2月14日(日) 表現の市場のプログラムができました。長津田駅前のみどりアートパークホールで午後2時開演です。ぜひお越し下さい。
ひょっとしたら今年はホールが満席になるのではないかと強気で300部印刷しました。 ので、ぜひおいで下さい。
2月14日(日) 表現の市場のプログラムができました。長津田駅前のみどりアートパークホールで午後2時開演です。ぜひお越し下さい。
ひょっとしたら今年はホールが満席になるのではないかと強気で300部印刷しました。 ので、ぜひおいで下さい。
先日、こんな格好をしていて、よくわからない人だなぁ、と思っていたのですが、
「あれは仮面ライダーをやっていたんです」
とあとでうれしそうに教えてくれました。
これで仮面ライダーになった気分で街を歩けるなんて、
「なんて幸せな人なんだ」
と思いましたが、そのダイちゃん、2月14日(日)の「表現の市場」では「太鼓の達人」になって舞台に立ちます。たった一人で300人も入るホールの舞台を支えるのですから、本当にすごい人です。ぜひ見に来てください。
「仮面ライダー」と「太鼓の達人」と。その両方を持ち合わせているのがダイちゃんです。こんな人はやっぱり「街の宝」だと思います。
表現の市場、ぜひ来て下さい。
大きなチラシ
http://www.tokyuensen.com/resource/event/img/2016/1601_042.jpg
第二期「みんなでワークショップ」の6回目。ようやく全体を通して稽古するところまで来ました。
オリジナル創作劇「みんなの《生きる》」は「岩手軽便鉄道の一月」の歌から始まります。歌に出てくる「かわやなぎサリクスランダー」とか「さわぐるみジュグランダー」などの木をみんなで表現します。
辻さんのおだやかな表情!ワークショップはこんな表情でいられる場です。
谷川俊太郎の詩「生きる」をみんなで朗読します。長い詩なので、五つのグループに分けて朗読します。朗読が終わると体で形を作ります。安見ちゃんのピアノがすばらしくいいです。デフパペの善岡さんは手話で詩を表現します。
三つの「私たちの《生きる》」の発表です。
グループ詩の朗読がこんな感じで始まります。
グループ詩を元に作った簡単な芝居を発表し、みんなで評価し合います。ワークショップはこういう作業を積み重ねて、少しずつ芝居ができあがっていいます。
この芝居の中では電車の中で車掌が乗客にアイスクリームを配ったりする場面があります。こんなことはふつうはあり得ないのですが、ぷかぷかのメンバーさんと一緒に芝居を作ると、こんな楽しいことが当たり前のように出てきます。実際にこんなことができたら、世界はすっごく楽しくなるだろうなと思うのです。
押し合いへし合いの電車の中、突然車掌が「今日はスペシャルサービスでみなさんにアイスを配ります」とアイスを配り始めたら、なんだかみんなもう笑うしかない、というか、このぎすぎすした社会にあってはこういうとんでもない提案こそが、社会の中でゆるっとした部分、私たちがホッとする部分を作っていくのだと思います。
北海道から駆けつけてくれた森さんとデフパペットシアターの人たちにクジラの頭としっぽを作ってもらいました。だんだんクジラに見えてきました。
潮も吹きます。近所のおじさんことオーヤさんががんばっています。
クジラの楽しい世界の中で「むっつり」が広がり始めます。「むっつり」が広がっていく不気味さをいろんな人の声を拾い集めて編集し、流します。その一つに舞台監督の成沢さんの声を入れます。成沢さんは昔「68/71黒色テント」というラジカルな劇団で役者をやっていました。30年ほど前、障がいのある人たちとの演劇ワークショップの提案を最初に聞いてくれ、今ひとつ納得してない顔でしたが、それでも何度もテントの稽古場まで高崎が話をしに来るので「しょうがねぇなぁ」とかいいながらも、東京の練馬から遠く横浜の瀬谷まできてくれたのが成沢さんと「68/71黒色テント」の仲間達でした。ワークショップの初日に、障がいのある人たちと一緒にワークショップをすることの意味を納得。その続きで今日のワークショップがあります。この人の動きがなければ、今の「みんなでワークショップ」はありませんでした。その成沢さんの声を録音しました。
「もっとねちっこく」とか、「もっと気色悪く」とかいろいろ注文をつけていると「高崎さんやってみたら」と演出の花崎さんにいわれ、突然声の役者をやることに。
久しぶりに気合いを入れて声を出したらものすごくすっきりしました。芝居って楽しいなとしみじみ思いました。
これは「むっつり」に感染しない人たちが現れて、「むっつり」がへなへなとしぼんでいくところの台詞ですが、「むっつり」が肥大していく時の台詞は結構怖いものがあります。
