ぷかぷか日記

画期的な条例ができるようですが…

差別をなくし、共生社会を実現させるための画期的な条例が相模原市でできます。やまゆり園事件の起こった地元だけに、条例実現の思いは強いようです。

www.kanaloco.jp

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 「津久井やまゆり園事件を経験した市として、誰一人取り残さない、障害の有無などで差別されることがない、みんなが自分らしく地域でいきていける、多様性のある社会をつくっていきたい。」と相模原市長。

 

「事件を起こした施設の元職員は意思疎通のできない人間は社会に役に立たず、負担になるので殺害したと語った。元職員一人の問題ではなく、賛同する書き込みは交流サイト(SNS)で数多く流された。社会全体を覆っている優生思想は根深い。」と相模原市人権施策審議会会長。

 

 「社会全体を覆っている優生思想は根深い。」と云われている中で、私たちに何ができるのだろう。

「人権侵害全般に対応するに当たって、勧告を行ってもやめない悪質なヘイトスピーチに対してはやはり罰則が必要」だとは思います。でも、罰則があれば人権侵害が起きないのかと云えば、決してそうではありません。

 では、どうすればいいのか。やはり人権を侵害されがちな社会的に弱い立場の人達と人としての関係を丁寧に作っていくことだと思います。

 ぷかぷかは街の人たちに障がいのある人達と出会って欲しいと思い、街の中に彼らの働くお店を作りました。たくさんの人達が彼らと出会い、「ぷかぷかさんが好き!」というファンまで現れました。

 こういうおつきあいを丁寧に作っていくこと、それが人権を尊重する社会、差別のない社会を作っていくことにつながるのだと思います。

 ぷかぷかは、障がいのある人たちといっしょにいい一日を作ることを日々の目標にしています。お互い「いい一日だったね」って言える日々をコツコツ積み上げていくこと。それは決してむつかしいことではないし、その気になれば誰にでもできることです。

2023年ぷかぷか旅行に行ってきました。

4月13日(木)、14日(金)千葉方面にぷかぷか旅行に行ってきました。BUB RESORTというところでコテージ、もしくはドーム型テントに泊まって様々なアクティビティを体験をする旅です。

 

             

 

 

BUB RESORTに到着

 

 フェイスペインティング

 

カリンバ作り

カリンバは「親指ピアノ」とも呼ばれ、箱に取り付けたヘアピンを親指ではじき、音を出します。下の写真は板の上にヘアピンを並べていますが、今回は音が響くように板の部分が箱になっています。

      

 

箱を作るための板を切り出します。

 

切り出した板をサンドペーパーで磨きます。

 

インストラクターさんとお話ししながら作業を進めます。

 

箱を組み立て

 

ヘアピンを留める位置に鉛筆で印をつけます。

 

印をつけたところに錐で穴を開けます。

 

アナのところにヘアピンをつけていきます。

 

なぜかダンスを踊っている人がいたり

 

チョコレート作り

まずはカカオ豆を煎ります。

 

煎ったカカオ豆の殻をとります。

 

殻をとったカカオ豆をフードプロセッサーにかけ、更にすり鉢ですりつぶします。

 

すりつぶしたカカオ豆を湯煎し、溶けてきたら型に入れて冷蔵庫へ。

 

翌日固まったチョコレートを味見しましたが、とてもワイルドな味でした。

 

クラフトジュース作り

イチゴとバナナを手回しミキサーにかけます。

 

ミキサーにかけたイチゴとバナナを生クリームと混ぜ、ふりふりします。

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ふりふりしたものに牛乳を加えて完成

 

和紙のミニボール作り

ミニボールに和紙を貼り付けます。

 

夕食はバーベキュー

夜はキャンプファイヤー

 

朝ご飯はバイキング

バンガローとドーム型テント

アーチェリー

 

マシュマロ

 

高秀牧場へ

www.takahide-dairyfarm.com

 

トイレに貼ってあった張り紙がすばらしい。牧場の姿勢がよくわかります。

 

いすみ鉄道

貸し切りで、食事。

 

