ぷかぷか日記

みんなが笑顔で暮らせる社会を目指して

 去年、大阪であった動画のセミナーで知り合った労務士事務所の方から、ぷかぷかのホームページに関するこんなうれしい感想が届きました。

 

 

 素敵なホームページを拝見させていただき、ほっとして、やがて心があたたまっていくのを感じました。

最近よく「幸せの形」という事を考えますが、こんな居場所がある「ぷかぷか」の人たちにとっては、これがきっと一番「幸せな形」なんだろうな、と思います。

 

 「お金」ももちろん必要だけど、たくさん持っている人が幸せか、というと、そうじゃない。

力(権力)を持っている人が幸せかというと、そうでもない。

障がいがある人も、そうじゃない人も、男も女も、若者もおとしよりも…

みんなが幸せに、笑顔でくらせる社会というのが、一番いいんじゃないか、と思います。

高崎さんは、それを一つの形にしていらっしゃるのが、素晴らしいとおもいました。

 

もちろん、ここまでくるには、たくさんの苦労もあったでしょうし、これから先も、苦労はつきものだとは思いますが、是非がんばってください。

 

私は、社会保険労務士ではありますが、会社の手続業務がやりたいわけではなく(もちろん、食べていくためにやっていますが)、「人が大切にされ る社会」づくりに貢献したい、そのためにこの資格を活かしたいと思っています。本当に必要なのは、地域のまちづくりやNPOにかかわっていくことだとも考 えていて、少しですが、やっています。高崎さんに学んで、みんなが幸せになれるように種をまき、水をやり、という地道な作業を、私も微力ながら、継続して いきたいと思っています。

また今後とも、いろいろ交流させてください。

 

 

ほんとうにいい方と出会えたと思っています。 

ホームページとブログ紹介します。


Office Kitaba キタバ社会保険労務士事務所

 


女性の活躍推進パッケージ|「人が大切にされる会社」拡大に取り組む社会保険労務士

 

 

 

 

 

 

 

ワークショップの映画に日々の仕事の映像が加わって

 1月22日、宮沢さんがぷかぷかの仕事の現場を撮りたいと朝からやってきて、朝の会から瀬谷区役所の外販まで、ずっとカメラを回していました。もうこれだけで1本の映画になるんじゃないかと思うくらい撮りまくっていました。ワークショップの映像だけで1時間55分もあったので、これに仕事の現場の映像が加わると、優に2時間は超えるのではないかと心配になりました。

 でも、できあがった映画は1時間56分。仕事の現場の映像は多分2,3分だったと思うのですが、それだけでこの映画の印象が全く違っていました。映画の幅がひろがった、というか説得力が比較にならないくらい増した感じがしました。記録映画って、こうやって力強い物語になるんですね。この映画はワークショップを語りながら、実は「ぷかぷか」を物語っているんだって、その時はじめて気がつきました。

 ワークショップはなんだかんだ言っても、所詮は非日常の世界です。いくらすばらしい舞台ができあがっても、それは日常から切り離された世界のことであって、下手すると「それがなんなの?」と現実の世界から言われかねません。

 ところが舞台で大活躍した人たちが、実は日々の仕事でもびっくりするくらい仕事をやっているという映像は、映画全体を引き締まったもの,説得力のあるものにしていました。というより、ふだんしっかり仕事をしているから、あれだけすばらしい舞台ができたんですね。そのつながりがストレートに見えるのです。

 宮沢さんは仕事の現場を見て、ほんとうにびっくりしていました。こんなにも真剣に、こんなにもまじめに仕事をやっているとは思ってなかったようです。もうちょっとゆるい感じで仕事をやっていると、そんな風に思っていたようです。カメラを回しながら「すごいね」「すごいね」「かっこいいね」と何度も何度もつぶやいていました。その驚きがそのまま映画に反映されています。

 映画の最後、あの「死にたい病」のまーさんが、雨の中で濡れながら仲間に「こっちおいでよ」と一生懸命呼びかけてるシーンがあります。それを見ながら「まーさん、よかったよな、もう大丈夫だよな,もう死にたいなんて言わないよな」って話しかけたいくらいでした。多分ちょっと涙流しながら…

