ぷかぷか日記

郵便局で「善光寺!」

 ケンさん連れて郵便局に入金に行きました。お金を預けて待っている間、電車の本を見ていたら、突然「善光寺、善光寺!」と言い、両手を合わせて拝み始めました。たまたま電車の本に新幹線の長野駅の写真が載っていて、それを見つけたケンさん、長野→善光寺と結びつけて、拝み始めたのですが、郵便局の人も、居合わせたお客さんも笑ってしまいました。

 ぷかぷかはパン屋です。ふつうのパン屋はパンを売るだけですが、ぷかぷかでは障がいのある人たちが働いています。彼らが働くことで、ぷかぷかはただパンを売るだけでなく、そこからいろんな物語が生まれています。

 パンの売り上げを入金しに行っただけなのに、電車の本見ながら突然「善光寺、善光寺!」と大きな声で言いながら両手を合わせて拝み始める、というのはいかにもぷかぷかのメンバーさんらしく、楽しいなと思います。その楽しさを地域の人たちとも少しずつ共有できてきたかなと思っています。言い換えれば、ぷかぷかは地域社会の心を柔らかく耕している、といっていいと思います。

 私一人で入金しに行けば、ただ入金するだけで終わってしまいます。おもしろくもなんともありません。でもメンバーさんと一緒に行くと、いつもなんだか楽しいやりとり、物語が生まれます。そこがぷかぷかのおもしろいところだと思います。おいしいパンとおいしい物語のお店です。

 

 

 

つまらない動画ですね

 ぷかぷかのホームページのソフトを作っている会社から動画のセミナーの案内が来ました。うちには動画は関係ないな、と思っていたのですが、そのセミナーで参加者が作った「感動のじゃがりこ物語」が、なんだかおかしくて、そうか、ぷかぷかのパンを使ったこんな短い物語を作れば、ひょっとしたら、お客さんが、こんなどうでもいい、でもちょっと楽しい動画を作るパン屋なんて、よほどヒマなんだ、とおもしろがって来るかも、なんて思ったりしました。

 短い動画は作者のセンスが出ます。ぷかぷかのドキュメンタリー映像作家のツンさんは、すばらしい映像のセンスを持っているのですが、最近作る映画はとても難解で、正直なところよくわからなくなってきました。自分の世界にだんだん閉じこもってきたのかなぁ、という感じです。私としては、みんなに伝わるような映画を作ってほしいと思っているのですが、そういう思いがなかなか伝わりません。

 で、その動画のセミナーで私が1本短い映画を作ってきて、それをツンさんに見せ、

「つまらない動画ですね」

なんて評価すればしめたもの。

「じゃあ、ツンさん作って下さいよ。ツンさんのすばらしいセンスで、ぜひ!」

となって、センスあふれるすばらしい動画ができれば最高、と思っているのですが、とてもそんな風にうまくはいかない気がします。多分。

 以前、3分の軽快なジャズの音楽にぴたっと合わせたすばらしい映画を作ったことがあります。あのセンスで30秒くらいの「感動のぷかぷかパン物語」を作ってくれたら、またおもしろい広がりが出てくるんだけどなぁ、なんて密かに期待しているのです。「よくこんなつまらない動画作るよな、見るに耐えん!」という思いが、ツンさんの創作意欲に火をつけてくれれば、と思っています。

 

みんな悪意がないんだよね

 第3回目のワークショップがありました。

 進行役の「せっちゃん」と、ワークショップの中で、まだまだみんな自由になりきれてないというか、自分を表現しきってないね、といった話をしていて、その仕掛けをどうするか考えていました。そんな中で、コミュニケーションゲームで進行役の「ぱっつん」が、今日はみなさんにいろいろ質問したいと、好きな季節毎に別れたり、好きな野菜ごとに別れたりしていたのですが、「今度は私が質問したい」「僕がします」という人が次々に出てきました。お菓子であったり、漫画やディズニーランドのキャラクターだったりしました。

