ぷかぷか日記

いい仕事を提供しようとすればするほど経営が苦しくなる仕組み

 年が明けたら資金繰りがもう少し楽になると思っていたのですが、社会保険、金融公庫返済、固定資産税、住民税、ガス代などが重なり、通帳残高がまた赤字になっていてガッカリ。

 これだけいい活動をやっているのに、どうして楽にならないのかと、悲しくなります。

 ぷかぷかは福祉事業所なので、パン、カフェ、お惣菜、アート商品などの売り上げのほかに利用者さんに対しておこなっている福祉サービス(就労支援)の報酬が入ります。その部分の収入が全体の収入の約三分の二を占め、ぷかぷかにとってはとても大事な収入です。ところが、ぷかぷかのように人も設備もお金をかけて利用者さんと一緒にいい仕事をしようとしても、それに見合うだけの報酬が入ってこないのです。

 報酬は仕事の中身ではなく、利用者さんの人数だけで決まります。ですからいい仕事をしようと、人や設備にお金をかけても、報酬には何の関係もなく、お金をかけた分、損する仕組みになっています。ぷかぷかであれば、無理して今の事業を続けるよりは、パン屋やカフェをやめて、ボールペンの組み立てや割り箸の袋詰めといった軽作業にすれば、報酬は同じですから、経営はぐっと楽になる、というわけです。

 福祉事業所のスタッフの数は、国の基準では利用者さん10名に対し一人です。ぷかぷかであれば、現在利用者さんが38名いますからスタッフは4人でいいことになります。軽作業であれば、その人数で十分やっていけます。現在ぷかぷかには常時25,6名のスタッフが働いています。これが国の基準の4人にすれば、人件費は大幅に減ります。経費の大部分を占める人件費が六分の一になるわけですから、経営的にはものすごく楽になります。

 基本的に長机が何台かあればできる仕事ですから、設備投資もいりません。ぷかぷかはパン屋にはオーブン、ドゥコンディショナー、ミキサー、冷蔵庫、パイローラー、モルダーなど、お惣菜屋にはスチームコンベクション、食洗機、冷蔵庫、フライヤーなど、莫大な設備投資をしているので、その借金返済が月々大変な額になります。

 お店が4軒もあるので、家賃負担も大変です。外販、配達は車4台で回しています。軽作業であれば、お店もいりません。外販、配達もないので、車は1台あれば十分です。

 それで報酬が同じなら、ぷかぷかはパン屋、カフェ、お惣菜屋、アート屋をやめて、軽作業の仕事をやった方が経営的には楽、ということになります。いつもいつも預金残高を気にしながらの経営は、やっぱり疲れるのです。

 

 でもね、どんなに疲れても、そんなことはしませんから安心して下さい。事業というのは、それを回すためのお金は必要ですが、それが目的ではなく、あくまで新しい「価値」を生み出すことだと思います。ぷかぷかが生み出した新しい「価値」は、利用者さんがありのままの自分でいられて、笑顔で働ける職場です。

 利用者さんたちがこんなにも笑顔で仕事を楽しんでいる今、ぷかぷかが今やっている仕事は、たとえ経営が苦しくてもやめるわけにはいかないと思っています。見学に来られる方の多くが、「ここは明るいですね」「楽しそうですね」といった感想を言われます。 それはそのままぷかぷかで働いている利用者さんの姿なのです。

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 以前、軽作業について書いたブログです。

pukapuka-pan.hatenablog.com

 

 利用者さんの人生を支えるようないい仕事を提供しようとすれば、それなりに人も設備も必要です。その分お金がかかります。福祉サービスの報酬が、そこを支える仕組みになっていないので、いい仕事を提供しようとすればするほど、経営が苦しくなる、ということになります。これはどう考えてもおかしいと思います。でも、これが今の福祉サービスの報酬の仕組みです。こんな仕組みのままでいると、福祉の世界でいい仕事を作り出そう、という事業所はどんどん減っていきます。福祉の世界はずっと現状維持のままで、いつまでたってもよくなりません。

 いい仕事を作り出す事業を続けるためには、お金がきちんと回っていないと続けられません。お金が回るというのは、経営が安定し、かつ向上していくことです。ぷかぷかでいえば、今はとりあえず回っていますが、月末は資金が足りるかどうか、未だにハラハラしてるような状態です。パートさんには最低賃金ぎりぎりの給料しか払えていません。高崎に至っては恥ずかしい話、給料は月10万円しかなく、働く時間から計算すると最低賃金をはるかに下回るという情けない状態です。好きでやっている仕事とはいえ、こんなに価値ある仕事をやって時給400円を下回るというのは、やっぱりどこか間違っていると思うのです。冒頭に書いた「これだけいい活動をやっているのに、どうして楽にならないのかと、悲しくなります。」は、日々の実感です。これが福祉サービスの報酬の現状です。こんな状態が続いていけば、労働の現場は疲弊していきます。ぷかぷかが今やっている仕事が続けられなくなる、ということです。

 

