ぷかぷか日記

除幕式と絵地図物語

 緑区役所でぷかぷかのメンバーさんたちの描いた大きな絵地図の除幕式がありました。

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区長さんがあいさつしているとき、向こうに並んだぷかぷかのメンバーさんで、寝てる人がいたみたいですね。

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除幕式という固い雰囲気を吹き飛ばすように辻さんが元気よく「ぎんぎらぎんにさりげなく」を歌いました。「表現の市場」とは全くちがう雰囲気の中で、ここまで一人でテンションを上げられるって、すごいなとあらためて思いました。

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そばにいた平本さん、麻野さんもノリノリで踊っていました。あんまりノリ過ぎて、絵地図をかくしていた幕が落ちてしまいました。

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事前の打ち合わせでは、区長と私とメンバーさんが幕のひもを引いて幕が落ちる予定でした。ま、ぷかぷからしい除幕式だったと思います。

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除幕式のあと、平本画伯は区長さんの似顔絵を描きました。

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絵地図物語

 昨年の区民まつりで、ひょんなことから地産地消ブースのデザインをぷかぷかがやることになり、それと合わせて地産地消サポート店の絵地図を描くことになりました。

 ひょんなことというのは、区民まつりの地産地消キャンペーンの予算の最終打ち合わせの席でした。ぷかぷかに依頼のあったおから300パックの値段は6万円、区の方は10万円用意していました。差額は4万円。ここで黙っていればなにも起こらなかったのですが、

「あの、その4万円で地産地消ブースのデザインとキャンペーンのチラシのデザインをやらせてもらえませんか?」

という提案をしました。ブースのデザインなんて、考えてみれば結構大変ですが、養護学校の教員をやっている頃、文化祭などでこのテのデザインは数え切れないくらいやっていたので、まぁなんとかなるだろうと思っていました。

 今から考えると、このときのひとことからこの絵地図の「物語」が始まりました。

 突然の提案で、区の方も即答ができず、検討します、ということでその日は終わりました。2,3日たってから、ブースとチラシのデザインをぷかぷかに任せたい、という連絡がありました。ぷかぷかがふだんから作り出しているものを見ての判断だったと思います。ぷかぷかに任せればこんなおもしろいものを作るんじゃないか、と。

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 最初は地産地消キャンペーンのチラシに地場野菜を積極的に取り入れている地産地消サポート店のお店の情報を入れて欲しいという依頼があり、テキストデータが送られてきました。お店の名前、中華とかイタリアンなどの品目、電話番号、住所などです。これを見ても、

「あ、行ってみようかな」

っていう気持ちにならないので、絵地図を描くことにしました。絵地図の中にはお店の絵を入れます。それだけでなく、シェフの似顔絵を入れようと思いました。似顔絵を入れることで、絵地図の雰囲気がグンとあたたかいものになります。ちょっと行ってみようかな、という気にもなります。似顔絵師の平本さんと一軒一軒回って似顔絵を描きました。

 ところがチラシにはその似顔絵を入れるスペースがなく、区役所としてはA1サイズのパネルを用意するので、そこに絵地図を貼って欲しいということでした。で、A1サイズの絵地図を描いたのですが、せっかく描いた似顔絵が小さくなってしまい、なんかもったいない気がして、テントの横の壁面に張り出すことにしました。横3.6m、縦2mの大きな紙の紙がベースです。これなら似顔絵の原画がそのまま貼れます。そうしてできあがったのが今回の絵地図です。

 さぁ、物語の始まりです。

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  これが「絵地図物語」です。差額4万円から始まった物語です。4万円は「投資」ではありません。でも4万円が生み出した豊かな物語を考えると、やはりこれは区役所がぷかぷかに対して「投資」したと考えてもいいような気がします。この4万円でぷかぷかは何か面白いものを創り出してくれるんじゃないか、というワクワクするような「投資」です。そのお金を「投資」したことで何倍もの「新しい価値」を生み出したのですから。

 あの大きな絵地図が区役所に張り出されることで生み出される効果ってなんでしょう。区役所にやってきた人たちは絵地図の前で足を止め、クフって笑います。ふっと心が安らぎます。心があたたまります。癒やされます。「あっ、あのお店に行ってみようかな」ってうきうきした気分になります。

 

  ブースのデザインからはじまった今回の物語、本当に楽しい仕事でした。緑区役所のみなさん、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

