ぷかぷか日記

夏のもの作り体験 夏休み自由工作の回

こんにちは。ゆっこです。

台風がたくさん来て、旅行も終わり、今朝出勤するなりメンバーさんに

「8月は今日で終わりだよ、明日から9月になるよ、早いねー」

と言われて愕然としました。

(月が変わるとタイムカードや出勤簿、献立表、予定表などが一新されるので

カレンダーに敏感なメンバーさんたちがいつも教えてくれます。)

 

毎日の過ぎる早さに追いつけていなくて

宿題が終わってなくて大慌ての夏休み最後の日のような気持ちですが、

8月を振り返ってみたいと思います。

 

この夏はもの作り体験「夏休みの自由工作お手伝いします!」を2回にわたって行いました。

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メニューはこれまでやってきたもの作り体験で好評だった4つを用意しました。

①トランスパレントのオーナメント

プラ板とUVレジンの小物

③木の皮で作るヘビの壁掛け

④マスキングテープの貼り絵

 

一回目の6日は酷暑だったことと宿題に慌てるには早かったようで

参加者ゼロという残念な結果に、、

お客さん来ないねーと言いながら、そこはマイペースなわんどメンバー。

ものづくりの時間をそれぞれ楽しんじゃいました。

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そして第2回!

6人のこどもたちと2人の大人が参加して、にぎやかに始まりました。

一番人気はプラ板でした。

自分で好きな絵が描けるからでしょうね。

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作ったもの見せてーとお願いしたらこのポーズ!

 

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ものしり博士しょうへいによるポケモン講座も急きょ開催!

男の子たちはしょうへいを尊敬のまなざしで見つめていました。

 

こんな感じで8月ももの作りを楽しんだわんどでした。

 

そして明日からははじまる9月は、さっそく今週土曜日にアート案内人金子光史さんのワークショップを開催します。

 

「秋コレ!ぷかぷかファッション」まだ残席あります!

お申込みお待ちしていま~す byタカノブ

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障害者になる前よりも、障害者になった今の方が、「心の不自由さが無くなった」

  旅行の前日の夜中にアップした日記に

pukapuka-pan.hatenablog.com

 

tomoさんからコメントが寄せられていました。

 tomoさんはこんな方。

tomoecru.hatenablog.com

 

高崎さんの本日の記事、とても共感いたします。
私も障害を持つまで、あまり「想像力」を持たずに過ごしてきたように思います。でも、実際に自らが障害者という立場になってみて、気づけたことがいっぱいありました。
このあたりのことは、ゆくゆく自身のブログでも書いていこうと思っていますが、障害者になる前よりも、障害者になった今の方が、「心の不自由さが無くなった」んです。本当に。
障害のある人もない人も、ともに普通に生きていける世の中に、もっともっとなっていったらいいと思います。
ぷかぷかにはなかなか伺えないので、その代わりに、本日自宅の近くで知的障害者の方々と施設の方が、クッキーや手作り品の販売をされていたので購入してきました。
障害者の方が、一生懸命に(と言っても傍目には雑に見えますが。笑)お釣りを返してくれて商品が入ったビニール袋を渡してくれて、心がほっこりしました。
私は手が不自由でお釣りを受け取れないので、お財布を開いてそこに入れてもらうのですが、知的な障害を持つ方から、身体的な障害を持つ私に、お釣りと商品という形を変えた「優しさ」が受け渡されたような、そんな温かい気持ちになりました。

 

 

 《障害者になる前よりも、障害者になった今の方が、「心の不自由さが無くなった」んです》

というところが興味深いですね。《障害》という言葉には、およそマイナスのイメージしかありません。でも、障害を持つことで「心の不自由さがなくなった」としたら、障害があることの意味が、ほんとうにひっくり返ります。それを共有できれば、優生思想からも私たちは自由になれます。これはすごいことです。

