ぷかぷか日記

セノーさん、ついにマック卒業証書ゲット!

 みどりの家診療所にメンバーさんの健康診断に行きました。セノーさんと廊下で待っているときに、三宅先生が通りかかったので、

「セノーさん、体重が重くて、来週旅行に行くとき、バスが傾くんじゃないかと心配しているのですが、体重を減らすためのアドバイスをしてやってください」

「ああ、大丈夫だよ、やせたタカサキさんと一緒に乗れば、ちょうどバランスが取れていいんじゃないの」

だって。ついでにもう一つ。

「セノーさん、健康になるために、マックの卒業証書が欲しいようなので、書いてもらえませんか?」

と頼むと、ちらっとセノーさんの目を検査し、

「あ、これは健康ですね、更に健康になるために卒業証書を出しましょう」

と事務室に入り、紙とサインペンを持ってきて、本人の目の前で書いてくれました。

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書き上げたあと、証書を読み上げてくれました。セノーさん、神妙な顔をして、両手をそろえて聞いていました。

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証書を受け取り、

「いや〜、よかったねぇ」

と三宅先生に拍手されると、ほんとうにうれしそうな顔していました。

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「もう、マックには行きませんから」

と大きな声で言っていると、たまたま通りかかった理事長が聞いて

「ええ!マック行かないんだって、すごいなぁ」

とほめてくれました。

 マック卒業証書の話がすぐに伝わって、みんなで盛り上げてくれる診療所の雰囲気がいいなと思いました。

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区役所でパン教室

  区役所でパン教室をやりました。横浜市教育委員会主催の「子どもアドベンチャー」という企画。子どもの職業体験の一つでパン屋を体験しようということで「ぷかぷか」が選ばれました。パン屋の体験と障がいのある人たちとの交流です。3〜5年の小学生15名と、ぷかぷかのメンバーさん4名が一緒にパン作りをしました。

 作ったパンはピタパン、フーガス、バターロールです。それにピタパンにはさむドライカレーとミネストローネスープを作りました。

 まず、ぷかぷかのパン製造工程の話をパネルを見ながらやりました。パネル制作はぷかぷかの「アート屋わんど」の人たちです。このアートなパネル、見てください。

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生地をこねます。

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ドライカレー、ミネストローネスープを作るために野菜を切ります。

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発酵の終わった生地を分割、丸め、少し生地を休めます。

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ベンチタイムの終わった生地を丸くのばします。これはピタパンの生地。発酵を取らずにすぐに焼きます。

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フーガスは丸くのばした生地にチーズをのせ、二つに折りたたんで、また伸ばします。スケッパーで切れ目を入れて葉っぱのようにします。オリーブオイルを塗り、岩塩をのせます。作業的にはこれがいちばん面白かたようで、みんな集中してやっていました。

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チカさんは何度も経験しているので、子ども達にやり方を教えていました。

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この集中がいい。

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しょうへいさんは子ども達と一緒に丁寧に岩塩を乗せていました。

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ヨッシーの手さばきを感心しながら見ている子どもがいました。

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バターロールの生地を成形します。指で輪を作り、そこに生地を通すとできあがり。この超簡単成形を教えてくれた本日のパン師匠ナガセさんは元ABCクッキングスクールの先生でした。

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ピタパンが焼き上がり、中にドライカレーを詰めます。

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できあがり!

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いただきまーす!

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テレビの取材が来ていました。

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楽しかったですね。機会があればまたやりましょう。

ぷかぷかパン教室は毎月十日市場地区センターでやっています。ホームページにお知らせを載せますので、見てください。ホームページは「ぷかぷかパン」で「検索」です。

 

メンバーさん、久しぶり!

ぷかぷかは数日間、夏のお休みでした。

そして今日は休み明けの初日です。

みなさん疲れた顔をしているかしら?それとももっと休みたかったと不満顔?