NPOが生み出す「価値」

 NPOは社会的な課題を解決するために設立され、その課題解決に向かって様々な取り組みをします。ぷかぷかは「障がいのある人たちの社会的生きにくさ」という社会的課題の解決のために、街の中に彼らの働くパン屋、カフェ、お惣菜屋、アートショップを作りました。でも、街の中に彼らの働くお店を作るだけでは、課題解決にはなりません。

 お客さんにお店に来てもらい、そこで働く障がいのある人たちといい出会いをしてもらうことが大事です。いい出会いの中で、「ああ、この人たちとはいっしょに生きていった方がいいね」って思ってもらえることが、社会的課題の解決の一歩だと考えています。

 そのお客さんにどうやって来てもらうか、そこが商売としてやる上でむつかしいところです。ただパンを焼いてるだけ、カフェをやっているだけではお客さんはなかなか増えません。やはりお客さんが来てみたくなるような、魅力ある物語、ここにしかない「価値」を作り出すことが求められます。

 その「価値」をどうやって作り出すか、を考えたくて、NPOが生み出す「価値」について考えるセミナーに参加して来ました。

 

 おもしろいなと思ったのは、《「価値創造」の進化》という表でした。左から右へ行くほど「価値」あるいは「価格」が増す横軸と、下から上へ行くほど「差別化」が大きくなる縦軸で表現される「価値」の評価基準です。「価値」という漠然としたものを、二つの軸でわかりやすく評価していこうというものです。『価値創造』がどのように進化していくのかが見えてきます。

 その表で、いちばん左下は「コモディティ」といわれるもの。「差別化」においても「価値」においてもいちばん低い位置にあります。使えさえすればメーカーは問わない日用品のようなものです。代替可能なものです。

 その次のランクはものの価値だけにとどまっているもの。ものを作れば売れた時代の価値観にとどまっているものです。この価値は、さわれるもの、目に見えるものです。

 三番目のランクはものの価値にお客さんへのサービスが加わったもの。お客さんのニーズをしっかりつかみ、それを商品に生かしたものです。この価値は、さわれないもの、目に見えないものです。

 四番目はお客さんの「経験」が「価値」となるようなもの。お店に来たときの忘れがたい「経験」が「価値」を生みます。

 五番目はお客さんの「変化の経験」が「価値」となるようなもの。経験によって自分が変化した、成長したことが実感できるようなこと。かけがえのない体験こそが生み出すかけがえのない「価値」。

 

 《「価値創造」の進化》という表の意味を学んだあと、さてあなたの団体はこの表の中のどの段階の「価値」を作り出していますか?という問いを考える時間がありました。

 

 ぷかぷかはパン、カフェの食事、お惣菜、アート商品を作っています。ものを作っていますが、ものの価値だけにとどまらず、目には見えないたくさんの思いをこめてお客さんに提供しています。

 パン、食事、お惣菜は、お客さんが安心して食べられる、おいしいものを作っています。何を食べても添加物でいっぱいの世の中にあって、「お客さんが安心して食べられる」というコンセプトは、ただそれだけですばらしい「価値」があります。お客さんがいちばん求めているものだからです。そこには私たちの命への思いがあります。あなたの命、子どもの命を傷つけたくない、健康な命を未来に引き継いでいきたい、という思いです。食べ物は命を育むもの、だからこそ、安心、安全を大事にしたいと思っています。こういった思いはお客さんにまっすぐに届きます。

 ものの価値だけにとどまらす、お客さんのニーズにしっかり応えている、という意味で、ぷかぷかの商品は三番目のランクに位置します。ものの価値の上に、目に見えない「価値」がそこには加わっています。

 

 ぷかぷかは障がいのある人たちが、楽しい雰囲気で働いています。見学に来た方の多くが「ここは明るいですね」と感心するくらいみんな楽しそうに働いています。そんなぷかぷかのあたたかな、ほっこりした空気感にふれ、心を癒やされ、「ぷかぷかが好き」になってしまったり、「ぷかぷかのファン」になってしまった方がたくさんいます。

 先日「日経イニシアチブ大賞」にエントリーしたときは、障がいのある人たちのありのままの姿が、今までにない新しい価値を生み出している、といったことを書きました。セミナーの話で修正するなら、障がいのある人たちのありのままの姿に出会ったお客さんが、心あたたまる「経験をした」ということが「価値」を生み出した、ことになります。「価値創造」は「顧客経験」という形で実現されるというわけです。