「フフフ、すっかりむっつり大王の天下だ。総がかりで金儲けだ。一番儲かるのは戦争だ。もっともっとむっつり、不機嫌、不満、不安をあおって、、、フフフ」
憲法改正するんだと最近やたら息巻いているアベになった気分でした。
午後の通し稽古で私が気合いを入れて読んだら「ひゃ〜、怖い〜」という声がいくつか上がりました。
稽古のあとの感想を言い合うところでは
「高崎さんて、負のオーラが充満してるんじゃないですか」
なんて言った方がいましたが、そうかも知れないと思いました。
「むっつり」に感染しない人たちの一人に紺野さんが登場します。紺野さんはサザエさんの話をし、波平さんに一緒にお風呂に入ろうよ、と迫ります。即興でこの場面を作り、迫られた近所のおじさんことオーヤさんはどう答えていいかわからず、困っていました。
「むっつり」に感染しない人たちに救われた人たちは、こんなに楽しそうに踊ります。これがワークショップで作り上げた場です。障がいがあるとかないとかを超えた、希望のある未来を作っていく関係がここにはあります。
ワークショップはあと一回。どんな芝居に仕上がるか、楽しみにしていてください。
2月14日(日) 「表現の市場」の中で発表します。
まーさん連れて「デフパペットシアターひとみ」まで行ってきました。
(まーさんのこと知らない方はこちらをお読み下さい。
まーさんの物語 – ぷかぷかパンの店『カフェベーカリーぷかぷか』 )
まーさんがデフパペに関心を持つきっかけを作ってくれた役者のマッキーが病気になって「表現の市場」の舞台に立てないかも知れないと聞き、なんとか元気になって欲しいと思いました。まーさんに事情を話し、マッキーといっしょに舞台に立ってみないか、と誘いました。
「元気になって下さい」なんて月並みなメールをしても、元気になんかなれないので、「いっしょに舞台に立ちませんか?」という提案をマッキーにしてみたら、と話しました。役者なら絶対に元気になります。前はマッキーに支えてもらったので、今回はまーさんがマッキーを支えようというわけです。マッキーはかなり具合が悪そうで、舞台に立つにしてもほんの短い時間かも知れません。それでも、その短い時間でもいい、「いっしょに舞台に立ちませんか」というまーさんからの提案はマッキーを絶対に元気にすると思ったのです。
まーさんは最近幻聴がひどく、いつも悪口を言われている、とぷかぷかには来なくなりました。ワークショップにも来てないので、舞台に立つ予定は全くありませんでした。「マッキーといっしょに舞台に立ってみないか」という提案にはちょっと驚いたようでした。「でもマッキーのおかげで飯田まででかけることができたのだし、表現の市場の舞台もマッキーのおかげでまーさんはあんなに活躍できたんだよ、そのマッキーが大変な病気なんだから、何とか元気になれるようにまーさんがんばってよ」と時間をかけて話しました。
(飯田での熱い舞台のあとで)
まーさん、かなり悩んでいたようですが、一晩考えたあと、「いっしょに舞台に立ちます」と連絡をくれました。飯田でのあの熱い時間を思い出したのかも知れません。そのあとマッキーにその旨を知らせるメールを送ったようで、マッキーはすごく喜んでいましたよ、と関係者から聞きました。
で、昨日、表現の市場に出す作品の稽古をしますから来て下さい、という連絡がデフパペから入り、稽古場まで出かけたというわけです。ちょい役かと思いきや、マッキーが抜けたあとをそのまま補うような大変な役です。
「のはらうた」を手話と人形と面白いパフォーマンスで表現します。
チョウチョを飛ばします。
カマキリになります。やなせさんが演技指導。
演技指導にも気合いが入ります。
まーさん、だんだん集中してきました。
マッキーにカードの表示の仕方を教わります。
ここでちょっと止める、と微妙な動きをマッキーは教えてくれます。
デフパペの人たちの熱心さに、なんだか感動してしまいました。マッキーはまーさんにいろいろ教えるとき、本当にうれしそうでした。まーさんも久しぶりに笑顔がこぼれました。二人が支え合って舞台に立てるといいなと思いました。
2月14日(日)「表現の市場」で発表します。ぜひ見に来て下さい。
大きなチラシ
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日経ソーシャルイニシアティブ大賞に応募した文章
を読んだ方の感想が届きました。以前ぷかぷかを取材した雑誌の編集者です。
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たくさんの応募の中から、選んでもらえるように、文章をまとめるのは大変ですね。
ほんとうに、お疲れさまでした。
通りますように!!
