ぷかぷか日記

一緒にいると、心ぷかぷか

 ぷかぷかのプロモーションビデオ制作についてプロデューサー、ディレクター、コピーライター、PVプロボノコーディネーターより、制作にあたっての考え方、画コンテの説明がありました。

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 4分から4分半のプロモーションビデオですが、ストーリー展開の上で五つのまとまりがあります。

 sequence1のオープニングは青空にぽっかり浮かぶ雲から始まります。20〜30秒で、焼きたてパン、働くメンバーさん、アート作品、お店の外観等がざっと流れます。

 sequence2はメンバーさんの働く様子がメンバーさん自身の紹介で1分程度。

 sequence3は、このプロモーションビデオにぐっと奥行きを持たせるような部分で、ぷかぷかを離れたメンバーさんの姿を入れるそうです。バス停で一人たたずんでいる姿とか、要するに「ぷかぷかのメンバー」ではなく、「一人の人」としてたたずむ姿が写ります。こういう映像を入れるところがプロだなと思いました。

 sequence4は、彼らといると気づくこと、としてぷかぷかが作り出した様々なものが紹介されます。お客さんのインタビュー、お客さんの笑顔、メンバーさんの笑顔、メンバーさんの手、メンバーさんのまなざし、パン、アート作品、ワークショップ、ぷかぷかの空気感などなど。

 sequence5は、まとめにあたるところで、こんな笑顔を、知らないなんてもったいない、とメンバーさんの笑顔がたくさん紹介されます。「いらっしゃいませ」の声も。最後にテロップ「一緒にいると、心ぷかぷか」

 

「一緒にいると、心ぷかぷか」というコピーがすばらしいですね。プロのコピーライターの方が一緒に来ている理由がようやくわかりました。

  音楽もオリジナルな曲をプロに依頼し、映像につけるそうです。納品は3月31日。なんかもうその日が待ちきれないくらいわくわくしています。

『むっつり』の中にもの悲しさが

 谷川俊太郎の詩《生きる》の朗読から始まった今期のワークショップも今回で5回目。「みんなの《生きる》」世界をつぶしてしまうものとして「むっつり大王」を考えたのですが、ワークショップをやる中で、「むっつり大王」は実は自分の中にあることがわかりました。社会の閉塞感とか窮屈さは、実は自分自身が作りだしていることの発見はとても大きいものでした。その「むっつり」をどう乗り越えていけるのか、が今回のワークショップの大きなテーマになりました。

「むっつり」が広がっていく様をワークショップの中でやったとき、その「むっつり」に感染しない人たちがいるんじゃないか、という意見がぽろっと出ました。ぷかぷかのメンバーさん達のことです。

 前回のワークショップの記録からその部分を再度記載します。

★★

 終わってからの反省会。「むっつり大王」を消滅させるためには何をすればいいのか、がなかなか見えてきません。クジラを登場させるにしても、それが「むっつり大王」をやっつける魔法の杖になってはワークショップをやってきた意味がなくなります。

 「むっつりに感染しない人たちもいるんじゃないか」という意見が出ました。ぷかぷかのメンバーさん達のことです。「むっつり」は様々な不満、欲望から生まれます。慎ましく自分の人生を楽しんでいる彼らには、そういう気持ちがほとんどありません。彼らこそ、この「むっつり」に覆われた世界からみんなを救い出すんじゃないか、というわけです。

 ワークショップの中で、いらいらした気分でどうしようもなくなったときや落ち込んだとき、ぷかぷかに行くとなぜか救われた気分になるんです、とおっしゃった方がいました。「ぷかぷかが好き!」という人がどんどん増えているのも、社会の中で生きづらさを感じている人が多いからではないのかという気がします。

 「むっつり」がどんどん増えていって、「むっつり大王」がグワァ〜ンと最大限大きくなって暗転した舞台にスポットライトが当たります。そこにはぷかぷかのメンバーさん。

 コヤマさんはワークショップが終わると必ずお母さんに電話します。

「もしもし、ショウヘイです、きょうは、♪ おひさまーが りんごのー はっぱをとおして ひーかる おひさまーが りんごのー はっぱのかげをつーくるー ♪ と歌いました。たのしかったです」と、電話口で歌うのです。

★★

 このメッセージを芝居の中で、どう表現するのか、がむつかしいところです。

 

 「むっつり」の感染が広がって、社会全体がどうしようもなく息苦しく、恐ろしくなった時をこんなふうに表現します。

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 仮面をかぶったみんなが一斉に振り返ります。ここからオペラ『飢餓陣営』(宮澤賢治作、林光作曲、黒テントの赤い教室「オペラの学校」)のなかのバナナン大将の歌の一節を歌うのですが、そのイントロの最初のピアノの音で一斉に振り返ったときの迫力、恐ろしさはすごいものでした。そのまま舞台の前まで歩き、お客さんに迫ります。