 そのことの意味をブログで書かれるそうなので、すごく楽しみです。

 《知的な障害を持つ方から、身体的な障害を持つ私に、お釣りと商品という形を変えた「優しさ」が受け渡されたような、そんな温かい気持ちになりました。》とありますが、温かい気持ちになれたことも、心の不自由さがなくなったせいかな、と思ったりしました。

 

 

 

 

 

 

 

ぷかぷか旅行2016

 8月27日(土)、28日(日)で奥日光にぷかぷか旅行に行ってきました。総勢48名で、大型の観光バスが満席でした。

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 あいにく二日とも雨で、スケジュールが大幅に変更になりましたが、それでもみなさん旅行を楽しんだようでした。

  バスの中はいつものようにカラオケで盛り上がりました。

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自分の歌いたい曲をリストの中から真剣に探します。

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リストにない曲はYouTubeから拾ってきて歌いました。

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 湯西川ダムを水陸両用車で見学する予定でしたが、あいにく水不足で湖上ツアーは中止。ダムだけ見に行きました。

 水陸両用車は車高が高いので、乗り込むにもタラップを使います。

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窓がないので、全員カッパを着ました。ヘルメットはダム見学用です。

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降りるのも大変

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後ろには湖上を進むときのためのスクリューがついています。

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全員の集合写真ではなく、バス2台に別れていったので、半分です。

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ダムの上を歩きます。

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エレベーターで下まで降り、見上げるとこの大きさ。30階建てのビルの相当する高さだそうです。

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 宿は「平家の庄」という隠れた人気宿。スタッフが見つけた宿です。古い大きな屋敷を宿として再生したみたいです。

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ロビーもこんな感じです。

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環境はすばらしいところです。すぐ裏に川が流れていました。

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食事はバイキングで、なんと鮎の塩焼きが串に刺して並んでいました。今までの旅行でいちばんおいしい食事でした。

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ちょっと凝った飲み屋の雰囲気。

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部屋には豪華な着物が掛けてあったりしましたが、みなさんほとんど関係ない感じでしたね。気がついた人はほとんどいなかったというか…

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翌朝、女将さんにお礼を言って宿を出発しました。

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大笹牧場で遊ぶ予定でしたが、雨の上、霧が深くて、とても遊ぶ雰囲気ではありませんでした。お土産だけ買って、バイキングの昼食をとって、渋滞が予想されたので早めに出発しました。

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 雨でさんざんな旅行でしたが、それでもみなさん、すごく楽しかったようで、来年また行きたいと張り切っていました。この旅行を目標にまた1年がんばります、といってくれた方もいました。

 セノーさんは一日目の夜、お母さんに

「楽しすぎます」

と電話し、すぐにお母さんからお礼の連絡がありました。

 せっかくの旅行が雨で申し訳ないなぁ、と思っていただけに、この「楽しすぎます」という言葉はほんとうにうれしかったですね。

今まで以上に大切になった気がして

今朝8月26日の朝日新聞朝刊の「相模原事件が投げかけるもの 下」は《優生学上の見地から不良な子孫の出生を防止する》という《優生思想から私たちは自由になれたのか》を問う、とてもいい記事でした。

digital.asahi.com

 生まれつき骨が折れやすく、車イスを使う安積遊歩さんは《不良な子孫の出生を防止する》という条文に「この世の中は、女としても、人間としても、私に存在するな、といっている」と衝撃を受け、自殺未遂を繰り返した、といいます。

 《不良な子孫の出生を防止する》という条文に「私に存在するな、といっている」と安積さんは受け止めるのですが、私たちにその想像力がないことこそが問題であるように思います。相模原障害者殺傷事件の容疑者の「障害者はいない方がいい」という言葉を、言われた側に立って受け止める想像力です。

 出生前診断で陽性反応が出た母親の96%が中絶を選ぶという社会の現実も、容疑者と同じ言葉ではないにしても、障がいのある子どもを受け入れないという社会を反映したものであり、そういう意味では同じことを言っていると思います。そういう中で私たちは今何をすべきなのか、ということです。

