ぷかぷか日記

ほっこり食堂と壁画

 年末に自然食のスーパー「マザーズ」の社長、マネージャー、料理長が「おひさまの台所」にきて、ささやかな忘年会をしました。そのときに、おひさまの台所の作るおいしいお惣菜を、できたての状態でお客さんに提供できる食堂を作りたい、と社長が提案しました。ぷかぷかとしても東急デパ地下のマザーズに卸しているお惣菜が、手間暇のかかる割に売れ行きがいまいちで、もう撤退かな、と考えていたので、それに変わるものとして受け止めました。

 で、今日はその2回目の打ち合わせとささやかな新年会ということで藤が丘のマザーズまでおひさまの台所のスタッフと、大工の小林さんといっしょに行ってきました。双方が自慢のお惣菜を持ち寄ったので、かなり豪華な新年会でした。(料理の写真撮るのを忘れました。ごめんなさい) 

 食堂の名前は社長は「ぷかぷか食堂」がいい、といっていましたが、「ぷかぷか」というのは響きはいいのですが、言葉自体にメッセージ性がないので、おいしい食事を食べて心がほっこりする「ほっこり食堂」はどうかと提案しました。ひとこと聞いただけでお店がイメージできます。あっさり了承され、これで行くことに。

 場所は最初マザーズの店を入って右側の狭いスペースを提案されたのですが、なんとなく狭苦しい感じがして、ほっこりした気分にはとても慣れそうにない気がしました。次に提案されたのが、お店に一番奥にある倉庫になっているスペース。元々ここにはオーガニックのレストランがあったそうで、立派な出入り口もついています。大工の小林さんは一目でこっちがいいといい、社長もじゃあこっちにしよう、とえらく簡単に決まりました。

 藤が丘の駅からマザーズのお店に添った小さな商店街の一番奥にあたり、住宅地の人たちの通路にもなっているようです。

 駅から見える通路の入り口付近に、ぷかぷかのメンバーさんの制作する壁画を飾ってお客さんの目を引きつけ、そのままお店までたどるようなおもしろい仕掛けが作れたらいいなと思いました。壁画は月一回くらい描き変え、昼間お客さんの前で即興で楽しい絵で壁を埋めていけたら楽しいなと思っています。

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  こんな楽しい絵で壁面を埋めるのです。多分そばを通るのが楽しくなるような壁面になります。街の中にそんな楽しい一角があるって、すごくいいと思うのです。

 藤が丘の駅前で、月一回そんな楽しいパフォーマンスができたら、メンバーさんの活躍する場が増えることになり、お客さんたちも障がいのある人たちの持っている力を見直すいい機会になります。なによりも彼らとのすばらしい出会いになります。

 壁画は通路を歩きながらはたと思いついたのですが、これはなんだかおもしろくなりそうだ、とわくわくしてきました。このプランがどんなふうに立ち上がっていくのか、まだまだわかりませんが、ひょっとしたらすごくおもしろいことになりそうです。

 

 

今年のワークショップは

 ワークショップの助成金をもらうために企画書を書きながら、どんな中身にするか考えました。先日のふり返りの集まりでは、「森は生きている」をもう一回やってもいいのではないか、という意見もありました。確かにやり足りなかったことこともあるので、それもありだなと思いました。人形も新しく作り直せば、物語の中身も変わってきます。何よりも歌がすばらしかったので、もういっぺんみんなで歌ってみたい気もします。

 でも新しいものに挑戦したい気もあって、もう少しメンバーさんたちの気持ちを表現できるものがいいとも思います。

 教員生活最後の年に、卒業学年の芝居を『みんなの生きる』というタイトルで作ったことがあります。その学年では私の担当した国語の時間に谷川俊太郎の『生きる』という詩を何度も朗読していました。

 

 生きているということ

 いま生きているということ

 それはのどがかわくということ

 ……

 

 この、のどがかわくということ、のところに、自分が生きていると感じるのはどんなときか、という言葉を一人ひとり入れていきました。

 サッカーをしているとき、とか、おいしいものを食べているとき、とか、好きな人とお話ししているとき、とかいろいろ出てきました。

 それを1学年30人分をつなげて集団詩を作り、それを元に芝居を起こしていったのです。集団詩を長くつなげた模造紙に書き、それをみんなで朗読しました。ああ、あの人はこんな時に生きてるって感じるんだ、とか、あの人はこんな時がいちばん生き生きしてるんだ、って、みんなの人生が少し見えた気がしました。

