ぷかぷか日記

ダウン症の青年に質問されたら

 先ほど、NHK教育テレビで「出生前診断」を考える番組がありました。その中でダウン症の青年が街角で女性にインタビューしていました。

「ダウン症の子どもが生まれるとわかったら、どうしますか?」

とダウン症の青年が聞くわけですが、かなりきついシチュエーションでの質問だと思いました。

自分は産みたくない、と思っても、ダウン症の青年を前にすれば、その青年の存在を否定するようで、なかなか言えないと思います。

「身近にダウン症の子どもがいて、本当にかわいくて、天使のようだと思っています。でも、自分子どもとなると…、そのときになってみないとわかりません」

といいながら、涙がこぼれ落ちました。

 とても辛かったんだろうと思います。ダウン症の子どもは天使のようだと思いつつ、自分の子どもとなると…、という思いのずれ。そのずれを抱えたまま、ダウン症の青年の質問に答えねばならない、というのは、やっぱりきついシチュエーションではないかと思います。

 NHK教育テレビの福祉番組ですから、出生前診断で切り捨てられてしまう「命」を考えようとしたのだと思いますが、ダウン症の青年にこんな質問をさせるのはどうかと思いました。もし「私は産みたくありません」とはっきり言う人がいたら、青年はとても辛い思いをするだろうと思います。

 

 明日から月一回のワークショップが始まります。いっしょにワークショップを楽しむ中で、障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいね、と自然に思えるようなワークショップです。 

 

こりに凝った入り口

 お総菜屋「おひさまの台所」の入り口ができつつあります。

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 ずいぶん凝った入り口で、上の方に竹箒を切ったものを逆さにぶら下げています。先っぽを縛った方がいいかどうか聞かれ、縛らない方がいいのではないかと思いましたが、縛らないとシャッターが少し引っかかるようなので、結局ひもで縛ることにしました。

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 右にショーケースが入ります。

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 どんどんできあがっていきます。18日(水)にオープンの予定です。

 

 夕方に行ったらもう色が塗ってありました。入り口左側に三本だけ焦げ茶色の柱がありますが、そこには鉄製の浮き上がったような看板がつく予定です。

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ツンさんが伝えたかったもの

 ツンさんの新しい映画を見ました。新しい映像編集技術を駆使した、なかなかおもしろい映像ではあったのですが、肝心な「旅の記録」の部分がほとんど伝わってこなくて、むつかしい作品だなと思いました。

 黒澤明とかチャップリンの無声映画の映像をふんだんに差し込んで、それなりにおもしろい映像に仕上がってはいるのですが、それで何を伝えようとしたのか、よくわかりませんでした。旅行の映像もかなり加工して取り込んではいるのですが、ほかの映像との関連がさっぱりわかりませんでした。

 今度ワークショップの映像記録をお願いしている映像作家さんにも見ていただきました。

 「おもしろい!」「すばらしく自由」「見る人にこびる気持ちが全くない」「素材を本当に自由に使っている」「デジタル編集技術がすごい」等々、新鮮な感想を言ってくれました。「人の作った映像ではなく、自分で撮った映像を使った方がいい」ともいってました。

 本人とも話しました。黒澤明の映像を使ったギャグが伝わらないのが残念、とかいってましたので、やっぱり何かを伝えたいのだろうと思いました。だったら利用者さんにも伝わるような工夫をした方がいいんじゃないかといったのですが、簡単な映像は作る気がしない、といい、どうも話がかみ合いません。

 映画を始めた3年前に比べると、技術的には格段の進歩を感じます。進歩を感じながらも、伝わってくるものがなくて、どうしたのかなぁ、と思っています。

 でも、映像作家の作った記録映画よりははるかにおもしろいものがあったので、ワークショップでは二人に撮ってもらって、全く違う映像にまとまるとおもしろいかな、と思っています。

 そうか!「記録映画よりもはるかにおもしろいもの」が、ツンさんが伝えたかったものか、と今、思いました。

 

 

スナックに行ってジュース飲むんだよ

 長野県は小諸にある「おむすび長屋」の田中さんがお店に見えました。

 おむすび長屋は30年ほど前、小諸の山間にある茅葺きの廃屋を借りて、障がいのある人たちと生活を共にしながら味噌作りを始めました。今のように福祉の制度も整わない中でのスタートだったので、大変な試みだったと思います。たまたま新聞で紹介され、訪ねていったのがおつきあいの始まりでした。

 訪ねていった日にボーナスが出たようで、こういちろうさんというおじさんが

「ボーナス出たんだよ」

とにこにこ顔でいいました。

「何に使うんですか?」

「スナックに行ってジュース飲むんだよ」

 40歳くらいのおじさんが、そんなふうにうれしそうに言い、その純な心に感動したことを未だに覚えています。

 味噌はお金になるまで1年くらいかかります。バイトで食いつなぎながら「おむすび長屋」を維持できたのは、やはりあの年代の志の深さだったかと思います。でも、若い人たちに引き継ぐに当たって、それなりの生活の保障がないとまずいだろうと、10年ほど前、社会福祉法人になりました。田中さんは今年、その理事長の役も降り、すべて次の世代に引き継ぎました。今日はそのあいさつ回りだったようです。

 田中さんのあの味が「おむすび長屋」からなくなることは、とても寂しいことですが、新しい「おむすび長屋」に田中さんを超える新しい魅力をぜひ創り出していってほしいと思います。

 

