ぷかぷか日記

「子どもたちにオペラを・ゆめ基金」立ち上げました。

 オペラシアターこんにゃく座のオペラ「ロはロボットのロ」はパン作りの得意なロボットが主人公の、子ども向けの楽しいオペラです。

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 8年ほど前、パン屋の構想が持ち上がったとき、お金が儲かったら、そのお礼に、このオペラを地域の子どもたちにプレゼントできたらいいな、と漠然と思っていました。ところがこの作品はかなり昔の作品で、こんにゃく座に問い合わせしても、もう再演の予定はないという返事でした。ところが再演のリクエストがあちこちからあったのか、今年の5月から7月にかけて再演するという話を俳優座であったオペラの公演の際に聞き、すぐに申し込みました。

 別にパン屋が儲かったからではありません。今はぷかぷか三軒長屋にお金がかかりすぎて、資金繰りはかなり厳しい状態です。

 でも、このチャンスを逃したら,多分二度とチャンスは来ないと思い、もうその場で申し込んだのでした。ちなみに値段はいくら?と聞くと、1ステージ80万円ということでした。本来なら値段を聞いてから申し込むものですが、やりたい!という思いがもともとあったので、再演の話を聞いて即座に申し込みました。

 オペラシアターこんにゃく座の舞台を考えると、1ステージ80万円というのは,まぁ、妥当な金額だと思います。それでも、80万円は安くない金額です。簡単に用意できる金額ではありません。仮にこれが1ステージ1,000万円だとすれば、はじめからこれはもう無理だとあきらめます。でも80万円なら、少し頑張って寄付を集めれば、まぁなんとかなるかなと思いました。

 実現可能な小さな夢、といってもいいかもしれません。なんとかなりそうな範囲の,小さな夢です。

 とてつもなく大きな夢だと、ゴールまであまりにも遠く、人はなかなか動きません。でもひょっとしたら実現できるかも知れない小さな夢なら「ちょっとやってみようか」と人はそれに向けて動き出します。

 子どもたちにオペラをプレゼントする,というのは、おもちゃをプレゼントするのとは、全く意味合いが違います。何かこう、企画自体に夢があるというか、豊かなものを感じるのです。

 オペラはひとときの夢の世界です。それを子どもたちに楽しんで欲しい。それをすると何かが変わるとか、何かリターンがある,というわけではありません。ほんのひととき、夢の世界を子どもたちが楽しむ、ただそれだけです。

 ただそれだけのために、たくさんの大人たちが資金集めに汗を流す。そういうことがすごくいいなと思うのです。自分には一文の得にもならないことに夢中になるということが…。

 

 会場はみどりアートパークのホール。7月19日(日)午後2時開演です。300人入るホールで、三分の二は子ども、三分の一は大人を考えています。子どもはプレゼントなので無料。大人は3,000円です。(このオペラ、東京の俳優座あたりでやれば6,000円くらいします)

 本番前に、オペラシアターこんにゃく座から歌役者とピアニストに来ていただいて「歌のワークショップ」をやります。オペラ『ロはロボットのロ』で歌われる歌をみんなで歌います。6月13日(土)と7月4日(土)の2回やります。いずれも午後1時から3時までです。会場はみどりアートパークリハーサルルームです。

 子どもたちにオペラをプレゼントする、という夢を実現するために『子どもたちにオペラを・ゆめ基金』を立ち上げます。NPO法人ぷかぷか理事長の高崎、バオバブ保育園園長の浜谷が中心になって準備を進めています。事務局はNPO法人に間借りします。

 「よし、のった!」「おもしろそう!」「いっしょに夢を実現したい」と思われた方、パン屋、カフェ、お惣菜屋に「子どもたちにオペラを・ゆめ基金箱」をおいておきますので、ぜひご寄付をお願いします。

 遠方の方は郵便振替口座をご利用ください。(「子どもたちにオペラを・ゆめ基金」は法人格を取得していないので、この名前では口座が開けないため、「NPO法人ぷかぷか」の口座を借ります。)

 振替口座は 口座記号 00260-4  口座番号 97844

       加入者名 NPO法人ぷかぷか

 

 宣伝したり、寄付を集めたりするお手伝いの方、大募集!です。下記の問い合わせ先に連絡ください。

 