特に、要件の「革新性」の部分を伝わるように書くのが、難しそうだなぁと思いました。
ぷかぷかさんの活動は、一見よくある事業所といっしょじゃないか、と思われそうなので。
(福祉施設でよくある”パン屋”さんですし、演劇ワークショップにしても、それでたとえば、演劇で全国を公演をしてまわっている、というよう な目を引く新規性はないので)
ぷかぷかさんの活動は、一目でわかる新しい、画期的な事業スキームはないですが、
じわじわ、知っていくうちに、いつの間にか、ファンになっている、お店が、そこで働く人たちの空気感が、気づいたら、クセになっている、という感じだと思うんです。
「障害のある人もない人もいっしょに生きる世界を」なんてスローガンを声高にかかげるより、よっぽど、現実的に、人を変えていくパワーがあると思いますが、それに「革新性」を感じてもらえるように、わたしだったらどう書くだろう…、と考えてしまいました。
ブログを拝見していると、やはり毎日まいにち、彼らといっしょに過ごしている人だからこそ、発見できる、書ける文章だなぁと、うらやましく思います。
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全国の福祉事業をよく見ている編集者の目だなぁ、という感じがしました。
「福祉施設でよくある”パン屋”さんですし」なんていわれるとガッカリしてしまうのですが、ガッカリしててもしょうがないので、「よくあるパン屋」を「ここにしかないパン屋」に変えるにはどうしたらいいのか、を考えた方がいいと思いました。福祉事業所だからそこまでこだわらなくていい、ではなくて、福祉事業所だからこそ、そこにこだわりたいと思うのです。売れても売れなくてもいいようなものではなく、しっかり売れる、いいものを作りたいからです。そのためにビジネスにこだわりたいのです。
福祉かビジネスか、ではなく、福祉もビジネスも、というスタンスです。そういう意味で、日経ソーシャルイニシアティブ大賞へトライしたことは、苦労して書いた分、ものすごくいい勉強になったと思っています。
「ぷかぷかが解決しようとしている社会的課題とは何なのか」
「ぷかぷかが生み出している社会的価値とは何なのか」
ということについて考えることは、ぷかぷかを更によくしていく上でとても大事な作業です。本当にいい機会だったと思います。
審査の結果は3月末発表です。
ここにしかないパン屋(店先でこんな人がこんなパフォーマンスをやっている楽しい、ホッとする雰囲気のパン屋なんて、多分ここだけ)
昨日、日経ソーシャルイニシアティブ大賞の原稿を書いていて、最後のまとめに、「ぷかぷかに彼らがいなかったら、ただのパン屋でしかなく、これほどすばらしい物語は生まれなかった。」と書きました。
ぷかぷかのホームページがこんなにも充実しているのも彼らのおかげです。彼らがいなければ、こんなに楽しいぷかぷかのホームページはできませんでした。(まだホームページを見ていない方は「ぷかぷかパン」で検索して下さい。)
私の彼らへの思いから始まったホームページは、彼らの日々の物語が積み重なって、壮大な「ぷかぷか物語」を創り上げています。118,000人を超える人たちが、この物語を読んでいます(ま、2回3回と読んだ人もいますが)
ここには彼らと一緒に生きていくための膨大な手がかりがあります。一緒に生きていった方がいいよね、って素直に思える物語がたくさん詰まっています。ふっと心安らぐ物語、心が癒やされる物語、心がきゅんとなる物語、抱きしめたくなるような物語、未来に希望が持てる物語、わくわくするような物語、思わずクスッと笑ってしまう物語、心にすとんと落ちる物語、新しい発見のある物語……。これはもう、社会の「財産」といっていいほどの価値を持つのではないかと思います。。昨日書いたぷかぷか日記の「社会性」と「革新性」の部分は、ソーシャルビジネスの新しい形を提案できたと思います。
物語は現在進行中です。ぷかぷかのあちこちから毎日のように新しい物語が生まれています。今日はこんな物語が生まれました。
物語は人生を豊かにします。物語があるから、人は前に進めます。明日に希望が持てます。何よりも元気になります。
彼らに感謝!です。
こうやって毎日毎日たくさんの物語を彼らは創りだしています。一枚一枚の写真に、小さな、あたたかな物語があります。一枚一枚じっと見てください。ね、楽しい物語が目に浮かぶでしょ。この物語は社会を潤いのあるものにします。
日経ソーシャルイニシアティブ大賞に今年も応募しました。今日締め切りで、先ほどメールで送りました。
以下の三つの要件を満たすように書いていったのですが、まとめとして、やっぱり社会は障がいのある人が必要、ということが見えてきました。