楽しかったね。お疲れ様でした。

異彩を、放て。

  タイトルがおもしろそうなので買ったのですが、いまいち盛り上がらないというか、「すったもんだ」の様々な事例に対するアドバイス(井上先生の解説)が真面目すぎて、「すったもんだ」の熱いエネルギーがしぼんでしまう感じ。

  下の事例も、こんなにうまくいくはずないよな、と私なんかは思ってしまいます。多分このパニックを起こす子どものおかげでクラスはすったもんだの状態だったと思うのですが、井上先生の教科書のような解説には、そのすったもんだの中身がさっぱり見えません。極めて正しい解説で、子どものパニックに思い悩んでいる親御さんにとっては、ちょっと楽になるかも知れませんが、何か大事なものを見落としてる気がするのです。

 パニックを起こす子どものまわりはすったもんだの大混乱であったと思います。そんな中で子どもたちは何を思い、何に気づき、どんなことをしたのか、それによって現場が、そして何よりも子どもたち自身がどんな風に変わっていったのか、ということこそ丁寧に書いて欲しかったと思うのです。

 

 本の帯にはこんな言葉があります。

 

自閉症スペクトラム症

 その、ひとくくりの言葉にも、無数の個性がある。

 強烈なこだわり、大胆な発想、研ぎ澄まされた集中力…

 “普通”じゃない、ということ。

 それは同時に、可能性だと思う。」

 

 だからこそ、彼らの引き起こす「すったもんだ」からは、今までにない新しいものが生まれる可能性があります。「すったもんだ」を引き起こす彼らに感謝!くらいの気持ちでこの本がまとまっていれば、もっとおもしろい本になってた気がします。ちょっともったいない。

 

 帯の言葉を書いた(株)ヘラルボニーの商品のラベルにすばらしい言葉がありました。

異彩を、放て

まさにこれです。

その異彩を私たちは見落としていないか?

お互いが楽しい!って思える関係

たまたま昨日知人がシェアしてくれたちょっと前のブログを読んで、あらためてこういう関係こそ大事だと思いました。お互いが楽しい!って思える関係です。こういう関係が福祉の業界にも広がっていけば、社会はもっとお互いが居心地のいいものに変わっていくように思うのですが、なかなかそうなりませんね。こんな素敵な人達がすぐそばにいるのにもったいないです。

www.pukapuka.or.jp

『地に足の着いた幸せ』を感じる本

『ぷかぷかな物語』を読んで、うれしくなるような感想がお二人の方から届きました。

 

                        

 

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この本を読んで、障がいがある人と一緒にいることは人生を豊かにする、そんな思いを感じました。
こんなにステキな場所があるんだ、と明るい気持ちになりました。
障害のある子を持つ親として、悲しみや悔しさ、羨みや将来の不安といった一通りの気持ちを経験しましたが、
このぷかぷかの人たちや周りの人々はステキだな、人生を楽しんでるな、そんなことも思いました。
わが子の障害がわかってからこれまで関連する本を何冊も読んできましたが、久々に出会えた『手触り感のある』
『地に足の着いた幸せ』を感じる本でした。
私の中では、明石洋子さんの「ありのままの子育て」が何度も読み返したくなる大好きな本ですが、この本もそうなりそうです。
ぷかぷかで、自分も何かできないか、色々と学びたいな、と思いました。
妻がぷかぷかのスタッフとして働く事を応援したくなりました。
娘も機会があったら行かせたいな、と思いました。
 