 

 

 ピアニストのあみちゃんが気合いを入れて指導してくれました。

どこかもの悲しさの漂ういい歌です。「むっつり」の広がる世界は恐ろしいのですが、その一方で、一人ひとりに中にはどこかもの悲しさが漂っているのではないかと思いました。その部分があるからこそ、「むっつり」に感染しない人たちに共感するのだと思いました。

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 「むっつり」に感染しない人たちに共感し、人々が自分を取り戻す、というところが、芝居として今ひとつうまく表現できてない気がしていて、本番まであと2回のワークショップで、どこまで作りきることができるか、いちばん苦しくて、いちばん楽しいときです。

 

 

 全体の流れとしてはこんなふうになります。

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 谷川俊太郎の詩『生きる』の朗読は、エリックサティのピアノをバックに一人一行ずつ読み進めます。

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一行読んだら、次の人に詩を渡し、体で形を作ります。次の人はその形につながる形を作ります。そうやってできたのがこれ。

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 たとえば辻さんを出発点にこんなことができるということと。これがワークショップのおもしろいところです。

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ひととおり通して発表したので、全体のイメージがみんなで共有できました。むっつり大王の世界からみんなを救い出すぷかぷかのメンバーさん達の台詞がうまくお客さん達に届くかどうか、そこがいちばんの勝負所です。

 

 

読売新聞の方が取材に来ていました。

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なんともとんちんかんなやりとりに、みんな笑ってしまいました。どんな記事になるのでしょうね。

 

 ワークショップの発表会は2月14日(日)『表現の市場』の中でやります。ぜひ来て下さい。

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「くそ〜!」は創造のエネルギー

 新しいものを作るときはふだんとちがうエネルギーが必要です。ふだんと同じであれば、新しいものは生まれません。

 一昨日、「ぷかぷか」のはんこがもう使いすぎて壊れてしまったので、消しゴムで新しいはんこを作ってくれるように依頼がありました。はがき大の消しゴムを渡され、こんなの簡単、と引き受けました。

 ところがこの消しゴムがくせ者で、版木を彫るときとは全く感じが違います。版木はナイフで切った跡がくっきりと残ります。それを見ながら反対方向から刃を入れ、形を彫っていきます。それと同じように切れ込みを入れたのですが、消しゴムは弾力があって切れ込みが元に戻ってしまうので、その切れ込みのあとが全く見えません。目を近づけたり、消しゴムの角度を変えたりして、何とか切れ込みのあとを探すのですが、なかなか見つからなくて「くそ〜!」って思いながら仕事を発注したセクションに電話、

「だめ!これ、できない!」

 正直、怒り狂っていました。何でこんな仕事よこすんだよ、って。

 お茶飲んで、少し落ち着いて、「でも、これやらなかったら、誰もやらないよな、いや消しゴムだから、和紙に丁寧に下書きして、それを裏返しにして消しゴムに貼り付けて、それに添って彫っていけば簡単にできちゃうし、でも丁寧に下書きなんかすれば、おもしろみのある字なんか彫れないし、そんなの耐えられないし…やっぱり自分でやろう!」って、思い直して彫り始めたものの、切った跡は相変わらず見えなくて、「くそ〜!」って思いながら、ほとんど怒りにまかせてナイフで切れ込みを入れていきました。

 そうこうしているうちに、気がつくと(怒りで夢中になっていました)、何とか彫り上がっていて、スタンプ台でインクをつけてみたら、それなりに味のある字になっているじゃないですか。

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消しゴムを彫るコツが少しわかってきたので、気をよくして「おひさまの台所」にも挑戦。ところがわかったつもりで彫り始めたものの、やっぱり切れ込みはどう工夫しても見えなくて、またしても「くそ〜!」といらいら。

「だめ!この消しゴム、もういらいらしてだめ!もうやめる!」

と、また電話。お茶飲んで、ちょっと落ち着いて、考え直して、また「くそ〜!」と思いながら挑戦。字数が多いので、「くそ〜!」の度合いもどんどんアップ。怒りにまかせてナイフにも力が入り、消しゴムが切れてしまうくらい深く彫ってしまうところも出てきて、ますます「くそ〜!」って思いました。怒り心頭に達したあたりで気がつくと彫り上がっていました。インクをつけたら、それなりにおもしろいじゃないですか。

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「くそ〜!」って思いながら彫るのもどうかと思いましたが、彫り上がってみると、「くそ〜!」って思うエネルギーこそが、この文字を彫ったんだと思いましたね。「くそ〜!」も捨てたもんじゃないですね。

 

 「くそ〜!」って思いながら電話した相手が、Facebookに「高崎が心をこめて彫ってくれました」なんて書いていて、「そうか、《くそ〜!》は心か」、と思いました。

 

 