と、思っていたのですが、皆さんピカピカの笑顔を見せてくださいました。

『おやすみ長すぎた〜〜』と、おっしゃる方もいらっしゃいました。

ぷかぷかが大好きなのですね。

毎日毎日同じように仕事をしたり顔を合わせていると時々ケンカをしたり、仕事をつまらなく感じてしまう事もあるようですが、夏の休みを過ごして、やっぱり仕事って良いな、とか、ぷかぷかって良いな、とか感じるようです。

そんな為にも少しのお休みは必要なのかもしれません。

ところで今日のお昼のメニューなのですが、

✩鯖のカレー風味

✩きんぴら 

✩ワカメのキュウリの酢味噌和え

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みんなで食べるお昼、美味しいです!!

何だか心が洗われたような気がしました。

  先日取材に来られた毎日新聞論説委員の方から

「何だか心が洗われたような気がしました。」

というメールが届きました。

 今までたくさんの記者の方が取材に見えていますが、「何だか心が洗われたような気がしました。」と感想を寄せてくださった方ははじめてでした。

 朝日の投書を読んだことがきっかけで、「ぷかぷか」のホームページにたどり着き、とても興味を持ってこられたのですが、私の話だけだと多分「何だか心が洗われたような気がしました。」という言葉は出てこなかったと思います。

 たまたま給食から帰ってきたテラちゃんの元気な受け答えや、セノーさんの気のない返事や、まったりした雰囲気の帰りの会に参加する中でその言葉が出てきたのだろうと思います。

 当初予定していた取材以上のものが得られたのではないかと思います。

 私たちはいくらがんばっても「何だか心が洗われたような気がしました。」といった言葉は引き出せません。彼らはいつも通りやっているだけで、こんなすごい言葉を引き出したわけで、そのことの意味を私たちはやっぱりちゃんと考えた方がいいなと思うのです。

  このだらだら、まったりの帰りの会の雰囲気がよかった、と。

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陶芸教室やりました。

8月13日(土)陶芸教室をやりました。ぷかぷかのメンバーさん8人に、ぷかぷか大ファンの野原さん一家4人が参加しました。

 いつものようにお地蔵さん、マイカップ、花瓶を作りました。お地蔵さんは何度作っても楽しいですね。マイカップ、花瓶はずいぶんうまくなった気がします。それぞれに表情があって、すばらしい作品に仕上がりました。お地蔵さんにしろ、花瓶にしろ、どうしてこんなに味のある表情が出るのでしょう。

 

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そよ風のように街に出よう

 『そよ風のように街に出よう』という雑誌があります。関西のおもろいおっちゃんたちが36年前に始めた、すばらしくセンスのいい雑誌です。

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 創刊は1979年12月。障がいのある人たちに「そよ風のように街に出よう」と呼びかけ、街に出るための情報を障がいのある人たちに届けました。(当時はヘルパーなどの制度もなく、障がいのある人たちが街に出ることは大変なことでした。街に出る、という発想自体がなかった時代です) 同時に普通の市民にも障がいのある人たちがどんな思いで何をしているのかといった情報を届けました。一方的な情報のやりとりではなく、ともに一つの広場、『そよ風のように街に出よう』という文化の広場を創ろうとしたのだといいます。こういう発想がすごいと思います。内容的にみても、様々な情報が行き交い、ほんとうに「文化の広場」だと思います。

 みんな手弁当で取材に行き、手弁当で原稿を書き、手弁当で編集、デザインし、発行したといいます。そんな希有な雑誌が89号も続き、あと2号で終刊になります。時代の流れとはいえ、こういう「文化の広場」ともいえる雑誌が終刊になるというのは、時代の文化的状況を反映していると思います。文化的に危機的状況なのだと思います。

 編集長の河野さんは、障害者団体の通信物がたくさん届くが、内向きの話ばかりで、ぜんぜん面白くない、障害者自身が社会に対して思いきってガンガン言えるようなものになっていない、といいます。