1. 社会性 社会的課題の解決を事業のミッションとしている
2. 事業性 ビジネス的手法を用いて継続的に事業活動を進めている
3. 革新性 新しい事業モデルや社会的価値を創出している
問題となるのは「社会性」と「革新性」です。ここが一番評価されます。書くのに一番むつかしくて、一番楽しいところです。今年は少し切り口を変えることで、ぷかぷかがやっていることを再評価できたように思います。
「事業性」については、日々の「ぷかぷか」の活動そのものなので、あらためてここでは書きません。
ちょっとびっくりしたのは「直近1年間のトピックについて」という項目で、あらためてこの1年、ずいぶんいろいろなことをやってきたんだなぁ、と思いました。
事業の目的:障がいのある人たちが生き生きと働ける職場を作る。
ミッション:障がいのある人たちと一緒にお互い気持ちよく生きていける社会を実現する。
解決を目指す課題:障がいのある人たちの社会的生きにくさ
障がいのある人たちは「理解力が低い」「仕事が遅い」「なに考えているかわからない」といった理由で社会の中で疎外されることが多い。このマイナス方向の評価が障がいのある人たちの社会的生きにくさを生んでいる。この問題の解消のためには、障がいのある人たちに対するマイナス評価を超えるプラス方向の評価を作り出すことだと思う。「ぷかぷか」がやってきたことは、事業を運営していく中で彼らに対するプラス評価をたくさんのお客さんと共有してきたことだと思う。
障がいのある人たちが社会の中で生きにくいとき、いいかえれば社会の中で受け入れる人間の幅が狭くなるとき、私たちもまた窮屈になり、生きにくい社会になる。障がいのある人たちを排除する社会は、だんだん豊かさを失っていく。いろんな人がいること、それが社会の豊かさだからだ。彼らが生きやすい社会は、誰にとっても生きやすい社会であり、それが社会の豊かさといえる。「ぷかぷか」はその豊かさを社会に取り戻そうとしている。
「ぷかぷか」は「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージを、日々ホームページやFacebookページ、ぷかぷかしんぶんなどで発信し続けている。このメッセージは、「ぷかぷか」代表の高崎が養護学校で教員をやっているときに、知的障がいの人たちに惚れ込んでしまい、「彼らと一緒に生きていきたい」「一緒に生きていった方が得!」と思ったところから始まっている。
「一緒に生きていった方が得!」と思ったのは、障がいのある人たちにとても豊かなものを感じたからだ。もちろんいろいろできないことがあったり、問題を抱えていたりすることも多い。でも、それらを超える豊かなものを彼らは持っている。彼らとおつきあいすることは、私たち自身の人間の幅を広げ、人生を豊かにすることだ。
定年退職後、街の中に彼らの働くお店を立ち上げたのは、彼らと一緒に生きていきたいと思ったことと、街の人たちに素敵な彼らに出会って欲しい、彼らの持つ豊かさに出会って欲しいと思ったからだ。それはそのまま「プラス方向の評価」をたくさんの人たちと共有することであり、彼らの社会的生きにくさの解消につながっていく。
実際に彼らの働くお店を開くと、パン屋、カフェ、お惣菜屋など、にぎやかで、それでいてホッとする雰囲気の中で彼らと出会い、「ぷかぷかが好き!」という人がどんどん増えてきた。福祉事業所を応援する、というのではなく、単純に「ぷかぷかが好き!」なのだ。障がいのある人たちの魅力に出会ったということだろう。「ぷかぷかが好き!」という言葉は、彼らへの素直な「プラス評価」だ。「今までなんとなく嫌だなって思っていたけど、彼らのことを知ると、なんだか素敵な人たちね」とお店で彼らと出会った人たちは言う。
「なんとなく嫌だ」が「ぷかぷかが好き!」に変わったことはとても大きな変化だ。障がいのある人たちの社会的生きにくさを生んでいる彼らへの「マイナス評価」が、お店に来ることで「プラス評価」に変わったということだ。
「ぷかぷか」は障がいのある人たちが生き生きと働くことのできる場を運営しながら、障がいのある人たちに「プラス評価」をするお客さんを増やし、地域社会を少しずつ豊かにしている。
空気を読んだり、まわりに合わせることばかり考える社会は息苦しく、窮屈きわまりない。知的障がいのある人たちは、空気を読むことも、まわりに合わせることもあまりしない。そういったものからとても自由。「ぷかぷか」は、そんな彼らが、ありのままの自分でいられる場所になっている。そして、ありのままの彼らを、利益を生み、社会を豊かにする「新しい価値」としてうまく事業に取り入れている。