 ぷかぷか全体のほっこりあたたかな雰囲気を肌で感じたお客さんたちが「ぷかぷかのファン」になっている現状を考えると、ぷかぷかが作り出しているものの「価値」は、第四段階にあると言えます。

 

 「価値」の軸においても「差別化」の軸においても一番上のランクに位置するものは「変化の経験」だとありました。「人間回復と自己再創造」とも書いてありました。新しい「経験」によって、自分が変化し、成長したことを「経験」する、「実感」すること、それが新しい「価値創造」だと。

 え〜、それって「演劇ワークショップ」で作り出しているものじゃん、とセミナーを受けながら思いました。

 ぷかぷかのお店では、障がいのある人たちに出会うという「経験」が新しい「価値」を生み出しています。それ自体、自分の人間としての幅が広がるわけですから、「変化の経験」ではあるのですが、演劇ワークショップは、その「変化の経験」の幅が格段に広がります。それは障がいのある人たちと一緒にクリエイティブな活動をし、一緒に苦しい思いをしたり、びっくりするような新しい発見をしたりするからです。

 演劇ワークショップは、お店での単なる出会いから先へ進んで、クリエイティブな関係を作り、その中で新しい芝居(一緒に生きていった方がいい、という理由が具体的な形で明確に見える)を作り出したいと思って始めたものです。

 演劇ワークショップで作り出したものの「価値」は、想定していたもの以上の「価値」を作り出していたことに、セミナーの中で気がつきました。これはちょっとびっくりでした。「人間回復と自己再創造」という言葉が第五段階の「価値」には書いてありましたが、ワークショップに参加した人たちの感想を読むと、本当にその通りだと思います。

 NPO法人ぷかぷかが設立当初に掲げた「障がいのある人たちの社会的生きにくさ」の解消、という目標は、社会の中で「人間回復と自己再創造」という、人間の深いところでの変わりようがあって、ようやく実現できるのだと思います。社会というのはそうやって少しずついい方向へ変わっていくのだと思います。

 

ワークショップが生み出す「価値」

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自画像展

 カフェでわんどメンバーさんの自画像展をやっています。

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マスクがすばらしくいい!

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目が空洞のように開いて、奥の深い人だなと思いました。

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いい青年の自画像です。

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クレオパトラかと思いました。「そうか、実はクレオパトラみたいに美人だったんだ」と、本人に言ったらすごくうれしそうにしていました。本当にすばらしい自画像です。光が反射して見にくいので、ぜひ原画を見に来てください。

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とても慎ましい自画像です。

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心の中はこんな青年なのかも。

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世界を明るくする自画像です。

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自画像まで元気いっぱいのテラちゃん。こっちまで元気になります。

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プロの画家ですね。

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ぷかぷかのメンバーさんも地域の人たちも、みんなでこの一瞬を共有できたこと

hanaちゃんのお母さんがブログに感想を書いていました。

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 最後に載っている「やりきったよ…」というキャプションのついたhanaちゃん写真がいいです。

 

 お母さんがhanaちゃんと一緒に、こんなにいい顔して舞台に立てたこと、それが本当によかったと思います。「みんなの《生きる》」は、まさにこのことだと思います。この時間、この空間、この舞台のことです。

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  昨年歌劇『森は生きている』をやりました。そのときに歌った歌の中に「マツユキソウが咲いた…」という歌があって「一瞬の今を、千秒にも生きて、このうれしさを胸に、胸に、胸に、きざもう」というところがあります。

 あの舞台の一瞬を、こんなふうに胸に刻んで欲しいと思っています。ぷかぷかのメンバーさんも地域の人たちも、みんなでこの一瞬を、こんなふうに共有できたこと、それが「みんなの《生きる》」だったなとあらためて思います。

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区役所の除幕式で辻さんが歌います。

 2月14日(日)『表現の市場』は定員300人のホールがほぼ満席でした。辻さんは『表現の市場』のトップバッターとして、『ぎんぎらぎんにさりげなく』を歌って、満席のホールを一気に盛り上げました。歌一つで満席のホールを盛り上げるなんて、なかなかできることではありません。あらためて辻さんの持っているすごい力を思いました。