 編集に関わった人たちの座談会では、福祉の現場に、自分たちのやっていることが、社会の中でどういう位置を持っているのかという全体像がない、ということが指摘されていました。政治も含め、社会全体を見ていく視点です。

 そういう視点が欠けると、相模原障害者殺傷事件についても、その社会的背景といったものが見えなくなってしまいます。言い換えれば私たち一人ひとりの問題として事件を見ることができなくなる、ということです。

 

 希有な、貴重な雑誌です。ぜひ注文して読んでみてください。

http://www.hi-ho.ne.jp/soyokaze/soyokaze-newest.htm

 

 

 

 

 

 

 

 

毎日新聞の方が取材に

  朝日新聞に載った高崎の投書(8月3日)をみて、毎日新聞の論説委員の方がぷかぷかに取材に来られました。投書にはぷかぷかの名前は載っていなかったのですが、高崎明で検索したら「ぷかぷか」がヒット、ホームページがすごく面白くて、ブログには相模原障害者殺傷事件のこともしっかり書いてあったので取材に来たという話でした。朝日新聞ではなく、毎日新聞の方が取材に来た、というところが面白いですね。相模原障害者殺傷事件についていろいろ思うところがあって来られたようでした。

 ぷかぷかのことはひととおりお話ししたのですが、いちばん反応があったのは、メンバーさんと直接お話ししたときでした。たまたまカフェにいたテラちゃんとほんの少しお話ししたのですが、取材に来た方の表情がぐんぐん柔らかくなりました。

 「ぷかぷかのウィルスに感染するって話、よくわかりましたよ」

と、その柔らかくなった表情でおっしゃって、ちょっとウィルスがうつったかなと思いました。 

 セノーさんが郵便局に入金に行くときの話をぷかぷか日記に書いていたのですが、それが面白かったから、と郵便局のお姉さんのところへも取材に行きました。お姉さんたちからは、セノーさんが来るのを楽しみにしていること、セノーさんが来るとすごく楽しいことなどを聞き出していました。

 セノーさんにも直接取材していました。セノーさんは気のない返事で、適当に答えていましたが、そのあとごろんと横になり、

 「ああ、こんなふうに私も寝たい。こうやって寝っ転がっても誰も文句を言わないところがいいですね」

 と、ぷかぷかのいい加減な雰囲気が気に入ったようでした。

 帰りの会にも参加し、すっかり溶け込んだようでした。

 帰りがけ、ヨッシーに似顔絵を描いてもらい、名刺を作ることになりました。

 ヨッシーは鼻をほじりながら似顔絵を描いていました。

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この似顔絵と、ぷかぷかのメンバーさんの文字で名刺を作ることになりました。いただいた毎日新聞の名刺よりもぐっと楽しい名刺ができそうです。できあがりましたらまた紹介します。

 下のような楽しい名刺ができあがります。こんな楽しい名刺を持って取材に行ったら、相手の気持ちもほぐれ、いいお話が聞けて、いい記事が書けるのではないかと思いました。硬い名刺では、やはり硬い話しか出てきてきません。