種を蒔き続ける

 11日に書いたブログ「いい仕事を提供しようとすればするほど経営が苦しくなる仕組み」に対する意見をいただきました。

pukapuka-pan.hatenablog.com

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 利用者さんと真っ直ぐに向き合い続けてきた高崎さんの考えには重みがあります。

 

 日本の政治が、社会的な弱者に対する救済が十分でなく遅れているのは、票にならないことが一因だと考えますし、業界や地域の利益代表であり続けないと当選が続かないのも一因だと考えます。そうすると、根本的には、有権者(=住民)の障害者に対する意識が変わらない限り、解決にならないと思います。

 

 ですから、高崎さんの意見や考え方を発信し続け、現場を見てもらい、少しでも意識を変えていくことが必要だと思います。

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 福祉サービスに対する報酬の問題は、国の政治の問題ではあるのですが、元はといえば、その政治を作ってきた有権者(=住民)の障害者に対する意識の問題ではないか、という指摘は、まさにその通りだと思いました。

 時間はかかりますが、問題の本質的な解決には、障がいのある人たちに対する社会の意識を変えていくことが大事なんだろうとあらためて思いました。そのために、私たち関係者は何ができるのか、ということです。

 

 ぷかぷかは「障がいのある人たちの社会的生きにくさを少しでも解消する」ことをNPO法人設立の目的にしていました。彼らの社会的生きにくさは、社会の彼らへの視線が作りだしています。役に立たない社会のお荷物、といった視線です。これは彼らのことをよく知らないことに起因しています。

 私は彼らと出会うことで、社会のお荷物どころか、「社会の宝」ではないかと思うようになりました。私たちを豊かにしてくれる宝です。彼らとは一緒に生きていった方がいい、絶対に得!と心底思うようになりました。

 街の中に彼らのお店を作ったのは、街の人たちに彼らといい出会いをして欲しいと思ったからです。彼らのことをちゃんと知れば、「社会のお荷物」といった視線は自然になくなると思ったからです。

 毎月やっているパン教室も、秋にやる運動会も、すべて街の人たちに彼らといい出会いをして欲しいという思いからです。

 日々、Facebookページ、ホームページ、しんぶんなどで「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージを発信し続けています。

 演劇ワークショップでは、そのメッセージを芝居という目に見える形にして舞台で発表しました。

 そういったことが毎日毎日積み重なって「ぷかぷかが好き!」「ぷかぷかのファンです」という人がどんどん増えてきました。彼らといい出会いをした人が増えてきたということです。

 ぷかぷかのまわりの社会では、明らかに障がいのある人たちへの意識が変わってきました。

 

 それが政治にまで反映するには気が遠くなるほどの時間がかかります。でも、時間がいくらかかろうとも、今日、種を蒔きます。そのことが大事だと思っています。今日、種を蒔くことからしか希望のある未来は始まらないからです。

 種を蒔き続けること。今日も明日も蒔き続けます。

 未来に対して種を蒔き続けること、それが私たちの仕事だろうとあらためて思いました。

 ご意見、ありがとうございました。

 

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凹むことがあってぷかぷかに来ました。

 凹むことがあってぷかぷかに来ました、といううれしいメッセージが届きました。

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ぷかぷかさん、こんばんは!

 いきなりナンですが・・・今日は実は、仕事の事で、むちゃむちゃ凹む事があって、美味しいパン食べようとぷかぷかに向かってました(笑) ほんと・・・信じられないというか、想定出来るけど自分に振りかかって欲しく無い事、ありますよね。 それはともかく・・今日はおひさま弁当?(マイタケご飯や、卵やきんぴらが入っていた小っちゃいお弁当)を頂きました。 お弁当か、パンか、どっちをお昼ご飯にしようか悩んだのだけど、双子の玉子がとっても可愛くて、お弁当にしました。それだけで、ちょっと元気が出てきます。

 パン屋さん店内に座って食べ乍ら美味しいなあと思ったり・・でも今日の仕事のトラブルはあんまりだとメラメラしたり・・もぐもぐしたり・・フクザツな思いで そこに居たのですが・・誰かが店の前をスキップしてるじゃないですか?!多分わんどのあたりから、パン屋の前位を、スキップして3往復。 まだ名前がパッと結びつかないのですが、多分ヨッシーさん??(違ってたらごめんなさい)ヨッシーさん、どんな嬉しい楽しい事があったのでしょうか?大の大人が、 ニッコニコしながらスキップしているのを見た時、一瞬見間違えかと思いましたが「いや、見間違いじゃないよ」とでも言うように、何度もすきっぷさんがチラチラ視界に入って来ます(笑) それを見てて、なんだか、嬉しくなってしまいました。良いもの見ちゃったな・・