「ぷかぷか」のスタッフは、障がいのある人たちと「一緒に生きていく」というスタンスを取っている。だから彼らに対し、管理的な立場は取らない。彼らが「ぷかぷか」でありのままの自分でいられるのは、そこから来ている。
ありのままの彼らを大事にしたいので、接客マニュアルは使わない。それを使うと「彼ららしさ」がなくなるからだ。マニュアルがないので、決してうまいとはいえない接客だが、一生懸命さだけはしっかり伝わる。みんなの思いがお客さんの心にストレートに届く。それがお客さんにとって、とても心地いい。
お店に来て、ありのままの自分で働く彼らの姿を見ると、「なんて自由な人たちなんだ」と心が癒やされるお客さんが多い。社会がだんだん窮屈になり、その息苦しさの中で、ふっと出会った彼らのとんでもない自由さととびきりの笑顔。ホッとして体の力が抜けたのだろうと思う。救われた気持ちになった人も多い。そうやって「ぷかぷかが好き!」「ぷかぷかのファンです」という人が増えていった。
障がいのある人たちは、社会に合わせることを求められることが多い。そうしないと社会の中で生きていけないと思われているからだ。「ぷかぷか」では、彼らを社会に合わせるのではなく、彼らに社会を合わせようとしている。だから「ありのままの彼ら」を大事にし、それで仕事をしてきた。結果、「ぷかぷかが好き!」「ぷかぷかのファンです」というお客さんが増えてきた。
「ありのままの彼ら」が収益を生み、お客さんに豊かなものを提供している、ということだ。これは今までなかった「新しい価値」と呼んでいいと思う。みんなの心をぽっとあたたかくする「新しい価値」。息苦しさの増す今の社会だからこそ、両手で包み込みたいほどに大事にしたい「新しい価値」だと思う。
社会はだから、障がいのある人たちを必要としているのではないかと思ったりする。彼らの作り出す「あたらしい価値」は、息苦しさの増す今の社会を救う手立てを示しているのかも知れない。
「ぷかぷか」に彼らがいなかったら、ただのパン屋でしかなく、これほどすばらしい物語は生まれなかった。彼らはやはり社会に必要なんだと思う。
5-1 みんなでワークショップ
ぷかぷかで働く障がいのある人たちと地域の人たちで演劇ワークショップをおこない、その記録映画ができあがって5月に上映会をおこなった。
記録映画を見た人たちの感想。
http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2015/05/24/020839
2015年9月からスタートした第2期みんなでワークショップ
http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2015/11/25/002448
5-2 大きな絵地図が区役所のロービーに飾られることになった。
緑区民まつりで地産地消のブースを「ぷかぷか」がデザイン、制作し、テントの横に地産地消サポート店の大きな絵地図を描いて展示した。その絵が高く評価され、緑区役所のロビーに飾られることになった。
http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2015/10/18/234919
5-3 人権研修会
緑区役所で人権研修会があって講師を頼まれ、ぷかぷかで働く障がいのある人たちも講師になって参加。今までにない画期的な人権研修会になった。
http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2015/12/23/013407
5-4 プロモーションビデオ
ぷかぷかのプロモーションビデオを作ることになった。ぷかぷかの宣伝というより、ぷかぷかのほっこりしたあたたかさを社会に広げるようなプロモーションビデオ。「一緒にいると、心ぷかぷか」がタイトル。
http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2015/12/24/011608
5−6 読売福祉文化賞
演劇ワークショップが読売福祉文化賞を受賞した。多様な文化の発信が評価された。
http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2015/12/10/001827
5−7 未来を豊かにする子どもたち
パン教室は未来を豊かにする子どもたちを育てている。
http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2015/12/06/231742
5-8 子どもたちにオペラをプレゼント
子どもたちの心を豊かにしようとオペラをプレゼントした。
http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2015/07/20/001020