 4月になれば、利用者さんが少し増えるので、多少は楽になりますが、あくまで「多少」であって、抜本的な解決にはなりません。

 ではどうすればいいのか。

 ひとつは福祉サービスの報酬に、自主製品でいい仕事を作り出している事業所にはそれなりの加算をつける、ということです。努力していい仕事をすれば、それに応じた加算をつける。当たり前のことだと思います。

 ときどき行政による監査がありますが、これは書類を見るだけで、現場を全く見ません。これを次のように変えることを提案します。

①現場をきちんと見るように改める。目と耳と手と足と皮膚を使って現場を体感する。

②どういう仕事を作りだし、利用者さんはどんなふうに、どんな思いで働いているのか。

③地域社会とどういう関係を作っているのか。地域社会で何を作りだし、地域社会に何をもたらしたのか。

④未来に向けてどのような展望で事業を展開し、何を生み出そうとしているのか。

⑤そういったことを最低でも一週間はかけて現場をしっかり見る。

⑥担当者は現場をしっかり見る、敏感に感じ取ることのできるスキル、センスを身につける。

⑦その上で、いい仕事を作りだしている、という評価が出れば、それなりの加算をつける。

⑧加算の額は、事業がうまく回るためにはどれくらい資金が必要かを会計事務所にもヒアリングしてきちんと計算する。

⑨始めに報酬額があるのではなく、事業を支えるためにはいくらお金がかかるか、という視点で報酬額を決める。

⑩評価は報酬を決めている国にフィードバックする。国はなかなか動かないから県もしくは市で加算を実行する。

 こんなことはその気になればすぐにできることだと思います。本気で福祉の世界をよくしようと思っているのか、利用者さんの人生を本気で支えようとしているのかどうか、そういったことが担当者に問われていると思います。

 こういう調査が入れば、福祉の現場も仕事の質が問われることになり、福祉の世界は格段によくなると思います。

 

 もうひとつはやはり事業所自体がお金の回る仕組みをきちんと作っていく、ということだと思います。いい仕事をしながらお金が回る仕組みはどうやったら実現できるのか、ということです。ぷかぷかはやはりそこが作り切れてないように思います。

 ただ金銭上の売り上げを増やすというのではなく、ぷかぷかにしかない「価値」を、どんなふうにしてお金が回る仕組みに取り込んでいくのか、ということだと思います。ぷかぷかでパンを買うと、パン+アルファの価値がついてきます。ぷかぷかカフェで食事をすると、食事のおいしさ+アルファの価値がついてきます。その「価値」は社会全体を幸せにするものだと思います。そういったものをもう少しうまくお金の回る仕組みに取り込めないかと思うのです。今までにない「価値」をビジネスの軸に据える、ということです。

  とてもむつかしいことですが、チャレンジする価値はあると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

ちょっと涙が出てしまったよ

 みどりアートパークホールで映画「ぷかぷか」の上映会をやりました。70人くらいしか集まらなくて、ちょっと淋しい上映会でしたが、全員の方がしっかり感想を書いてくれました。感想を読むと、人数は少なくても、中身の濃い、いい上映会だったなと思います。緑区の副区長さんがいらして、上映後「ちょっと涙が出てしまったよ」なんておっしゃってました。こういう副区長さんがいる街は、きっといい街になるんだろうなと思いました。

 

 

■大変良かった。出演している人達の変化も見えました。

 空気、時間がゆっくりやさしく動いて、見ている私もやさしい気持ちになり、

 このドキュメンタリーに出た人、かかわった人は大変だったと思うが、ラッキーだったと思います。ガンバッテクダサイ。

■ワークショップを重ねて本番をむかえるまで、継続することは誰にとっても困難なことを実現することが素晴らしいと思った。

 「カラ」を着ている人が多い中、豊かさは何かと考えました。

■あたたかい気持ちになりました。

■皆さんのありのままの素直さ、優しさに触れて心が温かくなりました。ありがとうございました。皆さんの一生懸命な姿に、とても励まされ元気をもらいました。これからも頑張ってください。感謝します。

■ワークショップを続けていく中で、一人一人が変化していく様子が分かり、素晴らしいと感じました。

 ぷかぷかで皆さんが一生懸命に働き、ワークショップでも自分らしさを発揮できているのは、とてもすてきな事だと、ジワ~と感動がこみ上げてきました。

ありがとうございました。

■ぷかぷかパンのファンです。今日、ますますファンになりました。

■まーさんの存在感にひき込まれました。

 まさかお会い出来るとは感激でした。

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■いつも仕事をしているメンバーさんしか見たことがなかったので、いきいきと表現する姿が見れて良かったです。

■ありがとうござました。

■誰もがありのままの自分を出せる、とても良い場だと感じました。

 1人1人に、それぞれのドラマがあり、ワークショップに参加することで、みんなが成長していく姿が見えた。とても良いドキュメンタリーでした。

 この作品が多くの人の目に触れることを願っています。

■素晴らしかったです。舞台を作るのに一人の意見を聞いて、そこから答えを出しているところ、感心してた。

 ■高崎様  暮れに新聞の切り抜きを整理していたら、瀬谷養護時代の切り抜きが出てきました。昔から取り組まれていたんですね。ワークショップで、少しずつ声も出て、体も動き自分を表現する楽しさを獲得する様子が素晴らしいです。平本さん、理英さんの姿も見られました。最後の舞台の発表は、出来る事が見えると、出来ない事も見えてしまいます。最初のめくりの辻さんの唄、和太鼓、ダンスでどんどん盛り上がり楽しそうなのが、とても魅力的です。歌とダンスだけのミュージカルでも良かった気もしました。過程の素晴らしさが見られていいですね。