 私にはとてもあんなことはできません。場を盛り上げる能力においては辻さんの足下にも及ばないと思いました。にもかかわらず辻さんは「障害者」であり、私は「健常者」ということになっています。「障害者」は「健常者」より劣っていることになっています。

 辻さんはじめ、表現の市場の出演者は、そういう《「障害者」は「健常者」より劣っている》といった《人を見るときの見方》を、いとも簡単にひっくり返してしまったように思います。

 「いや〜負けました」って、私たちの側が、潔く負けを認めるとき、彼らとの関係はすばらしく豊かになる気がします。

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 その辻さん、3月3日、ぷかぷかが描いた大きな絵地図の除幕式で歌うことになりました。

 去年の秋の区民まつりの時に描いた地産地消サポート店の大きな絵地図が、高く評価され、パネル張りになって緑役所のロビーに飾られることになりました。

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このきれいなロビーに飾られます。

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  その除幕式が3月3日(木)の午後1時半から緑区役所ロビーでおこなわれます。区長も出席の除幕式という固い雰囲気の中で、辻さんが『ぎんぎらぎんにさりげなく』を歌うと、一体どういう雰囲気になるのか全く予想がつかないのですが、この予想がつかないところがなんともわくわくします。ぷかぷかの楽しい絵地図の除幕式にふさわしいぎんぎらぎんにさりげなくいい雰囲気になるのではないかと期待しています。

 お近くの方、ぜひ聞きに来て下さい。表現の市場を聞き逃した方は絶対聞きに来なきゃ損!です。 

 

恐竜の門を作ります。

 街作りをやっている「ひまわりの会」から、4月9日(土)に行われる「クローバーまつり」の入り口の門を作って下さい、と頼まれました。昨年10月に四季の森公園であった区民まつりで、ぷかぷかがデザインした地産地消のブースを見てのようでした。こんなふうに仕事が入ってくると、あのときがんばって仕事してよかったなと思います。

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 門は、段ボールで適当に作る予定でしたが、先日あった「クローバーまつり」の打ち合わせで、なんとなく何かやりたくなる雰囲気になって

「子ども達と一緒に段ボール箱を使って恐竜を作るワークショップをやります」

なんて言ってしまったので、

「あの、門も、恐竜の門を作ります」

なんて言ってしまいました。すべて「はずみ」です。

 で、先日、その門を作る場所に行ってきました。霧ヶ丘高校前の交差点のところです。

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 さっそく恐竜の大好きな横山さんに絵を描いてもらいました。ひまわりの会からの依頼なので、ひまわりの好きな恐竜にして下さい、とお願いしました。で、できあがったのがこの絵です。

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 頭としっぽにちゃんとひまわりが描いてありました。この恐竜が2頭、左右からがっちりと組み合っているデザインで門を作ろうと思っています。段ボール箱を組み合わせて作ります。どんな恐竜ができあがるか、楽しみにしていて下さい。

 通りかかった子ども達が

「あっ!おもしろそう!」

って、寄ってくるような門ができたらいいなと思っています。

 ぷかぷかがデザインした楽しい門が街の中に立ち、子ども達が寄ってくるなんて、考えただけで楽しいです。街の中で、ぷかぷかに頼むとこんな楽しいもの作ってくれるんだ、って噂になるといいなと思っています。福祉事業所がこうやって街の中に出ていけば、社会はもっともっとおもしろくなります。

 この恐竜の名前を募集します。絵を見ながら名前を考えて下さい。思いついた方はメールにてご応募下さい。pukapuka@ked.biglobe.ne.jp 高崎宛でお願いします。

 

 恐竜ワークショップは、段ボール箱を使って、グループで恐竜を作ります。使える段ボール箱は1グループ10箱。あえて数を限定し、限られた中でアイデアを競います。絵の具、色紙、広告の紙、新聞紙、糊、ガムテープ、カッター、はさみなどを用意しておきます。それを使って自由に恐竜を作ります。

 できあがったら恐竜を眺めながら、グループで恐竜の名前をまず考えます。鳴き声、歩き方、得意技、性格なども考えます。その発表会をします。

 発表会のあとは、恐竜を使った芝居を作ります。

 ある日、ひまわりの咲き乱れる野原の真ん中で恐ろしい二頭の恐竜がばったり遭遇しました。さて何が起こったでしょう、というのがテーマです。恐竜は大概喧嘩をするものですが、喧嘩をしたら、そこでお話は終わってしまいます。そうではなく、《二頭の恐竜がばったり遭遇したのに喧嘩が起こりませんでした。どうしてでしょう?》がここでのテーマです。鳴き声、歩き方、得意技、性格などをうまく使って物語を考えます。チョウチョとか、芋虫とかを作って、お話をふくらませるのもアリです。多分恐竜以外のものがあった方が、お話は作りやすいと思います。