 おもしろかったのは、「げんさん」、「じゅんちゃん」、「ぱっつん」、「あみちゃん」のうち、いちばん好きは人は?、というタケちゃんの質問でした。「げんさん」は自分のお父さん、「じゅんちゃん」はお母さん、「ぱっつん」は進行役、「あみちゃん」はピアニストです。で、どういうわけか「げんさん」は自分を放棄して(?)、ピアニストの「あみちゃん」が好き、というグループに入っていて、みんな笑ってしまいました。

 こういう思ってもみない質問がぽ〜んと飛び出すところが、彼らといっしょにやるワークショップの楽しいところです。質問そのものは、なんだか答えにくいなぁ、と思っていたのですが、「げんさん」が「あみちゃん」が好きというグループに入っていた結果がすばらしくおもしろかったと思います。

 もちろんタケちゃんはそこまで考えて質問したわけではありません。「あなたはどの季節が好きですか?」の質問は、みんながただ四つのグループに分かれただけでした。でも、あなたは「げんさん」「じゅんちゃん」「ぱっつん」「あみちゃん」のうち、誰が好きですか?という質問は、みんなが思わず笑ってしまうような結果を生みました。ここがおもしろいと私は思うのです。彼らの言葉を丁寧に拾い集め、それを生かす工夫をしたいと思いました。

 

 『森は生きている』のお話を使いながら、その中で彼らの発想をどのように生かすか、そこが今回のワークショップのいちばんのテーマです。

 体を使って、物や場所を表現することにはかなり慣れてきましたが、「お話」を作ることにはまだ慣れていないので、今回はパン屋で好きなパンが焼き上がるところを体で表現したあと、そのパン屋に、夜、パンの大好きな巨大なドブネズミが勝手口から入ってきました。さて、どうしますか?というテーマで「お話」を作り、体で表現しました。

 おなかいっぱいにして眠らせる、とか、激辛なカレーパンを作って、びっくりさせるとかいろいろなアイデアが出ました。

f:id:pukapuka-pan:20140817165105j:plain

f:id:pukapuka-pan:20140817165146j:plain

f:id:pukapuka-pan:20140817165220j:plain

 

 

   こんにゃく座のオペラ『森は生きている』の中で、4月の神さまが、冬の神さまたちから1時間だけ時間をもらい、冬のさなかにマツユキソウを咲かすシーンがあります。舞台いっぱいに真っ白なマツユキソウが咲く、思わず「おおっ!」とうなってしまう場面で、マツユキソウを探しに来た娘と4月の神さまがデュエットで歌う歌があります。

f:id:pukapuka-pan:20140817165600j:plain

 「一瞬の今を、千秒にも生きて、このうれしさを胸に、胸に、胸に、きざもう」というところが私は大好きなのですが、この「一瞬の今」をぜひ舞台でみなさんに体験してほしいと思っています。ワークショップはですから、新しい生き方を見つける可能性をも秘めた場でもあるように思うのです。

 

 

 季節ごとに神様たちが集まり、森にやってきたわがままな女王たちをどうやってやっつけるかという作戦を練ってもらいました。進行役サイドの話の投げかけ方にも問題はあったのですが、物語にするにはかなり物足りない気がしました。

f:id:pukapuka-pan:20140817180507j:plain

f:id:pukapuka-pan:20140817180602j:plain

 

 「やっつける」という気持ちがなかなか見えないというか、はっきりしない感じでした。

 そのことについて、今回のワークショップのあとの反省会でピアニストのあみちゃんが

「みんな、悪意がないんだよね」

とぼそんと言い、だから、女王をやっつける、などという、いわば悪意の上に成り立つ物語が作りにくいのではないか、というのです。

 「森は生きている」の物語をなぞってみようと、みんなで簡単な芝居をやったとき、わがままの女王と並ぶわがままな王様をやったコンちゃんは、娘から取り上げた大切な指輪を、娘から返却を要求されると

「いいよ」

と簡単に返そうとします。物語がよくわかっていない、ということはもちろんあるのですが、本質的にはやはり「悪意がない」ということなんだろうと思います。人が大切にしている物を取り上げてしまうとか、返さない、といった悪意ある発想がないのではないかと思うのです。

