ぷかぷか日記

社会全体のあり方をも問うような

 12月12日(月)10時から団地集会室(パン屋の前)で辻さんの「見当違いの努力」の話を聞く集まりをやります。20名くらい入るといっぱいのスペースで、もう15人ほど埋まっていますが、あと5人くらいは大丈夫です。

pukapuka-pan.hatenablog.com

 

 花岡さんがこの集まりを紹介してくれています。

ameblo.jp

 《どうにかこうにかして社会に…と苦しい思いをしているお母さんの気持ちが少しラクになるのではないかと思いました》

 とありましたが、「見当違いの努力」から解放されると、本当に気持ちが楽になると思います。結局のところ、この努力の視線は障がいのある人たちのことを見下していて、努力せなあかん、みたいなこと言ってるわけで、社会の視線そのものです。辻さんの気づきは、その視線はおかしいんじゃないか、という問題提起です。それは社会全体のあり方をも問うようなすごい問題提起だと思います。

 

 集まりに参加希望の方はメールでお問い合わせください。

 pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

 

「ぷかぷか」は明日もがんばりません

今朝の朝日新聞朝刊の天声人語に

 《自民党の会合では議員から「女性の社会進出で社会全体が豊かになっているとは思えない」という声まで出た》

とあって、びっくりしました。呆れました。社会を見る目の貧しさ、人間を見る目の貧しさを思います。こんな国会議員がいる限り、社会は豊かになっていかないなぁ、と暗澹たる気持ちになります。

 

 「女性」を「障がいのある人たち」と置き換えると、どうでしょう。

「障がいのある人たちの社会進出で社会全体が豊かになっているとは思えない」と思う人は、多分圧倒的多数だと思います。いや、そもそも、彼らが社会に出ていくことで社会が豊かになる、というふうに考える人自体が、あまりいないのではないかと思います。

 障害者雇用促進法にも、彼らを雇用することで社会が豊かになる、ということはひとことも書いてありません。障がいのある人が一般に企業に入ることはとても難しいのですが、それを「差別はいかん」ということで無理やり雇用を法律で強制している感じがします。雇用達成率を満たさないと罰金まであります。

 なんか寒々しい世界です。

 「差別はいかん」よりも「彼らを雇用すると、職場が豊かになるよ」と言った方が、彼らを受け入れやすい気がします。

 障がいのある人が職場に入ることで、場合によってはいろんな「問題」が生じることもあります。ペースが合わないとか、指示がうまく伝わらないとか、効率が悪いとか、いろんな「問題」が生じます。でもその一つ一つの問題に丁寧に向き合い、どうやったら解決できるのかを考えることは、人間を豊かにします。「問題は人が豊かになるいい機会」だと受け止めるかどうかだと思います。

 たまたまですが、昨日統合失調症を家族に持つ方とお話しする機会がありました。一緒に暮らしていく苦労は、聞いているだけでも辛いものがありました。でもその大変さと真正面から向き合っているご両親をあらためて尊敬しました。その苦労の中にこそ人が豊かになっていくものがあるように思いました。ですからぷかぷかもその苦労を分かち合いたいと思いました。

 一緒に生きていく、というのはこの「苦労を一緒に背負い込む」ことでもあると思います。そういうことがあっての豊かさです。

 

 「ぷかぷか」は「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」と言い続けています。その方が社会が豊かになると考えるからです。そして日々の活動の中でその豊かさを実際に作り出してきました。

 パン教室では豊かな時間が流れています。演劇ワークショップでは豊かな作品を舞台に上げています。

 「差別はいかん」だから「障がいのある人と一緒に生きていかねばならない」ではなく、「一緒に生きていった方が豊かになるよ」「得だよ」と言った方が、気持ちが楽です。

 この豊かさは、津久井やまゆり園障害者殺傷事件の容疑者のいう「障害者はいない方がいい」「生きている意味がない」という主張と真っ向から対立するものです。事件を越える社会を作る、というのは、ですから「障がいのある人たちと一緒に生きることで社会の中に豊かさを作っていく」ことに他なりません。

 

 「障がいのある人たちの社会進出で社会全体が豊かになった」とみんなが思えるような社会を目指して、「ぷかぷか」は明日も頑張ります。いや、がんばりません。頑張る世の中にはしたくないのです。頑張ったりせずに、そんな社会を作りたいと思っています。ぷかぷかの帰りの会はいつ始まって、いつ終わったのかがはっきりしないような、全くしまりのない会です。それでいてどこかホッとするような、居心地がいい場なのです。ですから、別に頑張らなくてもそういう社会はできるんだろうと思っています。

(ぷかぷかの帰りの会、ぜひおいでください。ぷかぷかウィルスに感染しない、という保証はありませんが…)

