ぷかぷか日記

ピンチに感謝

 今朝の朝日新聞にソーシャルビジネスの観点から見たぷかぷかを紹介する記事が載りました。

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 県内のソーシャルビジネスの代表みたいに紹介され、なんだか気恥ずかしい限りです。

 障がいのある人たちの社会的生きにくさ、という社会的な課題を解決すべきスタートした「NPO法人ぷかぷか」でしたが、始まった当初は、今にもこけそうな「ぷかぷか」の、日々の経営に追われ、社会的な課題の解決どころではありませんでした。その頃を思い出すと、5年目にして、よくここまで来たな、というのが実感です。

 新聞記者に「ビジネスとしてこの仕事をするメリットは?」と聞かれたとき、割と自信を持って答えることができたのですが、始まった当初であれば、多分、こんなふうには答えられなかったと思います。それくらい「ぷかぷか」は当初のピンチ状態によって鍛えられたんだろうと思います。今にもこけそうなあのピンチがあったからこそ、今の「ぷかぷか」があるんだと思います。ピンチに感謝しなければ、と思っています。

★ぷかぷかのやっているソーシャルビジネスについては、8月のぷかぷか日記に書いています。

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/08/06/191927

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/08/27/213257

 

 

お店の簡単動画

 iphoneのRoadMovieを使って簡単動画を作りました。画質はいまいちですが、写真よりも伝わるものがある感じです。

 パン屋の外回りです。

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パン屋の中です。

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おひさまの台所です。

 

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ぷかぷかカフェです。

 

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ずいぶん自由になってきて

 第4回目のワークショップ。最初にいつも自己紹介をするのですが、ぷかぷかのメンバーさんがずいぶん自由になってきたなぁという感じがしました。

 ワークショップの自己紹介は自分が呼んでほしい名前と何か一つアクションをやり、それをみんながまねます。腕を回すとか、首をひねるとか、一歩前へ出るとか、簡単なアクションでいいのですが、最初の頃はその簡単なアクションがなかなか出てきませんでした。それが今回はアクションを楽しみながらやっている人がずいぶん増えてきた感じがしました。

 簡単なアクションであっても、自分の心と体が自由になっていないと、なかなか出てきません。ワークショップがすばらしいと思うのは、この心と体が自由になる、ということです。

 昔、竹内敏晴演劇研究所のワークショップを2年ほど続けたことがあります。週に3回も夜、東京は中野のスタジオまで横浜から通っていました。若かったですね。「心と体が自由になる」ってこういうことか、ってそのワークショップの中で実感しました。ガチガチだった心と体がワークショップの中で自然にほぐれ、生きることがすごく楽になった気がしました。

 ちょうどその頃養護学校に勤めたばかりで、子どもたちとのはちゃめちゃな毎日が始まっていました。世の中にはこんな素敵な人たちがいたんだ、と感動の日々でした。こんなすてきな人たちを養護学校に囲って思うのはもったいないと、せっせと外に連れ出していました。公園でみんなで遊んだり、「あおぞら市」で手作りのうどん屋をやったり,まぁいろいろやりました。

 一方でワークショップとの出会いがあり、彼らといっしょにワークショップやれば、何かとんでもないものが飛び出すのではないか、と考えたのです。

 日常よりもお互いが自由になれる場であれば、彼らともっといい出会いがあるのではないか、彼らといっしょに芝居作れば、今までにないおもしろいものができるのではないか、と、その頃おつきあいのあった黒テントの稽古場(東京は練馬区の端の方で、今から思うと、よくあんな遠いところまで行ったなという感じです。若いというのはすごいことだとあらためて思います。)までワークショップの相談に行きました。最初は「なんで障がいのある人たちと一緒にワークショップやるの?」という雰囲気でしたが、とにかくしつこく稽古場まで通って説得。ここから養護学校の生徒たちと地域の人たちとのワークショップが始まったのでした。

 お互いが自由になった場での彼らとの出会いは、予想をはるかに超えるすばらしいものがありました。ワークショップの場では、彼らはなくてはならない存在になっていました。今ぷかぷかで発信している「一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージは、ワークショップという創造的な場で、なくてはならない存在として確信を持ったところから生まれたのでした。

 話がずいぶん外れました。とにかくワークショップ4回目にしてようやくメンバーさんたちの心と体がほぐれてきたなって思ったのでした。昔瀬谷でワークショップやっていた頃、あおぞら市でござ敷いて人形劇をやったことがあります。台所で使うスポンジのたわしを使って人形を作り、ほとんど即興の人形劇をやりました。養護学校の生徒たちと地域の子どもたちだけで作ったのですが、ワークショップを何年か続けているとこんなことができてしまうのか、と感心したことがあります。(昔書いた『街角のパフォーマンス』にそのときの写真が載っています。太郎次郎社エディタス

http://www.tarojiro.co.jp に在庫があります。)