 ふだん彼らと接する機会のない「あみちゃん」の新鮮な感想は、彼らの本質を突いていると思いました。

 悪意のない彼らと、どうやって悪意ある物語を作っていくのか、またまたむつかしい問題が見えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとした言葉から始まった「物語」

  飯田での「森と夜と世界の果てへの旅」の本番の舞台の映像がデフパペットシアターから送られてきました。椰子酒のみの飲んべえジュジュマンが、ラストシーンにいたって、なんとも悩み深い人間に変わっていました。悩みに悩んで踏み出すその第一歩は、まさに新しい人生の始まり。

 その一歩に誘われるようにまーさんたち11人のゲストが歩き始めます。まーさんにとっても新しい人生の始まりであってほしいと思いました。

 

 ぷかぷか4周年記念イベントでパフォーマンスをやった「マキノさんがかっこよかった」の言葉で始まった今回の「物語」は、まーさんにとっては今まで経験したことのない「物語」だったのではないかと思います。

 マキノさんに弟子入りしたいというので、マキノさんことマッキーが一部進行役をやる「みんなでワークショップ」に誘いました。

 ワークショップでは、あこがれのマッキーと一緒に人形を作り、それを持って小さな舞台に立ちました。内輪とはいえ、人が見てる前で表現することは、ふだんとは違う、一皮むけたような、いつもよりずっと自由になった自分がそこにはいるはずです。そこから世界をもういっぺん見直してほしいと思いました。人生、本当におもしろいことなんかないのかどうか。

 そのあとデフパペットシアターの稽古場に見学に行きました。夏の暑い日、汗びっしょりになりながら電車とバスを乗り継いで行ったのは、人生、おもしろいことなんかない、といつも言ってるまーさんにとっては画期的なことでした。とにかく汗だくになってでも行きたいところがその日はあったのです。

 稽古を見るだけでなく、「森と夜と世界の果てへの旅」で使う人形をさわらせてもらい、動かし方や、歩き方をマッキーに教えてもらいました。この体験が長野県の飯田であった「森と夜と世界の果てへの旅」のラストシーンに立つためのワークショップに参加するという、今までのまーさんならあり得ない行動を生みました。

 ワークショップと本番の2回の飯田行き。横浜から新幹線を乗り継いで4時間近くかかります。それを日帰りで往復したので結構しんどい旅でした。しかもまーさんが舞台に立ったのは正味1分20秒。その1分20秒のためにまーさんは往復8時間の旅をやってのけたのでした。

 本番の舞台は、ジュジュマンが世界の変わりように驚き、悩む時間もあって、映像を見るとまーさんが舞台に立ったのは3分30秒でした。半分くらいは人形の後ろで横たわっているのですが、それでも舞台には立っていたのです。ひりひりするような緊張感の中でまーさんはゆっくり歩き始めました。

 「物語」はまだまだ終わりません。むしろ、これから、といっていいでしょう。どんな風に進んでいくのか本当に楽しみです。

 

 11月24日(月)のワークショップの発表会では「まーさんとマッキーのすてきな出会いの物語」ができたらいいなと思っています。1週間に一回は「もうぷかぷかやめます」だの「もう死にます」だのと暗い顔をして言っていたまーさんが、マッキーや人形とのすてきな出会いの中で、少しずつ笑顔を取り戻すような、そんな物語です。出演は下の二人。乞うご期待!です。 

f:id:pukapuka-pan:20140810125249j:plain

ホームページが突然なくなって…

 11日にホームページが突然なくなってしまいました。どうしていいのか全くわからず、とりあえずバックアップとしてとっておいたデータをアップロードしてみましたが、ホームページは閉じたままでした。レンタルサーバーの会社に連絡を取り、いろいろ調べてもらった結果、ホームページのファイルが全くなくなっていて、多分ダウンロードの操作を誤ったのではないか、という話でした。

 レンタルサーバーの会社ではこういうときのためにバックアップファイルがとってあって、有償でそれを提供してもらうことにしました。お金を払ったんだからすぐにホームページが復帰するのかと思っていたのですが、サーバーの会社はファイルを提供するだけで、ホームページの復帰は自分でやるのだそうです。