費用概算
●オペラ公演費用  800,000円
●ホール付帯設備費用 30,000円(ピアノ11,600円、照明12,000円、
  音響3,500円、予備費2,900円、ホール利用料はアートパーク共催の
  ため無料)
●チラシ、ポスター等宣伝費70,000円(チラシA4両面印刷6,500部  
  31,700円、ポスターB2版100部38,300円)
●歌のワークショップ費用 220,000円
   歌役者40,000円×2回=80,000円、
   ピアニスト40,000円×2回=80,000円
   会場費(リハーサルルーム)30,000円×2回=60,000円
●チケット売り上げ
  大人3,000円×100枚=300,000円,総席数300のうち2/3は子ども、
  1/3は保護者。子どもは無料)

支出1,090,000円ーチケット収入300,000円=790,000円
この79万円を寄付、助成金などでまかないます。

★チケットおよび子どものオペラプレゼント券は公演の一ヶ月前からパン屋でお渡しします。

 

オペラの内容は


ロはロボットのロ – ぷかぷかパンの店『カフェベーカリーぷかぷか』

 

みんなでいっしょに夢を!

 

問い合わせ pukapuka@ked.biglobe.ne.jp
      045-453-8511  NPO法人ぷかぷか   高崎

ぷかぷかのBGM

 ツジさんはパン屋で働いています。レジのそばでのべつしゃべりまくっています。世界の­都市の名前、クラシックの作曲家、1980年代の歌謡曲の名前などなど、よーく聞いて­いると、とにかくものすごい知識量です。おしゃべりしながらもちゃんとお客さんの方を­見ていて、会計の時はレジの10倍くらいの早さで暗算し、○○円です!といいます。ツ­ジさんのおしゃべりはお店のすばらしいBGMになっています。ぷかぷからしいBGMというか、これがBGMになってしまうところがぷかぷかです。実際このBGMが聞こえないときは、なんだかぷかぷかじゃないみたいで、淋しい雰囲気です。

 


ぷかぷかのBGM – YouTube

  

「あなたがいないと困るんです」という言葉に胸がきゅん

 Youtubeのダイジェスト版を見た横浜シュタイナー学園の先生から映画を作った宮沢さんのところへ

 

高崎さんの「あなたがいないと困るんです!」という言葉に胸がきゅんと致しました。

 

という感想が届いたそうです。「胸がきゅんと致しました」なんて言われると、なんだか気恥ずかしい気がするのですが、言葉の表現はともかく、私の言葉が映画を見た人の心をほんの少し揺さぶったのかなと思いました。

 これは映画の中で私が知的障がいのある人たちとの関係を語った言葉で、彼らといっしょにワークショップをやっているうちに、彼らに向かって「あなたがいないと困る」と言えるような関係が自然にできた、と語った部分です。

 何考えているかわからない、怖い、いっしょに何かやろうとすると面倒なことがいろいろ起こる、効率が落ちる、などを理由に、どちらかといえば彼らは社会から疎外されています。そういった社会的状況の中で、彼らに対し、素直に「あなたがいないと困る」「一緒にいて欲しい」と言える関係が自然にできてくるって、考えてみればすごいことだと思います。

 ワークショップの場で,どうしてそんな関係ができてくるのか、彼らといっしょにワークショップをやろうと提案した私自身、うまく言葉で説明できません。そういう関係ができることを予測して提案したわけではなく、彼らといっしょにやれば、何かとてつもなく面白いものができるという予感だけがあって,いっしょにワークショップやってみよう、と提案したのです。

 その、とてつもなく面白いものができていく過程の中で、気持ちのどこかに「彼らのために」という思いのあった地域の人たちが

 「彼らを支えようという思いで参加したのですが、支えられているのは私たちの方だということがだんだんわかってきました」

とふり返りの中で語ったあたりから、彼らとの新しい関係がはっきり見えてきたのだと思います。彼らに向かって「あなたがいないと困る」「あなたに一緒にいて欲しい」と素直に思える関係です。そういう関係がワークショップ参加者の中で共有できてきた、ということです。映画の中で私が語っている言葉はここから生まれました。

