ぷかぷか日記

もっとダイナミックに

 8日、9日と奈良のたんぽぽの家で行われた【福祉を変える「アート化」セミナー】に参加する予定でしたが、8日は何十年ぶりとかの大雪で、情けないことに、美大を受験する娘の絵の道具運びにかり出され、結局出発したのは受験の終わった夕方でした。ものすごい雪で、普通の靴では歩けない気がして、登山靴で出かけました。ほとんど地吹雪のような状態でしたが、こんな時は登山靴履いていると妙に元気が出ます。

 新幹線は遅れに遅れ、奈良に着いたのは夜の10時を回っていました。当然ながら初日nのセミナーは全部キャンセル。惜しいことしました。

 9日、「アート活動をどう仕事につなげるか」と「アート×デザインによるソーシャルビジネス」と題したセミナーに参加しました。

 施設内に閉じこもって、内向きの論理で動くのではなく、とにかく外の世界にでて、そこで勝負をかけると、関係=つながりがどんどん広がり、その広がりが事業を活性化し、利用者さん自身にもとても豊かなものをもたらす、といった話をわくわくしながら聞きました。

 五つの事業所(JOY倶楽部アトリエブラヴォ、クラフト工房LaMano、NPO法人TSUNAGU FAMILY、NPO法人まる、たんぽぽの家アートセンターHANA)が発表しましたが、どこの事業所も新しい関係の広がりがすごいですね。そうか、こうやって事業が活性化していくんだ、となんだかすごい元気をもらいました。5月から予定している演劇ワークショップにも、アートの要素を入れて、もっともっと広がりを持たせようと、早速構想を練り始めました。ぼちぼち始まったアートの事業にも、もっともっとダイナミックな要素を取り入れたいと思いました。

 

歌「空をかついで」

 「ぷかぷかしんぶん」2月号のトップに石垣りんさんの「空をかついで」という詩を持ってきました。昨日しんぶんのコピーをここに載せましたが、字が小さくてよく読めないので、原文を載せます。

 

肩は/首の付け根から/なだらかに延びて。

肩は/地平線のように/つながって。

人はみんなで/空をかついで/きのうからきょうへと。

子どもよ/おまえのその肩に/おとなたちは/きょうからあしたを移しかえる。

この重たさを/この輝きと暗やみを/あまりに小さなその肩に。

少しずつ/少しずつ。          

 

 はじめてこの詩を知ったのは、オペラシアター「こんにゃく座」のソング集のCDでした。萩京子さんの作曲です。

 なんて素敵な歌なんだろうと思いました。萩さんの歌に出会わなかったら、私はこの詩と出会わなかったかもしれないなと思っています。石垣りんさんの詩はわかりやすくて大好きですが、この「空をかついで」だけは、ほかの詩とは全く違う感じで私の中に入ってきました。

 「ぷかぷか」のパン屋、カフェには小さな子どもたちがたくさんやってきます。やってくる子ども一人一人が本当にかわいいです。そして子どもたちに目を細めるとき、いつも萩さんの「空をかついで」の歌が浮かんでくるのです。(オペラシアターこんにゃく座の「HELP」というCDに入っています。)

歌付き弁当

 ミズさんの実習が終わり、今日は反省会でした。毎日すごく楽しかったようで、家に帰ってからお母さんに、今日はこんなことやった、あんなこともした、と楽しそうに報告したそうです。今、ほかの福祉事業所に通っているのですが、こんなふうに楽しそうに仕事の話はしたことがないそうです。ぷかぷかのどんなところが気に入ったのかよくわかりませんが、仕事を楽しいと感じてくれ、それをお母さんに報告までしてくれたことは、すごく嬉しい気がしました。

 ミズさん、お話好きなので、お弁当の配達の仕事が始まったら、ぜひそれをやってほしいと思っています。配達に行ったついでに、お年寄りの方を相手に、ちょっとお話ししてくれば、お年寄りの方は楽しい時間を過ごすことになり、少し元気になるのではないかと思っています。ミズさん、歌が好きだそうで、しかも加山雄三や、小林旭といったひと時代前の歌が好きなので、配達に行ったついでにお年寄りの前で歌を歌ってきてもいいなと思いました。お年寄りを元気にする「歌付き弁当」なんて売り込みをしようかな、と反省会やりながら思いました。

 

雪が降ったら

 天気予報を見たら土曜日は雪。雪が降ったらお客さんはほとんど来ないので、休みにしようか、と会議で話題になりました。お客さんが来ないと、せっかく焼いたパンが大量に残ることになり、次の日は休みなので、持って行き場がありません。

 利用者さんはお休みなので、パンが売れなければ、人件費の分、赤字になります。

 普通のお店は、たとえ雪が降ってもそれを理由に休みにしたりしないので、ぷかぷかはまだまだ甘ったれてるなぁ、と思いつつ、ちゃんと収益を考えながら、あけた方がいいのかしめた方がいいのか判断しているので、少しは成長しているのではないかと思ったりもします。

 いろいろな意見が出ましたが、結局、土曜日のパン生地の仕込み量を決める明日の昼の時点での天気予報で決めようということになりました。ホームページの営業日のお知らせも、その時点で書き直すかもしれません。