ありがとうございました。今度、お伺いさせて下さい。
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 「障害のある子を持つ親として、悲しみや悔しさ、羨みや将来の不安といった一通りの気持ちを経験しました」
とあります。でも、『ぷかぷかな物語』を読んで少し気持ちが楽になったようで、よかったです。
 どうして気持ちが楽になったんだろう、とちょっと考えてみます。感想の中に「将来の不安」という言葉があります。障害のある子どもは社会に合わせないとやっていけない、といったことをいろんな場面で言われます。わたし自身、養護学校の教員をやっていた頃は、そうしないと子どもたちは将来困るだろうなと考えていました。そういったことが子どもも親御さんも「将来の不安」に追い込んでいます。
 ところが実際にぷかぷかを始めてみると、社会に合わせようとする彼らより、そのままの彼らの方がずっと魅力的であることに気がつきました。そんな話を『ぷかぷかな物語』にはたくさん書いています。そのままのあなたが一番ステキ、社会にあわせる必要なんかなくて、そのままのあなたでいいんだよ、というメッセージ。だから気持ちが楽になったのだろうと思います。
 一番いいのはぷかぷかに実際に来てみることです。ぷかぷかの空気感にふれてみることです。ふっと気持ちが緩みます。ぷかぷかさんたちがいることで生まれるゆるっとした雰囲気。この雰囲気こそ、今の社会に必要な気がしています。
 
 
「この本を読んで、障がいがある人と一緒にいることは人生を豊かにする、そんな思いを感じました。」
 わたしは養護学校の教員をやっている時、彼らと出会ってほんとによかったと思っています。人生の幅が広がり、毎日がほんとうに楽しくなりました。彼らと出会わなかったら、多分しょぼい人生だったのではなかったかと思います。人生をこんなにも楽しく、豊かにしてくれた彼らに感謝感謝!です。
 たくさんの人が彼らとこんな風に出会えたら、社会はもっと楽しく、障がいのある人にとってはもちろん、ない人にとっても居心地にいいものになります。そんな風にならないのは、やはり彼らを「支援」するとか、「やってあげる」対象としか見ない社会全体の上から目線が、彼らとの素敵な出会いを阻んでいるのではないかと思います。
 「上から目線」をいったん横に置き、一緒に楽しいことをやってはどうでしょうか?そうすれば、今まで気づかなかった彼らの素敵な面がいっぱい見えてきます。
 
 「ぷかぷかしんぶん」の楽しい表紙は彼らの絵のおかげです。彼らといっしょに生きていくことで生まれた表紙です。こんな表紙を見ていると「あなたにいて欲しい」「あなたが必要」って、ごく自然に思えます。そういう思いこそが共生社会を作っていきます。私たちの社会を豊かにしてくれる絵だと思います。

       

 

      

 こんな楽しいありがとうカードを描いてくれた方もいます。こんなカードをもらうと、ちょっと幸せな気持ちになります。彼らはみんなを幸せにするようなチカラを持っているのだと思います。そのチカラを借りて、もっともっとたくさんの人達に幸せになって欲しいと思っています。

 

 

もう一人の方の感想
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●ぷかぷか立ち上げストーリー、はらはらドキドキしながら読みました。

高崎さんの熱意から全てが始まり、多くの方の協力や賛同を得ながら今のぷかぷかが出来上がったのだと思うと本当に凄いことだと思います。

 

●相模原事件の件で、事業所側の責任について書かれた記述があり、はっとしました。

テレビ等での報道は犯人の特異性ばかりをクローズアップして事業所の対応の様子はどんなであったかを伝えていなかったことに気づきました。

最初にぷかぷかを訪れて感じたのはぷかぷかさんのフレンドリーで楽しそうな様子とスタッフの人たちのあたたかさでした。それは高崎さんの「障害のある人とは一緒に生きていたほうがいい、楽しい」という気持ちを持っているからだと思いました。福祉の抱えている問題について改めて考えさせられました。

 

●言葉だけで共生を訴えるのではなく、試行錯誤しながら実践していくところが素晴らしいと思いました。

口だけならいくらでも立派なことは言えますが、苦労しながら地域の人たちに受け入れられていくことは簡単にできることではありません。本に書かれていた「社会を耕す」という言葉にとても惹かれました。

親として、障害のある子をもっと地域の人たちに知ってもらうようにしていきたいと思います。

このような素敵なコミュニティが各地に広がってぷかぷかな物語がたくさん生まれるといいな、と思います。

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●ぷかぷかの立ち上げはほんとうに大変でした。でもその大変さの中で一番支えてくれたのは、やっぱりぷかぷかさんたちでした。彼らはただそこにいるだけでたくさんのチカラをプレゼントしてくれました。ぷかぷかをなんとか立ち上げることができたのは、彼らのおかげです。感謝以外ないです。