 このことの客観的な評価をもっともっとたくさんの人がやった方がいいと思っています。

 彼らを社会の中から締め出してしまうとき、締め出した側も、許容できる人間の幅が狭くなり、お互いが生き辛くなります。お互いが息苦しい社会になっていきます。そんな中にあって、「彼らがいないと困る」「彼らに一緒にいて欲しい」と素直に思える関係ができた「場」は、この息苦しさが増す一方の社会にあって、この問題を解決していく手がかりを提案しているように思うのです。

 

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 Youtubeのダイジェスト版はこちら。もう340回も再生されています。もっともっとひろがって欲しいと思っています。


映画『ぷかぷか』ダイジェスト – YouTube

 

 

 

 

 

気がついたら舞台に

 みどりアートパークであった「身体で聴こう音楽会」にぷかぷかのメンバーさんといっしょに行ってきました。うたと手話を楽しもう!コンサートです。

 第一部のHANDSIGNは手話を取り入れたダンスで、エグザイルのようなパワフルなダンスに手話を取り入れた熱気むんむんの舞台でした。手話って、こうやって使うとアートなんだと思いました。何よりもかっこいい!って感じ。まじめに手話の勉強しようと思いました。

 第二部は野呂愛美さんのコンサート。野呂さんは去年やった「表現の市場」を見に来ていて、以来ぷかぷかのファンになって、毎日のようにFacebookページを見てくれています。今日はコンサートの途中でぷかぷかを紹介してくれ、「森は生きている」の本番舞台の写真もプロジェクターで映してくれました。来年2月14日にやる予定の「表現の市場」の宣伝までしてくれました。

 「森は生きている」をすばらしい声で歌い、2回目を歌う前の、ちょっとした隙間に、私の周りに座っていたメンバーさんが一斉に立ち上がり、気がつくと舞台に上がって野呂さんといっしょに「森は生きている」を歌っていました。

 プロの歌手の舞台に駆け上がるなんて、普通はあり得ないのですが、特に気にもせず、当たり前のように上がってしまうところが彼らのすごいところ。

 一瞬にして舞台と会場の雰囲気を変えてしまった彼らに拍手!でした。

 

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映画を見ながら同じ時間を待つということ

  ワークショップのドキュメンタリー映画は面白い映画ですが、ひとりで見て、「ああ、おもしろかった」で終わるのでは,ちょっともったいない気がしています。見終わったあと、多分、新しいことは何も始まりません。でも、何人かでいっしょに映画を見て、そこで見えてきたことをみんなで共有し、障がいのある人たちといっしょにできることをみんなで探したり、彼らといっしょに生きると、なんで「得」なんだろうねっていっしょに考えたり、彼らといっしょに簡単なワークショップをやってみようか、っていう話になったりすれば、きっと新しい何かが始まり、今よりちょっとだけ前に進むことができます。

 そんな上映会のために表現の市場の本番舞台とそれに至るまでのワークショップの記録(メイキング映像)を合わせて3時間近い長編を、1時間から1時間20分くらいに編集し直してもらえないかと宮沢さんに依頼しました。で、昨日それができあがり、宮沢さんの説明を聞きながら映画を見ました。

 できあがった新しい映画は表現の市場が43分、メイキング映像が88分、合わせて131分。2時間11分の映画を見たあとみんなで話し合い、というのは結構きついなぁ、と思いながら、ともかく映画を見ました。

 ここはこのシーンがいいから短くできない、ここはこの人がこんな事をやっているから外せない、と場面ごとに宮沢さんの思いのこもった解説が入り、自分の撮った映像,被写体になった人たちがいとおしくてしょうがない、もう抱きしめたいような思いでこの映画作ったんだな、とあらためて思いました。

 言葉がなかなか出てこない人がいます。でもみんなはせかすこともなく、言葉が出てくるのを待っています。カメラはその「時間」をそのまま写しています。ですから見る人も同じ時間を待つことになります。そうすることで、ワークショップの場で何が起こっているかを見る人にも共有して欲しいというわけです。

 ここを編集して短くカットし、その場で起こったことをテロップやナレーションで簡潔に説明する方法もあって、見る方はその方が楽?なのですが、それは違うと宮沢さんは言います。同じ時間を待つこと、それが彼らといっしょに生きていく、ということであり,それを宮沢さんは伝えたいのだと思いました。