 と、もぐもぐしていたら、今度はお店の前に、男の子が通りがかり? にこっとしてみると、ちょっとニコッとしてくれます。かわいいなと思っていたら、お母さんと、パン屋さんの前のテーブルの椅子に座り、ライスバーガーを小さい手でガシッと持ちつつ、 おいしそうに食べはじめました。まだ食べた事が無いライスバーガーですが、この子の食べているのを見て「次は食べよう」と思ったほどです。

 あんまり、美味しそうなので、窓越しでしたが、クチパクで「お・い・し・い??」と聞いてみると、男の子はニコッとして、首を立てにウン!!と振ってくれました。 なんかあったかくなりました。ぷかぷかに来て良かったあ~って。

 良い時間をありがとうございました☆スキップするヨッシーさんと、男の子に感謝です。今度楽しい事があったらスキップしたみよう・・ 呟き、失礼しました~~

 

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 以前も、落ち込んだ時にぷかぷかに来たら、なんかすごい元気になりました、とおっしゃる方がいました。ぷかぷかって、人を癒やす場なんだなと思います。

 凹んだとき、落ち込んだときはどうぞぷかぷかへいらしてください。

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いい仕事を提供しようとすればするほど経営が苦しくなる仕組み

 年が明けたら資金繰りがもう少し楽になると思っていたのですが、社会保険、金融公庫返済、固定資産税、住民税、ガス代などが重なり、通帳残高がまた赤字になっていてガッカリ。

 これだけいい活動をやっているのに、どうして楽にならないのかと、悲しくなります。

 ぷかぷかは福祉事業所なので、パン、カフェ、お惣菜、アート商品などの売り上げのほかに利用者さんに対しておこなっている福祉サービス(就労支援)の報酬が入ります。その部分の収入が全体の収入の約三分の二を占め、ぷかぷかにとってはとても大事な収入です。ところが、ぷかぷかのように人も設備もお金をかけて利用者さんと一緒にいい仕事をしようとしても、それに見合うだけの報酬が入ってこないのです。

 報酬は仕事の中身ではなく、利用者さんの人数だけで決まります。ですからいい仕事をしようと、人や設備にお金をかけても、報酬には何の関係もなく、お金をかけた分、損する仕組みになっています。ぷかぷかであれば、無理して今の事業を続けるよりは、パン屋やカフェをやめて、ボールペンの組み立てや割り箸の袋詰めといった軽作業にすれば、報酬は同じですから、経営はぐっと楽になる、というわけです。

 福祉事業所のスタッフの数は、国の基準では利用者さん10名に対し一人です。ぷかぷかであれば、現在利用者さんが38名いますからスタッフは4人でいいことになります。軽作業であれば、その人数で十分やっていけます。現在ぷかぷかには常時25,6名のスタッフが働いています。これが国の基準の4人にすれば、人件費は大幅に減ります。経費の大部分を占める人件費が六分の一になるわけですから、経営的にはものすごく楽になります。

 基本的に長机が何台かあればできる仕事ですから、設備投資もいりません。ぷかぷかはパン屋にはオーブン、ドゥコンディショナー、ミキサー、冷蔵庫、パイローラー、モルダーなど、お惣菜屋にはスチームコンベクション、食洗機、冷蔵庫、フライヤーなど、莫大な設備投資をしているので、その借金返済が月々大変な額になります。

 お店が4軒もあるので、家賃負担も大変です。外販、配達は車4台で回しています。軽作業であれば、お店もいりません。外販、配達もないので、車は1台あれば十分です。

 それで報酬が同じなら、ぷかぷかはパン屋、カフェ、お惣菜屋、アート屋をやめて、軽作業の仕事をやった方が経営的には楽、ということになります。いつもいつも預金残高を気にしながらの経営は、やっぱり疲れるのです。

 

 でもね、どんなに疲れても、そんなことはしませんから安心して下さい。事業というのは、それを回すためのお金は必要ですが、それが目的ではなく、あくまで新しい「価値」を生み出すことだと思います。ぷかぷかが生み出した新しい「価値」は、利用者さんがありのままの自分でいられて、笑顔で働ける職場です。

 利用者さんたちがこんなにも笑顔で仕事を楽しんでいる今、ぷかぷかが今やっている仕事は、たとえ経営が苦しくてもやめるわけにはいかないと思っています。見学に来られる方の多くが、「ここは明るいですね」「楽しそうですね」といった感想を言われます。 それはそのままぷかぷかで働いている利用者さんの姿なのです。

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 以前、軽作業について書いたブログです。

pukapuka-pan.hatenablog.com

 

 利用者さんの人生を支えるようないい仕事を提供しようとすれば、それなりに人も設備も必要です。その分お金がかかります。福祉サービスの報酬が、そこを支える仕組みになっていないので、いい仕事を提供しようとすればするほど、経営が苦しくなる、ということになります。これはどう考えてもおかしいと思います。でも、これが今の福祉サービスの報酬の仕組みです。こんな仕組みのままでいると、福祉の世界でいい仕事を作り出そう、という事業所はどんどん減っていきます。福祉の世界はずっと現状維持のままで、いつまでたってもよくなりません。