 ■お弁当も美味しかったです。

 ■このドキュメンタリー映画を是非全国ネットで、一人でも多くの人に見てもらいたいなぁと思いました。心暖まる映画でした。

彼らのことを、もっと知ってほしいです。

既成にとらわれない人生、ありのままで生きていくことは、実は、健常者にとって難しいことなんだ、彼らを見習おうと考え方が、すこし変わりました。

 ■出来ることをみんなでつくりあげる素晴らしさを感じました。私も会社員ですが、何が一緒に出来るのかを考えていました。

  想像するだけで、楽しい思いをしました。

  ありがとうございました。

 ■最後のお二人の話も楽しかったです。

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 ■内容が良いので、「3時間」は思ったより短かかったです。

  でも、来る前の敷居がとても高いです。

  宝は掘らなければ、まさしく!ですね。

 ■観ていて、いつのまにか自分も入りこんで、その場にいる気持ちになっていました。

  この楽しい気持ちをもって家に帰るのが、さびしいような、お店に行ってみたいです。

 ■実は11月に行けず、残念に思っていたら、今回のチラシに出会い、運命を感じました。

  パン+歌+芝居+みんな一緒に自分のやりたいことに、つながる活動で、とても興味深いです。仕事でスピードや評価が求められ、長年背伸びして辛い日々を送って来て、自分らしい居場所探しをしています。

  ぷかぷかに触れ、動くことが何かに気づき、変われる気がしました。

  笑いや涙で観ていた今日・・・これからは一緒の時間が過ごせるといいな・・・

 ■ぷかぷかの仲間たちの純粋な心に打たれました。

  障害者だから何もできないという偏見を取り払ってくれた映画だと思います。

  映像の中の彼らから、たくさんの大切なものをいただいた気がします。

  ありがとうございました。

 

 ■すばらしかったです。一人一人が主役、スターですね。可能性が沢山あると思いました。

  人生面白くないと、言い続けている方が多い現状・・・一人でも多くの方が自由に楽しく、一時でも倖せ!!と言える時間をもてますように。

  ぷかぷかの存在は大きいと感じました。

 ■上映時間をもっと短くしていただけると助かります。

  少し長すぎるなと思います。

 ■心が、ほっこりしました。

  表現の市場、すごい!全部が間違えることも、すごく楽しい。ワークショップ見ていて

  心揺さぶられ、やさしい気持ちがふえます。ワークショップ参加してみたい。彼らに会ってみたいと思いました。(2月14日お休みだったら、いいな~)

  こんなステキな企画、場をつくった高崎さん、撮影された宮沢さん、ステキなピアノ・・・

  すべて・・・ありがとうございました。

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 ■映像の中の皆さんの笑顔が素敵でした。私の息子もハンディを持っています。(自閉症)

  本日午前中、会社でパニックを起こし、自宅に戻って来ました。連れてこようと思ってましたが、会社から戻るようにメール、「一生懸命働きます!!」と勇んで会社に又向かいました。

  沢山の方々が、あたり前に、ハンディのある人の行動を知ってほしい!!

  私は導かれるように今日ここに来ました。きっと!!        千葉県柏市

 ■泣き笑いの3時間でした。

  普通の人々が一番すごい、素晴らしいと感じました。

  まーさん、ぷかぷかに戻ってくるといいですね。

 ■歌も劇もやってるぷかぷかの皆さんは、とても明るく元気で私自身も元気を頂きました。

  途中、涙がでてきて、本当に心温まる映画でした。有難うございました。

  ぷかぷかのようなところが、もっと沢山出来て支援できるようなシステムが社会の中で、とりくみが出来たらいいな~と。その中で自分が何が出来るのかを考えてみたいと思います。4月のユーチューブも楽しみにしています。感謝です。

 ■とても興味深く見させてもらいました。

  最初に本番⇒メイキング映像の順に見た事で、こうして一つの舞台が出来上がるのかという発見と共に、障害を持つ方も、何ら変わらないのだと感じました。

  ドキュメンタリー形式にしたのは、彼らについて理解を深める上で、とても良い試みだったと思います。これからも、ぜひ発信を続けて下さい。

 ■この方たちは宝ということばが、胸に残りました。

宝物の光を、なくしてしまいたくない、皆に見せたい、自慢したい、こわしたくない、より輝けるようにしていきたいと思いました。

■障害のある人、ない人 かかわらず実生活で生きていて(その人らしくあって、よろしい)のではないかと思いは、その人しかない特異な分野で活動していけばよかろうと思って感じております。

 

 

★あなたの街でもぜひ自主上映をやって下さい。宮沢さんと高崎のトークショー込みで6万円です。一人1,000円で60人集めればペイできます。(会場費、宣伝費を入れると、あと2万円くらいはあった方がいいですが…) 

