お店の前に、先日のワークショップで作ったクリスマスツリーを飾りました。三保市民の森で拾い集めてきた材料で作りました。このかわいいツリーを作ったのは常連のお客さん、大家さん一家です。
お店の前に、先日のワークショップで作ったクリスマスツリーを飾りました。三保市民の森で拾い集めてきた材料で作りました。このかわいいツリーを作ったのは常連のお客さん、大家さん一家です。
瀬谷区役所での外販の売り上げが、今日はなんと63,000円もありました。もうびっくりです。
売り上げた分だけ、たくさんのお客さんがぷかぷかのメンバーさんと知り合ったわけで、二重にうれしい気がしました。NPO法人ぷかぷかは、障がいのある人たちの社会的生きにくさを少しでも解消しようという思いで立ち上げました。メンバーさんを知る人が増えることは、彼らを取り巻く社会的環境が少しずつよくなることを意味します。言い換えれば、ぷかぷかの設立目的の社会的課題が少しずつ解決するということです。
売り上げが増えることで、社会的な課題も少しずつではあっても解決の方向に向かうなら、これほどいいことはありません。ビジネスの手法で社会的な課題を解決する「ソーシャルビジネス」そのものです。
日経新聞が「ソーシャルイニシアティブ大賞」の原稿を募集しているので、さっそく応募してみようと思っています。次の三つの要件を満たしている事業所がエントリーできます。
1,社会性 社会的課題の解決を事業のミッションにしている。
2,事業性 ビジネスの手法を用いて継続的に事業活動を進めている。
3,革新性 新しい事業モデルや社会的価値を創出している。
1,2は問題なくクリアー。3については後で述べます。
具体的には
1.社会性について
事業の目的、ミッション、解決を目指す課題とそのインパクト、
2.事業性について
事業の実績、規模、収支状況、成長率、今後の計画など
3.革新性について
事業やモデルの特徴、新しさ、優れている点、
を書きます。結構ハードルは高いです。これをまとめていく作業も大変です。でも、こういったことにあえてチャレンジしていくことで、ぷかぷかでやっている事業がさらに磨かれると思っています。
瀬谷区役所の外販は、とにかくパンを販売させて欲しい、というただそれだけのところから出発しました。ソーシャルビジネスなんて、考えたこともありませんでした。ところがスタートから5年、気がつくと、これはソーシャルビジネスそのものじゃないか、というわけです。しかもその中心にいて、事業を支え、お客さんとのいい関係をどんどん広げてきたのはメンバーさんたちだった、というところがすごくおもしろいと思うのです。
これは十分、エントリー要件の三つ目にある「新しい事業のモデルや社会的価値の創出」になるのではないかと勝手に思っているのです。「勝手に」と書くのは、まだ今のところ、この外販の事業が「新しい事業のモデルや社会的価値の創出」とは、ほとんどの人が思っていないからです。だからこそチャレンジする価値があると思っています。新しい物語が、ここから始まると思っています。どんな物語が描けるのか、すごく楽しみにしています。
先日書いた「苦情の電話と希望の物語」
http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/12/16/160534
を読んだ方から感想が送られてきました。
私は、何度かツジさんと同じ電車に乗ったことがあります。
退屈な乗車時間が、とても楽しくなります。
ツジさんのつぶやきを聞きながら
作曲家の名前を挙げているんだな、とか
国名をいっているな、とか
よくこれだけ覚えているな…などなど思い、楽しんでいますよ。
でも、これは、ぷかぷかさんを通してツジさんのことを知っているから、
素直に楽しめるのかな…とも思います。
そして、ぷかぷかさんと通して、ツジさんや、アサノさん、ダイちゃんなど
いろいろな方を知ることができて、楽しいことが増えたことに、とても感謝してい
ます。
ツジさんはパン屋でも電車の中でも、のべつしゃべりまくっています。そのおしゃべりを「うるさいな」と思うひとと、感想を送ってくれた方のように「楽しい」と思う人がいます。その分かれ目は、ツジさんを知っているかどうか、です。感想を書いてくれた方は、緑区役所のパン販売でツジさんと知り合いました。その後、仕事の上でもおつきあいする機会があり、ぷかぷかのメンバーさんたちと、とてもいいおつきあいをしています。
ツジさんと同じ電車に乗り合わせると、
「退屈な乗車時間が とても楽しくなります」
とまで書いていただき、とてもうれしい気がしました。
「うるさい、なんとかしてくれ」と苦情の電話を入れる関係よりも、こうやって、おしゃべりを楽しめるような関係の方が、お互い気持ちよく社会の中で生きていけます。そういう関係をもっともっと広げていきたいと思っています。
