9月19日(土)から第二期「みんなでワークショップ」が始まります。昨年やったワークショップではオペラ『森は生きている』を材料にして、歌ったり、お話を考えたりして6ヶ月。最後はみどりアートパークのホールの舞台で歌劇『森は生きている』を発表し、大好評でした。
障がいのある人たちと一緒に作るとこんなにも楽しい、こんなにも豊かな芝居ができる、ということを、具体的な作品で示すことができました。「障がいのある人たちとは、一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージが、言葉ではなく、彼らと一緒に作った作品を通して伝えられたことが、すごくよかったと思います。
第二期はオリジナルな作品に挑戦します。タイトルは『みんなの生きる』。谷川俊太郎の俊太郎の詩『生きる』をモデルに『みんなの生きる』を作ります。
第一回目のワークショップでは谷川俊太郎の詩『生きる』をみんなで朗読します。
生きる
谷川 俊太郎
生きているということ
今生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと
生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ
生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎていくこと
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
読み手と聞き手に別れ、一行ずつ交代で読みます。なんとなく読むのではなく、誰かに向かって言葉を届けるつもりで読みます。少しまとまったセンテンス毎に読んでみます。立ったままではなく、歩きながら読んだり、どこかにもたれかかって読んだり、腰掛けて読んだり…。
音楽を入れます。エリックサティの曲をピアニストのあみちゃんに弾いてもらいます。すばらしいピアノをバックに朗読します。詩の言葉が生き生きと生き始めます。
一人で黙って読むときと、どんなふうに違うのか、しっかり確かめます。
谷川俊太郎の詩を朗読したあとは、一人ひとりの詩を書きます。参加者それぞれが「生きているということ、今生きているということ」を感じるのはどんなときか、を二、三行の短い詩で表現します。
「サッカーをやって走っているとき」とか、「木漏れ日のきれいな林の中を歩いているとき」とか、「抱きしめた赤ん坊のからだのぬくもりを感じるとき」とか、「朝、窓を開けて、ひんやりした空気を吸い込んだとき」とか…。できあがったら、一人ひとり発表します。それぞれが、どんなときに生き生きしてるのか、お互いしっかり聞きます。
全体を四つくらいのグループに分け、グループの中で、それぞれの詩をいろいろ組み合わせ、グループとしての詩を作ります。詩の言葉を短冊に書き、それをいろいろ入れ替えてグループの詩を作ります。これがすごい大変な作業になります。大変な分、グループの詩はびっくりするほどのエネルギーを持ちます。グループの詩を発表します。「みんなの生きる」が少し見えてきます。
グループの詩を元に6ヶ月かけて芝居を立ち上げていきます。できあがった芝居は2月14日(日)にみどりアートパークホールの舞台でおこなわれる『表現の市場』で発表します。
ワークショップの日程は9月19日(土)、10月17日(土)、11月21日(土)、12月19日(土)、2016年1月16日(土)、2月6日(土)、2月13日(土)計7回。2月14日(日)発表会。
参加者募集します。できるだけ全日程参加できる方。
今年は現段階で確定している助成金が少ないので、参加費をいただきます。大人1,000円、子ども500円です。11月頃に新しい助成金が確定すれば、参加費は変更します。
お問い合わせ、参加希望はメールでお願いします。
pukapuka@ked.biglobe.ne.jp 担当:高崎