 集団詩はおもしろかったのですが、それを芝居に起こすのは結構大変でした。みんなが共有できる『生きる』を見つけ出し、それを緊張感のある物語に仕上げ、みんなで演じるわけですから、ほんとうに大変な作業でした。でもいつものように、大変な分、教員最後の年にふさわしい、はちゃめちゃに楽しい芝居になりました。詳しいストーリーは忘れてしまいましたが、話に行き詰まって、芝居の中でわがままな王様の住むお城に火をつけて大火事にすることを思いつき、これはやる方も見る方もとてもエキサイトし、大いに盛り上がりました。

 

 で、今度のワークショップでも『みんなの〈生きる〉』というタイトルで、みんなの生きる詩を掘り起こし、そこから物語を起こしていくのもおもしろいなと思っています。

 まだ今のところ、どういう風に展開していくのか全く白紙です。日程は11月21日(土)からスタートし、月一回のペースで12月19日(土)、2016年1月16日(土)、2月20日(土)、3月27日(日)、4月2日(土)、4月16日(土)にワークショップをやり、4月17日(日)に発表会(表現の市場)の予定で、みどりアートパークのリハーサルルーム、ホールを全部押さえました。近くなりましたらスケジュール、参加者募集などホームページ上にアップします。

 

 

 

気力、体力、集中力の年賀状

 ぷかぷかをはじめる前、40歳くらいならともかく、60歳で新しく事業を起こすのはむつかしいのではないか、と忠告してくれた先輩がいます。気力、体力、集中力が追いつかないのではないかと心配してくれたのです。

 それでもなんとか事業を起こし、ここまでくることができました。でも先輩の忠告はずっと気になっていました。

 暮れになって、いつもなら年賀状の木版画を彫り始めるのですが、今年はなんとなく彫る気がしなくて、今年はもうだめかと思いつつ、大晦日の夜になって、なんとか版木だけは買いに行きました。知り合いの文房具屋の主人は「え?今から彫るんですか?」とびっくりしていましたが、「ええ、なんとか」とその時は返事したものの、家に帰ってもまだ彫る気が起こりません。版画を彫るには気力、体力、集中力が必要です。その版画を彫る気がしないのは、やはり先輩の忠告したことが現実に起き始めたのかも知れないと、ちょっとがっかりしながら布団に入りました。

 翌朝、年賀状が届いていて、もう今年は手書きで返事を書くしかないな、と思いつつ、手で書くのもなぁ、と彫刻刀を持って彫り始めたのですが、いつになく刃が重くて、切れが悪いのです。砥石で何度か研ぎましたが、あまり変わりません。力が入らなくなった感じで、今年はやっぱりだめか、と思いつつ、それでも少しずつ彫り始めるとだんだん乗ってきて、夢中になって彫ること半日。なんとか簡単な年賀状を彫り上げました。絵はともかく、文字はまだまだ元気がある感じで、ホッとしました。なんとか今年もがんばれそうです。よろしくお願いいたします。年賀状は気力、体力、集中力の、いいバロメーターになりますね。

 つい先ほど刷り上げたばかりです。刷るのも気力、体力、集中力が必要で、つくづく疲れます。昔は年賀状に子どもの写真を印刷するのがなんとなくいやで、いつも家族5人分の顔と名前、メッセージ、干支の絵を版画で彫っていました。もうはがき一面びっしりと彫っていました。彫るだけで三日くらい、それを刷るのにまた三日くらいかかって、若かったですね。

 

 昔北インドのラダックの山奥を旅したとき、山間の小さな村にこんなよくわからない羊がいたような…

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手描きの新しいチラシ

 今年は手描きの新しいチラシを作ります。昨年女子美の生徒さんに描いていただいたものを使ってA4の用紙を半分に折り、A5版の4ページのチラシです。ぷかぷかしんぶんと同じ大きさ、作りです。

 これが1ページ目と4ページ目。

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 これが2ページ目と3ページ目です。

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表紙はパンをみんなで持ち上げている絵。これは生徒さんがぷかぷかを取材にきて、その印象で描いてくれました。すばらしい感覚の方です。今年4月からアート部門で働いてもらう予定でいます。

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2ページ目はぷかぷかの思いを生徒さんの描かれた絵に重ねたもの。命に対する思いをめいっぱい込めました。