 

 ぷかぷかは設立以来《障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ》というメッセージを日々発信し、それに共感する人、ぷかぷかが好き!という人を地域の中で増やしてきました。そういったことが、相模原障害者殺傷事件以来、「今まで以上に大切になった気がしています。

 

 

 障がいがあり、女性運動もしてきた米津知子さんは「障害者は不幸で価値が低く、社会の負担とみる優生思想は根深く、みんなが吸収して育つ」といいます。

 大事なことは優生思想を批判しつつ、それを超える思想を持つことだと思います。

 《障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ》のメッセージは優生思想をひっくり返すほどの思想のひとつではないかと思います。 

 

 

 

郵便局のお姉さんたち!

 今日もセノーさんと郵便局。入金作業が終わったあと、

「セノーさん、お姉さんにありがとうっていってから帰るよ」

と声をかけると、しばらくじ〜っと考えたあと、おもむろに立ち上がり

「あああああ…郵便局のお姉さんたち! ああああ…ありがとうございました!」

と大きな声で言い、郵便局のお姉さんたち四人がびっくりしたように一斉にセノーさんの方へ向き、

「ありがとうございました」

と、あいさつしたのでした。

 窓口で対応してくれたお姉さんにあいさつするつもりが、セノーさんはどういうわけか「郵便局のお姉さんたち!」とみんなに呼びかけ、大きな声であいさつして帰ってきたのでした。

 この一瞬のやりとりがほんとうに楽しいです。こういうことが街を耕すことなんだと思います。郵便局のお姉さんたちの心が、こうやって毎日耕され、やわらかくなってきたのだと思います。お姉さんたちのぷかぷかのメンバーさんたちに向けられるやさしい笑顔は、このやわらかく耕された心のおかげです。

 

  入金に使った袋がパン屋でなかなか返せません。

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買えます!

 ダイチさんと配達に行く車の中でいろいろお話ししました。

「毎日コーラ飲んでるけど、自分の小遣いで買ってるの?」

「お母さんに毎日ジュース代もらいます」

「毎日?」

「そう、毎日」

「給料もらって、自分で管理しないの?」

「全部お母さんに渡します」

「ひょっとしてお金の計算ができない?」

「できます」

「じゃあ、ダイちゃんの給料はいくらですか?」

「え〜と、え〜と…」

「じゃあ、クイズで行きます。3,000円、5,000円、1万円、どれでしょうか?」

「3,000円!」

「そんなことないですよ、もっとたくさん渡してます。給食代をひいても1万円は渡していますよ。」

「給料が入ったら何買いますか?」

「映画のDVDです」

「そのときはお母さんからいくらもらいますか?」

「1万円です」

「え〜!1万円も? 3000円の給料で買えますか?」

「買えます!大丈夫です。」

と自信を持って言ったのでした。

こういう人といっしょにいるとほんとうに幸せな気持ちになります。

ダウン症の子どもを持ったお父さんが、「ダウン症の子どもは何も知らなくなる病気だ」などとひどいことを言われ、「息子はすばらしい人生をプレゼントしてくれた。いとおしくて、抱きしめたいくらいだ、病気でも、障がいでもない」と言ってましたが、ダイちゃんといっしょにいると本当にそうだと思います。ダイちゃんといると、毎日すばらしい時間をプレゼントしてくれます。お父さんでなくても、いとおしくて、抱きしめたくなります。

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「ぷかぷか♡大好き♡」FBができました!