 

    

    

    

 

●相模原事件は、結局のところ「支援」という上から目線の関係の行き着く果てで起こったものではないかと思っています。障がいのある人達と人としてきちんとおつきあいしてきたのか、ということです。人としておつきあいしていれば、あのような事件は起こりませんでした。やまゆり園そのものが、人しておつきあいするような環境になかったのだと思います。

 事件後もあちこちの福祉施設で虐待が起こっています。あれだけの事件がありながら、福祉施設が何も変わらなかった、ということです。ここに事件の根深さがあるように思います。どうしてなんだろうか、それを問い続けることこそが今大事な気がします。

 

●「社会を耕す」という言葉については、5年ほど前、カナダのバンクーバーで開かれた世界自閉症フェスティバルで『Secret of Pukapuka』を上映した時、海外の人たちがとても新鮮に受け止めてくれました。

www.pukapuka.or.jp

 

 

「親として、障害のある子をもっと地域の人たちに知ってもらうようにしていきたいと思います。」とありましたが、何人かの友人が障害のある子どものことをSNSで発信し、重度の障害があるにもかかわらず、たくさんのファンを作りました。重度の障害のある子どもにファンがつくなんて今まで考えられないことでした。でもそんなことが実際に起こったのです。いろんな人達に障害のある子どものことを伝えることは、社会を動かす出発点になるのだと思います。

 hanaちゃんは重度の障がい児です。でも、たくさんのファンがいます。お母さんはhanaちゃんとの暮らしの中で「hana基準」というものを考えました。hanaちゃんといっしょに生きていく中で見えてきた人としての生き方です。

ameblo.jp

 

『ぷかぷかな物語』はアマゾンで手に入りますが、ぷかぷかのサイトからも購入できます。

shop.pukapuka.or.jp

オペラ『森は生きている』

 今週土、日で神奈川芸術劇場ホールでオペラシアターこんにゃく座の『森は生きている』が上演されます。

 オペラはひとときの夢の世界です。夢の世界を楽しみに、ぜひお出かけ下さい。

 作曲した林光さんは21歳の時、「森は生きている」を作曲し、子どもが大喜びするのを見て、音楽を一生の仕事にしようと決めたといいます。そんな思いのこもったオペラです。

 オペラ『森は生きている』のメインテーマの歌です。みんなが元気になるような歌を林光さんはたくさん作りました。『森は生きている』にはそんな歌がいっぱい詰まっています。

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 冬の森からマツユキソウの咲く4月へ移り変わる情景を表現する音楽がすばらしいです。あるいはわがままな王女を取り囲む大臣たちのあたふたぶりも楽しい音楽で表現します。音楽の無限の可能性を楽しんで下さい。

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CDがすごくいいです。

卒業式

卒業式のシーズンですね。養護学校では子どもたちとの関係がとても濃厚なので、彼らと別れる卒業式はなかなか辛いものがありました。

          

 卒業式の朝、玄関でスー君と会いました。

「スーちゃん、おはよう!今日でお別れだね、さびしいな」

「はい、ム、ムトウさんに報告して下さい」

といつものあいさつ。スー君は業務員のムトウさんが大好きで、朝、通学のバスを降りると、

「バス降りたよって、ム、ムトウさんに報告して下さい」

といい、教室に入ると

「教室入ったよって、ム、ムトウさんに報告して下さい」

と一日に何度も

「ム、ムトウさんに報告して下さい」

をいいます。時には

「好きだよって、ム、ムトウさんに報告して下さい」

なんていったりもします。それでいて、すぐそばに行くと、恥ずかしくてうつむいてたりします。

 その一方で、ちゃんと仕事やった時なんかに

「ご褒美に何が欲しい?」と聞くと、

「水着で抱っこして下さい」

などと真面目な顔して若い女の先生にいったりするので、えらいというか、うらやましいというか…

 こういう人のそばにいると毎日が楽しくて、気持ちがあたたかくなります。ずっとそばにいたいなと思います。まわりに人をそんな気持ちにさせるスー君、卒業してからも君の魅力をまわりにばらまいて欲しいな。と思いつつ、あしたから