 ファイルをダウンロードし、自分のホームページにアップロードするのですが、これがまた何度マニュアルを読んでもよくわからず、結局、ホームページのソフトを作った会社に頼むことにしました。本当にやってくれるのかどうか、まだわからない状態です。

 いずれにしても、もう3日もホームページをさわっていなくて、何かふわふわした気分です。ホームページからの情報発信は、それはそれで自分を支えてくれていたんだと、今回の事件であらためて思いました。

 ホームページには「ぷかぷか」が今まで何をしてきたのか、今何をしているのか、これから何をしようとしているのか、をほとんど毎日書き留めてきました。ホームページを見ると、ぷかぷかがわかる、といっていいと思います。

 ホームページはぷかぷかに関する情報の集まりであり、それがなくてもぷかぷかの実態が消えるわけではありません。現に昨日も、今日も、みんないつものように元気に働いていました。

 ですからホームページがなくても、ぷかぷかはなんとかなるような気もするのですが、ホームページにはたくさんの物語があります。その物語がぷかぷかをここまで引っ張って来たように思うのです。

 毎日同じことを繰り返すだけなら、物語はいらないし、ホームページもいりません。でもいつも新しい世界に向かって、わくわくしながら前に進むのであれば、やはり物語は必要だと思います。そしてその物語を生むホームページも。

 なんとしてもホームページを復活させねば、と思うのです。

 

 

 

 

 

まーさん、ついにデフパペットシアターの舞台に立つ

 いよいよ本番の舞台。まーさんは緊張で前日眠れなかったといってました。

 

 希望をかなえる卵が破裂し、舞台の後ろに横たわっているところからリハーサルが始まりました。

f:id:pukapuka-pan:20140811122638j:plain

 

 本番では卵が破裂すると、大音響と共に、照明が落ち、目くらましのライトが客席に向かってつき、煙がもうもうと立ち上がって、すごい迫力。

 倒れたジュジュマンがゆっくり立ち上がって歩き始める気配を感じながら、まーさんたちもゆっくり立ち上がり、歩き始めます。

f:id:pukapuka-pan:20140811125947j:plain

 

 白い幕を落とし、立ち上がって歩き始めるタイミングについて振り付け師も入って綿密な打ち合わせ。

f:id:pukapuka-pan:20140811130806j:plain

 

 ゆっくり立ち上がり、そのリズムでそのまま歩き始める感じを振り付け師が丁寧に指導。なめらかな体の動きが要求されます。まーさんにとってはかなりむつかしい動きでしたが、それでも果敢にチャレンジしていました。

 傷ついても傷ついても、人はまたその傷ついた体で歩き始めるしかないというメッセージ。

f:id:pukapuka-pan:20140811131039j:plain

 

 そう、その感じがいい!

f:id:pukapuka-pan:20140811131709j:plain

 

 振り付け師の指導のあと、更に稽古。

f:id:pukapuka-pan:20140811132237j:plain

 

 本番直前、幕を落とす仕掛けのロープを役者と一緒に確認。まーさんの真剣さが伝わってきます。

f:id:pukapuka-pan:20140811132515j:plain

 

 さぁ、いよいよ本番。みんなで気合いを入れます。

f:id:pukapuka-pan:20140811133020j:plain

 

 

 本番。

f:id:pukapuka-pan:20140811133647j:plain

 

 

ゆっくり立ち上がり、歩き始めます。

f:id:pukapuka-pan:20140811133229j:plain

 

 「森と夜と世界の果てへの旅」のラストシーン。今までにない、にぎやかな、すばらしいラストシーンだったと思います。

f:id:pukapuka-pan:20140811133954j:plain

 

 ゲストの出演者たち。

f:id:pukapuka-pan:20140811134320j:plain

 

  舞台に立ったあと、出口でお客さんにあいさつするまーさん。

f:id:pukapuka-pan:20140811135039j:plain

  

人形たちも一緒に記念撮影。

f:id:pukapuka-pan:20140811143139j:plain

 