「障害者」という言葉までもひっくり返すような

 宮沢あけみさんのワークショップの記録映画ができあがり、先日、今年のワークショップの打ち合わせのあと、見ました。

 表現の市場で発表した「森は生きている」ぷかぷか版のすばらしい舞台に至るまでの6ヶ月のワークショップを1時間56分にまとめたものです。30時間くらい撮ったそうですが、それをこの時間にまとめるというのは、本当に大変だっただろうと思います。

 表現の市場のあの舞台がどうしてできあがったのかが、なんとなくわかる映画ですが、それ以上に宮沢さんのぷかぷかのワークショップへのあふれるような思いを感じるような映画でした。宮沢さんの,ぷかぷかがやっていることへの、やろうとしていることへの思いの深さをあらためて感じました。

 言葉がなかなか出てこない人がいても、その出てこない空白の時間を丁寧に撮っていました。その空白にこそ、宮沢さんの伝えたいものがあったように思いました。

 障がいのある人とそうでない人、といった分け方が、ほとんど意味をなさない空間がこの映画には記録されています。意識的にそういう分け方はおかしいとかやめよう、といったわけではなく、ワークショップをやっていく中で自然にできた空間、関係です。

 宮沢さんはこの映画を「山形国際ドキュメンタリ−映画祭」に出そうとしています。1,800本くらい応募があって、その中から数本選ばれるだけなので、多分だめだろう、といっていましたが、その難関にそれでもトライしてみようとしています。

 それにエントリーするために映画のタイトルを考えているそうです。ひょっとして審査員の目にとまり、大ヒットするようなことがあれば、そのタイトルが「障がい者」という言葉に取って代わるかも知れない、と宮沢さんは考えています。

 つまり、今回の記録映画は、《 「障がい者」という言葉に取って代わるかも知れない》新しい概念を提案しているのではないか、ということです。

 私は「障害者」という言葉がどうも好きになれなくて、「障がいのある人」という言い方をしていますが、「障」の字も「差し障る」の意味で、マイナスの意味しかありません。

 宮沢さんは、そんな文字だけちょこっといじくるようなちまちました世界ではなく、もっと大胆に新しい概念、言葉を提案しようとしているのだと思いました。

 そういう観点からこの映画を振り返ると、先に書いた「障がいのある人とそうでない人、といった分け方が、ほとんど意味をなさない空間がこの映画には記録されています。」という言葉が出てくるのです。

 ワークショップで作ってきた空間、関係は、「障害者」という言葉までもひっくり返すような、すごいラディカルな提案をやってたんだと宮沢さんに教えられた気がしています。

 

 宮沢さんの映画のDVDが2月下旬完成します。disc1とdisc2の2枚組です。disc1は表現の市場で発表された本番の舞台、disc2はそれに至るまでのワークショップの記録です。3,000円で販売します。購入希望の方はぷかぷかまで。pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

 

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そのうち爆発するかも知れないビル

 4月からアート屋わんどで働く女子美の学生さんをつれて平塚のスタジオクーカに見学に行きました。


studio COOCA

 

 アートを仕事にしている福祉事業所です。昨年のぷかぷか4周年のイベントと、表現の市場ではスタジオクーカから人形劇を持ってきてもらいました。

 3階建ての古いビルを買い取り、アートの根城にしている感じで、なんというか、絵を描きたい!何かを表現したい!っていうエネルギーが、ワンワンと渦巻いているようなビルでした。

 これが入り口です。

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 入り口を入ってすぐのドアです。

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トイレの前の壁

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エレベーター入り口前にあった段ボールの人形

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壁に絵がびっしり

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ちゃんとストーリーが

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天井に近い壁に

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添えられた言葉がいい

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大きな人形とメッセージ

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こんな事が自由に書ける空間がいい

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とにかくごちゃっと思いをぶつけたような壁

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意味不明。だけどなんかいい。

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エレベーター前

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階段の途中

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これも階段の途中

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階段の手すりの下に

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天井からは

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どういうわけかバットマンのお面をつけて仕事

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このビル、そのうち大爆発起こすんじゃないかと思いました。そのくらいエネルギーが充満していました。

 

日経ソーシャルイニシアチブ大賞

 日経ソーシャルイニシアチブ大賞の原稿を書き上げ、先ほど送りました。疲れましたが、楽しい作業でした。ぷかぷかがやっていることをあらためて見直すいい機会になったと思います。

 以下、原稿載せます。またいろいろご意見いただければうれしいです。

 メールアドレスは pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

 

