」に養護学校の生徒といっしょにうどん屋を出したり、演劇ワークショップをやったりしました。

 演劇ワークショップは当初、彼らのためにやる、やってあげる、といった意識がどこかにあったのですが、やっていく中で、支えられているのは私たちの側なんだということがだんだん見えてきました。社会の中で排除される側にいる彼らと、あなたがいないと困る、あなたが絶対に必要、といった、社会とは逆方向のベクトルを持つ関係がワークショップの中でできたのでした。

 それと平行して、学校の中でもワークショップの手法を使って、彼らといっしょに芝居を作り始めました。教師が台本を作り、その台本通りに子どもを動かす、といった方法ではなく、子どもたちと一緒に作り、子どもたちといっしょに舞台に立つ、という方法です。発表の場も、ステージではなく、教室を使って「芝居小屋」を作り、お客さんたちといっしょに舞台を作る、そんな発表の場でした。そこに集まる人みんなが、なんだかとても自由になって、宮澤賢治の「ポラーノの広場」のような場が出現したのでした。

 『街角のパフォーマンス』はそういったことの記録です。読んでみる価値はあると思います。

 

クリスマス料理教室

 クリスマス料理教室をやりました。きのこのリゾット、エビグラタン、ポテトサラダ、レンコン団子のスープ、チキンの丸焼き、おからケーキの豪華メニュー。メインイベントはなんといっても【チキンの丸焼きリゾット詰め】でした。

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『街角のパフォ−マンス』在庫あり

 太郎次郎社エディタスという会社から、昔出した『街角のパフォ−マンス』という本を電子化していいかという問い合わせがありました。もう絶版になって、世の中から忘れられてるんじゃないかと思っていましたので、この問い合わせは嬉しいものでした。

 太郎次郎社エディタスのホームページを見たら『街角のパフォ−マンス』在庫あり、とありましたので、興味のある方はどうぞお買い求めください。

 http://www.tarojiro.co.jp/product/4015/

  養護学校で働いていた頃書いた本です。30代で、いちばんエネルギッシュに働いていた頃の物語です。目次の見出しを書くと

「ある日街かどににぎやかな舞台が…」「海のぬいぐるみとお獅子のうんこ」「本音をどかんと突き出す」「歌がしんしんとしみた」「アンタっていうセンセイはなんなのさ」「ヘビはネコをかみません」「どうにもお尻がムズムズしだして」「この女のヤロウをとじこめちゃおうぜ」「おまえたちはもう死んでいる」「海賊ジェイクがゴンゴンすすむ」「どうなっちゃうんだろうという不安がたまらない」「お客も役者もくったくた」「ちびくろさんぼがわっほいほい」「お父さんと二人でルンギーはいて」「近所のおばさん、舞台に立つ」「ひゃ〜どうしよう、どうしよう」「がっこうでもやきうやてんの」「黒い筆がベター、ペタッ、ペチャッと踊った」「『みちことオーサ』のめっちゃ楽しい上映運動」「べつに結婚しなくたって、子どもは産めるよ」「新聞投稿『身体障害児の乱暴』の波紋」「どうして電車の中でみんな黙っているんだい?」「教師たちの反応はさっぱり」「お母さんたちの話を聞いて、心が耕されているみたいだった」「あおぞら市にうどんや開店」「街の中にホッとする空間ができて」「机ひとつだけのうどんやではあったけれど」

 あっ、おもしろそう、って思われた方は、ぜひ買ってみて下さい。アマゾンでも手に入るようです。

8分間の胸のときめき

 入院中のしんごっち、自宅での外泊から病院に帰るとき、自分で使っていたスケッチブックをカバンに詰め、大好きな看護師さんに絵を描いてあげるんだー!と張り切って病院へ戻ったそうです。

 胸をわくわくさせながらスケッチブックを鞄に詰め込んでいるしんごっちの姿が目に浮かびます。そんな時間が少しでも長く取れるといいなと思っています。

 前にも書きましたが、しんごっちは給料が出ると横浜川崎間のひと駅だけのグリーン車の旅を楽しんでいました。ひと駅だけ乗るのにわざわざ高いグリーン車に乗る人はまずいません。わずか8分の乗車時間ですから、立ったままでも十分行ける距離です。座ったとしても、ゆったりくつろぐような時間はありません。それでも、そこに750円のグリーン車の代金を払って乗るところに、しんごっちの「人生観」「美学」があるように思うのです。

 横浜から博多までのグリーン車の旅よりも、短い分、もっと濃縮された、わくわくするような贅沢な時間がそこにはあるような気がします。8分間の胸のときめきこそ大事にしたい、というしんごっちの素敵な人生がそこにはあります。

 しんごっちは重い障がいを抱えた人です。生きていく上でいろいろな困難を抱えた人です。それでもそんなことお構いなく、自分の人生をしっかり生きているしんごっちは、生きることの意味をあらためて教えてくれているように思うのです。

 

グリーン車で自撮りしたもの

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テーブルの上には慎ましくお茶とおにぎり

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マックを食べ過ぎると女の子になるかも知れないという話

 ケンちゃんは太っています。90キロを少し超えているかも知れません。マックが大好きで、しょっちゅうマックへ立ち寄って、テリヤキバーガーなど食べたりしています。

 あんまり太ると健康に良くないので、下のまぶたの裏側を見て、

「あ、赤くなっていますねぇ、これは糖尿病の初期症状です。糖尿病になると、足が腐ってぼろっと落ちたりします。これはマックが原因です。健康のためにマックはやめた方がいいです」

と、4年前、まだ養護学校の生徒の頃(私が担任をしていました)、まぶたのチェックをやったことが気に入ったのかどうか、今でも毎日のようにまぶたの裏をめくって見せ、

「これは糖尿病ですか?」

と嬉しそうに聞いてきます。(卒業後は他の作業所で働いていましたが、2年前、ぷかぷかにやってきました。)

「ああ、これはまずい!相当進んでいます。この調子で進行すると、朝、おしっこしたはずみに、大事なところが腐ってぼろっと落ちるかも知れません」

「え?大事なところがぼろっと落ちると、女の子になるんですか?」

「そうです。ケンちゃんは女の子になってしまいます」

「スカートはくんですか?」

「そうです」

「ウエディングドレスですか?」

「そうです」

「ウエディングドレスというのはこれですか?」

とスマホの画面をうれしそうに見せてくれたりします。糖尿病になるからマックはやめた方がいい、といったつもりが、全く違う方向へ話が発展していまいました。

 

 

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