 私は安易に1時間くらいに編集し直してください、なんて頼んだのですが、宮沢さんと話をしながら映画を見ているうちに、その作業は宮沢さんにとって とても辛い作業だったんだなと思いました。1分の映像に込めた思いを削ることの辛さです。申し訳なかったなと思います。

 上映会は主催する方とよくお話をして、1時間半のメイキング映像だけにするとか、43分の表現の市場の映像もいっしょに見るとか、臨機応変に対応したいと思います。

上映をお考えの方は連絡ください。pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

 

 

  新しく編集したメイキング映像で面白かったのは、本番の舞台にも台本を手に持っていたリエさんの発見(!)です。リエさんは台詞がうまく言えるかどうか心配で心配で、本番の舞台にまで台本を手にあがっていました。誰もそのことに気がつかなかった、というところが、いかにもぷかぷかの舞台です。

 映像でやたら矢印が出てくるので、なんだろうと思っていると、この台本でした。その台本が、ある場面からふっと消えます。あれ、どうしたんだろう、と思っていると、replayのメッセージが出て、映像が巻き戻されます。何かのアクションの時にリエさんは台本を床に置きます。それを見つけたぷかぷかのスタッフのオダさんが,さりげなく後ろに隠しました。ここはたまたまカメラに写っているのを宮沢さんが見つけたらしいのですが、オダさん自身はよく覚えてないそうです。床に置かれた台本に対し、頭よりも、体が自然に動いたのだと思います。

 そういう誰も気がつかないようなフォローがたくさんあって、あの舞台は成り立っていたんだな、とあのreplayの場面を見て,ちょっとじ〜んと来てしまいました。「よく覚えてないわ」なんてさらっと言うオダさんも隅に置けない人だと思いました。

  

 

 

それじゃあ、人生つまらないじゃないですか

 横浜地域福祉研究センターで新しいセミナーを始めるにあたっての集まりで、重度障害のある子どもを抱えたお母さんの発言に目が覚めるような思いをしたことがあります。養護学校を卒業したあとは、重度心身障害者の施設に入るというのがおきまりのコースですが、

「それじゃあ、人生つまらないじゃないですか」

と発言し、なんかほっぺたをバチ〜ンと張られたくらい感動してしまいました。そのお母さんは、重度の障害を抱えた息子さんといっしょに、なんと「自営業」をやりたいというのです。要するに「商売」です。

 

 私たちは「働ける」「働けない」で人を分けてしまっていますが、そのお母さんはそのカテゴリーを突き抜けたところで息子さんを見ているようでした。だからこそ、その「働けない」といわれている息子と一緒に商売をはじめます、とさらっと言ってのけたのだと思います。

 その「志」がすばらしいと思うのです。仲間うちの「お仕事ごっこ」ではなく、自営業をやる、つまり社会の中でちゃんと商売をやろうというのです。

 決められたレールの上を行くだけの安全な人生なんて「つまらないじゃないですか」と,蹴っ飛ばし、息子と一緒に「冒険」とも思えるような人生にチャレンジするなんて、もう聞いただけでわくわくしてしまいます。

 もちろん超えなければならない難問は山ほどあると思います。でもそれにひるむことなく、「自営業をやります」と人前で言い切る姿がさわやかでした。

 

 お母さんの人生、というより、自分自身の人生をしっかり生きて生きたい、という気持ちをびりびり感じました。

 やわな自分の人生を揺すぶられた気がしました。

 

さあ、商売に出発!

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まっすぐに届いた気がしました

 ワークショップの記録映画「ぷかぷか」のDVDを購入された方の娘さんの感想が送られた来ました。

 

  すごかった。引き込まれるように目が離せなくなり、一気に最後まで観た。

 あんなに楽しそうに、笑っている、本当に心の底から笑っている、そんな人たちを初めて見たような気がする。みんなすごく楽しそうだった。心から笑っていた。

  自分は、学校で相手(クラスメート)は、裏では本当は何を考えているんだろう、腹黒くて、つい裏のことを考えてしまうけど、DVDでは、そんなことは全くなくて、みんな自然体でとても純粋だった。重要なのは、周りからどう思われるかじゃなくて、自分が楽しんでるかだと思った。