 「ぷかぷか♡大好き♡」という「ぷかぷかファンクラブ」FBが、ついさきほどできました。ぷかぷかのファンのひとりGohan Daisukiさんが立ち上げてくれました。

 「 ぷかぷかのファン」という方は多いのですが、今まで横のつながりがありませんでした。ファン通しがつながって、お互いぷかぷかの魅力(カフェのあれがおいしかったとか、おひさまの台所のこれがおいしかったとか、パンのあそこがおいしかったとか、ツジさんのしゃべりっぷりが面白かったとか、セノーさんのサボりっぷりが横綱級だったとか、だらだらとした帰りの会の雰囲気にホッとしたとか…)を語り合えば、多分それは今までタカサキが語ってきたような魅力とはちがう、もっと素敵な魅力が出てくるような気がするのです。目の悪いタカサキが見落としている魅力が多分いっぱい出てきます。100個の目が語れば、100個の魅力が出てきます。

 相模原障害者殺傷事件のあった今、ぷかぷかの魅力を街の人たちが語ることはとても大事なことだと思います。ぷかぷかの当事者の私が語る以上に、街の人が語ることが大事です。「ぷかぷかが街にあることの意味」は私が語るより、街の人自身が語る方がはるかに説得力があります。彼らの魅力にしても、街の人にとって何が魅力なのかを語る方が、社会に対してより説得力があります。街は社会そのものだからです。

 ぷかぷかの魅力を語ることは、障がいのある人たちは街の中にいた方がいい、社会にいた方がいい、私たちといっしょにいた方がいい、いっしょにいて欲しい、ということです。それは、相模原障害者殺傷事件の容疑者のいう「障害者は生きていても意味がない」という言葉に対する、大きな大きな反論になります。「それはちがう」と私たちが言い続けないと、障がいのある人たちはどんどん生きづらくなってきます。彼らが生きづらくなるような社会は、私たちにとっても生きづらい社会です。

 そんな今の社会状況にあって、「ぷかぷか♡大好き♡」のFBは、大きな希望になります。

 ぜひぜひあなたが感じる魅力を書き込んでください。そしてどんどん拡散して下さい。

毎日新聞「余録」

 毎日新聞1面の「余録」に「ぷかぷか」の話が載りました。

mainichi.jp

 限られた文字数で「ぷかぷか」を語るのは至難の業ですが、コンパクトによくまとまっていると思います。こうやって少しでも相模原障害者殺傷事件のことと、「ぷかぷか」でやっていることが話題になれば、と思います。

 

 相模原障害者殺傷事件の容疑者は「障害者は生きていても意味がない」などといい、ここまではっきりでなくても、出生前診断で染色体異常が確定した妊婦のうち94%が人工妊娠中絶を選択した、という現状を考えると、社会全体が障がいのある人たちのことをまだまだ受け入れていないように思います。

 そんな中にあって、「ぷかぷか」は日々、こんなことやりました、あんなことがありました、と障がいのある人たちの日々をホームページ、Facebookページで発信しています。障がいのある人たちがどんな人たちで、どんな毎日を送っているのかを発信しているのです。

 それはこの人たちと一緒に生きていくと私たち自身が、私たちの街が豊かになるよ、というメッセージでもあるのです。実際、ぷかぷかに来て、彼らと出会い、「ぷかぷかが好き!」「ぷかぷかのファン」になったお客さんがずいぶん増えました。こんなふうにして街が少しずつ豊かになっているのです。

 彼らのことを知ること、それがとても大事だと相模原障害者殺傷事件を見てあらためて思うのです。

第三期第一回目のワークショップ

 8月20日(土)、第三期目の「みんなでワークショップ」がスタートしました。第一期目は『森は生きている』、第二期目は『みんなの生きる』をテーマにしました。そして今期は『セロ弾きのゴーシュ』がテーマ、というか、それを元に芝居を作っていきます。

 ゴーシュは町の活動写真館でセロを弾く係です。「みんなより遅れる」「みんなと合わない」「表情がない」「とけたひもを引きずったような演奏」と楽長にしかられてばかりいます。ゴーシュは一人残って壁に向かって涙をこぼしながら練習します。

 そんなゴーシュのところへ毎晩動物たちがやってきます。ネコ、カッコウ、タヌキ、ネズミです。最初は無愛想ですが、それでもゴーシュは彼らのためにセロを弾きます。セロを弾きながら動物たちとのいろんなやりとりがあります。