 いい仕事を作り出す事業を続けるためには、お金がきちんと回っていないと続けられません。お金が回るというのは、経営が安定し、かつ向上していくことです。ぷかぷかでいえば、今はとりあえず回っていますが、月末は資金が足りるかどうか、未だにハラハラしてるような状態です。パートさんには最低賃金ぎりぎりの給料しか払えていません。高崎に至っては恥ずかしい話、給料は月10万円しかなく、働く時間から計算すると最低賃金をはるかに下回るという情けない状態です。好きでやっている仕事とはいえ、こんなに価値ある仕事をやって時給400円を下回るというのは、やっぱりどこか間違っていると思うのです。冒頭に書いた「これだけいい活動をやっているのに、どうして楽にならないのかと、悲しくなります。」は、日々の実感です。これが福祉サービスの報酬の現状です。こんな状態が続いていけば、労働の現場は疲弊していきます。ぷかぷかが今やっている仕事が続けられなくなる、ということです。

 

 4月になれば、利用者さんが少し増えるので、多少は楽になりますが、あくまで「多少」であって、抜本的な解決にはなりません。

 ではどうすればいいのか。

 ひとつは福祉サービスの報酬に、自主製品でいい仕事を作り出している事業所にはそれなりの加算をつける、ということです。努力していい仕事をすれば、それに応じた加算をつける。当たり前のことだと思います。

 ときどき行政による監査がありますが、これは書類を見るだけで、現場を全く見ません。これを次のように変えることを提案します。

①現場をきちんと見るように改める。目と耳と手と足と皮膚を使って現場を体感する。

②どういう仕事を作りだし、利用者さんはどんなふうに、どんな思いで働いているのか。

③地域社会とどういう関係を作っているのか。地域社会で何を作りだし、地域社会に何をもたらしたのか。

④未来に向けてどのような展望で事業を展開し、何を生み出そうとしているのか。

⑤そういったことを最低でも一週間はかけて現場をしっかり見る。

⑥担当者は現場をしっかり見る、敏感に感じ取ることのできるスキル、センスを身につける。

⑦その上で、いい仕事を作りだしている、という評価が出れば、それなりの加算をつける。

⑧加算の額は、事業がうまく回るためにはどれくらい資金が必要かを会計事務所にもヒアリングしてきちんと計算する。

⑨始めに報酬額があるのではなく、事業を支えるためにはいくらお金がかかるか、という視点で報酬額を決める。

⑩評価は報酬を決めている国にフィードバックする。国はなかなか動かないから県もしくは市で加算を実行する。

 こんなことはその気になればすぐにできることだと思います。本気で福祉の世界をよくしようと思っているのか、利用者さんの人生を本気で支えようとしているのかどうか、そういったことが担当者に問われていると思います。

 こういう調査が入れば、福祉の現場も仕事の質が問われることになり、福祉の世界は格段によくなると思います。

 

 もうひとつはやはり事業所自体がお金の回る仕組みをきちんと作っていく、ということだと思います。いい仕事をしながらお金が回る仕組みはどうやったら実現できるのか、ということです。ぷかぷかはやはりそこが作り切れてないように思います。

 ただ金銭上の売り上げを増やすというのではなく、ぷかぷかにしかない「価値」を、どんなふうにしてお金が回る仕組みに取り込んでいくのか、ということだと思います。ぷかぷかでパンを買うと、パン+アルファの価値がついてきます。ぷかぷかカフェで食事をすると、食事のおいしさ+アルファの価値がついてきます。その「価値」は社会全体を幸せにするものだと思います。そういったものをもう少しうまくお金の回る仕組みに取り込めないかと思うのです。今までにない「価値」をビジネスの軸に据える、ということです。

  とてもむつかしいことですが、チャレンジする価値はあると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

ちょっと涙が出てしまったよ

 みどりアートパークホールで映画「ぷかぷか」の上映会をやりました。70人くらいしか集まらなくて、ちょっと淋しい上映会でしたが、全員の方がしっかり感想を書いてくれました。感想を読むと、人数は少なくても、中身の濃い、いい上映会だったなと思います。緑区の副区長さんがいらして、上映後「ちょっと涙が出てしまったよ」なんておっしゃってました。こういう副区長さんがいる街は、きっといい街になるんだろうなと思いました。

 

 

■大変良かった。出演している人達の変化も見えました。

 空気、時間がゆっくりやさしく動いて、見ている私もやさしい気持ちになり、

 このドキュメンタリーに出た人、かかわった人は大変だったと思うが、ラッキーだったと思います。ガンバッテクダサイ。

■ワークショップを重ねて本番をむかえるまで、継続することは誰にとっても困難なことを実現することが素晴らしいと思った。

 「カラ」を着ている人が多い中、豊かさは何かと考えました。

■あたたかい気持ちになりました。

■皆さんのありのままの素直さ、優しさに触れて心が温かくなりました。ありがとうございました。皆さんの一生懸命な姿に、とても励まされ元気をもらいました。これからも頑張ってください。感謝します。