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3ページ目はお店の紹介です。パン屋、カフェ、お惣菜屋、アートのお店と、気がつけばなんと4軒もあります。空白の欄に各お店の短いメッセージが入ります。

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4ページ目は地図です。最初のラフなスケッチと、その後綺麗に描き直したものがあるのですが、私としては最初のラフなスケッチにある「三軒長屋」の賑わいが伝わる方がいいなと思っています。絵もラフな方が泥臭い感じがして私は好きです。。ここは今後話し合いで決めていきたいと思っています。

 これが最初のラフなスケッチ

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これが綺麗に描き直したもの

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 2月半ば頃にはできあがる予定です。楽しみにしていて下さい。

昨年のまとめのようなもの

 大晦日の日に1年のまとめをしようと、その手がかりにブログを読んでいたのですが、全部で279本もあり、とてもまとめられる量ではないことがわかりました。で、おもしろい内容のものをピックアップして並べました。ぷかぷかがどんな思いで、何をやってきたかが少しイメージできると思います。時間があるときにでも読んでみてください。

 

 お店を開いてから辛い思いをしたことはたくさんありましたが、それを全部ひっくり返すくらいうれしいこともありました。

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/01/19/135316

 

ぷかぷかにはお母さんといっしょに小さな子どもたちがたくさんやってきます。そんな子どもたちは自然にぷかぷかのメンバー(利用者)さんとふれあっています。子どもたちが大きくなって社会を担うようになったとき、このふれあいがきっと意味を持つようになります。

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/02/25/130842

 

外販部長の話

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/03/02/105319

 

いい一日だったね、って言えるような一日を

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/03/05/013653

 

思いもよらないわくわくするようなことが突然できるのがぷかぷか

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/03/14/013309

 

さて、その結果は

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/03/15/211328

 

ぷかぷかは「障害者差別」と闘っていません。どこまでもいっしょに生きるだけです。そのことが、でも、いろいろな物語を生み出し、今日よりもいい明日を創り出しています。

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/04/03/102347

 

郵便局のお姉さんといっしょに「いいとも!」

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/04/10/111330

 

できないことは侮れない

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/04/14/192345

 

朝の会で詩の朗読をするなんてところはないと思いますが、ぷかぷかはそれをやっちゃうんですね。

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/04/25/115904

 

だめ出しをする自分の体の中に熱いものが動くのがわかり

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/04/27/163417

 

ヨイトマケの歌を歌ったツジさんの話

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/04/28/192745

 

一度はじめたことはそう簡単に投げ出せない話

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/05/06/145102

 

幸せな気持ちになる絵

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/05/16/194155

 

木のあいさつ

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/05/24/002915

 

gottiの財産

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/05/31/233822

 

賭場で壺をふる男が取り戻した豊かさ

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/06/23/150253

 

ワークショップの記録映画を作っている宮沢さんの話

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/07/29/005658

 

ソーシャルビジネス

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/08/06/191927

 

まーさん、ついにデフパペットシアターの舞台に立つ

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/08/11/143528

 

チョココロネの食べ方

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/08/26/232532

 

ソーシャルビジネス-2

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/08/27/213257

 

社会を彼らに合わせる

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/09/12/190915

 

未来を担う子どもたち

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/09/21/150218

 

私たちのメッセージ

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/10/20/233041

 

夢はみんなで

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/10/29/004544

 

ああ、ぷかぷかさんね

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/10/31/220031

 

表現の市場

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/11/26/000027

 

あんなにも心の底から楽しいって思えたのは久しぶり

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/11/30/152009

 

社会に希望を抱くということ

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/12/28/183757

 

 

 今年もより楽しい物語、希望の持てる物語を創っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

あなたがいないと困る、といえる関係

 人間ドックを受けるため、鶴ヶ峰にある病院に行きました。たまたま鶴ヶ峰駅の改札口を久しぶりに通ったのですが、昔ここでワークショップ参加者と待ち合わせしたこともあって、とても懐かしい気がしました。

 ワークショップは駅の近くの生活クラブ旭センターでやっていたので、朝、養護学校のチバ君たちと改札口で待ち合わせしました。チバ君は養護学校高等部の1年生でした。私は小学部で働いていたのですが、寄宿舎の舎監の仕事もやっていて、そこでチバ君たちと出会いました。寄宿舎には高等部の生徒が30人くらい寝泊まりしていました。昼間小学部で働き、そのまま夜、彼らの面倒を見るわけですから、今から思えば結構大変だったと思います。でも、小学部の子どもたちとは全く違う楽しさが寄宿舎にはあって、私は彼らにもいっぺんに惚れ込んでしまいました。