 芝居のあとは、恐竜を担いで街を練り歩きましょう。

 楽しい一日になりそうです。

 

 

障害者アートなどと言わなくても、当たり前のように生活の中に…

 昨日50人くらい集まるパーティに「おひさまの台所」からごちそうを届けました。

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外国の方も参加されるので、メニューも書いてください、と頼まれ、折田さんに書いてもらいました。その字がすばらしい、とほめていただきました。

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 今日、たまたま「障害者アートは社会を変えるか」というテーマのシンポジウムの案内が来ました。メニューの字は別に「障害者アート」として書いたわけではありません。でも、こういう味のある字が、障害者アートなどと言わなくても、当たり前のように生活の中に入り込むことで、生活は潤いのあるものになります。今回パーティメニューを注文された方は、思ってもみないところでこんなすてきな字に出会え、本当に絶賛されていました。アートを見に来たのではなく、おいしいごちそうを食べに来たら、思いがけず、こんな字に出会った、というわけです。こういう出会いこそが、少しずつ社会を変えていくのだと思います。お互いが生きやすい社会に…

 

「どっひゃ~」って崩れ落ちそうになりました。

  いつもおひさまの台所に買い物に来てくれている「イカけんちん」の大好きな近所の方が、ワークショップに参加し、すばらしい感想を書いてくれました。参加者の中でどんなことが起こっているのか、とても丁寧に描いています。あらためてワークショップが生み出している出来事の幅の広さを思いました。

 

●●● 

 ある時、ぷかぷかを知り、前回の舞台を見に行き、心がゆさゆさ、ザワザワ揺れた。 エネルギーの大きさ、自由なメンバーさんにワクワクした。もっとみんなと、一緒に過ごしてみたくて、WSに参加させてもらう事になった。みんなが、自由で豊かに思えた。
 
 私は普段色んなものを、かぶってるから、あるがままではいられないけど、ここでは普段持つネガティブな感情を排して過ごせるんじゃないか・・・そんな事も思った。「私はそのまんまで臨む。構えない。用意しない。作らない。褒められなくても、認められなくて大丈夫。何も卑下しない。何か覚えようとか、覚えなくちゃとか、思わない。普段とは真逆に行こう。だからあえて頑張らない」。
 
 私には、色んな事を差し置いても大好きな事があった。無理をしなければ求めている 事は 手に入らないと思って無理もして求めてきた。好きな事には無理もするし挑戦もする。それで良い。でも何が自分の本来の床面なのか、足元が見え辛くなっていた。
 
 WSがついに始まった。最初の頃、みんなが幸せに思う事、怒りの事、それぞれ短冊状の紙に書いて並べ、なんというか・・詩のようにしてみようと試みていた回があった。けど人に発表するには、まとまりも足りないし、方向が見出せない事もあった。仕方がない。必要ならば植木を切るようにチョキチョキして、何となく、まとめよう。いや、でも・・そんなの、みんなとの詩じゃない。これは「みんなの生きる」なんだよな。
 
 ・・・・モワモワを少々抱えつつ、いつどこの段階で「 これでイイじゃん」と思えたのかはよく分から無い。けど多分どこかで「もういいじゃん」って思ったんだと思う。大事なのは細かい言葉じりや、言葉の語呂や、帳尻合わせじゃ~ないなって。逆に言えば、細かい言葉じりや、語呂や、帳尻が合っていたとしても、ただキレイなだけじゃあ、ぷかぷかじゃない。
 
 前日のリハーサルの時の、最後の場面・・むっつりに感染して、しゃがみつつ、コヤマさんの、電話の場面を耳で聞く・・するとコヤマさん、むっつり大王の歌を歌いだして私も、「どっひゃ~」って崩れ落ちそうになりました。「明日どうなるの??」マジメに心配でした。