社会性について

1−1,事業の目的

  障がいのある人たちの就労支援

1−2,ミッション

 ①障がいのある人といっしょに、街の人たちみんながお互い気持ちよく生きていける社会を実現する。②健康な命を未来に引き継ぐ。

 

1-3,解決を目指す社会的課題

(1)知的障がいのある方には、できないことがいろいろある。人との関係がうまく作れないとか、場の雰囲気が読めないとか、お金を上手に使えないとか、ひとりで生活できないとか、普通の人が普通にできることが、同じようにはできない。そのため、生産性を求められるところでは、普通の人と同じように仕事はできないとして、なかなか仕事をさせてもらえない。そのため、障がいのある人たちの一般就労、社会参加はとてもむつかしい。

(2) 障がいのある人たちと日常的におつきあいする機会がないと、彼らに対し「なんとなくいやだ」「怖い」「何するかわからない」といった先入観,偏見を持ってしまう。その先入観、偏見は彼らを地域社会から締め出してしまう。彼らを地域社会から締め出してしまうとき、私たち自身も地域社会で窮屈な思いをして生きることになる。許容できる人間の幅が、彼らを締め出した分、狭まるからだ。

 

1-4 社会的課題をどう解決するか

(1)「ぷかぷか」は障がいのある人たちの日々を支えるものとして「仕事」を考えている。だから売れても売れなくてもいいようなものではなく、きちんと売れるパン、街の中で勝負できるくらいのおいしいパンを作ってきた(ビジネスとして事業を展開)。そういう本物の仕事を彼らに提供することで、彼らは本気で、真剣に仕事をしている。彼らのそんな働きに、ぷかぷかは支えられている。

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2015/01/24/230747

(2)障がいのある人たちへの「先入観」「偏見」をなくすには、彼らとおつきあいする機会を作ることがいちばんいい。ぷかぷかはそのために障がいのある人と街の人たちが出会える場として、パン屋とカフェを街の中に作った。パン屋はいつもにぎやか。このにぎやかさがいい、というお客さんがたくさんいる。パン屋、カフェに来ると、なぜかホッとするというお客さんも多い。おいしいパンを作ることで、お客さんは徐々に増えている。お店に来るお客さんが増えるということは、彼らと出会う人が増えるということで、それはそのまま社会的課題の解決につながっている。

 

1-5,サポートしている人数 現在ぷかぷかを利用している障がいのある人は35名。

 

事業性について

2-1 事業の実績

(1)利用者数の増加 2010年4月、就労継続支援A型事業所としてスタート。パン屋「カフェベーカリーぷかぷか」とカフェ「ぷかぷかカフェ」を運営。利用者数10名、スタッフ7名。2011年7月,就労継続支援B型事業所に変更。利用者数17名、スタッフ11名。2014年6月、お惣菜屋「おひさまの台所」オープン。定員30名、スタッフ20名。2015年2月、「アート屋わんど」オープン。定員40名。スタッフ25名

(2)情報発信 ●手作りのホームページ(http://pukapuka-pan.xsrv.jp)は《障害のある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ》というメッセージを様々な形で発信している。現在アクセス数は72,000を超え、1日のアクセス数は100を超える。ブログhttp://pukapuka-pan.hatenablog.comのアクセスは更に多く、多い日は1日250を超える。

(3)取材 2014年8月にはソーシャルビジネスの先駆的事例として朝日新聞の取材を受けた。http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/08/06/191927

   http://pukapuka-pan.xsrv.jp/index.php?朝日新聞ソーシャルビジネス

   http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/08/27/213257

 

(4)イベント 社会的な課題解決のために、地域の人たちとの関係を深めるために月一回、ぷかぷかの利用者さんと地域の人がいっしょになってパン教室をやっている。今まで42回実施し、地域の方の延べ参加人数は500人を超える。

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/09/21/150218

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2015/01/18/021138

http://pukapuka-pan.xsrv.jp/index.php?パン教室

 

2-2 事業の規模 現在利用者35名、スタッフ25名。店舗3軒、事務所兼工房1軒。

 

2-3 収支状況 昨年度売り上げ 約7,160万円(就労支援事業収益2,060万円、福祉サービス収入5,100万円)

 

2-4 成長率 平成25年度就労支援事業収益 約2,060万円。平成24年度就労支援事業収益 約1,460万円。成長率(前年比) 141%

 