                                    以上

社会全体がもっと豊かに

 あれができない、これができない、とマイナス方向の目線で相手を見ている限り、相手との関係はどこまでもマイナス方向であり、そこからは新しいものは生まれません。

 障がいのある人たちとの関係は結局のところ、そういうものではなかったかと思います。そこから新しいものなんか生まれない…と。

 彼らと一緒にやる演劇ワークショップは、あれができない、これができない、ではなく、一緒にやればなにかおもしろいものが生まれるんじゃないか、というプラス方向の思いから生まれています。それは彼らと最初にどう出会ったか、ということだと思います。「あっ、おもしろい人!」と思うか、「何もできない人」と思うか、です。私はたまたま、養護学校の教員になったとき「ひゃ〜、なんておもしろい人たちなんだ」って思えるような出会いがありました。もちろんいろいろできないことはありました。でも、そのできないことを超えるおもしろいものを彼らは持っていました。そのおもしろさと出会えたこと、それがすべてのはじまりだったように思います。

 こんなおもしろい人たちと芝居を作れば、今までにないおもしろいものができるんじゃないか、と思って始めたのが演劇ワークショップでした。芝居に行き着く前の、演劇ワークショップの空間そのものが、彼らと一緒にやることで、ほんとうにおもしろいものになりました。今まで体験したことのない、すばらしく豊かな空間でした。演劇ワークショップというクリエイティブな空間を彼らが支えていることは明らかでした。新しいものを一緒に創り出していく「クリエイティブな関係」は、ここから始まりました。

 あれができない、これができない、といわれている人たちと新しいものを一緒に創り出す「クリエイティブな関係」ができた、というのは画期的なことだと思います。そのクリエイティブな関係の中で創り上げたのがみどりアートパークの舞台で上演した歌劇『森は生きている』です。

 映画『ぷかぷか』はそれができるまでの過程を克明に追いかけたドキュメンタリーです。

 あれができない、これができない、といわれている人たちと、どうやって「クリエイティブな関係」を作っていったのか、その関係の中で、どうやってあのすばらしい舞台作品を創っていったのか、そういったことが見えてくる貴重な映画です。

 

 彼らとマイナス方向での関係しかないのは、すごくもったいないと思っています。彼らと前向きのいい関係を作れば、すばらしいものがたくさん生まれてきます。元々そういうものをたくさん持っている人たちだと思います。それをうまく引き出せば、社会全体がもっともっと豊かになります。その手がかりがこの映画にはあります。

 ぜひ見てください。 

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即興で自分の感性と身体を使って表現をするということがとても新鮮でした

先月のワークショップに参加した方からの感想です。初めての参加です。

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仕事柄、人前で話すことが多かったり、考えることが多かったりするので、ことばを用いるのでも頭で考えるのでもなく、即興で自分の感性と身体を使って表現をするということがとても新鮮でした。そして、たった一日だけの参加でしたが、たくさんの発見がありました。

認識や認知を基準にして生活していると、見えないものがいっぱいあるのだなと思いました。頭で考えてもなかなか腑に落ちないことが、感性や身体を使ったらいつのまにか落ちている。いつの間にか知らなかった他者とひとつになれている。とても不思議な時間でした。

 

今回ワークショップに参加して、初参加にもかかわらず、無理に誰かに合わせたり、無理に愛想笑いしたり、そういうことをしなくてよい空間にほっとすると同時に、とてもなつかしい気持ちになりました。

見渡してみると、みんなそれぞれ。寝転がったり、おしゃべりしたり、歌を歌ったり、昼寝したり、ぼーっとしたり。

「みんなちがって、みんないい」ってこういうことか(!)と、ひとり合点した瞬間でした。

 

また、初対面にもかかわらず、メンバーさんのひとりが仲良くしてくれて、彼女にぎゅっととハグされたり、顔を撫でられたり、背中をさすられたり、そういう肌と肌のふれあいをとてもあたたかく感じました。そういえば、小さいころ、よく障がいのある友だちと一緒に遊んでいたなと、昔を思い出しました。

いつからかな、わたしの生活のなかから彼らがいなくなってしまったのは(いなくさせられてしまったのは)。

これまで一生懸命にやってきたけど、わたしは何か大事なものを過去に置き忘れてきたのではないか、そんな思いに駆られました。でも、ここにいたらそれを少しずつ取り戻せそうで、また参加したいなと思うと同時に、何よりもここはわたしらしくいていいところなのかもしれないと思いました。

もともと引っ込み思案で、誰にも見つからず一人でそっと静かにいたいのに、年を重ねるにつれ人前に出ることが多くなっています。そんな自分も嫌いではないけれど、でもやはりどこかで無理をしています。なので、みなさんがそれぞれ思い思いに過ごしている姿を見て、「あー。無理しなくていいんだ。わたしのままでいいんだ。」って心の底から安心することができました。

 

いつの間にか彼らがいなくなった(いなくさせられた)わたしの暮らす社会では、特定の「規格」が良しとされ、みんなそれに合わせるように生きています。

同じように考えて、同じように行動することが想定されています。だから、想定外のことは歓迎されません。

 