  この人たちは、なんでこんなこと、ワークショップをやっているんだろうと思った。利益のため?なんでやってるの?と思ったけど、ただ一緒にいたい、表現したいんだとDVDを観ていて思った。

 

 映画は6ヶ月にわたるワークショップの記録をまとめたもので、本番の舞台も入れて3時間弱の長い映画です。 それを夜中に一気に見た,というのですからすごい!のひとことです。

  若い方がこんなふうに受け止めてくれて、ほんとうにうれしいです。(高3だそうです)

 「本当に心の底から笑っている、そんな人たちを初めて見たような気がする。」

 ワークショップでは,障がいのある人もない人も、お互い笑い合っていっしょに生きていけるような仲間ができるといいなと思っていました。そんな思いが若い人の心にまっすぐに届いた気がしました。

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音を消して見てみたら

  映画『ぷかぷか』ダイジェスト版テロップ付きができました。聴覚障害の方にも映画を楽しんでもらおう、ということで映画を制作した宮沢さんがテロップを入れました。


映画『ぷかぷか』ダイジェスト テロップ入り – YouTube

 

 音の聞こえない人にはこのテロップ付きの映画がどんなふうに見えるんだろう、と実際に音を消して見てみました。当たり前のことですが、すばらしいピアノの音や、みんなのざわめきが全く聞こえなくて、とても淋しい気がしました。いろんな人の、いろんな言葉のやりとり、大きな声、小さな声、つぶやき、みんなのざわめき、台詞が出てこない間合い、歌、ピアノ、歩く音,笑い声、などなど、世界は実に様々な音で満ちていて、それ故に豊かなんだと、音を消してみてあらためて気がつきました。

 音がある世界が当たり前、と思っている私たちにとっては、音を消した映画はやはり淋しい世界、という風に思ってしまいます。では、音の聞こえない世界に生きている人たちは、いつもこんな淋しい世界に生きているのかというと、どうもそうじゃない、音の聞こえない世界を、もっと違う形で受け止めているんじゃないか、そんな風に思いました。

 ワークショップの進行役として参加していただいた『デフパペットシアターひとみ』(音の聞こえない人たちと聞こえる人たちがいっしょに人形劇を作っている)の人たちの舞台に出会う中で、音が聞こえない世界の豊かさを私は教えてもらった気がしています。


デフ・パペットシアター・ひとみ – Deaf Puppet Theater Hitomi

 

 昨年11月におこなった『表現の市場』に登場したデフパペットシアターひとみの舞台は、表現される世界の質の高さにおいて群を抜いていました。特に宮澤賢治の人形を使った静謐な舞台は、詩と重なって、背中がぞくぞくするほどでした。プロとアマの違いはあったにせよ、聴覚障害のある人たちの創り出す世界の豊かさを見せつけられた気がしました。

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 音を消して見ると、聴覚障害の人たちの生きる世界に、ほんの少しふれることができるかも、などとYoutubeの説明に書いたのですが、なんとも浅い感覚だったと、実際に音を消して映像を見てから気がつきました。 音を消してダイジェスト版を見て淋しいと感じるような感性ではなく、音が聞こえないが故に、何か研ぎ澄まされた感覚で世界を感じ取ってるのではないかと思ったのです。

 聞こえないが故に感じ取れる世界。その世界をデフパペの人たちにもっともっと教わりたいと思いました。

 

 今年のワークショップにもデフパペットシアターの人たちに進行役としてきてもらう予定です。ワークショップで作った芝居の発表は来年2月14日(日)みどりアートパークのホールでおこなう『表現の市場』でやります。楽しみにしていてください。ワークショップは9月スタート、毎月第三土曜日にみどりアートパークリハーサルルームでおこないます。前日のリハーサルも含め全7回です。詳しい内容はホームページの『ワークショップ』のタグをクリックしてください。問い合わせなどは

   pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

 

 

 