 

革新性について

3-1 モデルの特徴

 モデルとして毎週木曜日の昼休み、パンの外販に行っている瀬谷区役所をあげる。ここは始めた当初売り上げは4,000〜5,000円だったのが、5年たった今、時々5万円を超えることもあり、売り上げが10倍になっている。これはパンがおいしいことはもちろんあるのだが、スタッフだけでは多分これだけののびは達成できなかったと思う。どうしてこんな驚異的な伸びが実現できたのか、その理由と意味を考えてみたい。

3-2 ハイタッチで始まるパン屋

 外販はスタッフ1名、利用者さん4名でおこなっている。お客さんの何人かは、やってくるとまず顔見知りの利用者さんと「やぁ!」と楽しそうにハイタッチする。パン屋でお客さんがお店に来て店員とハイタッチするなんてことは、普通はあり得ない。これは、お客さんとぷかぷかの利用者さんがどういう関係であるかを明確に物語っている。そんな関係が売り上げの大幅増加を生んでいる。そしてその関係は利用者さんの魅力によってできた関係だ。

3-3 ここには社会の希望がある

 毎週木曜日、彼らのにぎやかな声が聞こえると「あっ!来た来た!」とわくわくしながらお店に行きます、と以前語ってくれた区役所の方がいた。「なんとなくいやだ」「怖い」「何するかわからない」といった先入観で地域社会から締め出されることが多い現状を考えると、わくわくしながら彼らと会うことを楽しみにしている人たちがいる、ということは、ほとんど奇跡に近い、と思う。ここには社会の希望がある気がする。

 しかもそれは「ぷかぷか」の側から、利用者さんとのおつきあいの仕方とかをいろいろ説明したわけでもなく、彼ら自身が作ってきた関係だ。これは地域社会から締め出されているという社会的な課題を彼ら自身の手で解決しつつあるということだ。そういう社会の希望といっていいものを地域社会から締め出された彼ら自身が作りだしている。

3-4 地域社会を豊かに

 パンを買いに来たときに、彼らとひとことふたこと言葉を交わす。そのとき、「あ、こんなすてきな人がいたんだ」って気がつき「パンもおいしいし、また行ってみよう」って思った人がだんだん増えて、今のように行列のできるほどのお店になったのだと思う。外販のテーブルの前には毎週木曜日、行列ができる。

 「世の中にこんなすてきな人がいた」という出会いは人生を豊かにする。だから、外販は売り上げをぷかぷかにもたらすだけでなく、お客さんの側にも豊かなものをもたらしている気がする。障がいのある人たちの働くお店が、彼らの働きぶりが、地域社会を豊かにしている、ということでもある。

 

事業者について

4-1,事業団体

 運営主体は「NPO法人ぷかぷか」。障がいのある人たちの社会的な生きにくさを解消することを目的として設立。2009年9月16日神奈川県より法人として認証。2009年9月30日法務局に設立登記。2010年4月1日神奈川県より福祉サービス事業所として指定。

 

4-2, 団体の概要

 2010年4月障がいのある人たちの就労支援事業所としてパン屋「カフェベーカリーぷかぷか」、カフェ「ぷかぷかカフェ」の2店舗を街の中に開く。街の人たちと障がいのある人たちのいい出会いの機会を作りたいと思い、街の中に彼らの働く場を作った。

 2014年6月お惣菜屋「おひさまの台所」開店。2015年2月アートのお店「アート屋わんど」開店予定。

 2015年1月現在、利用者数35名。スタッフ25名。 

「カフェベーカリーぷかぷか」:国産小麦、天然酵母のおいしいパンの製造、販売。牛乳、卵を使わないパンなので、アレルギーの子どもを抱えたお母さんたちにとってはとても貴重なパンになっている。

「ぷかぷかカフェ」:安心、安全な食材を使ったランチ、スィーツのお店。ランチにつくパンはすべてぷかぷかのパン屋で作ったもの。とても好評で、ここでパンの味を知ったお客さんがパン屋に来ている。

「おひさまの台所」:安心、安全な食材を使って命を育てるお惣菜、お弁当を作っている。

 ホームページ、Facebookページ、ぷかぷかしんぶんなどで情報発信。

 