今わたしが暮らすこのような社会と、ぷかぷかさんが創りだしている社会の大きな違い。

それは多様性と即興性なのではないかと思います。

多様性は、上記の通り「みんなちがって、みんないい」。

即興性は、一人ひとりが生み出す想定外と、それを周りが受け止める寛容性、そしてその場にいる者同士が一緒に新しいものを創り出す想像性と創造性で成り立っていると思います。

即興性は身体が閉じていてはだめだから、演劇ワークショップで少しずつ開いていく。

身体を開いて、心も開く。

そしてそれが一人ひとり異なる多様性につながっていく。

でも、多様性はバラバラに拡散するのではなく、みんなで一緒に生きていくことを志向する。

演劇ワークショップに参加して、そんなことを考えました。

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「あなたが必要」と思える関係が自然に

  1月7日(木)みどりアートパークで映画「ぷかぷか」の上映会があります。ぷかぷかのメンバーさんと地域の人たちが一緒になって芝居づくりをしたときの記録映画です。月一回集まって、6ヶ月かけて芝居を作り、できあがった芝居はみどりアートパークのホールの舞台で発表しました。映画はその6ヶ月間の記録です。

 残念な話ですが、障がいのある人たちは「効率が悪い」「理解力がない」などと社会の邪魔者扱いされることが多いのが現状です。演劇ワークショップは、社会からそんなふうに邪魔者扱いされている彼らが「ほんとうは必要」と思える関係を自然に作り出します。「あなたにいて欲しい」と素直に思えるような関係が自然にできてしまうのです。意図的にそういう関係を作るのではなくて、自然にそういう関係ができるところが演劇ワークショップのすごいところだと思います。

 演劇ワークショップは、障がいのある人たちに何かをやってあげる、という感覚ではなく、お互いフェアな関係でやっていきます。フェアな関係でやる中で、「あなたにいて欲しい」「あなたが必要」と思えてしまうのは、どうしてなのでしょう。

  映画「ぷかぷか」を見ると、その理由がぼんやり見えてきます。

 社会の邪魔者扱いされている彼らに対し「あなたが必要」「あなたにいて欲しい」と思えるような関係が自然にできてしまうって、考えてみればすごいことだと思います。「インクルージョン」とか「障害者差別解消法」なんて理屈っぽいもので無理矢理やるのではなく、ごく自然に「あなたが必要」って思えるのですから。

 障がいのある人たちと一緒に生きていく手がかりが、一緒に生きていくとこんなにも豊かなものができあがるということが、この映画からは見えてきます。

 見なきゃ絶対に損!ですよ。 

 

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気力、体力、集中力の年賀状ーその2

  60歳で新しい事業を立ち上げるなんて、気力、体力、集中力を考えれば、無理無理、と先輩にいわれながらも始めたぷかぷかが、もう6年も生き延びて、気力が落ちるどころか、ますます意気軒昂の昨今。予想もしなかった「ぷかぷかのファン」は増えるばかりでうれしい悲鳴。それでも寄る年波は大丈夫か、と今年も「気力、体力、集中力」を試される版画の年賀状にチャレンジ。

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 エンジンのかかりは去年よりも悪かったものの、彫刻刀を手にしてからは楽しい時間になりました。約4時間で彫り上げ、まずまずのできだと思っていたのですが、刷ってみると集中力の低下を見つける羽目になり、かなりガッカリ。

 なんと文字が逆さまになっていたのでした。版画は逆さまに文字を彫っていきます。薄い和紙に文字を書いて、それを裏にして版木に貼り付け、その上から彫っていけば間違えることはないのですが、なんかおもしろくない気がします。書かれた文字をなぞるだけでは、彫刻刀で彫っていく楽しさ、緊張感がなくなるからです。それでいつも鉛筆でラフな文字を版木に書き、それを見ながら彫っていくのですが、当然彫る文字と鉛筆の文字ははじめからずれていて、途中でだんだんわからなくなります。でも、このわからなくなった頃が、どんなふうに彫るかをいちばん考えなければならないときで、私はいちばん好きです。

 「あ」とか「め」という字を逆さに彫るのは、すごくむつかしくて、別に用意した紙にあらためて書いたりして確かめるのですが、今年はその作業がとてもむつかしい気がしました。

 画像認識の力が衰えてきたというのか、「あ」とか「め」を裏返した文字がなかなかイメージできないのです。これには困りました。ごまかしながら何とか彫りましたが、刷り上がった文字には、ごまかしがそのまま出てしまいました。

 それ以上にショックだったのは、簡単な文字が逆さになっていることでした。「け」と「と」の文字です。こんな文字を間違えるなんて、これはもう集中力の衰え以外何物でもないですね。ま、それでもこの程度なら、この1年、何とかがんばれそうな気がします。

 それでも彫っている時間はものすごく楽しくて、至福の4時間でした。

 「け」と「と」の文字は、ま、愛嬌だと思って見てやってください。

 今年は夢見る猿だけでなく、世の中をしっかり見る猿、言う猿、聞く猿になりたいと思っています。よろしくお願いいたします。 

                          (高崎)

