ぷかぷか日記

オープンから一週間

2月28日のオープニングイベントは小さなお店の中でワークショップや似顔絵、ガラスペイントなどイベント盛りだくさんで大賑わいでした。
飛び入りで演奏会が始まったり忍者もやってきたり、わたしたちもわくわくした時間を楽しませていただきました。
本当にありがとうございます!!

週が明けてからは、オープンの日は都合が悪かったけれど急いで来ました!という方や早くも二回目のご来店の方々も。

現在も工事進行中のわんどは入り口のドアの取っ手も窓ガラスもなく、トイレの鍵もついていないというとんでもない状態でスタートしましたf^_^;

それでも「ぷかぷからしいね」と笑って受け入れてくださる温かいみなさんとお付き合いできることがとっても嬉しいです。

コトノネさんから“とまどう楽しさ”と評されたぷかぷか遺伝子は
わんどにしっかりと受け継がれています!
(ここまできたら開き直るのみ!)

オープンから一週間、取っ手もつき、トイレは安心して利用できるようになりました笑

訪れる度に新しい発見があるはずです!
二度三度、四度五度のご来店お待ちしております〜♡

(ゆっこ)

「あなたにいて欲しくない」と「あなたにいて欲しい」

 アメリカのボーイング社が「教育、健康福祉、環境、市民活動」に関して助成金を募集していたので、ワークショップの費用を助成してもらおうと申請書作成に取りかかりました。

 申請書に書く項目として「社会のニーズにどのように貢献できるのか」というのがありました。今まで「解決すべき社会的課題」というのは、どの申請書にもありましたが、「社会のニーズ」という言葉は申請書としては初めて見ました。

 要するに「社会が求めている」ということだと思うのですが、ワークショップを社会が求めているかというと、どうもそういう感じではありません。ではどこに「社会のニーズ」を見つければいいのでしょう。

 

 社会はまだまだ障がいのある人たちといい関係が作りきれず、彼らを社会から締め出してしまっています。それは、ストレートにいえば「あなたにいて欲しくない」「あなたは必要ない」「あなたがいると困る」と言ってることになります。ずいぶん失礼ないい方ですが、社会の中に彼らが堂々と働く場所,居場所がないのは、やはり社会がそんな風に彼らのことを思っているからだと思います。

 彼らをそんな風に社会から締め出してしまうのは、社会の大変な損失だと思います。

 「ぷかぷか」は彼らがいることで、豊かな広がりを持ったお店になっています。彼らがいるから、いろいろな物語が生まれています。ホームページやFacebookページで毎日のように様々な物語を発信できるのは、彼らのおかげです。彼らのおかげで生まれる楽しい物語は、お店に関わる人たちだけでなく、社会全体を豊かにしています。彼らが生み出す物語は、今までにない「新しい価値」と呼んでもいいくらいだと思います。

 彼らがいないと、ただのパン屋で、こんな物語は生まれようもありません。彼らを締め出してしまうのは、ですから社会の大変な損失になります。生まれるはずの新しい価値を,見もしないで捨てているようなものです。もったいないというか、「いっしょに生きなきゃ損!」だと私は思っています。

 

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 以前にも書きましたが、ワークショップは彼らに対して「あなたにいて欲しい」「あなたが必要」「あなたがいないと困る」といった関係を自然に作ってきました。社会が作りきれなかった関係を、いとも簡単に作ってしまったのです。

 関係を作っただけでなく、その関係の中で何ができるのかを芝居の形で具体的にお客さんの前で発表しました。それは、彼らがいたからこそ創り出すことのできた「新しい価値」を提案できたと言い換えてもいいでしょう。新しい価値は新しい文化と言ってもいいと思います。文化は社会を豊かにします。

https://www.youtube.com/watch?v=xYB810A84eQ

 

 社会の損失を防ぎ、新しい価値を創り出し、社会を豊かにすることは「社会のニーズ」といっていいのではないかと思うのですが、どうでしょうか?