 舞台の終わったあと、片付けを手伝いました。

f:id:pukapuka-pan:20140811141531j:plain

 

 

 まーさんの1分20秒の舞台は終わりました。ものすごく緊張して、ものすごく楽しい舞台だったように思います。

 この舞台で感じた「心のほてり」が、これからのまーさんの人生にどんな影響を与えるのか、全くわかりません。またいつものように暗いまーさんに戻るのか、それとも少し違ったまーさんになるのか。

 帰りの電車の中であこがれのマッキーと撮った写真を見せてくれました。舞台のあとの心のほてりがそのまま出ているような写真です。この1枚の写真を撮るために飯田まで行ったんだなと思います。

 お節介な私は、そうだ、この二人が舞台に立つと、そのまますてきな物語になるのではないかと思い、その後押しをしようと密かに作戦を練り始めたのでした。

 

f:id:pukapuka-pan:20140810125249j:plain

 

 

 

 

 

 

 

さほどおもしろくもなさそうで

 10年ほど前、養護学校で担任していたヤマくんがふらっとお店にやってきました。パン屋で働いています。一般就労で、最低賃金をもらっています。貯金が300万円もあるそうで、びっくりしました。

 そんなに貯めて、何に使うの?と聞くと、イタリアに行くんだそうです。サッカーを見に行くのかと思ったら、ミケランジェロの絵を見に行くんだそうで、すごいなと思いました。

 でもイタリア行くのに300万円は使わないし、残りはどうするの?と聞いても、具体的なプランはないようでした。ヤマ君の友達は老後のために1000万円近く貯めたという話をしていましたが、ヤマ君はまだ29歳。老後のために貯めるのはまだ早いんじゃないの、若いうちにやりたいことのために使った方がいいと思うよ、と言ったのですが、どこまで伝わったのでしょう。

 パンの成形の仕事をやっているそうで、仕事はおもしろいと言っていましたが、休みがなかなか取れなくて、夏休みも、年末年始の休みもないそうで、そのあたりがとても辛そうでした。職場に友達もいなくて、休みの日も一人で打ちっ放しのゴルフ場に行くくらいで、さほどおもしろくもなさそうでした。寂しい人生やってるんだなと思いました。

 ぷかぷかでは8月末にみんなで旅行に行く話をしたら、とてもうらやましがっていました。職場のみんなと一緒に旅行に行くなんて、信じられない、といった感じでした。

 障がいのある人が一般就労して働けることはすばらしいことだと思います。でも、ヤマ君の話を聞き、寂しそうな顔を見てると、それが本当にすばらしいことなのかどうか、わからなくなってきます。

 

 

 

全額返金保証の旅行

 ぷかぷかでは8月末にみんなで旅行に行きます。年に一度の旅行をみんなとても楽しみにしています。

 シマさんはつい最近ぷかぷかのメンバーさんになったばかり。だからこそ、一緒に旅行に行こう、と誘うのですが、なぜか、かたくなに「行かない!」といっています。

 カラオケはバスの中で行きも帰りも歌いっぱなし、高級ホテルに泊まって、おいしいものをいっぱい食べて、大井川鐵道で蒸気機関車に乗って、楽しいことばかりだから、一緒に行こう!と、今日もしつこく誘ったのですが、「行かない!」のひとこと。

 頑固なのかどうかよくわからないのですが、楽しい話が全く入っていかない感じ。お母さんに相談するしかないかなと思っていると、

「あの〜、旅行に行って、もしおもしろくなかったら、旅行代金は返金してもらえるんですか?」

 思ってもみない質問に、一瞬、どうしようかと思いましたが、これはチャンス!と

「もちろんですよ。ぷかぷかの旅行は、おもしろくなかったら全額返金保証です。」

「全額返金保証ですか?」

「そう、行ってみて、おもしろくなかったら全額返金です」

「そうですか。じゃあ、いってみようかな」

といい、とたんに雰囲気ががらっと変わり、旅行のプリントをお母さんに渡すんだ、とうきうきしながら帰って行きました。

 次の日はいろんな人たちに旅行の話を楽しそうにしていたようで、なんだ、そうだったのかと思いました。本当は行きたくてしょうがなかったのだけれど、シャイなところがあって、素直にその気持ちをいえなくて、うじうじしているところへ、「全額返金保証」なんていう思ってもみない言葉が出てきて、「よし乗った」というのが真相だったようです。

 旅行のあと、

「ぜ〜んぜん、おもしろくなかった」

といわれないために、旅行中のシマさんの楽しそうにしている写真を「証拠写真」としていっぱい撮っておこうと思っています。 

 

 

What did you do last hiroshima-day?