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 私は色んな順序を覚えるのが苦手なんで(苦笑)リハを終えてもなお 、 今一つ流れが頭に入っていませんでした。それで思わず(前の日なのに)全体図が見えてこない~~」と、ある友人にこぼしたら「(見えてこない)それが ぷかぷかです」だって。そうそう、そうだった。言い射ています。そうか・・・見えてこないのが良い。予想出来ないのが良い。予測できるが普通で安心だなんて、勿体ないかも。そう思いました。
 
 気が付けば、舞台当日・・・前日のリハで、で、みんなをのけ反らせたコヤマさん・当日は「おひさま~が」って歌いましたね。ちょっとホッとして、ちょっと惜しいような気持ちになりましたが。前日リハの、コヤマさんの「疲れた疲れた」の歌・・あれこそぷかぷかの見せ場というか、結婚式で言えば「ケーキ入刀」だっ たんじゃないかなと思います。
 
 ギャラリーほとんど居ませんでしたけど。あのキラメキは あそこにいたみんながキュッと感じたのではないでしょうか?リハで感じた、あのキラメキ、又感じたかったな。「どうなっちゃうの?」「誰がどこに導くの?」「じゃあみんな、どこに導かれて行っちゃおうか?」どこに流れつくか、ぷかぷかの醍醐味、見たかった、見せたかったな。
 
 メンバーさんも、緊張していた本番直前。みんなでステージ裏でスタンバイしている時・・私はデジカメで写真を撮ったりして緊張を緩和させようとしていたけど(苦笑)落ち着きませんでした。みんな結構余裕なのかと思いきや、案外ナーバスです。 緊張したメンバーさんを見ていると、私ももっとドキドキしてきて「こんな事が毎月あったら命が短くなる」と確信しました。
 
 あの日だけで多分3年位短くなっています。何度か踊りで舞台に立ちましたが・・踊りでなければ緊張しないのかと思ったら、踊る時と同じように「ド緊張」していました。う~ん。みんなと過ごして、前より少しみんなを知る事が出来てて嬉しかっ楽しかったな・・ 一緒に過ごす中で、話が噛みあわない部分があったり、伝わらなかったり、オチがない事もある。でもオチっていうしめくくり、そんな大事??話の途中が楽しかった。
 
 話し途中で、トピックが次々に変わったりもしたけど、こっちも、どんどん変えるよ。WSで 、ゲームをしたり、一緒に設定を組み立てたり、をやっていると時々、キラッとチャーミングがこぼれる。何にも知らないで、内面も知らないでただバスで乗り合わせるだけとかだったなら、分からなかった。
 
 会話が噛みあう事だけが、頷きあう事が、互いに何かを言葉で確かめる事だけが・・人と人との間を結ぶものじゃないんだな。舞台には立ち位置や、動作や仲間を意識せざるを得ない部分があると思っていました。人を意識しない、人と比べないなんて、普段まず無い。
 
 でも、ぷかぷかの舞台では私は自分を誰とも何も比べる事が無かった。これは、新しい世界でした。誰からの期待に応える必要もなく、 焦りもなく、才能のある他の人を嫉妬したり、羨んだり悪口も無い。(緊張感だけはどうにも出来なかったけれども)これって(嫉妬したり、羨ましいと思ったり、悪口を言ったり)花岡さんとお話した「世界がHANA基準になったら」の言葉でしたね。

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 裸んぼで、仲間といる。力を合わせる。前を向く。その姿で、その心で立っていました。なんか、裸んぼになれたみたいです。また色々服を着て行くと思いますが、心にみんなとの場所を持っているから、頑張らないで過ごす事もこれからは出来るのかもしれません。ぷかぷかは、心のヌーディスト・ビーチみたいなものです。(失礼な例えだったらごめんなさい💦)あの時舞台で、コヤマさんの歌を聞きながら、紺野さんのサザエさ んのお風呂話を聞きながら、天童よしみの顔を想像しながら、しゃがんでた自分、すごく幸せに笑ってました。ありがとうございました。 
 

メンバーさんが子守のパン教室

 今日は午前中街作りの会議があって、パン教室はスタッフの永瀬、木下、井元に任せました。お昼過ぎに調理室に行ったのですが、すばらしいできでした。私がやるよりはるかにきれいで、上品で、おいしかったですね。

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今回は一般の方が9時20分からということで、最初にメンバーさんに身支度を整えて、お客様をお迎えしましょう!と声かけしました。