 ぜひご意見お聞かせください。

   pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

 

 

 

 

そのことをどこまで信頼し抜くか

 ぷかぷかを立ち上げたとき、講師を呼んで接客の勉強をみんなでやったことがあります。普通のお店ならどこでもやっている接客でしたが、それを障がいのある人たちがやるのは、かなりむつかしい気がしました。何よりも、なんかおもしろくないというか、彼らの、せっかくの持ち味が生かせない気がしました。彼らの持ち味が生かせなければ、彼らが接客する意味がありません。

 彼らの持ち味を生かす、ということは、こちらがとやかく言わずに、彼らに任す、ということです。言い換えれば「管理しない」と言うことです。

 前回のブログで紹介した「おいしいかい!?」なんて言う言葉も、管理していない環境だからこそ、ぽろっと出てきたのだと思います。普通はお客さんに向かってこんな言葉は使いません。

 でも、そのとき、厨房にいたトシヤンはお客さんがあんまりおいしそうに食べてるので、なんだかうれしくなって、ついカーテンをシャッとあけ、ニカーッと笑いながら

「おいしいかい!?」

なんて言ったんだろうと思います。聞いたお客さんも、

「え?!」

とか思いながらも、トシヤンの投げかけた言葉の、なんとも言えないおかしさ、あたたかさに、クスッとしながら、負けずに大きな声で

「おいしいです!」

って、応えたんだろうと思います。トシヤンは、そうだろうといわんばかりに

「フフ〜ン」

と笑い、カーテンを閉めたようです。

 その余韻の中で、お客さんは

「また来よう」

って思ったというのですから、おもしろいですね。この一瞬のやりとりで、ぷかぷかのウィルスに感染してしまったとお客さんは言ってました。

 

 こういう思ってもみない、全く想定外の、楽しい、あたたかな出会いは、管理された空間からは絶対に生まれません。

 もちろんこの一瞬のやりとりがいつもうまくいくとは限りません。事実カフェのお客さんで利用者さんの言葉に不愉快な思いをしてクレームをつけた方もいます。でも、だからやはり管理が必要だ、というのではなく、そういったリスクを抱え込みながらも,なお、彼らの持ち味を生かすお店、彼らの持ち味にふれ、お客さんの心がキュ〜ンとあたたまるようなお店にしたいと思うのです。

 

 福祉事業所が運営するお店に行ったお客さんが、

「ぷかぷかに来ると、なんだかホッとする」

とおっしゃってましたが、管理されたお店は、お客さんにとっても息苦しいのだと思います。

「なんだかホッとする」

という言葉こそ大事にしたいと思うのです。そういう空間を彼らは自然に作り出してくれます。

 そのことをどこまで信頼し抜くか、だと思います。

 

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おいしいかい!?

 ぷかぷかのウィルスに感染した、という人がいました。

 

 子供2人を連れてカフェでランチを食べていました。お客さんは私の家族と他に

もう一組だったかと思います。

 お天気も良く明るくゆったりとした空気の中で

「おいしいねー」

「もう1回チョコパンとチーズのパンおかわりしたい」

などと子供と話をしていました。

 そしたら厨房の小窓のカーテンが急にシャッ!と開き、ニコニコ笑顔にマスクの方が

「おいしいかい!?」

と聞いてきました。

 一瞬何が起こったのかわかりませんでしたが、とっさに

「美味しいです!」

と負けじと大きな声で答えました。

 その方は、そうだろうと言わんばかりにニコニコのまま

「フフ〜ン」

と笑い、カーテンを閉めました。

  多分10秒程のできごとでしたが、この思ってもみない楽しいやりとりで、また食べに来ようと思いました。

 ぷかぷかウィルスに感染したのは、多分この時だと思います。

 

 

 これがきっかけでその方はぷかぷかパン教室に来るようになり、

いろいろお話をし、今はスタッフのひとりとして毎日楽しく働いています。

 「ウィルス」という言い方がいいですね。そうとしかいいようのないものが

「ぷかぷか」にはあるんだと思います。

 「ぷかぷかのファンです」とおっしゃるお客さんが最近増えていますが、

こういう方も多分ウィルスに感染したのではないかと思います。

 

 にしても、「おいしいかい!?」のひとことで、お客さんの心をわしづかみにしてしまうなんて、超人的接客だと思いました。

 