日経ソーシャルイニシアティブ大賞
ワークショップの進行役をやっている花崎さん、クジラの人形を作ってくれている森さんと打ち合わせしました。森さんは北海道から今回の人形作りのために来てくれた人形師です。人形を作る人であり、人形を使い、演ずる人であり、人形を使った舞台を作る人です。
今回ワークショップで作った芝居には「みんなの《生きる》」のポジティブな面の象徴として楽しく泳ぎ回るクジラが登場します。
ぷかぷかのメンバーさん、地域の人たちがいっしょに描いた大きなクジラの絵にはみんなの楽しさがぎっしり詰まっていて、それが絵から飛び出したという設定です。
そのクジラの頭を森さんがデザインし、デフパペットシアターの人たちが作業場で作ってくれました。
これも森さんの発案なのですが、何に使うかは当日まで内緒です。とても自由度の高い素材で、イメージが自由にふくらみます。
ワークショップでは全員がクジラになって泳ぎ回ったりしましたが、舞台は神奈川県で一番といわれる大きなグランドピアノがかなりの場所を占めるため、みんなでクジラをやるのはかなりむつかしいかなと思っています。
前回のワークショップでは、こんな感じになって、なんだかデモをやっているようでした。これをどうやってクジラに見せるかが、腕の見せ所。あと2回のワークショップの中でみんなで考えます。
クジラをやっている途中で、突然一人ひとりの中のネガティブな部分がうごめきだし、瞬く間に広がっていきます。ネガティブがどんどん、どんどん肥大化し、頂点まで達したとき、仮面をかぶった全員が、ババ〜ン!と振り向きます。オペラ『飢餓陣営』のバナナン大将の歌を歌いながら観客に迫ります。
打ち合わせしながらも怖いなと思ったのは、このネガティブな部分が集まって肥大化するとコントロールできなくなり、暴走し始める、ということです。ナチスドイツがそうでした。ヨーロッパの歴史に詳しい花崎さんによると、最初の頃はヒットラーが人々の不満を利用しようとしたらしい(人々の側からいうと、むっつりにつけ込まれた)のですが、人々のネガティブな部分が肥大化し、暴走を始めるともうコントロールできなくなったというのです。
「一億総活躍社会」などという威勢のいい、それでいて空疎な言葉に、それでも多くの人たちがそれについていこうとしている状況は、このネガティブな部分の肥大化が始まり、暴走が始まっているのではないか、とすら思ったりするのです。
芝居ではネガティブ(むっつり)に感染しないぷかぷかのメンバーさんが登場し、
彼らこそがこの暴走(息苦しい社会)を止めるんじゃないか、という思いを、その場面ではこめているのですが、それがどこまで伝えられるか、発表会まであと二回のワークショップが勝負です。
できあがった芝居は2月14日(日)表現の市場で発表します。
大きなチラシ
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2月14日(日) みどりアートパークホールで《第2回表現の市場》をやります。
障がいのある人たちの、元気な元気な《表現の市場》です。舞台に立っている人も、舞台を見る人も、みんな元気になる《表現の市場》です。この元気こそが、今日よりも、もっといい明日を創ります。ぜひ見に来てください。一緒に、いい明日を創りましょう。
大きなチラシ
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参加グループを紹介します。
昨年の舞台
2008年秋に神奈川県立瀬谷養護学校大和東分教室で結成されたパフォーマンスグループです。現在メンバーは12名です。レパートリーは、母校のそばを流れる境川をテーマにしたラップ、演歌、盆踊りソング、バラードが中心です。そして、チームのモットーは、知る人ぞ知るはっぱ隊の名曲「Yatta!」の一節「君が変われば世界も変わる 丸腰だから最強だ!」です。夢や希望を見出しにくい現代の社会、その一隅にでも元気、笑顔、夢、希望を届けようと日々様々な場所でパフォーマンスを披露しています。
昨年の舞台
楽しむことをモットーに、ダンスを通じて様々な出会いときっかけをお届けしています。
スクールでは、健常の元気なキッズ、愉快なスペシャルな(障がいのある)仲間達、ダイエットに励むママさんや、健康志向なご婦人等…様々なメンバーが様々な用途に応じて楽しくレッスンに通っております。
まだ日の浅いスクールではありますが、コンテスト入賞チームやバックダンサー等を輩出する他、スペシャルな仲間達がテレビ番組で取り上げられたり、横浜市最大のイベントである横浜開港祭のメインステージに公式出演者として参加したりと、注目をあつめております!