■ワークショップを続けていく中で、一人一人が変化していく様子が分かり、素晴らしいと感じました。

 ぷかぷかで皆さんが一生懸命に働き、ワークショップでも自分らしさを発揮できているのは、とてもすてきな事だと、ジワ~と感動がこみ上げてきました。

ありがとうございました。

■ぷかぷかパンのファンです。今日、ますますファンになりました。

■まーさんの存在感にひき込まれました。

 まさかお会い出来るとは感激でした。

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■いつも仕事をしているメンバーさんしか見たことがなかったので、いきいきと表現する姿が見れて良かったです。

■ありがとうござました。

■誰もがありのままの自分を出せる、とても良い場だと感じました。

 1人1人に、それぞれのドラマがあり、ワークショップに参加することで、みんなが成長していく姿が見えた。とても良いドキュメンタリーでした。

 この作品が多くの人の目に触れることを願っています。

■素晴らしかったです。舞台を作るのに一人の意見を聞いて、そこから答えを出しているところ、感心してた。

 ■高崎様  暮れに新聞の切り抜きを整理していたら、瀬谷養護時代の切り抜きが出てきました。昔から取り組まれていたんですね。ワークショップで、少しずつ声も出て、体も動き自分を表現する楽しさを獲得する様子が素晴らしいです。平本さん、理英さんの姿も見られました。最後の舞台の発表は、出来る事が見えると、出来ない事も見えてしまいます。最初のめくりの辻さんの唄、和太鼓、ダンスでどんどん盛り上がり楽しそうなのが、とても魅力的です。歌とダンスだけのミュージカルでも良かった気もしました。過程の素晴らしさが見られていいですね。

 ■お弁当も美味しかったです。

 ■このドキュメンタリー映画を是非全国ネットで、一人でも多くの人に見てもらいたいなぁと思いました。心暖まる映画でした。

彼らのことを、もっと知ってほしいです。

既成にとらわれない人生、ありのままで生きていくことは、実は、健常者にとって難しいことなんだ、彼らを見習おうと考え方が、すこし変わりました。

 ■出来ることをみんなでつくりあげる素晴らしさを感じました。私も会社員ですが、何が一緒に出来るのかを考えていました。

  想像するだけで、楽しい思いをしました。

  ありがとうございました。

 ■最後のお二人の話も楽しかったです。

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 ■内容が良いので、「3時間」は思ったより短かかったです。

  でも、来る前の敷居がとても高いです。

  宝は掘らなければ、まさしく!ですね。

 ■観ていて、いつのまにか自分も入りこんで、その場にいる気持ちになっていました。

  この楽しい気持ちをもって家に帰るのが、さびしいような、お店に行ってみたいです。

 ■実は11月に行けず、残念に思っていたら、今回のチラシに出会い、運命を感じました。

  パン+歌+芝居+みんな一緒に自分のやりたいことに、つながる活動で、とても興味深いです。仕事でスピードや評価が求められ、長年背伸びして辛い日々を送って来て、自分らしい居場所探しをしています。

  ぷかぷかに触れ、動くことが何かに気づき、変われる気がしました。

  笑いや涙で観ていた今日・・・これからは一緒の時間が過ごせるといいな・・・

 ■ぷかぷかの仲間たちの純粋な心に打たれました。

  障害者だから何もできないという偏見を取り払ってくれた映画だと思います。

  映像の中の彼らから、たくさんの大切なものをいただいた気がします。

  ありがとうございました。

 

 ■すばらしかったです。一人一人が主役、スターですね。可能性が沢山あると思いました。

  人生面白くないと、言い続けている方が多い現状・・・一人でも多くの方が自由に楽しく、一時でも倖せ!!と言える時間をもてますように。

  ぷかぷかの存在は大きいと感じました。

 ■上映時間をもっと短くしていただけると助かります。

  少し長すぎるなと思います。

 ■心が、ほっこりしました。

  表現の市場、すごい!全部が間違えることも、すごく楽しい。ワークショップ見ていて

  心揺さぶられ、やさしい気持ちがふえます。ワークショップ参加してみたい。彼らに会ってみたいと思いました。(2月14日お休みだったら、いいな~)

  こんなステキな企画、場をつくった高崎さん、撮影された宮沢さん、ステキなピアノ・・・

  すべて・・・ありがとうございました。

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 ■映像の中の皆さんの笑顔が素敵でした。私の息子もハンディを持っています。(自閉症)

  本日午前中、会社でパニックを起こし、自宅に戻って来ました。連れてこようと思ってましたが、会社から戻るようにメール、「一生懸命働きます!!」と勇んで会社に又向かいました。

  沢山の方々が、あたり前に、ハンディのある人の行動を知ってほしい!!