4-3 代表者略歴

養護学校勤務30年の中で、障がいのある人たちに惚れ込み、彼らと一緒に生きていきたいと、退職金をはたいて障がいのある人たちと一緒に働く場「カフェベーカリーぷかぷか」「ぷかぷかカフェ」を立ち上げた。

 商売は全く未経験だったので、1年目は本当に悪戦苦闘の毎日。経営的にもかなり危ない状態だったが、幸いすばらしい経営アドバイザーと出会い、3年目にしてようやく黒字に転換した。

 

4-4,スタッフ 常勤 8名、 非常勤 17名

 

 

直近1年間のトピック

5-1,2014年6月お惣菜屋「おひさまの台所」オープン

 食事は命を育てるもの、という認識で、安心、安全な食材を使い、お客さんが安心して食べられるおいしいお惣菜、お弁当を作っている。今のところ店売りがほとんどだが、いずれは地域のひとり暮らしのお年寄りのニーズを掘り起こし、お年寄り向けに「お話付き弁当」「歌付き弁当」を販売したいと考えている。お話好きの利用者さん、歌好きの利用者さんが配達する弁当だ。利用者さんとお話しすると楽しい。歌も楽しい。ひとり暮らしのお年寄りであれば、楽しい時間を過ごすことができ「またあの人に来て欲しい」という関係が生まれる。障がいのある人たちへの目線が大きく変わってくるだろう。弁当の配達が,ただ単に配達したり、安否確認をする、といったことを超えて、お年寄りの方たちのいい時間を作り出し、地域社会における関係性をも変えていく。

 

5-2,2014年6月〜11月ワークショップ,表現の市場

 地域の方たちと障がいのある人たちとの更にいい出会い、よりクリエイティブな関係を作ろうと、いっしょに演劇ワークショップをやった。月一回集まってワークショップをやり、それを6ヶ月続けて、できあがった芝居をみどりアートパークのホールの舞台で発表した。障害のある人たちといっしょだからこそできるものを芝居の形で表現した。その日は「表現の市場」という形で、様々な表現活動をやっているグループも舞台で発表した。表現の持つパワーにお客さんたちは圧倒され、表現を通して障がいのある人たちにあらためて出会い直した気がした。

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/11/26/000027

http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2014/11/30/152009

http://pukapuka-pan.xsrv.jp/index.php?みんなでワークショップ 記録

 

5-3,2015年2月 「アート屋わんど」オープン予定

 利用者さんの描いた絵を使った、心あたたまるアート商品を販売する。彼らのユニークなアート作品を通して、地域の人たちとの更に新しい出会いを作る。

 壁画隊を作り、注文があれば脚立、刷毛、バケツ、絵の具を抱えて出向き、街の壁に大きな絵を描く。街のあちこちに楽しい壁画が登場すると、街は楽しくなる。藤が丘駅前の大きな自然食品店からはすでに注文が来ているので、手始めにそこで絵を描く。お客さんがたくさん見ている目の前で絵を描くというイベントになる。月一回くらいのペースで絵を描き変える。地元のマスコミに取材してもらい、絵を描いている様子を記事にしてもらう。それを見た方から、うちも描いて欲しい、という注文が来れば仕事が広がっていく。こういう仕事が広がっていけば、障がいのある人たちへの偏見は少しずつ減っていくだろう。これもまた彼ら自身の手による、社会的課題の解決になる。

 

スタッフのみなさんの関わり方の素晴らしさが想像できました

 近くのレクタスさんの理事長さんから先日の見学の感想が届きました。2年ほど前から「外部目線の意見を聞く」という目的で、地域で様々な活動をしている方をお招きして、ぷかぷかについての意見を聞いてきました。それが発展して理事会となり,先日、メンバーさんの働く現場を見学していただき、いろいろ意見をいただきました。

 

 先日は理事会・見学会ありがとうございました。

近くにあり、パン屋さんもお惣菜もレストランも使わせていただいていながら
なかなかバックヤードをゆっくり見学する機会がなく、
今回はとてもよい機会となりました。
特に午前中の見学だったので、製作作業をしているのを
直接ゆっくりと見学できたのはとてもありがたかったです。

元祖レクタスであるMさんもすっかり現場監督のように、
みんなに指図して仕事をテキパキやっているのに感動しました。
勤務したての頃は、高崎さんと一緒にパンの販売に行っていると伺い、
恥ずかしがり屋のMさんは、高崎さんの陰に隠れるようにして
パンを売っているのではないかと密かに心配していました。