今日は会場の皆さんにダンスの楽しさを少しでも感じてもらえると嬉しいです。
皆さん、一緒に踊りましょうー!!
昨年の舞台
私たちの劇はそんな山口さんを知りたい気持ちと、「?」の気持ちをベースにしてつくりました。
デフ・パペットシアター・ひとみは、耳の聴こえない人と聴こえる人が、協同して公演活動を行うプロの人形劇団として結成し、神奈川県川崎市を拠点に全国で活動をしています。
お互いの感性を活かし合い新しい人形劇の表現に挑戦し、今までに無言劇・手話・音声・生演奏・文字スライド・プラカードを駆使してセリフを表現したもの…など様々な表現方法に試みてきました。
障がいの有無に関わらず、子どもから大人まで楽しめる人形劇創りを目指しています。
これからも私たちの活動が地域の「福祉」と「文化」をつなぎ、広くたくさんの方の心に届くことを願い、意欲的な作品創りを続けていきます。
ホームページ http://deaf.puppet.or.jp/index.html
今年もまたぷかぷかのワークショップから参加させていただきました。
ぷかぷか×地域×詩×歌×ピアノ×人形劇・・・どんな舞台が出来上がるのか?!
私たちも楽しみです!ご期待ください!
昨年の舞台
ぷかぷかで働いているメンバーさんと地域の人たちで月一回集まって演劇ワークショップをおこない、6ヶ月かけて作った芝居を発表します。
昨年はオペラシアターこんにゃく座の作品『森は生きている』を6ヶ月かけてぷかぷかふうにアレンジ、歌劇『森は生きている』ぷかぷか版を上演しました。
今年は谷川俊太郎の詩『生きる』を元に、「みんなの《生きる》」という作品を作りました。みんなの大切にしているものが、どのように奪われ、どのように取り戻すか、といったお話です。
昨年の舞台
昨夜、ある福祉事業所の方から「監査課とのやりとりを読みました」というメールが来ました。
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当方には昨年末に監査に来ましたが、相変わらず名刺も出さず上から目線で、根拠を示さず、
『常識だ』『事業者がそんなことも知らないとは非常識だ』というばかりでした。
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ものすごく不愉快な思いをして、ネットで監査課のことを調べているうちにぷかぷかの「監査課とのやりとり」を見つけたそうです。数年前の記録ですが、本当にうんざりするような記録です。こんな感覚で監査をしても、福祉の世界はちっともよくなりません。
昨年うちに来た監査官は、旅行の積立金を定期預金に入れておくのは、利用者さんのお金を運用に使うことになるわけだから、利子のつかない預金に入れるように「指導」がありました。(公務員が市民にいろいろサービスするのはわかりますが、指導するというのはなんかおかしいです。)100万円定期に入れると1年間で約400円の利子が付きます。そのわずか400円の利子を「運用」だといい、是正を求めていました。指摘が間違っているわけではありませんが、こんな指摘を一生懸命やって、福祉の世界がよくなるとでも思っているのでしょうか?
いや、事業所が適正に運営されるように「指導」しているだけだ、というかも知れませんが、そのことが福祉の世界をよくすることにつながっていくのかどうかは、やはり仕事をしていく上では問われることになります。福祉事業所の監査に来たわけですから。
問題は監査に来る人が「本気で福祉の世界をよくしようと思っているのかどうか」です。そういう気持ちが少しでもあれば、現場の人間とももう少し血の通った話ができ、監査は福祉の世界を豊かにするとてもいい機会になります。
障がいがある人と一緒に暮らす社会について掘り下げて考えるためのトピックス集です。