  私は導かれるように今日ここに来ました。きっと!!        千葉県柏市

 ■泣き笑いの3時間でした。

  普通の人々が一番すごい、素晴らしいと感じました。

  まーさん、ぷかぷかに戻ってくるといいですね。

 ■歌も劇もやってるぷかぷかの皆さんは、とても明るく元気で私自身も元気を頂きました。

  途中、涙がでてきて、本当に心温まる映画でした。有難うございました。

  ぷかぷかのようなところが、もっと沢山出来て支援できるようなシステムが社会の中で、とりくみが出来たらいいな~と。その中で自分が何が出来るのかを考えてみたいと思います。4月のユーチューブも楽しみにしています。感謝です。

 ■とても興味深く見させてもらいました。

  最初に本番⇒メイキング映像の順に見た事で、こうして一つの舞台が出来上がるのかという発見と共に、障害を持つ方も、何ら変わらないのだと感じました。

  ドキュメンタリー形式にしたのは、彼らについて理解を深める上で、とても良い試みだったと思います。これからも、ぜひ発信を続けて下さい。

 ■この方たちは宝ということばが、胸に残りました。

宝物の光を、なくしてしまいたくない、皆に見せたい、自慢したい、こわしたくない、より輝けるようにしていきたいと思いました。

■障害のある人、ない人 かかわらず実生活で生きていて(その人らしくあって、よろしい)のではないかと思いは、その人しかない特異な分野で活動していけばよかろうと思って感じております。

 

 

★あなたの街でもぜひ自主上映をやって下さい。宮沢さんと高崎のトークショー込みで6万円です。一人1,000円で60人集めればペイできます。(会場費、宣伝費を入れると、あと2万円くらいはあった方がいいですが…) 

                                    以上

社会全体がもっと豊かに

 あれができない、これができない、とマイナス方向の目線で相手を見ている限り、相手との関係はどこまでもマイナス方向であり、そこからは新しいものは生まれません。

 障がいのある人たちとの関係は結局のところ、そういうものではなかったかと思います。そこから新しいものなんか生まれない…と。

 彼らと一緒にやる演劇ワークショップは、あれができない、これができない、ではなく、一緒にやればなにかおもしろいものが生まれるんじゃないか、というプラス方向の思いから生まれています。それは彼らと最初にどう出会ったか、ということだと思います。「あっ、おもしろい人!」と思うか、「何もできない人」と思うか、です。私はたまたま、養護学校の教員になったとき「ひゃ〜、なんておもしろい人たちなんだ」って思えるような出会いがありました。もちろんいろいろできないことはありました。でも、そのできないことを超えるおもしろいものを彼らは持っていました。そのおもしろさと出会えたこと、それがすべてのはじまりだったように思います。

 こんなおもしろい人たちと芝居を作れば、今までにないおもしろいものができるんじゃないか、と思って始めたのが演劇ワークショップでした。芝居に行き着く前の、演劇ワークショップの空間そのものが、彼らと一緒にやることで、ほんとうにおもしろいものになりました。今まで体験したことのない、すばらしく豊かな空間でした。演劇ワークショップというクリエイティブな空間を彼らが支えていることは明らかでした。新しいものを一緒に創り出していく「クリエイティブな関係」は、ここから始まりました。

 あれができない、これができない、といわれている人たちと新しいものを一緒に創り出す「クリエイティブな関係」ができた、というのは画期的なことだと思います。そのクリエイティブな関係の中で創り上げたのがみどりアートパークの舞台で上演した歌劇『森は生きている』です。

 映画『ぷかぷか』はそれができるまでの過程を克明に追いかけたドキュメンタリーです。

 あれができない、これができない、といわれている人たちと、どうやって「クリエイティブな関係」を作っていったのか、その関係の中で、どうやってあのすばらしい舞台作品を創っていったのか、そういったことが見えてくる貴重な映画です。

 

 彼らとマイナス方向での関係しかないのは、すごくもったいないと思っています。彼らと前向きのいい関係を作れば、すばらしいものがたくさん生まれてきます。元々そういうものをたくさん持っている人たちだと思います。それをうまく引き出せば、社会全体がもっともっと豊かになります。その手がかりがこの映画にはあります。

 ぜひ見てください。 

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即興で自分の感性と身体を使って表現をするということがとても新鮮でした

先月のワークショップに参加した方からの感想です。初めての参加です。

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仕事柄、人前で話すことが多かったり、考えることが多かったりするので、ことばを用いるのでも頭で考えるのでもなく、即興で自分の感性と身体を使って表現をするということがとても新鮮でした。そして、たった一日だけの参加でしたが、たくさんの発見がありました。

