第5回目のワークショップがありました。発表会まで残すところ今回を含めてあと2回。今日は一通り歌を歌ったあと、通しをやりました。
わがままな王女、王様のわがままさ加減をどう表現するかで、ワークショップの中でいろいろやってみたのですが、これ!っていう感じのわがままが見つかりませんでした。以前見た「ロはロボットのロ」というオペラで、わがままなお姫様が
♪もっともっと パンをちょうだい
もっともっと
もっともっともっと パンをちょうだい
もっともっともっと
もっともっともっともっと
もっともっともっともっと
パンをちょうだい! ♪
という歌を歌っていたので、これを試みに歌ってみました。手話の「もっともっともっとパンをちょうだい」というアクションと、タケちゃんの考えた「もっともっともっと」のアクションを組み合わせると、なかなか楽しい雰囲気になったので、これを採用することに決定。
冬の森で12月の神さまがたき火を囲んで歌う歌は、いつものように盛り上がりました。
今回一番苦労したのが、12月(つき)の神さまたちが懲らしめたわがままな人間たちを最終的にどうするか、でした。
薪と一緒にたき火の中で燃やしてしまう。雲の上に上げて落とす。反省させる。自分たちの食べるパンは小麦を育てることからはじめ、自分たちで作らせる。「森は生きている」の歌詞を朗読させ、その意味をしっかり考えさせる等々、いろんな意見が出ましたが、なかなかみんなが納得できる結論が出てきませんでした。「アイスクリームにして食べちゃう」というおもしろい案もでましたが、残念ながら不採用。
神さまたちのお仕置きを受け、情けない顔をする人間たちをどうするか。
かなり時間をかけていろんな人に意見を言ってもらいましたが、結局、考え方の違う人間たちとも一緒に生きて行くしかないんじゃないか、ということになりました。
会場のお客さんたちに12月の神さまが、
「このわがままな人間たちをどうしたらいいでしょうか?」
と聞きます。
その問いを放ったあと、フィナーレの歌が始まります。神さまたちが、うずくまっている人間たちの肩を優しくたたきます。人間は一人ずつ立ち上がり、神さまたちと一緒に「森は生きている」を歌います。これが私たちのメッセージです。
障がいのある人たちと一緒に生きていこうよ、というメッセージを出し続けているぷかぷからしい結論といえば結論です。これがでも、みんなで長い時間かけた話し合いの中で出てきたのはすばらしかったと思います。
最後に一人ずつ感想を言い合う中で、「寝っ転がっている子どもも、初めて来た子どもも、同じように受け入れてくれるこの場はすばらしいです」といった方がいましたが、自然にそういう雰囲気になっていたんだなぁ、とあらためて思いました。
ワークショップのあと、舞台監督、照明担当者、音響担当者、みどりアートパークのホール担当者の打ち合わせがあり、幕の位置、ピアノの位置、照明、音響等の確認を行いました。話を聞いててびっくりしたのは「ここは1尺だよね」「ここは2尺はほしいね」と話がすべて尺貫法を単位として進んだことでした。できてまだ1年の近代的なホールで、演劇界の習慣とはいえ、おもしろい世界だと思いました。
専門用語がぽんぽん飛び交い、ホールで発表会をやる、というのはこんなに大変なことなんだと、今更ながら思いました。
こんなにもたくさんの人たちが発表会の舞台を支えてくれてるんだと思うと、なんだか胸が熱くなりました。
発表会の前にはピアノの調律もします。ワークショップに来ているピアニストが頼んだ調律師はジャズピアニストのキース・ジャレットが日本に来たときに調律した人だそうで、びっくりしました。すばらしい音が聞けると思います。楽しみにしていてください。