ぷかぷかのパン販売は毎週水曜日のお昼休みに緑区役所(現在は仮庁舎)、毎週木曜日に瀬谷区役所、第2,第4月曜日に旭区役所で行っています。ぜひおいでください。おいしいパンをいっしょに、あたたかなお土産をいっしょにお持ち帰りください。
ケンさんがパン屋のカウンターで、天気予報に洗濯指数のTシャツを描いていました。ケンさんのTシャツはみんな笑っています。見ているだけで、幸せな気持ちになります。気象庁発表の洗濯指数のTシャツ見ても、当たり前ですが、こんな気持ちにはなれません。
笑顔を描き込み、それをいっぱい並べるアイデアはケンさんが考え出したもの。
ケンさんはやっぱり世の中に幸せを振りまいてるんだと思います。みんな幸せになって欲しいって思ってるんだと思います。だから笑顔のTシャツをいっぱい描くんだと思います。こういう人とはやっぱりいっしょに生きていった方が絶対「得!」だと、あらためて思うのです。
今日の作品です。
これは実習生の方が描きました。サンタさんは足から描いていました。
昨日カフェで子どもの絵本を読んでいるお母さんがいました。
普通のカフェやレストランでは、多分あり得ない風景だと思います。こういう自由な雰囲気を作ってくれたのは、やはり利用者さんのおかげです。彼らがカフェで働いているから、このなんとも穏やかで自由な雰囲気、楽しい雰囲気が生まれます。
この雰囲気がいい、と言って下さるお客さんも多く、今日は冷たい雨が降っているにもかかわらず、満席でした。
先日、通勤のバスでとても迷惑している、という苦情の電話が入りました。社会人も学生も、毎日一刻を争って通勤している。それなのにお宅に通っている人たちは、平気で横入りして、並んで待っている人たちはみんな迷惑している。始まりの時間を少し遅くするとかできないのですか?という電話でした。
迷惑をかけていることについては謝罪しました。時々横入りしている利用者さんにはあらためて厳重注意しました。ご家庭にも連絡し、注意していただくようお願いしました。これでも改善が見られない場合は、ゆっくり出勤するのではなく、いつもより30分くらい早く出勤してもらうことも検討しています。
ただ、いくらこういうことをやっても、絶対大丈夫、ということはあり得ません。ここから先はやはり社会に任せるしかありません。つまり、社会が彼らとおつきあいしていくしかないと思うのです。
彼らは社会から隔離されているのではなく、社会の中で生きています。ですから、いつだって彼らと遭遇する機会はあります。遭遇したとき、彼らのことを少しでも知っていると、対応が多分違ってきます。今回も、順番を無視して横入りする彼らをその場で注意すれば済んだ話です。全く相手を知らないと、注意することも躊躇してしまいます。それでぷかぷかに電話してきたのだろうと思います。
ただそれで問題が解決するか、というと、どうもそうではない気がします。
バスに乗るときは列に並んで待つ、というルールを守らなかった彼ら自身の問題は確かにあります。ただ「彼らだけが問題」とする限り、今回のような「不幸な遭遇」は、どこまで行ってもなくなりません。今のこの社会の中でいっしょに生きているわけですから。
「不幸な遭遇」は、お互い知り合う機会あれば、避けることができたと思います。そうであれば、お互い知り合う機会を作ることは、お互い気持ちよくこの社会の中で生きていく上で、とても大事なことになります。
彼らとのいい出会いから始まった素敵な物語を紹介します。
ある区役所での外販の売り上げが4年で10倍に伸びました。パンがおいしいことはもちろんあるのですが、スタッフだけで売りに行ったのではとてもこんなには伸びません。売り上げの底上げをしたのは、やはり利用者さんたちの、なんともいえない魅力でした。
外販のある木曜日をとても楽しみにしているお客さんがたくさんいます。彼らのにぎやかな声を聞いただけで、「あっ! きたきた!」とわくわくするそうです。彼らと会って、何か話をするわけでもなく、ただひとことふたこと言葉を交わしたり、「やぁ〜!」って楽しそうにハイタッチしたり、リエさんに今日のおすすめを聞いたり、計算王子ことtuji-kunに値段を暗算で計算してもらったり、たったそれだけのおつきあいを、みんなとても楽しんでいるのです。
どちらかといえば社会から疎外されている彼らと、毎週会うのを楽しみにしている人がいるって、なんかすごいことだな、と思うのです。しかも、そういう関係をスタッフではなく、彼ら自身が自然に作った、というところが、ほんとうにすごいと思うのです。
こういう関係が広がっていけば、社会はお互いが生きやすい方向へ少しずつ変わっていきます。彼らがパンの販売をすることで、少しずつでも社会が変わっていくなら、これほどすばらしいことはありません。
ある区役所でのパン販売は、そんな希望の物語を私たちに見せてくれたように思うのです。
12月15日、馬頭琴の演奏がありました。
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障がいがある人と一緒に暮らす社会について掘り下げて考えるためのトピックス集です。