「おいしいかい!?」

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社会を変えられる、と信じる

 3月1日、日本財団であったコミュニティフォーラム2015「社会を変える、強くあたたかい組織の秘訣」に参加してきました。

 各地で活発に活動しているNPO法人の方の話をいろいろ聞いたのですが、印象に残ったのは

「社会を変えられる、と信じられるか」

という言葉でした。

 NPO法人の設立目的は様々な社会的課題を解決することにあります。そのことがほんとうに実現できる、と信じてはじめてNPO法人を立ち上げることができるのだと思います。

 実際、私自身、社会を変え、未来を自分で創っていくことができる、と信じたからNPO法人ぷかぷかを立ち上げることができたと思っています。「障がいのある人たちの社会的生きにくさを解消し、お互いが生きやすい社会を創っていく」という壮大な目標を法人の設立目的にしたのも、事業を開始するために退職金をすべて使ってしまったのも、そんな風に社会を変えていけると信じたからです。社会を変えることで、障がいのある人たちが、彼らを取り巻く地域の人たちみんなが、お互い気持ちよく生きていける、と信じたからです。

 あれから5年。ぷかぷかの周辺の社会は明らかに変わってきました。最初の頃、利用者さんの声がうるさいの、ウロウロすると目障りだの、と様々な苦情が寄せられ、もう心が折れそうになったこともたびたびありました。

 それでも「この社会は変えられる」と信じ続け、ぷかぷかの活動を続けてきました。その結果、「ぷかぷかのファンです」と自己紹介してくれるお客さんがたくさんできたり、区役所の外販で売り上げが10倍に伸びたり、しんぶん配布中に迷子になってしまった利用者さんに地域の方がやさしく声をかけてくれたり、少しずつですが地域社会は変わってきました。

  子どもの誕生会のあと、利用者さんといっしょに写真を撮らせて下さい、とおっしゃったお客さんがいました。そうして撮った写真がこれです。今、この写真の赤ちゃんは3歳になり、先日アート屋わんどのオープニングに来てくれました。一家3人の似顔絵をヨッシーに描いてもらいました。2月28日のブログにその写真が載っています。

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 「自分の手で社会を変えられるか」という問いに対し、「そんなことできるわけがない」と思っている限り、社会は何も変わりません。でも、「社会を変えられる」と「信じ続ける」、「こうありたい」「こんなことができるんじゃないか」「こんなことができるといいな」と「思い続ける」ことで、ぷかぷかの周りの社会は、ほんの少しですが、変わってきました。

 

 「信じ続けること」「思い続けること」というのは、一つの大きな「力」になるんだと思います。その力が地域社会を少しずつ変えてきたんだと思います。

 

 

せのびをしたら とどくきょり

 アート屋わんどのギャラリーに飾ってあったgaiさんの絵に添えられた言葉が素敵でした。

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 どちらかと言えば,ちょっと突っ張ってる感じもあって、おつきあいのむつかしい方ですが、こんなにやわらかな心を持っていたんだ、となんかホッとしたというか、全力で応援したくなりました。

 

 せのびをしたら とどくきょり

 あと… もうすこし…

 

 詩ですね、これは。

 

 

 絵。顔を見せないで、一生懸命背伸びした細い足。余韻を残して…深いものを感じます。

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「アート屋わんど」ついにオープン!

 「アート屋わんど」がオープンしました。

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 オープニングイベントは「森は生きている」を歌い、谷川俊太郎の詩「はる」を朗読しました。そのあと、ダイちゃんの太鼓、ヨッシーのリコーダー、ツジさんの歌がありました。

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宮沢あけみさんのライアー演奏もありました。

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いよいよオープン。入り口には靴が所狭しと置かれ…

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子どもたちは窓ガラスに落書き

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子どもたちは大きな布に絵を描きました。

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色を塗りました。

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乾いたら天井に張り付ける予定です。

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 ヨッシー画伯の似顔絵コーナー

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まず名前を聞きます。

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どんどん描いていきます。

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できあがった似顔絵とモデルの方たち。みんなの笑顔が素敵です。