 寄宿舎に入っている生徒たちは普通におしゃべりができました。そのおしゃべりがすごく楽しくて、この人たちと芝居作ったらすごく楽しいものができるだろうな、と思ったのがワークショップをやるきっかけでした。

 予想は見事に的中。楽しい芝居ができあがっただけでなく、瀬谷の楽しいワークショップは彼らがいてこそ成り立つ場であることがだんだん見えてきました。

 ワークショップを始めて半年くらいたった頃、参加していた地域の方が、

「最初は彼らのために何かできないかと参加していたのですが、やっていくうちに、むしろ支えられているのは私たちの方だということがだんだんわかってきました。」

と発言し、全くその通りだと思いました。

 このあたりから、彼らと私たちの関係が大きく変わったように思います。私自身、なんだかんだいいながらも、どこかで「彼らのため」「彼らを支える」という思いがあったと思います。でもワークショップを重ねていく中で、彼らの存在がものすごく大切なことがわかってきたのです。「あなたに一緒にいて欲しい」「あなたがいないとほんとうに困る」と彼らに向かってはっきり言えるほどの関係です。

 どちらかといえば社会から邪魔者扱いされるような彼らと、「いや、あなたがいないと困る」「あなたにいて欲しい」と懇願するような関係が生まれたわけですから、痛快としかいいようがありません。しかも、障がい者と共に生きねばならないとか、そういう理屈っぽいところからではなく、いっしょに楽しいワークショップをやっていく中で、気がついたらそういう関係になっていた、というところがおもしろいと思うのです。

 もう、30年も前の話です。

 

 

 

 

ったくしょうがねぇなあ、といいつつ、寄り添って

 小諸に「おむすび長屋」という福祉施設?があります。おむすび長屋は、もう30年ほど前になりますが、山間の廃屋を借りて、障がいのある人たちといっしょに味噌を造りながら暮らしを立てていこうというところから出発しました。その志に共感し、おむすび長屋を訪ねました。茅葺きの傾いた昔ながらの家で、なんだかホッとする雰囲気でした。コーイチローさんというおじさんが「ボーナスでたら、スナック行って、ジュース飲むんだよ」とうれしそうに語ってくれたことが未だに印象に残っています。あたたかな「暮らし」がそこにはありました。年に一度「スナック行って、ジュース飲むんだよ」うきうきしながら語るような、ささやかな楽しみもありました。

 今のように福祉の制度も十分に整っていない時代でしたから、障がいのある人たちといっしょに暮らしを立てていくことは、よほどの「志」がないとできないことでした。強い「志」がないとできない事業であれば、次の若い世代に引き継げないと、15年ほど前、社会福祉法人になり、作業所とグループホームになりました。

 建物は建て替えられましたが、「暮らし」のあたたかさがグループホームにはありました。そのグループホームにも「個別支援計画」なる指導体制の確立が求められ、

 《地域で働き、地域で暮らす「場」が、次第に「トレーニング施設」へと様変わりしてゆくように思われます。》

 と、今日届いた「おむすび通信」におむすび長屋の主・田中さんが嘆いていました。

 《人のにおいのぷんぷんする連中に、しょうがねぇなあ、といいつつ、寄り添う》田中さんたちの姿勢が好きでした。そういう姿勢だったからこそ、そこでの「暮らし」「仕事」には「あたたかさ」がありました。

 そんなところへ「個別支援計画」が入り込んだのです。事業をやっていく上で福祉サービスの報酬をもらう以上、やむを得ないこととはいえ、「個別支援計画」で描かれる彼らとの関係は、彼らに寄り添う、という人間くさい姿勢からはほど遠い関係になっています。

 彼らに寄り添いながら、丁寧に暮らしと仕事を作ってきた田中さんたちにとっては、全く理解しがたい制度だろうと思います。福祉の世界がどういう方向を向いているかがよくわかります。

 

 そんな中にあって尚、彼らとのあたたかなおつきあいこそ大事にしたいと私は思うのです。いっしょに生きていく、というのは、「ったくしょうがねぇなあ」といいつつ、今日もまた寄り添ってしまうような、そんなおつきあいであり、生き方ですから。

 

 

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