 また話がそれました。自由になった彼らのパフォーマンスを見て下さい。

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コスプレの格好で舞台に立ってみたら

 ガイさんとパンとお弁当の配達に行きました。車で1時間くらい走り回ったので、久しぶりにいろいろお話ししました。

 実習に来たときは上履きに「男気全快」なんて大きく書いたりして、ぎんぎんに突っ張ってる感じでしたが、今日は素直な、本当にいい子だなぁ、という印象でした。男気全快はどこへ行ってしまったんでしょうね。素直になったのはいいのですが、ちょっと寂しい気もします。

 先日の旅行には、コスプレの格好で来るとか言っていたので、期待していたのですが、普通の格好で来たので、ちょっとがっかり。

 「コスプレって、何でするの?」(と、おじさんの間の抜けた質問)

 「キャラクターになりきるのがおもしろいって思うから」

 「あれだけ手間ひまかけて衣装に凝ったり、メイクしたりするのは、誰かに見てほしいの?」

「いや、別に」

「衣装とかメイクって、人が見るから意味があるんじゃないの」

「自分でやるだけで楽しいよ」

「人に見られると、もっと楽しいと思うよ」

「う〜ん」

「コスプレの格好で舞台に立ったらおもしろいと思うけど」

「やりたくない」

「ボーカロイドの歌うたうんだよね」

「そう、家で歌ってる。」

「コスプレの格好で舞台に立って、ボーカロイドの歌うたったらかっこいいと思うけど」

「やりたくない」

「そうだ、ワークショップに来れば、12月(つき)の神さまにボーカロイドを歌うコスプレの神さまを加えるなんて全然簡単だから、来てみない?みんなと一緒に舞台に立つなら恥ずかしくないよ」

「やりたくない」

と、とりつく島もない感じでしたが、

「そうか、でも、とにかく11月24日には舞台用意するから、ちょっと考えといて」

というと、

「うん」

とまんざらでもない様子でした。

 話が思わぬ方向に進んだのですが、ガイさんが本当にコスプレの格好して舞台に立ち、ボーカロイドの歌を歌ったりすれば、これはガイさんにとって人生が変わるくらいの出来事になるだろうなと思いました。

 

お客さんの目線

 久しぶりにカフェに来たお客さんから

「久々のランチにこころがほっこりしました」

というメッセージと一緒にランチの写真が添えられていました。スタッフが撮る写真とは全く違う雰囲気で、自分で撮る写真より、はるかにおいしそうに見えました。お客さんはこんなふうにランチを見てるんだと思いました。

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うれしくなる食べっぷり

  パン屋に来たお客様の子どものパンの食べっぷりが、あまりにも見事なので、動画を撮らせてもらいました。本当にうれしくなるような食べ方です。うれしいですね、こんなふうに食べてもらうと。

 

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 別のお客様のの子どもはチョココロネを食べていました。こちらもおいしそうです。お母さんのお手伝いがいいですね。

 

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チョココロネの食べ方

 いつも子どもと一緒にクリームパン、チョココロネを買いに来る常連のお客さんがいて、先日たまたま子どもたちの食べっぷりがすばらしく、Iphoneで動画を作ってYou Tubeにアップし、ぷかぷか日記に載せたところ、

 「チョココロネはこんなふうに食べるとうまく食べられるのか〜と感心しました。」

というコメントが来ました。

 ムニュ〜ッとチョコを出して食べるところが、なんとも豪快で、何度見てもうれしくなってしまうのですが、こんなコメントが来るなんて思ってもみませんでした。

 子どもたちの食べる姿は人を幸せな気持ちにさせますね。これからパン屋やカフェに来る子どもたちの食べっぷりをどんどん撮って、みなさんに紹介したいと思います。

 

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旅行に行きました

 8月30日、31日に、ぷかぷかのみんなで旅行に行きました。行き先は静岡方面です。メンバーさん、スタッフ合わせて今年は45人もの大所帯でした。集合場所の地区センター前の広場にわらわら集まったみんなを見ながら、ぷかぷか設立当初(メンバーさん10人、スタッフ7人)にいた元スタッフは、ちょっとびっくりという感じでした。私自身、4年前はこんなにたくさんの人たちと一緒に旅行に行くなんて想像もしませんでした。

 なんにもないところから始まって、今こうして45人もの人たちが一緒に旅行に行くような関係ができたこと、このあたりが本当におもしろいですね。歴史というのはこんなふうにダイナミックに変わっていくのだと思いました。

  45人の中にはスタッフの子どももいます。以前は仕事場に子どもが来ることはよくないことという雰囲気がありましたが、子どもに親の働く姿、特に障がいのある人たちと関わる姿は見せた方がいいと思い、昨年の旅行からは子どもも一緒に参加していいことにしました。子どもたちに小さな頃から障がいのある人たちに関わる機会を提供することは、とても大事なことだと思います。ぷかぷかの大事にしているメッセージ「障がいのある人たちと一緒に生きていった方がいいよ」を、子どもなりに共有して欲しいと思っています。そして子どもたちが大きくなって社会を担うようになったとき、そのメッセージを社会の中で実現して欲しいと思うのです。