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Tシャツです。

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刺繍の入ったものもあります。

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さっそく買った人も

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すぐに外で元気にあそんでいました。

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ライアーを囲んで歌う人たちも

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アクセサリーコーナー

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こんな小さな子が…

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開放的な窓

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中からも落書き

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お母さんの顔にも落書き

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こんなところにも落書き

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外ではなぜか忍者が登場。大変な人だかり。

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階段でのんびりパンを食べる家族も

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パン屋の前のテーブルでは

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ワークショップで作った作品を手に大満足

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頭にアクセサリーが

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楽しい一日でしたね。みなさまお疲れ様でした。

また、こんないい一日をみんなで作りましょう。

ここに来るとなんだかホッとしたり…

いよいよ明日『アート屋わんど』がオープンします。パン屋、惣菜屋、アート屋の「ぷかぷか三軒長屋」のはじまりはじまり、というわけです。

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 「ぷかぷか三軒長屋」は、ただお店が三軒並んでいる、というのではなく、ここに来るとなんだかホッとしたり、元気になったり、絵を描いてみたくなったり、フルートを吹いてみたくなったり、ゆっくりお茶飲みながら一人でぼんやりしたくなったり、友だちとおはなししてみたくなったり、なんかそんな楽しいスペースになればいいなと思っています。そんな思いをチラシをデザインしてくれた女子美の生徒さんに話をして描いてもらったのが、新しいチラシの地図です。

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  私の話を聞いただけで描いてくれたので、すばらしい想像力を持った方だと思いました。私がイメージしていたとおりの「ぷかぷか三軒長屋」=小さな街です。

 街の中にこんなスペースができたら,街はすっごく楽しくなると思います。街はやはり楽しくないとつまらないです。

 この楽しい「ぷかぷか三軒長屋」のいちばん軸になっているのが、やはりここで働いている障がいのある人たちです。彼らのおかげで「ぷかぷか」は元気のいい,楽しいお店になっています。彼らがいてこその「ぷかぷか」であり、彼らに支えられているお店です。「ぷかぷか三軒長屋」も、きっとそんな場所になると思います。さぁ、どんな街になるのか、今からわくわくしています。

 

 

小さなテーマパーク?

 今月28日(土)にアート屋わんどがオープンします。そのお知らせといっしょに看板の写真をホームページにアップしました。看板の写真は夕暮れ時、逆光で撮ったので、なかなか深みのある写真になりました。反対方向から順光で撮ったのもあるのですが、平板な感じがしたので、逆光で撮ったものを載せました。

 深みのある写真はよかったのですが、この看板の写真だけを見ていると、小さなテーマパークでもあるのかな、と勘違いしそうな雰囲気です。写真からイメージする看板は、かなり大きな感じがするのですが、実際は小さなお店の小さな看板です。

 写真からイメージするお店が、実際はどんなお店か、ぜひ見に来てください。

 

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職人だけの世界を生きてきた人に

 ぷかぷかで働くようになって6ヶ月目のパン職人の方と話をする機会がありました。給料は安いし、パンを作りながら利用者さんの面倒も見なければならないので、このまま続くのかなぁ、と、ちょっと心配していました。

 ところが返ってきた言葉は

「なんか、豊かになった気がします」「人間の幅が広がった気がします」「もうパン職人だけの世界には帰れません」

 

 ぷかぷかに来る前は普通のパン屋で働いていたので、障がいのある人たちとのおつきあいは全くありませんでした。利益の追求ばかり求められる仕事に疲れ、半年ほど前、ぷかぷかにやってきました。

 社会貢献したい、という思いもあったようですが、それでも利用者さんとの慣れないおつきあいは、それなりにしんどい部分もあったのではないかと思います。8月に利用者さんたちといっしょに一泊旅行にいったときは、

「こんな旅行ははじめて」

と、驚いたようでした。

 それでも毎日毎日一緒に仕事をする中で、だんだん彼らの魅力に気がついたようでした。魅力に気がついただけでなく、そのことで自分が変わったことに気がついたことがすごいなと思いました。

 職人だけの世界を生きてきた人に「豊かになった気がする」とか「幅が広がった気がする」と言わせた利用者さんたちって、やっぱりすごい力を持っているんだと思いました。

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