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月曜日、火曜日

給食のスペース、正しい温度計で計ると何度なのでしょう。 

かなり暑いのですが、まだまだ上には上がいる。

工事現場で働く方、

畑で私たちが生きるための食を育む農家の方、

倒れないように気をつけて下さいね。

今までで近くで熱射病になった方が名ほどいました。近くに誰かがいた場合は本当にラッキーです。まずは自分が熱射病にならないように日頃の備えをしましょうね。

話が飛んでしまうのがとても得意なのですが、メニューに戻ります。

昨日、月曜日のメニューは

✩肉団子の甘酢あんあえ

  〜暑い日にお酢の酸っぱさがありがたいです。

✩インゲンの胡麻和え

   〜いつもサイドに添えるイメージの強いインゲンですが、今日は主役になりました。

✩サツマイモの味噌バター

   〜味噌とバターで優しいお味付けです。

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今日、火曜日のメニュー

✩焼きコロッケ

   〜あげてないから、こんな暑い日でもパクッといけます。

✩グリーンサラダ

  〜人参とパプリカを細切りにしてアクセントにしました。

✩こんにゃくのおかか煮

 〜たくさんのキノコを入れてヘルシーな1便です。

✩トマトのレモンソース

  〜トマトにレモンのソースを絡めただけのシンプルなお味です。あつさに負けませんように。

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彼らの生きている価値がぷかぷかを立ち上げた

 今朝の朝日新聞にダウン症の娘さんを持つ最首さんの話が載っていました。

digital.asahi.com

 重度の障がいを持つ娘さんとの生活は、「地獄であることが普通になってしまったような生活だ」と言います。そんな生活にあって尚、「ふっと希望が湧く瞬間がある」と言います。

 

 先日書いたしのちゃんのお話

pukapuka-pan.hatenablog.com

 殴られ、蹴られの日々の中で、尚もしのちゃんが好きで好きでたまらなかったのは、やはりこの「ふっと希望が湧く瞬間があった」からだと思います。言葉で説明なんかできません。ついさっきまでぼかすか殴られ、「くそ〜、もう絶対に許さん」と頭に血が上りながらも、遠くを見つめ、やわらかな笑顔を浮かべるしのちゃんの横顔を見てしまうと、とたんに気持ちがなよっとなって、「やっぱりしのちゃんはいい!最高!好き!」となってしまうのです。

 この気持ちがなよっとなる瞬間こそが、人が人と出会う瞬間なのかも知れません。人と出会うというのは、その人が生きている価値に出会うことです。ぷかぷかはタカサキが障がいのある人たちとたくさん出会ったことから生まれました。タカサキが彼らと出会うことがなければ、ぷかぷかは立ち上がることはありませんでした。

 言い換えれば、彼らの生きている価値がぷかぷかを立ち上げたのです。

 

 

 

笑顔は魔物だったのかも

養護学校の教員をやっていた最後の年の話です。

遠くを見つめながら、ちょっと笑ったしのちゃんの横顔が好きでした。言葉をしゃべらないせいか、その横顔には深みがありました。ちょっとほほえんだ弥勒菩薩半跏思惟像のような、そんな深いやさしさをしのちゃんの横顔には感じていました。

しのちゃんのそのときのおだやかな気持ちが全部出ているようでした。しのちゃんがおだやかなとき、私はちょっと幸せな気持ちでした。

しのちゃんはクラスの中でいちばん障がいの重い生徒で、いちばん大変でした。なんの前触れもなく、いきなりぶん殴ってくるような生徒でした。一緒にトイレに行き、二人並んで用を足している最中にも、いきなりパンチが横から飛んできました。そんな状態でしたから、みんな1メートル以内には近づかない、といった雰囲気でした。

私もそうすればよかったのですが、どういうわけか私はしのちゃんが大好きでした。顔面を思いっきり殴られ、鼻の骨にひびが入って、鼻血を出しながらとっくみあいをしたり(高等部の生徒相手のとっくみあいはほんとうに大変でした)、胸に頭突きを食らって肋骨にひびが入ったり、雨のグランドで蹴り倒されてどろんこになったり、ほんとうにさんざんでした。ほとんど毎日のように殴られ蹴られ、もういい加減懲りてもいいのに、それでも私はしのちゃんが好きでした。

どうしてなのか、私自身、よくわかりませんでした。強いていえば、冒頭に書いたしのちゃんの遠くを見つめてちょっと笑う笑顔だったのかなと思うのです。あの笑顔を見ると、すべて許してしまうのです。しのちゃんの笑顔は私を幸せな気持ちにしたのです。殴られた痛み、悲しみ、怒りを全部忘れてしまうほどの幸せな気持ち。

あの笑顔は魔物だったのかも知れません。その魔物が今もぷかぷかを支えています。

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