 バスの中ではメンバーさんたちはひたすらカラオケでした。歌にはその人の思いが見えます。あ、あの人はこんなことを思っているんだ、こんな思いで生きているんだ、と、ふだん見ることのできないメンバーさんたちの思いにほんの少しふれることができ、お互いの関係がまた少し豊かになった気がしました。

 今回の旅は大井川鐵道のSLに乗る、というのがいちばんの目的で、途中立ち寄った観光地は、ついでに立ち寄った感じだったので、余り印象に残りませんでした。それでもメンバーさんたちは仲間と一緒に観光バスに乗ったり、おしゃべりしたり、おいしいものを食べたり、といったこと自体が、すごく楽しかったようです。

 私自身はなんといっても大井川鐵道の蒸気機関車に惚れ込みました。「ブォー、ブォー、さぁ、行くぞ!」と、気合いの入った汽笛、「ブァーッ、ブァーッ、ブァーッ」と腹の底まで響くような蒸気の音と共に、古い車両がガタンと音を立てながらゆっくり動き出す様は、なんとも人間くさくて、もうしびれましたね。

 蒸気機関車も機械ですから、「一生懸命」といったことはあり得ないのですが、それでもその「一生懸命さ」を感じさせるところがすごいと思いました。昔の機械は侮れないですね。メンバーさんの中の鉄道ファンと一緒にまた大井川鐵道に乗りに行こうと思いました。

  メンバーさんの楽しそうな笑顔はぷかぷかの財産です。 

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4歳の子どもを将来「ぷかぷか」で…

 ぷかぷかで働きたい、という方の面談をしました。カフェに何度か食事をしに来た方で、カフェで働いているメンバーさんたちの明るい笑顔に、いつも元気をもらって、また行ってみようって気持ちになるんですよ、とおっしゃってました。

 パン教室に来たときも、メンバーさんたちと一緒にパンを作る作業が、本当に楽しくて、とてもいい一日でした、とおっしゃっていました。

 料理が好き、ということでしたので、ぷかぷかでメンバーさんたちと一緒に働きませんか?と誘ったところ、え?いいんですか?といいながら、今日面談に来ました。

 下のお子さんに軽い障がいがあって、療育センターに週一回通っているのですが、将来、ぷかぷかのようにメンバーさんが笑顔で働いているところで働けたらいいな、って思っています、とおっしゃいました。ご希望があるのでしたら、どうぞぷかぷかに来て下さい、というと、

「え?ほんとですか?わっ!うれしい!」

と、そばにいたお兄ちゃんが

「え?何?どうしたの?」「ねぇ、どうしたの?」

と、しつこく聞くくらいの喜びようでした。

 お子さんはまだ4歳。そんな小さな子どもを将来「ぷかぷか」で働かせたい、というお母さん。カフェで見たメンバーさんたちの生き生きと働く姿、笑顔、メンバーさんと一緒にパンを作ったときのなんともいえない楽しさが、そんな思いを生んだのだろうと思います。

 十数年先の子どもの進路にわくわくできるお母さんて、すてきだなって思いました。そして何よりもそんな風にぷかぷかを見てる人と出会えたことが、今日の大きな収穫でした。

 

 

したたかに生きていくために

 昔、学校で一緒に給食食べながら

「金稼いだら、飲みに行こう。俺がおごるよ」

なんていっていたタクちゃんが、今日、カフェに遊びに来ました。4年ぶりの再会でした。今日は作業所の所長、仲間二人といっしょにやってきました。

「おう、タカサキ、元気か?」

なんていったりして、相変わらず生意気な口ききながらも、本当にかわいいやつです。かわいくてかわいくて、頭抱えてぐりぐりしてやりました。

 カフェはパンが食べ放題。食事が運ばれてくる前に、5皿くらい平らげ、びっくりしました。ラタトゥイユの赤い色が口の周りにべっちゃりつき、それを手でぬぐったりするので、余計に口の周りに広がったりして、悲惨な顔になりました。

「ったくしょうがねぇなぁ」

とか言いながらティッシュで拭いてあげたのですが、学校にいた頃と全く変わらず、こうやって周りの人たちに顔を拭いてもらいながら、したたかに生きているんだなと思いました。

 思わず拭いてあげたくなるような雰囲気を作ってしまうって、人の手を借りながら生きていくためのしたたかな能力ですね。

 

「ところで、学校で一緒に給食食べながら、お金稼いだら赤提灯に飲みに行こう、俺がおごってやるよ、って言ったの覚えてる?」

「ああ、覚えてるよ」

「え?すごいじゃん、そんなこと覚えてるの?」

「ああ、覚えてる」

「作業所で働いて、しっかり稼いでいるみたいだし、赤提灯、行こう!」

「………」

「ん?よく聞こえないよ」

………」

「ん?なんだって?」

「じゃぁ、帰るから」

と、さっさと席を立ったのでした。

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