しんごっちの財産

 しんごっちの告別式がありました。お通夜も、告別式も、びっくりするほどの人が参列し、しんごっちの作ってきたつながりの広さを思いました。

 日曜日に息を引き取って以来、毎日しんごっちに会いに行っていたのですが、たまたま居合わせた近所の床屋さんのしんごっちの思い出話を聞きながら、近所でもいいおつきあいを作っていたんだなぁ、と思いました。あのすばらしい笑顔と、誰にでも愛される人柄の故だろうと思います。

 昔、担任していたなおちゃんが事故で亡くなったときのことです。なおちゃんは多動で、しょっちゅう家や学校から飛び出して、毎日のように探し回っていました。家のドアには鍵が三つくらいついていて、ベランダには物を投げても大丈夫なようにネットが張ってありました。テレビも投げたことがあったとお母さんが嘆いていました。家の近くのスーパーにも勝手に入り込んでずいぶんいたずらしていたようで、要注意人物でした。しんごっちとは正反対の人柄だったようです。ところが、なおちゃんが亡くなったとき、そのスーパーの女性店員が大泣きしたと、あとで聞きました。毎日のようにいたずらに手を焼いていたんだろうと思います。売り物を壊したりして、損害もかなりあったんだろうと思います。そんなに迷惑をかけながらも、それでもなおちゃんが亡くなったとき、女性店員は大泣きしたというのです。

 たぶん、しんごっちとは全く違う方法で人とつながりを作っていたのだろうと思います。つながりはそのままその人の財産です。昨日、今日としんごっちのすばらしい財産を見た気がしました。その財産があったからこそ、病院での治療をやめたあと、すばらしくいい時間を過ごせたのだと思います。いい時間を支える仲間がたくさんいて、しんごっちは本当に幸せだったと思います。 

 

夢がぎっしり

 たまたま「ぷかぷか」を立ち上げるときに作ったイメージの絵が出てきました。

 

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 夢がぎっしり詰まったお店でした。スペースの関係でほとんど実現できなかったのですが、それでも、このときの熱い思いは今、別の形で生きています。

ぷかぷかと同い年

 商店会の春の縁日がありました。ぷかぷかは子ども向けに「輪投げ」と「ゴルフ」をしました。 

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 思いのほか子どもたちが楽しんでくれて、中には楽しくて3回くらいやった人もいました。全部で150人くらいの子どもたちが楽しんでくれました。

 以前からお店によく来る子どもがずいぶん大きくなっていて、

「あれ、もう小学校に上がったんですか?」

と聞くと、

「いえ、この子はぷかぷかと同い年で4歳ですよ」

といわれてしまいました。

 ぷかぷかと同い年、というのがいいですね。そういえばぷかぷかができた頃、お母さんにだっこされてきていました。それが小学生と見違えるくらい大きくなって、4年の重みを思いました。

 

 

厨房機器が入りました。

 お惣菜の厨房機器が入りました。ガスコンロ、フライヤー、スチームコンベクションオーブン、食器洗浄機、冷蔵庫、食器保管庫、まな板、包丁殺菌保管庫などです。

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 さぁ、いよいよ、という感じでわくわくしています。

 パン屋ができるときは、わくわくした感じより、不安の方が多くて、ほんとうに参りました。様々な問題をほとんど一人でしょっていたので、もう今にも押しつぶされそうな気分でした。

 それが今はすばらしいスタッフに恵まれ、新たに1,500万円の借金をしながらも、不安は全くありません。スタッフの力は本当に大きいと思います。

 地元の人たちのお惣菜への期待が大きいのも、この4年で作ってきた地域の信頼感があってのことだと思います。その信頼感を感じることができるから、不安よりもわくわくした感じが大きいのだと思います。

 今回のぷかぷか三軒長屋の事業拡大のために、合計で1,500万円貸してくれた日本政策金融公庫は、会計事務所から回っていた4年分の決算書を詳しく調べ、今のぷかぷかなら十分返済できると判断したそうです。つまり経営的にうまくいっている、と判断してくれたわけで、経営に関してはまだまだ素人の私にはとても大きな励みになりました。

 これもすべて今いるすばらしいスタッフと、ぷかぷかを支えてくれているたくさんのお客さん、そして何よりも中心になってがんばっている利用者さんたちのおかげだと思います。

 このわくわくした感じをみんなで共有しながら、お惣菜スタートに向けて動いていきたいと思います。 

 

 

 

木のあいさつ

 「ぷかぷかカフェ」の側のケヤキの木が、ほれぼれするほど立派なので、写真を撮りました。

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 この堂々とした立ちっぷりがいいですね。

 

 ある日 木が立っていた

 というのが

 木のあいさつです    (石原吉郎)

 

 こんな立派な木にあいさつされたら、どぎまぎしてしまいそうです。せめてどぎまぎしない程度の立ち方をしたいものだと思うのです。

 

 先日、小さな子どもと一緒にこの木の下に立って見上げました。枝の陰に何かが住んでいるような気がして、小さな声で

「ねぇ、知ってる?この木にはトトロが住んでいるんだよ」「少し薄暗くなった頃、じぃっと目をこらすとトトロが見えるんだよ」「そうそう、夜遅くには猫バスもやってきて、この木の下に止まるんだよ」

 小さな子どもは目を輝かせて聞いていて、楽しい時間を過ごしました。

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 大きなケヤキの木に、感謝、感謝です。

 

 

 

 

 

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