 今年も8月6日がやってきました。20数年前の夏、ワークショップの関係でフィリピンに何度も通っていた頃の8月6日。その日はHIROSHIMA DAYとしてマニラでは反核のデモがありました。芝居をやる人たちは、あちこちで反核のパフォーマンスをやっていました。そんな雰囲気の中でいっしょにワークショップをやっていたPETAのメンバーに

「What did you do last hiroshima-day?」

 と聞かれました。

 hiroshima-day? と、私にとっては「?」とちょっと考えてしまうくらいの日です。特別に何かやった記憶がありませんでした。それをフィリピンの人たちは8月6日をhiroshima-dayとして、小さな子どもまで反核のデモに参加していました。

 きっと日本ではもっとすごいことやっているのだろう、という思いで、日本人のあなたは去年のhirosima-dayは何をしていましたか?と聞いてきたのだろうと思います。

 恥ずかしい思いをしながら「ナッシング」とか「ノーパフォーマンス」とか答えたのですが、「え?どうして?」とまた聞かれ、これを英語で説明するのは至難の業で、本当に困った記憶があります。

 

 

 

 

 

 

ソーシャルビジネス

  朝日新聞の記者がソーシャルビジネスの観点から取材に来ました。日本政策金融公庫に融資先でおもしろいソーシャルビジネスをやっているところを紹介して下さい、と依頼し、ぷかぷかを紹介されて来たようでした。金融公庫もぷかぷかをそんな風に評価してくれているんだと思いました。

 就労支援の事業所をビジネスとしてやるとどういうメリットがありますか?という質問がありました。

 パン屋をビジネスでやるというのは、競合店に負けないパンを作るとか、お客さんの心をしっかりつかむパンを作ることになり、結果的においしいパンができます。これが「障がいのある人たちが作ったものだから買ってあげる」とか「障がいのある人たちが作ったものだから買ってもらって当然」という関係にもたれかかっていたら、決しておいしいパンはできません。

 売れるパンを作る、という本物の仕事をするので、利用者さんにとっては、仕事のおもしろさを知ることになります。仕事がおもしろくなると、仕事は自分の人生を支える大事なものになります。

 介護認定調査に来たケースワーカーさんに

「ぷかぷかの仕事はどうですか?」と聞かれ、

「以前はうつむいていましたが、今はまっすぐ前を向いて生きています。」

と、すごいことを言ったみーちゃんも、仕事がみーちゃんの人生を支えるくらいおもしろいものだったからこそ出てきた言葉だったと思います。

 今日も外販に行った区役所の方とお話をしていて

「ぷかぷかのメンバーさんがみんな楽しそうに仕事しているからみんな買いに行くんだよね」

 といったことをおっしゃってました。

 別の区役所ではぷかぷかさんの外販はほかの事業所に比べてお客さんとの関係の広がりがすごいですね、といわれました。これもメンバーさんが仕事を楽しんでいるからだと思います。

 カフェの常連のお客さんも、メンバーさんが楽しそうに仕事をしているから、それを見ている私たちも楽しくなって、また行きたくなるんですよ、といっていました。

 仕事をビジネスでやると、仕事が楽しくなり、メンバーさんが楽しく仕事をしていると、お客さんが自然に増えてくる、という好循環がだんだん見えてきました。

 「障がいのある人たちが作ったパンだから買う」のではなく、「おいしいから買う」パンを作りたいと思ってスタートしたぷかぷかでしたが、それが今、こういう形で結果が出ているんだ、と取材に答えながら思いました。

 

最近の日記
カテゴリ
タグ
月別アーカイブ