 

 

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セノー宅配便が運んでいるもの

 ぷかぷかの映画に込める思いをまた書きます。

 映画でいちばん伝えたいのは、ぷかぷかにただよう「ほっこりしたあたたかさ」です。この「ほっこりしたあたたかさ」とか「空気感」といったものは、文章ではなかなか伝わりません。やっぱりこれは映像だからこそ伝えられるものだと思います。このあたたかさはもちろんぷかぷかのメンバーさんのあたたかさ。

 彼らが彼ららしく振る舞っていることで生まれるあたたかさです。 

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なんでもない会話が、どうしてこんなに心をあたためてくれるんだろうと思います。こういう会話を交わす時間こそ大事にしたいと思うのです。

 

こんなふうに彼ららしく振る舞って、それでいて仕事が成り立つところがぷかぷかです。

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 セノーさんは養護学校にいる頃、実習にいって、仕事をしないからと一日で実習を断られたことがあります。確かにセノーさんはふつうの感覚でいう仕事はしません。それでもセノーさんと一緒にいるとすごく楽しいし、心があたたまります。なによりも今一緒にいることの幸せを感じます。

 工房と事務所を結ぶ「セノー宅配便」は毎日のようにどこかでストップしています。道の途中で動かなくなったり、トイレに閉じこもったり、ロッカーで寝てしまったり、いつまでも休憩していたりで、ほとんど毎日のように捜索の電話が事務所にかかってきます。それでも上の動画のように仕事をやりながら、毎日ほっこりしたあたたかさをまわりに振りまいているのです。「セノー宅配便」が運んでいるのは荷物だけではないのです。

 それこそが今の社会に必要なものじゃないかと思うのです。

 こういう人はほんとうに社会の『宝』だと思います。こういう人がいるから、私たちは心が潤い、自分の中で人間を保つことができるのだと思います。心がすさむと、人間であることを忘れてしまいます。

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 昔、養護学校で彼らに出会ったころ、そのほっこりしたあたたかさに包まれて「人間ていいなぁ」って、しみじみ思ったことがあります。それまでふつうのサラリーマンやっていて、人としてのあたたかさにふれるような機会が全くといっていいほどありませんでした。そんな私に彼らは人のあたたかさというものを思い出させてくれたように思うのです。なんて素敵な人たちなんだ、この人たちと一緒に生きていきたい、素直にそう思いました。

 

 映画でね、そんなことが伝えられたら、と思っているのです。

 

 近々プロモーションビデオ制作のプロデューサーが、私の思いをくみながら映画制作の企画書を作ってくれます。世の中に通用するプロ仕様の企画書です。

 企画書ができたからといって、それで映画ができるわけではありません。いちばんの問題はなんといっても制作するためのお金です。どういう作り方をするかによりますが、プロデューサーの話だと、1時間程度のドキュメンタリー映画で、1,000万円から1,500万円は考えていた方がいいだろう、ということでした。

 ぷかぷかにはとてもそんなお金はないし、そんなの無理無理、っていってしまえば、この話はここでおしまいです。でも、おしまいにするには惜しい映画だと私は思っています。私の思いに共感し、映画の企画書を書きましょう、といってくれるプロデューサーも現れました。映画の夢がほんの少しですが確かな形で前に進んだように思っています。

 こんな映画を作りたい、って思い続けること。その思いを発信し続けること。そうすれば、きっと誰かが受け止めてくれて、新しい何かが動き始めると思っています。そう思いながらわくわくどきどきの夢を追う新しい一年が始まります。

 今月半ばにはプロモーションビデオ制作の絵コンテとドキュメンタリ−映画の企画書ができあがる予定です。楽しみにしていて下さい。

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

今年もわくわくするようなことをいっぱい

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新しい年が明けましたね。平和な一年であって欲しいと思っています。

今年もまたわくわくするような楽しいことをいっぱいやりたいと思っています。明日に向けてわくわくするようなことがあること、それが一番大事です。

 

 パン屋、お惣菜屋は1月4日(月)から営業開始ですが、メンバーさんはその日、余暇支援で江ノ島水族館に行きます。みんなものすごく楽しみにしています。

 メンバーさんは1月5日から仕事です。

 

 1月7日(木)にはみどりアートパークにて映画『ぷかぷか』のアンコール上映会があります。まだご覧になっていない方はぜひ。

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1月30日(土)には『ぷかぷか冬のマルシェ』があります。詳しくは後日。

 

そうそう、昨年暮れにパネルにして区役所に納めた大きな絵地図のお披露目式が年始めに緑区役所であります。区長さんが絵地図の中の似顔絵を描いたヨッシーに感謝状を贈呈するみたいです。おもしろいですね。ほんの思いつきで始まった大きな絵地図が区役所のロビーに飾られ、おまけに区長さんから感謝状がもらえるなんて。

 こういう思っても見ないことがあるからぷかぷかの仕事はおもしろいです。いつも新しいこと、新しいことを目指して仕事をやっていると、こんなことがあるのです。目が離せないですよ、今年も。