 ゴーシュは毎晩必死になって練習し、そのためにうまくはなるのですが、この動物たちとのやりとりこそが、ゴーシュを成長させます。

 その成長がいちばん見えるのが、演奏会の日、「第六交響曲」が大成功し、アンコールの中でゴーシュがたった一人でセロを演奏する場面です。ゴーシュは動物たちがやってきた夜のことを思い出し、すばらしい演奏をします。

 オペラシアターこんにゃく座のオペラ『セロ弾きのゴーシュ』には、ゴーシュの成長ぶりがすばらしい音楽で表現されていて、ここは何度聞いてもぞくぞくするほどの場面になっています。

 ここを芝居の形で表現できないか、というのか、今回のワークショップのテーマです。

 ゴーシュは楽長をはじめ、みんなからいろいろ馬鹿にされるのですが、「みんなより遅れても」「みんなと合わなくても」「表情がなくても」「とけたひもを引きずってても」そんなだめなことがいっぱいあっても、「それでもゴーシュはいた方がいい」といえるようなものを動物たちとゴーシュのやりとりの中で見つけ、それを芝居に形にすることができないだろうか、と思うのです。

 それはゴーシュと同じような理由で社会的疎外を受けているぷかぷかのメンバーさんたちからの大事なメッセージになります。「それでも社会にはゴーシュのような人間はいた方がいい」というメッセージ。彼らと一緒にワークショップをやれば、多分それは見つかるのではないかと思うのです。

 

 相模原障害者殺傷事件の容疑者は「障害者は生きていても意味がない」などというめちゃくちゃなことを言っていますが、「それはちがう」ということを私たちは言い続ける必要があると思っています。それば容疑者だけでなく、社会全体が障がいのある人たちをまだまだほんとうに受け入れていないと考えるからです。出生前診断で染色体異常が確定した妊婦のうち94%が人工妊娠中絶を選択した、という現状は社会全体が障がいのある人たちをどんな風に受け止めているかをよく物語っています。

 言葉で「それはちがう」というだけでなく、そのことを語る具体的な事実を作っていくことがなによりも大事だと考えています。「支援」などという、どこか他人事の、上から目線の関わりではなく、あくまで彼らの側に立ち、彼らと一緒に豊かなものを作り続けることです。「ぷかぷか」はそのことを地域の中でやってきました。そしてワークショップはまさに彼らと一緒に豊かな文化を創り出すものです。

 

 話をワークショップに戻します。

 第三期第一回目のワークショップの報告です。

 コミュニケーションゲームの最後に、自分で身につけているものも使ってグループごとに、どこがいちばん長くできるかのゲームをしました。靴や靴下ハンカチ、タオルなども動員して、みんな必死になって腕や足を伸ばして挑戦しました。この必死になる感じがすごくよかったですね。適当にゲームを楽しむのではなく、必死になってゲームをやるとき、人は皮がちょっとだけむけて、ちょっとだけ自由になれます。こんな体験を積み重ねていって、ワークショップはあたらしいものを創り出すことができるのです。

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 コミュニケーションゲームのあと、オペラシアターこんにゃく座のオペラ『セロ弾きのゴーシュ』のDVDを見ました。原作は30年ほど前に初演され、今回見たDVDは10年前に上演されたときのもので、演出も歌役者もかなり変わっていましたが、それでもこんにゃく座のオペラってほんとうに楽しいとしみじみ思える作品でした。みんな集中して見てくれたので『セロ弾きのゴーシュ』がどういうお話かは十分伝わった気がしました。(DVD見たい方、高崎までメールください。お貸ししますよ。『セロ弾きのゴーシュ』という作品がこんにゃく座の手にかかってオペラになると10倍くらい楽しくなる、ということがよくわかります。pukapuka@ked.biglobe.ne.jp)