Mさんの特長として、初めは黙って観察していて、
慣れてくると正反対に積極的になり、
「先生、今日は~の予定ではないですか?」などと
逆にお世話をしてくれるようになります。
そんな彼女のよい面を伸ばしていただき、
彼女だけでなく、みんなが生き生きと働いているのに感動しました。

高崎さんのポリシーがあちこちに実際に働く姿で見ることができました。
他施設に比べて、とても多くのスタッフがいますが、
スタッフももくもくと自分の仕事をやり、
スタッフさんの指示を受けずに、
どんどんと利用会員さんが働いているのにも感動しました。

一人一人が生きがいを持って働く、一人一人のよさが輝くという
高崎さんの願いのように、
ほんとうに一人一人が目的意識をもって楽しそうに、
しかもてきぱきと働いていることも驚きでした。

ここまでの目的意識性は、価値の高い「楽しさ」という、
情意の部分を伴っていないとなかなかここまでは高まりません。
高崎さんも私も教育現場に長くいたので、
この難しさは、究極の課題であるのをずっと実感してきたと思います。

教育現場では、ややもすると楽しいが、楽(らく)になってしまい、
楽しさを追求すると活動や目的意識のレベルが下がるの問題でした。
スタッフさんの一人一人の見とり(評価)ととも、
共に喜べる共感関係が基盤にあるのだと思いました。
スタッフのみなさんの関わり方の素晴らしさが想像できました。

どの施設もそれぞれ別の作業をしていましたが、
共通して生き生きと活動している熱気があり、
それがとても心地よく感じられました。
高崎さんがいつも前向きに理想をもって、
活動を広げよう高めようとしているのが
このような結果につながっていると感じました。

 

 

 組織を運営していく上で、こういう外部目線の意見はとても大事です。内部だけの意見で進めていくのではなく、いつもこういう外部目線の評価を受けながら進めていきたいと思っています。いろいろな意見、ぜひお聞かせください。

 メールアドレスはpukapuka@ked.biglobe.ne.jp

ケンさん卒業

わんどのゆっこです。

雪の降った今日はケンさん卒業の日でした。

ケンさんの好きなもの。
笠地蔵さん
UFOとUFO焼きそば
笑っていいともとタモリさん
いい天気と紅葉
東京タワーと富士山
オリンピック
どんな時も
MISIA
競艇
なわとび
かわいいおねえさん

体も声も存在感もこころも何もかも大きくてパワフルなケンさん。
来週から寂しくなります。

新しい場所でもおひさまのような笑顔でほっこりする絵をたくさん描いてね!

ワークショップでまた一緒に絵を描いたり、歌ったりしようね(T ^ T)

※よっしーの描いた似顔絵激似です。

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看板作りワークショップ

こんにちは、わんどのゆっこです。

報告が遅れましたが、先週土曜日の看板作りワークショップは大成功でした!
朝から冷え込んだ一日でしたがこどもたちも親御さんたちも元気いっぱい!
手を絵の具だらけにして全員で作り上げました。

始める前に「わんど」の由来を説明しました。

“わんどは漢字では湾処と書きます。

川とつながってできる水たまりで、魚や鳥、虫、草や木など様々な生き物たちが集まって暮らしています。水の流れが緩やかで大雨の時もみんなを守ってくれるため、子どもたちが安心して育つことができたり、傷ついて弱った生き物が癒される場所でもあります。そして十分に力をつけて成長したら川や海、陸、それぞれへ旅立っていくのです。

参加者のたけちゃんからは「わんどってワンダーランドの略なの?」って質問が。

英語で同じ読みのwandは“魔法の杖”という意味です
ワンダーランドって聞くとわくわく楽しい気持ちになりますね。
うん、それもいただき!