認識や認知を基準にして生活していると、見えないものがいっぱいあるのだなと思いました。頭で考えてもなかなか腑に落ちないことが、感性や身体を使ったらいつのまにか落ちている。いつの間にか知らなかった他者とひとつになれている。とても不思議な時間でした。

 

今回ワークショップに参加して、初参加にもかかわらず、無理に誰かに合わせたり、無理に愛想笑いしたり、そういうことをしなくてよい空間にほっとすると同時に、とてもなつかしい気持ちになりました。

見渡してみると、みんなそれぞれ。寝転がったり、おしゃべりしたり、歌を歌ったり、昼寝したり、ぼーっとしたり。

「みんなちがって、みんないい」ってこういうことか(!)と、ひとり合点した瞬間でした。

 

また、初対面にもかかわらず、メンバーさんのひとりが仲良くしてくれて、彼女にぎゅっととハグされたり、顔を撫でられたり、背中をさすられたり、そういう肌と肌のふれあいをとてもあたたかく感じました。そういえば、小さいころ、よく障がいのある友だちと一緒に遊んでいたなと、昔を思い出しました。

いつからかな、わたしの生活のなかから彼らがいなくなってしまったのは(いなくさせられてしまったのは)。

これまで一生懸命にやってきたけど、わたしは何か大事なものを過去に置き忘れてきたのではないか、そんな思いに駆られました。でも、ここにいたらそれを少しずつ取り戻せそうで、また参加したいなと思うと同時に、何よりもここはわたしらしくいていいところなのかもしれないと思いました。

もともと引っ込み思案で、誰にも見つからず一人でそっと静かにいたいのに、年を重ねるにつれ人前に出ることが多くなっています。そんな自分も嫌いではないけれど、でもやはりどこかで無理をしています。なので、みなさんがそれぞれ思い思いに過ごしている姿を見て、「あー。無理しなくていいんだ。わたしのままでいいんだ。」って心の底から安心することができました。

 

いつの間にか彼らがいなくなった(いなくさせられた)わたしの暮らす社会では、特定の「規格」が良しとされ、みんなそれに合わせるように生きています。

同じように考えて、同じように行動することが想定されています。だから、想定外のことは歓迎されません。

 

今わたしが暮らすこのような社会と、ぷかぷかさんが創りだしている社会の大きな違い。

それは多様性と即興性なのではないかと思います。

多様性は、上記の通り「みんなちがって、みんないい」。

即興性は、一人ひとりが生み出す想定外と、それを周りが受け止める寛容性、そしてその場にいる者同士が一緒に新しいものを創り出す想像性と創造性で成り立っていると思います。

即興性は身体が閉じていてはだめだから、演劇ワークショップで少しずつ開いていく。

身体を開いて、心も開く。

そしてそれが一人ひとり異なる多様性につながっていく。

でも、多様性はバラバラに拡散するのではなく、みんなで一緒に生きていくことを志向する。

演劇ワークショップに参加して、そんなことを考えました。

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「あなたが必要」と思える関係が自然に

  1月7日(木)みどりアートパークで映画「ぷかぷか」の上映会があります。ぷかぷかのメンバーさんと地域の人たちが一緒になって芝居づくりをしたときの記録映画です。月一回集まって、6ヶ月かけて芝居を作り、できあがった芝居はみどりアートパークのホールの舞台で発表しました。映画はその6ヶ月間の記録です。

 残念な話ですが、障がいのある人たちは「効率が悪い」「理解力がない」などと社会の邪魔者扱いされることが多いのが現状です。演劇ワークショップは、社会からそんなふうに邪魔者扱いされている彼らが「ほんとうは必要」と思える関係を自然に作り出します。「あなたにいて欲しい」と素直に思えるような関係が自然にできてしまうのです。意図的にそういう関係を作るのではなくて、自然にそういう関係ができるところが演劇ワークショップのすごいところだと思います。

 演劇ワークショップは、障がいのある人たちに何かをやってあげる、という感覚ではなく、お互いフェアな関係でやっていきます。フェアな関係でやる中で、「あなたにいて欲しい」「あなたが必要」と思えてしまうのは、どうしてなのでしょう。

  映画「ぷかぷか」を見ると、その理由がぼんやり見えてきます。

 社会の邪魔者扱いされている彼らに対し「あなたが必要」「あなたにいて欲しい」と思えるような関係が自然にできてしまうって、考えてみればすごいことだと思います。「インクルージョン」とか「障害者差別解消法」なんて理屈っぽいもので無理矢理やるのではなく、ごく自然に「あなたが必要」って思えるのですから。

 障がいのある人たちと一緒に生きていく手がかりが、一緒に生きていくとこんなにも豊かなものができあがるということが、この映画からは見えてきます。

 見なきゃ絶対に損!ですよ。 

 

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