 

 

 

11月後半メニューご紹介❤️

あ〜っと言う間に12月も数日が過ぎてしまっております。

この調子で日々が過ぎて行くとあっという間にみんなおじいちゃんおばあちゃんになってしまいます。1日1日を大切にのんびりゆっくりと過ごしたいものです。

ではでは11月後半メニューのご紹介をさせていただきます。

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希望は作ろうとしなければ生まれません

 『そよ風のように街に出よう』の終刊についてのNHKの報道について丁寧に書いたサイトがありました。

jnsk-tv.hatenablog.com

 

 希望の言葉を綴った雑誌が終刊を迎えた今、その希望は私たち自身が作っていくしかないと思います。

 ぷかぷかは障がいのある人たちと一緒に働きながら、たくさんの希望を作り出していきたいと思っています。希望は作ろうとしなければ生まれません。

 

 先日書いた日記にこんなことを書いています。

 

 ぷかぷかのパンフレットの1ページ目にはこんな絵があります。

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 みんなでパンをかついでいます。この絵はアート部門のスタッフが、いわば「採用試験」の際に描いた絵ですが、私はいっぺんに気に入りました。

 ぷかぷかはパン屋から始まりました。現在は様々な事業をおこなっていますが、やはり中心はパンです。パン屋から始まった事業が、ただ単にパンを作って販売することに終わらず、みんなが暮らしやすい豊かな社会を作っていくことに貢献しています。

 社会の豊かさを少しずつ生み出していることを日記に書いて発信していますが、ぷかぷかは事業を展開する中で、そういったものをたくさん生み出しています。

 みんなでパンをかついで、そういう社会を作っていこうよ、って言っているのです。ただ単にパンが売れればいい、っていうのではなく、ぷかぷかの活動を通して、社会を少しでもよくしていきたいと思っているのです。

 

 石垣りんさんの詩に「空をかついで」というのがあります。私の大好きな詩です。

 

  肩は/首の付け根から/なだらかにのびて。
  肩は/地平線のように/つながって。
  人はみんなで/空をかついで/きのうからきょうへと。
  子どもよ/おまえのその肩に/おとなたちは/きょうからあしたを移しかえる。
  この重たさを/この輝きと暗やみを/あまりにちいさいその肩に。
  少しずつ/少しずつ。

 

 相模原障害者殺傷事件が起こるような社会は病んでいます。そうではない、いろんな人が、ありのままで暮らせる豊かな社会、未来に希望の持てる社会をみんなで作り、子どもたちに引き継ぎたいと思っています。みんなでパンをかついで、それを実現しようというわけです。

 ホームページで、そういった物語が伝えることができれば、と思っています。

 

 

 『そよ風のように街に出よう』があちこちにばら撒いた希望の種を「ぷかぷか」はしっかり受け止め、少しずつ少しずつ膨らませていきたいと思っています。

 

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障がいのある人たちの働くパン屋にこんなに行列ができるのです。ここには希望があります。

よくまとまった映像二つ

YouTubeで「11月3日おはよう日本」を検索したら出てきました。7分半くらいのところにぷかぷかの映像が出てきます。短い時間ですが、ぷかぷかでやっていることと、津久井やまゆり園の事件をつなぎ、とてもよくまとまった映像です。削除される可能性もありますので、早めに見てください。

www.youtube.com

 

 こちらは以前日記で取り上げた『そよ風のように街に出よう』という雑誌の話です。これはNHK7時のニュースです。0号で取り上げた梅谷さんまで取材し、とてもいい映像にまとめられています。こんな素晴らしい雑誌が廃刊に追い込まれる社会的な状況の中で津久井やまゆり園の事件の事件が起こりました。そのことの意味をしっかり考えたいと思います。そして何よりも今、この社会的状況の中で私たちは何をすべきなのか、ということ。ぷかぷかは「そよ風のように街に出て」たくさんのおつきあいを街の人たちと作ってきました。難しい議論よりも、障がいのある人たちと、楽しいおつきあいを作った方がいいです。何となく嫌だなって思っている人も巻き込んでしまうような、とびきり楽しいおつきあいを、あちこちに作りましょう。

www.youtube.com

そんな想いの伝わる舞台になればいい

第3期4回目のワークショップの記録映像です。制作は映像作家の吉田拓史さんです。

ワークショップの雰囲気がよく伝わってきます。あと3回でまとめる予定ですが、どんな風になっていくのか。大変ですが、この大変さこそがワークショップの楽しいところです。来年1月29日に発表です。