 ともあれ、今年もよろしくお願いいたします。

 

表現の市場のチラシができました。

 来年2月14日に予定されている「第2回 表現の市場」のチラシができました。(チラシの絵をクリックすると大きくなります)

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 「表現の市場」の元気がそのまま伝わってくるようなすばらしいチラシです。文字はオリタさん、絵はヨコヤマさん、デザインはわんどスタッフの近藤さんです。

 ワークショップの進行役、舞台制作をお願いしている演劇デザインギルド代表の成沢さんがこのチラシを絶賛していました。この方は滅多にほめることがないのですが、今回はよほど気に入ったのか、珍しく褒めちぎっていました。

 今回加わった「楽しい自由なえんげきチーム」は精神の人たちの演劇グループです。気分の浮き沈みが激しいので、みんなそろっての練習がすごく大変だそうです。どんな芝居を発表してくれるのか楽しみにしています。

 昨年公表だった「分教室はっぱ隊」は有名になってあっちこっち引っ張りだこのようです。舞台の場数は増えても、みんなそろっての練習時間が取れないので、新しい歌の練習ができません。4月の5周年イベントに出演したときは、「表現の市場」の舞台に立ったときよりもテンションがグンと落ちていて、「謝礼を払えるレベルじゃない」とクレームをつけました。それが効いたようで、来年は新作を発表するようです。バージョンアップした「分教室はっぱ隊」を期待してください。

 ダンスのSTEP IN THE LIFEの代表梅沢さんは来年1月31日の「せやまんまるフェスタ」の舞台に立つダンサーをなんと50名も募集中です。相変わらず元気ですねぇ、この人は。

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 昨年の表現の市場

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 来年はどんな舞台になるのか、ものすごく楽しみです。

 

 

 昨年の舞台の記録映画『ぷかぷか』が来年1月7日(木)みどりアートパークでアンコール上映されます。ぜひ見てください。

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密やかな祈りのような映画を作りたい

 プロモーションビデオの制作をきっかけに、やはりそれなりのメッセージをきちんと伝えるぷかぷかの映画を作りたいと思い始めました。演劇ワークショップの記録映画はできましたが、ぷかぷかそのものの記録映画はまだできていません。近いうちに本をまとめようと原稿を書きつつあるところですが、やはり映像にはかなわないと、映画『ぷかぷか』を見ながらしみじみ思いました。

 映画に込める思いを書きます。

 

記録

ぷかぷかの今を映像で記録しておきたいと思うのです。

 《 いっそ「記録」は過去ではなく、未来に属していると考えたらどうだろう 》

 《 写真家はこういって「そう考えなければ、シャッターを切る指先に、いつも希望が込められてしまうことの理由がわからなくなる」と続ける。……家庭で淡々と子どもの日常を記録する母親のふるまいにも、役所で誰のためともなくこつこつ書類をとじる人の作業にも、きっと密やかな祈りが込められている。 》

 と、少し前の朝日新聞「折々のことば」にありました。

 未来への希望を込めた、密やかな祈りのような映画にしたいと思うのです。

 

 

●この記録は、障がいのある人もない人もお互い気持ちよく生きていける社会を実現するための手がかりになります。「障がいのある人たちと一緒に生きていきたい」という思いからぷかぷかはスタートしました。彼らとは一緒に生きていった方がいいよ、というメッセージを日々発信し続けました。ぷかぷかがこの5年間やってきたことは、すべて「一緒に生きていった方がいい」というタイトルの物語であり、その先には「お互い気持ちよく生きていける社会の実現」があります。それへの手がかりを探った5年であったように思うのです。

 この時代の閉塞感を打ち破るのは、ぷかぷかのメンバーさん達ではないか、という気が最近しています。「ぷかぷかが好き!」という人が増えている今、やはり救われるのは私たちの方ではないかと思ったりするのです。映画はですから、私たちを救うためのものでもあるのです。

 

 

●「この国には何でもある。ほんとうにいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」(『希望の国のエクソダス』) 淋しいですが、実際そう思います。政治の劣化は目を覆うばかりです。「希望だけがない」。なんて淋しい言葉でしょう。なんて淋しい国にいるのでしょう。といって、絶望するわけにもいきません。私たちは日々、子どもたちと一緒に明日に向かって生きているわけですから。何よりも子どもたちの未来があります。

 国に希望が持てないなら、私たちで作っていくしかありません。子どもたちが希望の抱ける社会にしたいと思うのです。(7月にオペラ『ロはロボットのロ』を子どもたちにプレゼントしました。わくわくするような時間は、明日に向かっていくルエネルギーを生みます。明日に向かう希望を生みます。)

 

 ぷかぷかの記録映画には障がいのある人たちといっしょにどう生きていくのかということについて、未来に希望の持てる物語がいっぱい詰まっています。

 

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 瀬谷区役所の外販の時のお客さんの行列です。社会のお荷物だとか、厄介者といったマイナスイメージばかりの障がいのある人たちのお店にこんなにたくさんの人が並ぶのです。ぷかぷかのパンのおいしさと、ぷかぷかのメンバーさんの魅力が作った行列です。ここには「希望」があると思っています。