また東北地方の方言では“わたしたち”という意味になるのだそうです。

どれも「わんど」の目指すものにぴったり。
いろんな意味合いが重なってより深く「わんど」を表してくれます。

看板は絵の具や接着剤を十分に乾かして、最後に文字を張り付けてまもなく完成です。
作制中の様子は順次HPやFBでアップしていきますね☆

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ほれぼれするほどいい顔をして

 ケンタロウくんのことを日記に書いたら、昔いっしょに「あそぼう会」をやった地域の仲間サキさんが連絡をくれました。いっしょに「あそぼう会」やった仲間に知らせるので、連絡先を教えて欲しいということでした。

 30年ほど前、ケンタロウくんの担任をしていた私は、こんなすてきな子どもたちを養護学校に閉じ込めておくのは「もったいない」と、せっせと公園に連れ出し、いろんな人たちといっしょにあそんでいました。そこへ参加したのがサキさんであり、何人かの地域の友人たちでした。

 ケンタロウくんたちのことをいっぺんに好きになり、ほんとうによくあそびました。このときできた仲間で「みちことオーサ」の上映会をやったり、うどん屋をやったり、ワークショップをやったりで、ずいぶん活動の幅が広がりました。

 活動の幅が広がる中で、障がいのある人たちを取り巻く社会的な問題について、ほんとうにたくさんのことを学んだ気がしています。下手すると堅い話になりがちなこの手の話題であっても、ケンタロウくんたちといっしょの「あそぼう会」は、なぜか楽しく語れました。ケンタロウくんの「ひゃ〜」っていう、みんなを幸せな気持ちにさせる笑い声がみんなをつないでいたからだと思います。

 そのときのつながりがまだ生きていたというわけです。

 日記に書いた次の日に、葬儀場までケンタロウくんに会いに行きました。きりっと引き締まったいい男の顔でした。

 そばにいたお母さんに

「ケンタロウって、こんなにいい男だったんだね」っていうと

「そうなのよ」とうれしそうに言ってましたが、このいい男が作ったつながりが、今も生きているんだから、すごいのひとことです。私はといえば、君と出会ったおかげで、その後の人生がほんとうに楽しいものになったんだよ、それまでと全く違う毎日が始まって、ほんとうに楽しかったよ、と、またケンタロウに感謝したのでした。

 42歳、ほれぼれするほどいい顔をしていました。

 

  

 

 

 

ここには社会の希望がある気がします

 日経イニシアティブ大賞の原稿を書いていて気がついたことがあります。瀬谷区役所の外販の売り上げが5年で10倍になった(販売のことですから毎回というわけではありませんが)ことを書きながら、これはぷかぷかの側からのメリットであって、それだけを書いても何か小さい話だなと思いました。そうではなく、お客さんにとってもパンを買う以上のことがあることをしっかり書かないと片手落ちのような気がしました。

 先日ワークショップの記録映画を撮っている宮沢さんの撮影につきあって瀬谷区役所まで行ったのですが、お客さんの何人かはお店に来るなり親しいメンバーさんと楽しそうに「やぁ!」ってハイタッチしていました。パン屋に来て店員とハイタッチするなんてことは、普通はあり得ないことです。これはお客さんとぷかぷかのメンバーさんがどういう関係にあるかを明確に物語っているように思うのです。そういう関係が売り上げを伸ばしたのですが、お客さんにとってはどういう意味があるのでしょう。

 毎週木曜日、彼らのにぎやかな声が聞こえると「あっ!来た来た!」とわくわくしながらお店に行きます、と以前語ってくれた区役所の方がいました。「なんとなくいやだ」「怖い」「何するかわからない」といった先入観で地域社会から締め出されることが多い現状を考えると、わくわくしながら彼らと会うことを楽しみにしている人がいる、ということは、ほとんど奇跡に近い、と思います。ここには社会の希望がある気がします。

 しかもそれは「ぷかぷか」の側から、メンバーさんとのおつきあいの仕方とかをいろいろ説明したしたわけでもなく、彼ら自身が作ってきた関係です。地域社会から締め出されているという社会的な課題を彼ら自身の手で解決しつつある、彼ら自身が希望を生み出しているということです。

 ぷかぷかは「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージを発信し続けていますが、それは彼らのためというよりも、地域社会全体が、彼らといっしょに生きていくことで、より豊かになることを願っています。

 パンを買いに来たときに、彼らとひとことふたこと言葉を交わします。そのとき、「あ、こんなすてきな人がいたんだ」って気がついて「パンもおいしいし、また行こう」って思った人がだんだん増えて、今のように行列のできるほどのお店になっているんだと思います。

 「世の中にこんなすてきな人がいた」という出会いは人生を豊かにします。ですから、外販は売り上げをぷかぷかにもたらすだけでなく、お客さんの側にも豊かなものをもたらしている気がするのです。社会の希望といっていいくらいの豊かさです。

  

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