「ム、ムトウさんに報告して下さい」

が聞けなくなると思うとすごく淋しい。ムトウさんが一番寂しがってる。

 

 卒業式では必ず「君が代」を歌います。わたしは大嫌いなので、ずっと目をつぶってうつむいていました。その時、ちょんちょんと突っつく人がいました。誰かと思ったら前に座っているマッちゃんで、

「お前、なに泣いてんだよ、泣くなよ」

「いや、別に泣いてるわけじゃないんだけど」

「そうか、俺は泣くからな」

「あ、ダメダメ、マッちゃんが泣くと俺も悲しくなるから絶対に泣くなよ」

「よし、わかった、泣かないよ」

なんてやりとりしているうちに歌は終わりました。

 マッちゃんとはどういうわけかとても気が合って、ときどき名前を交換しようよ、なんていったりします。

「俺アキラ、お前はマツだからな」とマッちゃん。

「わかった」

「よし、俺のことアキラって呼べ」

「アキラ!」

「おう、マツ!」

と実にうれしそう。

「ねぇ、マツ、俺の頭ぐりぐりやって」なんていうから

「よし、やるぞ」

とマッちゃんの頭抱えて、てっぺんをげんこつでぐりぐりやると

「ひぃ〜」

と、涙が出るくらい喜んでいました。ほんとうにかわいい高校3年生でした。

 卒業式のあとも、教室で思いっきり頭ぐりぐりやって、

「ひぃ〜」

という声聞きながら、この声も最後だよな、となんだかしんみり。

 

 卒業証書を受け取る時、みんなの前に出ながら、そこからなかなか前に歩き出さない人も何人かいました。そんなとき、一番前に座っていたケンがそっと背中を押していました。ケンはちょっと気に入らないことがあるとすぐ机をバーンと倒したり、壁を蹴って穴を開けたりで、なかなか大変な人でした。そのケンが今日は友達の背中をそっと押してやっているのでした。なんか、ジ〜ンと来ましたね。いいとこあるじゃん、て。

 

 ぴょんぴょん跳びはねながら卒業証書をもらう人もいました。100キロぐらい体重のある人なので、ドスンドスンとすごい音が卒業式の会場に響き渡りました。

「今日で最後だからね」

ってドスンドスンは言っているようでした。

 

 校長の前で、横を向いたまま知らんぷりの人もいて、校長はどうしたもんかと困っていましたね。堅いあいさつをする時よりも、こうやって困ってしまう時の校長の方が親しみが持てます。

 

 マサは背広の下は黒いシャツにノーネクタイ。肩で風を切るように卒業証書をもらいに行き、その後控え室でさめざめと泣いていました。なんともかわいい突っ張り屋でした。

 授業はつまらねぇ、といつも外をうろうろし、給食はまずいから食いたくねぇ、と食堂の外をうろうろしていました。でも、最後に見せたあの泣きっぷりは、やっぱり学校は好きだったんだろうなと思いました。

アートで社会的な課題を解決

ヨコハマアートサイト2022報告会「アートから考える横浜の地域文化」がありました。参加団体は以下の通り。

【第1ブロック】
・任意団体アオキカク
・OUTBACK
・NPO法人スペースナナ
・NPO法人打楽器コンサートグループ・あしあと
・しましまのおんがくたい
・音楽スペースおとむすび
・EduArt
★横浜下町パラダイスまつり実行委員会
・ティーンズクリエイション組織委員会
・金沢区舞台芸術サークル「潮の音」
・to R mansion

【第2ブロック】
・アーティストネットワーク+コンパス
・「街のはなし」実行委員会
・特定非営利活動法人美術保存修復センター横浜
・ROJIURARt実行委員会
・さかえegaoプロジェクト
・大岡川アートプロジェクト実行委員会
・特定非営利活動法人シーホース工房
・一般社団法人横浜若葉町計画
・WeTT実行委員会
・認定NPO法人あっちこっち
・黄金町BASE