 

 パン教室には子どもたちがたくさん参加します。何の偏見もなく、メンバーさんとおつきあいしながら楽しくパンを作ります。

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  ここには未来への「希望」があります。子どもたちの作る未来が楽しみです。

 

 

 今までどこにもない福祉事業所

 先日の緑区役所での人権研修会のアンケートを見ると、今までの概念が覆されました、という趣旨の感想がいくつかありました。私はありのままのぷかぷかを語ったのですが、それが、今までの概念を覆すほどのものだったことに、アンケートを見て気がつきました。ぷかぷかは、福祉事業所の、新しいあり方を提案しているのかも知れません。福祉事業所が地域の人たちと一緒になっておもしろいことをいっぱいやれば、地域は元気になり、今よりずっと豊かなものになります。それが利用者さんたちの人生をも豊かにします。

 

●ぷかぷかは地域社会と様々なチャンネルでつながりを作り、地域社会を豊かにし、一緒に新しい文化を生み出しています。

  たくさんの人たちがお店に買い物に来て、メンバーさんたちと出会い、自分の幅を広げています。人が豊かになり、地域が豊かになります。

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ぷかぷかのメンバーさんと地域の人たちが一緒に創りだした新しい文化。こういう作品を舞台にあげ、たくさんの人が見ることで、地域は豊かになっていきます。

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 演劇ワークショップの試みは、「福祉の現場において、多様な文化の向上に尽くしている」ことが評価され、読売福祉文化賞を受賞しました。

pukapuka-pan.hatenablog.com

 

 地域社会に文化と豊かさを。

地域の子どもや大人も一緒になって、みんなで大きなクジラの絵を描きました。

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 こんな大きな絵は家庭では描けません。家庭ではできないことがぷかぷかでできた、ということが大きかったと思います。ぷかぷかは今、地域の人たちにとってとても大事な場になっています。

 みんなで作り上げること。みんなのエネルギーを集中させ、それを表現にまで高めること。それが文化の創造であり、地域社会を豊かにすることだと思います。

 

 

   緑区民まつりでぷかぷかの手がけたブース。50張りくらいあったテントの中で唯一楽しいデザインを施したテント。こういうものが社会を楽しくします。豊かにします。

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上の写真は地産地消サポート店マップ。近々区役所のロビーに飾られます。メンバーさんの描いた絵がすばらしく自由で、楽しいです。十日市場の駅の近くをサイが散歩していたり、鴨居駅の近くでイルカが泳いでいたりします。ロビーがちょっと楽しく、豊かな空間になります。

 

 

 

●地域の子どもたちとメンバーさんとのおつきあいの機会をたくさん作り、未来に希望の種を蒔いています。

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● 福祉事業所の応援団ではなく、純粋に「ぷかぷかが好き!」「ぷかぷかのファン」という人たちを自然に増やしています。

 このご家族はお子さんの1歳の誕生会をカフェでやりました。「料理のおいしさだけでなく、ほっこりするスタッフさんとの触れ合いも楽しみの一つです」とおっしゃっています。そして誕生会の日、「メンバーさんといっしょに写真撮らせて下さい」とおっしゃったのです。

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メンバーさんの声がうるさいと苦情の電話がかかってきたり、ウロウロ同じところを行ったり来たりするメンバーさんが目障りだと面と向かっていわれたり、何度も心が折れそうになりましたが、ぷかぷかがスタートして3年目に撮れたこの写真にはほんとうに救われました。この1枚の写真を撮るためにがんばってきた感じがしました。

 

 

●本物の仕事で勝負している福祉事業所。

 ほかのパン屋に負けないパンくらいおいしいパン、ほかのカフェに負けないくらいおいしい食事と雰囲気、ほかの店に負けないくらいおいしい惣菜、弁当で勝負しています。そういう本物の仕事をしているので、メンバーさんの日々が充実し、笑顔がたくさん生まれます。本物の仕事はメンバーさんの人生をしっかり支えます。「最近仕事はどうですか?」の質問に「まっすぐ前を向いて生きています」と語ってくれたメンバーさんもいます。言葉が光っています。

 

 

●障害のある人たちを支援する、と彼らを上から目線で見るのではなく、一緒に笑ったり、悩んだり、怒ったりしながら、この時代を一緒に生きていこうと思っています。もちろん必要なときはいろいろな手助けはします。でもそれは一緒に生きていく仲間として当然だからやるだけの話です。彼らとの関係性が「支援」とは根本的にちがいます。

 

 

●障害のある人たちを支えるよりも、むしろ彼らに支えられている福祉事業所です。彼らがいないぷかぷかは淋しいお店です。どこにでもあるただのパン屋であり、ただのカフェであり、ただの惣菜屋になってしまいます。スタッフだけで営業した日に来たお客さんは「なんだか別のお店に来たみたい。淋しいですね」とおっしゃってました。やっぱり彼らあってのぷかぷかであり、彼らに支えられているぷかぷかなのです。

 

 

映画作りには、まだまだいろんな思いがあるのですが、疲れたので今日はここでおしまいにします。読んでいただいてありがとうございました。

 

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