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 オペラ『セロ弾きのゴーシュ』でゴーシュが家(といっても川端にあるこわれた水車小屋)に帰って夜セロを練習するときに歌う歌「ふをめくりながら」と、タヌキが登場する場面で歌われる歌「てぃーちでぃーる」を練習しました。

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 ♪ 譜をめくりながら 弾いては考え、考えては弾き…♪

 これは左手でチェロを持ち、右手で弦を持って弾くようにして歌うと、とても気分の出る歌です。養護学校で『セロ弾きのゴーシュ』をやったときは、これを真っ先に練習しました。

 二曲ともピアニストのあみちゃんが一回歌っただけですぐにみんな歌えるようになり、その吸収力にちょっとびっくりでした。 

 

 午後はあみちゃんの紹介でオーケストラで演奏しているチェロ奏者江原さんがチェロの生演奏をしてくれました。そのときの雰囲気をちょっとだけ楽しんで下さい。

 

「白鳥」

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流れ星の音まで入った「上を向いて歩こう」。江原さんによるすばらしいアレンジ曲。

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「ザッツ エンターテイメント」

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 なんとも贅沢な時間でした。

 演奏の終わったあとはチェロやチェロを弾く指を触らせてもらいました。

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 『セロ弾きのゴーシュ』の発表会(来年1月29日)でもスケジュールが合えば来てもらえるかも知れません。

 

 チェロの生演奏を聴いたあと、みんなでゴーシュの家を訪ねるいろんな動物になったり、ゴーシュに何を頼むかを考えたりしました。

 なぜかイグアナが登場

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 そのイグアナグル−プがゴーシュの役をやり、そこへほかのグループが

「最近眠られないんです。どうしたらいいですか?」

と訪ねてきました。期せずしてツジさんが

「チャン、チャララララン…」

と「禁じられた遊び」を口ずさみ、眠られなくて困っていたグループの人たちが眠ってしまう、という即興の芝居ができました。

 イグアナグル−プに入っていたチェロの演奏者江原さんは

「およそ生産性には興味のないまったりグループの中でどうなることかと思いましたが、禁じられた遊びが飛び出してきたときは、ほんとうにびっくりしました。すごい可能性のある人たちですね」

とおっしゃっていました。

 こういう反応を積み重ねていくと、今までにない面白い『セロ弾きのゴーシュ』ができあがるのではないかと思います。

 

 発表会は来年1月29日(日)の午後、みどりアートパークホールでおこなわれる『表現の市場』でおこないます。ひょっとしたら本物のチェロの演奏が聴けるかも知れません。

地域の人たちの心を豊かに

  マユミさんが亡くなってちょうど一年になります。突然の旅立ちに、みんなびっくりしましたが、あちこちにしっかりとマユミさんが生きた軌跡を残していました。

 この動画はマユミさんのファンでもあった近所のオオヤさんが届けてくれました。ほんの短い動画ですが、オオヤさんの娘さんとマユミさんの、お互い信頼しているあたたかなおつきあいがよく見えます。

www.youtube.com

 

 写真のカメラを見つめるマユミさんからは、マユミさんとオオヤさんのおつきあいが見えてきます。すごくいいおつきあいをしてたんだなと思います。障がいのある人たちを支援するとかではなく、どこまでもマユミさんという人とオオヤさんという人の普通のおつきあいです。

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ぷかぷかのプロモーションビデオの中でオオヤさんは

「最初の頃は上から目線で見ていましたけど、今は私たちと変わらない普通の人だなと思っています。ぷかぷかのメンバーさんに耕されたんだと思います」

とおっしゃっていますが、マユミさんとのこんなおつきあいの日々があって、オオヤさんも少しずつ変わってきたのだと思います。

 

 マユミさんはですから、亡くなる直前まで、地域の人たちの心を豊かにしていたのだと思います。いい仕事をしてくれました。

 あらためてマユミさんに合掌。

 

★マユミさんがMさんでは、ぜんぜん伝わりません。まして、名前がないとなれば、その人の生きた軌跡そのものがなくなります。

 

 

 

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