プチギフト

 結婚式で配るプチギフトの注文が入りました。ぷかぷかで働いているメンバーさんのいとこの方からの注文です。

 中身はクッキー、ラスクの詰め合わせ。それをしゃれた感じでラッピングし、メンバーさんからのメッセージがさりげなく感じられるように、そんな演出ができればいいなと思っています。納期まで20日。その限られた時間の中での挑戦です。

 うまくいけば、「プチギフト承ります」としっかり仕事としてやって行く予定です。

 式では「従弟が働いているぷかぷかというパン屋さんで心を込めて作ってくれたプチギフトです」と紹介するそうです。受け取った方が、メンバーさんのあたたかなメッセージを受け止めてくれて、そのあたたかさをあちこちに広げてくれたらいいな、と思っています。

 いずれにしても、なんだかわくわくするような仕事です。そういう仕事に軽いノリで挑戦できるのが「ぷかぷか」です。そういうものがあるから、「ぷかぷか」はメンバーさんにとってもスタッフにとっても、楽しい、わくわくするような仕事場なんだと思います。

 どんなプチギフトができあがるのか、とても楽しみにしています。今月末、ここで発表します。

「健康な命」を未来に引き継ぐ

 先日2月3日、仕事の帰りに寄ったスーパーに恵方巻きがずらり並んでいました。おいしそうな具がいっぱい詰まった恵方巻きです。おなかも減っていたのでよほど買おうかと思ったのですが、裏のラベルを見るとびっくりするほどの添加物。具がたくさん入っている分、添加物も多いのでしょう。とても買う気になれませんでした。

 あんなにたくさんの添加物を体に取り込んで大丈夫なのだろうかと思います。一つ一つの量は少なくても、毎日毎日20年、30年食べ続けたら、大変な量になります。それだけの量を取り込んで、全く無害だとは思えないのです。

 そんな中にあって、命を傷つけたくない、「健康な命」を未来に引き継いでいきたい、と「ぷかぷか」は思っています。ですから「ぷかぷか」のパンには添加物は一切使っていません。カフェで使う食材も生活クラブの食材を中心に、できるかぎり無農薬、有機栽培の野菜を使用しています。

 4月からお弁当、お総菜事業を始める予定でいますが、同じ思いで食材を厳選し、おいしいお弁当、お総菜を提供します。おからの煮物は、朝、豆腐屋までおからを買いに行って作ります。お総菜のメニューはホームページに載せています。

「ぷかぷかパン」→検索→メニュー欄「お総菜事業」

今日雪が降るよ

 朝、gottiから電話。

「今日3時から雪が降るよ。寒いよ。みんなに言って。じゃあね」

と、電話が切れました。

 gottiは天気予報が大好きです。朝の会でいつも今日の天気を話してくれました。

今、家で療養中ですが、今日は珍しく雪が降るというので連絡してくれたのだと思います。

 雪が降る、というたったそれだけのことを伝えるためにわざわざ電話をかけてくるところがgottiらしいところ。

 gotti、健在です!

 

 

昔ガンになったときの話−6

 術後3日目、リカバリールームから大部屋に帰りました。当然ベッドごと運んでくれるものと思っていたのですが、看護婦さんに

「ここからは歩いて帰って下さい」

と、冷たく突き放されました。まるで子どもの自立を促すライオンです。

 そういわれてもなぁ、と思いつつ、とりあえずベッドを低くしてもらってなんとか立とうとしたのですが、からだがふらふらして、とても立つどころではありませんでした。体にとにかく力が入らないんですね。それとひどいめまい。

 見かねた看護婦さんが、結局車いすで運んでくれたのですが、大部屋に着いてからベッドに移るのがまたひと苦労。めまいはするし、腹は痛いしで、やっとの思いでベッドに横になったあとは、濡れタオルを顔に掛けてしばらくヒィヒィうなっていました。

 こんなに痛いんじゃ、しばらくはベッドから動けないな、なんて思っていたら、夜、黒縁めがねの看護婦さんが、有無を言わせぬ感じで

「トイレまで歩いて行って下さい」

と言い、

「え?あの…」

と、もがもが言ってる私の背中をがしっと抱えました。点滴台を杖代わりにしながら、トイレまでよたりよたりと歩きました。傷口がカパッと開いて、はらわたが飛び出しそうな感じで、もう必死になって腹を押さえながら歩きました。痛くて痛くて、涙がクーッとにじみました。

 トイレまでたどり着いたときは、体中汗びっしょり。しばらくは呼吸が乱れて、おしっこどころではありませんでした。

 動いた方が回復が早いとは言え、なんとも過酷なリハビリが始まったのでした。

カンパーニュ

 先週の金曜日、たまたま大きいサイズのカンパーニュが残っていたので、家で食べてみました。久しぶりにカンパーニュ食べたのですが、おいしかったですねぇ。パンそのもののおいしさというか、落ち着いた、揺らぐことのないおいしさみたいなものを感じました。

 カンパーニュは小麦粉、酵母、少量の塩(普通2%のところを、小麦粉の味を生かすために1.4%しか入れていません)、それに水です。いたってシンプルですが、シンプルな分、小麦粉のおいしさをそのまま味わえます。

 粉は岩手で取れた「ゆきちから」と「南部小麦」を使っています。ぜひ味わってみてください。

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