【第3ブロック】
・ことぶき「てがみ」プロジェクト実行委員会
・まちなか立寄楽団
・六角橋商店街連合会
・蒼昊美術會
・STAND Still
・居場所「カドベヤで過ごす火曜日」運営委員会
・NPO法人ぷかぷか
・紙芝居文化推進協議会
・横浜シネマネットワーク実行委員会
・都筑アートプロジェクト

 

中に性暴力に取り組んでいる団体もあって、社会的課題についての話もありました。

standstill.jimdofree.com

                              

 

 ぷかぷかは「障がいのある人達の社会的生きにくさという社会的な課題を少しでも解消する」ことを団体の設立目的に据えています。ヨコハマアートサイトから助成金をもらっている演劇ワークショップは、彼らといっしょに生きると何が生まれるかを芝居の形で表現しています。その舞台を見て、いっしょに生きるといいよね、って思う人が増え、それが社会的な課題の解消に少しでも役立てばと思っています。

 いろんなことができない、生産性が低い、効率が落ちる等と障がいのある人達が社会から排除される、という社会的な課題が、彼らはいた方がいいよね、と思う人が増えることで、少しずつ解消されます。

 社会的な課題を解決する、なんてなんだか大変な感じがするのですが、演劇ワークショップはみんなが楽しめるアート活動であり、楽しみながら社会的な課題が解決できます。

 大事なことは、社会的な課題をいつも頭のどこかで意識するということです。それがあることで、やっていることの目的がはっきりし、表現にも力が入ります。

字を見て、つい買ってしまった話。

先日「おひさまの台所」店頭にこんな表示ラベルがありました。

 こういう字を見ると、つい買ってしまいます。なんなんでしょうね、人をそんな気持ちにさせるチカラというのは。

 この字は、どこか人の心をゆるっとさせるものがあります。心がとげとげすることの多い社会にあって、こんな字に出会うとちょっと救われた気分になります。

 いっしょに生きててよかったな、としみじみ思うのです。

 

 この字を書いた方は、こんな絵も描いてくれます。

 

 ほっこりあたたかな気持ちになるような絵です。ギスギスした世の中にあって、なおも人間に希望の持てるような絵です。

 

 こういう字や絵は、彼らと「いっしょに生きる」という関係の中で出てきたものです。こういう表現が自由に出てくる関係、であり、その表現を素直に受け止められる関係です。ここが大事です。「支援」という上から目線の関係では、多分こういう自由な表現は出てきにくいし、それを受け止める側も素直に受け止めにくいのではないかと思います。下手すると、もっとこうした方がいい、とか指導を入れたりします。こういうのは最悪です。せっかく生まれた新しい価値が潰されてしまいます。

 

 自分を自由に表現できる環境、自分らしく生きられる環境があるかどうかです。「いっしょに生きる」という関係は、そういう環境を自然に作り出すのだとぷかぷかの実践の中で気がつきました。

 彼らといっしょに生きると、そこで生み出されるもので社会が少しずつ変わっていきます。ギスギス、とげとげした社会にあって、彼らとおつきあいすることで、私たちのとがった心が丸くなります。社会を変えるために色々頑張ったりするのではなく、ただ彼らといっしょに生きる、彼らと一緒に「いい一日だったね」ってお互い言えるような日々を積み重ねていく、ただそれだけで社会がゆっくり変わっていくのです。

 

 養護学校の教員をやっていた頃、障がいのある子どもたちに惚れ込んでしまい、こんな素敵な子どもたちを学校の閉じ込めておくのはもったいないと、外へ連れ出し、いろんな人達と楽しいことをいっぱいやりました。その時のことを『とがった心が丸くなる』という本にまとめています。「ともに生きる社会」だの「共生社会」だのといった言葉がまだ社会に定着していない頃、彼らと一緒に楽しいことをやっていくうちに、そういう社会を実際に作ってしまった話です。まさにいっしょに生きると社会が変わる話です。アマゾンで電子書籍販売中です。

     

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