テーブル決めをしたあと、今日は全員で33名なので、全て33分割にする旨も伝えました。
最初に伝えたことで、メンバーさんもお茶の時にコップを何個用意すればいいか、今日はおかわりのパンは無い事など、言わなくても理解して下さったので次回からもそうしたいと思います。

作業に夢中になり写真を撮ることを忘れていたので、

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思い出した時に「みんなー!はい、ポーズ!!」と慌てて撮りました。
高崎さんがいつも撮影されている自然な雰囲気ではないですが、少しだけ皆んなのテンションが上がって、一致団結した気がしました。

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佐藤さん一家の高校生のお姉さんは、ホワイトデーに仲の良いお友達にお菓子をあげるかな…と話しをされていたので、ホワイトデーの予行練習!と下の妹さんとメロンパンのクッキー生地作りをして頂きました。
妹さんは「自分でやりたい!」と意欲的で、イキイキと力一杯バターを練ってくれました。

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西槇さんが一磨をおんぶしてくれたり、膝に座らせて遊んでくれたりしたのが嬉しかったです。

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辻さんがパン生地を捏ねてました!

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相変わらず紺野さんはお喋りで、

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寺澤さんは携帯の写真撮影に夢中でした。
メンバーさんは、何となくパン教室の中での「自分の仕事」が決まってきています。

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川崎さんは参加人数の集計。

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長島さんはヤカンにお茶をわかす。あとは洗い場担当。

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田村さんも洗い場、今日はカレー作りアシスタント

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辻さんはもちろん計算&バックダンサー

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麻野さんはお子ちゃま担当…など
今まで続けてきた成果ですよね。
おかげで新しいメニューに挑戦しても、時間内に終わらせることができました。

楽しかったです。

                                      (永瀬)

 

今日のメロンパンはとても美味しくできました。

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初めてなのか?と思うほど成形も綺麗にできていました。

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カレーパンの詰め方も成形も綺麗に丸めれたし、

衣付けの、流れ作業では息もぴったりで良かったです。

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大島さんのゆっくりお話されるところに対して、メンバーさんが寛容で、辻さんがせっかちで!

紺野さんが冷ややかな目を送っているのが面白かったです!

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私たちも感情を表に出せたら楽だろな〜!
結果最後まで頑張って話きる大島さんはすごいな〜!

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また来月も楽しみです!!

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                            (木下)

「海のぬいぐるみ」と「1000円札のぬいぐるみ」

  雑誌『横濱』の取材の時に、瀬谷でやっていたワークショップの話をしたのですが、昔書いた『街角のパフォーマンス』に「海のぬいぐるみ」の写真があったことを思いだしました。家に帰って本を見ていたら、「海のぬいぐるみ」の横に、なんと「1000円札のぬいぐるみ」がありました。

 ワークショップで芝居を作るとき、いろんな手がかりを使うのですが、このときは「ぬいぐるみ」を作って、それを手がかりに芝居を起こしました。2枚の模造紙に、ものの両面を描き、まわりをホッチキスで留めていきます。全部留めないで、残ったところから2枚の模造紙の間に新聞紙を丸めて入れていき、丸みを持たせます。残ったところをホッチキスで留めると、簡単なぬいぐるみができます。

 ぬいぐるみといえば、大概はクマさんとが、子犬とか、丸っこいものをイメージします。ところが養護学校の生徒で「海のぬいぐるみ」を作った人がいました。

「え?海がぬいぐるみになるの?」「どうやって作るの?」「海って丸っこくないんじゃないの?」

と、全く想像できません。

 ところが養護学校の生徒は特に考えこんだりもせず、ささっと写真のようなぬいぐるみを作りました。波線を何本も描き、「うみ、うみ、うみ」と書いていました。

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 この自由な発想力に、私は本当にびっくりしました。「海のぬいぐるみ」の側には「1000円札のぬいぐるみ」もあります。

 薄っぺらな1000円札がぬいぐるみになるとは誰も思いません。でも、こうやって、さして考え込むこともなく「じゃあ、オレ、1000円札のぬいぐるみ作るよ」ってさらっと言いだすところがすごいと思うのです。

 発想力の自由さにおいて、私たちは彼らの足下にも及びません。そんな彼らと一緒だからこそ、ワークショップはすばらしく豊かなものを生み出すのです。

 「こういう人たちとは一緒に生きていった方が絶対に得!」と確信を持ったのは、「海のぬいぐるみ」や「1000円札のぬいぐるみ」と出会った頃でした。

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