るるぶでぷかぷか

  るるぶでぷかぷか、と書くと,なんのこっちゃ、という感じですが、「るるぶ」という本で「ぷかぷか」が紹介される、という話です。

 で、今日、るるぶ情報版『るるぶ横浜線沿線』という本の編集者が取材に来ました。

 どうして「ぷかぷか」に来たんですか?と聞くと、読者からのリクエストがあったからだそうで、これはうれしい話でした。ぷかぷかのパンがおいしいと感じたり、ぷかぷかの雰囲気がいい、と思う人が増えてるのかなぁ、と思いました。

 十六穀パンの生地で自家製のあんこを包んだプレミアムあんパン、クリームパン、カレーパンなど試食していただいたのですが、どれも絶賛していました。

 おもしろかったのは「ぷかぷか」で働いている障がいのある人たちの作品に興味を持って写真をバチバチ撮っていたことです。

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 「るるぶ」はあくまでお店の情報誌であって、その情報は大概これがおいしいとか、ここが見どころ、といった記事が多いと思うのですが、そういった情報の中に障がいのある人たちの情報が入る、ということです。

 取材に来られた方も、なんだか取材の範囲を超えてるわ、とかいいながら楽しそうにメンバーさんの描いた絵や作品の写真をいっぱい撮っていました。理屈抜きにいい!これで食べていけるんじゃないか、と、もうべたほめでした。

 今日の取材からどのような記事が生まれるのか全くわかりません。でも、どこかいいお店ないかな、って「るるぶ」を開いた人が、予想もしなかった障がいのある人たちの働くお店を見つけ、そこはちゃんとしたおいしいパンを作っていて、味のある絵を並べていたり、そんな絵から生まれた素敵な商品を並べている、といったことの発見は、なんだかすごくおもしろいなと思うのです。

 「コトノネ」という雑誌があります。障がいのある人たちに関わりにある人たち,関心のある人たちが読む雑誌です。その2月号に「ぷかぷか」の記事が載りますが、それよりも「るるぶ」に載る「ぷかぷか」の記事の方が、本を読む読者層を考えるならば、はるかにインパクトがあって面白いと思いました。そして何よりも、こういう広がりこそ大事な気がします。るるぶのような本の読者にこそ、ぷかぷかのメッセージを伝えたいと思いました。

 3月下旬に書店に並ぶようです。本の名前は るるぶ情報版『るるぶ横浜線沿線』です。

 

 

思いを込めた新しいチラシ

  思いを込めた新しいチラシが完成しました。ぷかぷからしいほんわかした雰囲気のチラシです。B5二つ折りの4ページ。

 1ページ目。みんなでルバン種のパンを担いでいます。障がいのある人たちと、いっしょにパンを担いで生きていこうと思うのです。いっしょだから、こんなに大きなパンも担げます。彼らとは、いっしょに生きていった方がいいよ、って。

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 2ページ目。子どもがクリームパン(ぷかぷかで一番人気のパン)を持っている絵と、ぷかぷかのメッセージを重ねました。いちばん見て欲しいページです。

 ぷかぷかには、毎日子どもたちがたくさんやってきます。子どもたちは、クリームパン食べながら、ぷかぷかをしっかり見ています。子どもたちが大きくなって、社会を担うようになったとき、ぷかぷかのようなお店が、当たり前のように街のあちこちできるといいなと思っています。

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 3ページ目。各お店の紹介ページです。5年目でこんなにお店が増えたんだ、と自分でもびっくりするようなページです。どのお店も、心がほっこりあたたまります。ぜひお出かけください。

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 4ページ目。ぷかぷか三軒長屋の前のスペースは、こんな雰囲気になればいいな、という思いで絵を描いてもらいました。パンや、お惣菜や、アート商品を買うだけのお店ではなく、ここに来ると、なんだかホッとした気分になって、ちょっと自由になれて、絵を描いたり、楽器を弾いたり、お茶飲みながらぼんやりしたりして、ちょっとだけ元気になれる広場。誰かと友だちになったり、誰かといっしょに何かを作ったり、誰かとおしゃべりしたり、知らないうちに人と人とがつながれる広場。その軸になるのが、ぷかぷかで働いている障がいのある人たち。彼らがいるからこそ、こんなすてきな広場ができます。

 

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 チラシはお店に置いてあります。何枚でも持って行ってください。ぜひお友達に配ってください。こんな楽しいお店があるよ、って。

 遠方の方にはメールで送り先を教えていただければ郵送します。  pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

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