www.youtube.com

 障がいのある人たちとは一緒に生きていったほうがいい、ワークショプをやっているとしみじみそう思います。そんな想いの伝わる舞台になればいいな、と思っています。

「障害者はいないほうがいい」のではなく、「いたほうがいい」「一緒に生きていったほうがいい」と、いい続けます。

はずむことを知った心のこれからがすごく楽しみ

 みんなで背景画を描いた時の映像記録です。制作は映像作家の吉田拓史さんです。

 金子さんのリードで、みんなどんどん書き進めていきます。表現することの楽しさが溢れていますね。こんな風にはずむことを知った心のこれからがすごく楽しみです。制作することと寝っ転がることとパソコンに見入ることなんかがごっちゃになっていて、いかにもぷかぷからしいと思いました。

www.youtube.com

この背景画は来年1月29日(日)の午後、みどりアートパークホールの舞台で発表する「セロ弾きのゴーシュ』で使われます。これはまだ右半分なので、後日左半分を書きます。

クリームパンを買いに来ただけなのに

少し前の記事ですが、素晴らしい記事なので紹介させていただきます。

www.kanaloco.jp

 

 彼と同じものが自分の中にあることを認める勇気を持つこと、とても大事なことだと思います。そこからもういっぺん世界を見渡していくことですね。

 そして大事なことは、そこから先へどうやって進むか、ということです。経験的には自分の中をあまり掘りすぎると、どんどん暗い気持ちになって、先へ進めません。それよりも、見下している相手といい出会いをする、前向きの関係を作る、といったことに向かった方がいいように思います。

 ぷかぷかのプロモーションビデオです。

www.youtube.com

 この中に登場するオーヤさんが、初めは上から目線で見ていたけど、彼らとお付き合いしていくうちに、私たちと同じなんだということがだんだん見えてきました、とおっしゃっています。

 オーヤさんは子どもと一緒に毎日ぷかぷかにクリームパンを買いに来ていました。そして毎日ぷかぷかさんたちに会っていました。毎日会って、他愛ない話をしただけです。それなのに、こうやって彼らを見る目線が変わってきました。

 要するにそういうことです。自分の中にいる「彼と同じもの」と向き合うことは必要です。でも、大事なことは、そこから前に進むことです。オーヤさんはぷかぷかにクリームパンを買いに来て、それがきっかけでぷかぷかとお付き合いが始まり、アートのワークショプに何度か参加し、今は演劇ワークショップに参加しています。来年1月29日(日)ぷかぷかさんたちと一緒に、みどりアートパークのホールの舞台に立ちます。

  以前はなんとなく上から目線で見ていたオーヤさんが、ぷかぷかさんたちと一緒に大きなホールの舞台に立つなんて、本当にすごい変わりようだと思います。それをぷかぷかさんたちが導いたのですから、彼らのチカラは侮れません。

 そして何よりもオーヤさんの変わりようにこそ、津久井やまゆり園の事件を越える手がかりがあるように思います。

『セロ弾きのゴーシュ』背景画を描きました。

 ワークショップで作っている『セロ弾きのゴーシュ』の背景画を描きました。アートディレクター金子さんの発案で、『セロ弾きのゴーシュ』の文章をそのままいろんな人が描きました。いろんな字があって、もうこれ自体でアートになっていました。

 こうやって寄ってたかってみんなで描きました。

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完成したのがこちら

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力強い出だし

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「じつはなかまのなかではいちばんへたでした」が、途中で描けなくなって、横に行ってしまうところが楽しいです。

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「トランペットはいっしょうけんめいうたっています。バイオリンも二いろ風のようになっています。クラリネットもボーボーとそれにてつだっています。」のところはまるで「オペラシアターこんにゃく座」のオペラが聞こえてきそうな文字です。

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「楽長がどなりました。セロがおくれた」に対する「みんなぴたり曲をやめてしんとしました」の文字が、その時の雰囲気をとてもよく表現しています。

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「こまるなあ」の「な」の字が素晴らしい

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「ぼくはきみにドレミファをおしえてまでいるひまはないんだがなあ」の「あ」を描くスペースがなくて、上の方に「あ」だけ描いていました。この辺がなんとも律儀で楽しいですね。

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「…水をごくごくのみました」 文字は背景画のバックにして、その上に絵を貼り付ける予定でしたが、絵を貼り付けるにはもったいないくらいの文字をみなさん描いてくれたので、絵をどうしようかと考えています。

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チイサナシアワセ

『あ、ハート♥️』

ゆりりんが小さな声で言いました。

振り向くと照れた笑顔でお箸にハートの形をしたさつま芋をしっかりと持っていました。

 切っている時は皆さん集中して作業をしているので気がつかないのですが、食事中に楽しい発見をしてくださると私たちも少しうれしくなります。

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