ぷかぷか日記

ほっこりした、いい時間をありがとう

 ぷかぷかにパンを買いに来て、パン屋の前のテーブルで食事されたお客さんが、自分のFacebookに

 「ほっこりした、いい時間をありがとう」

と写真と一緒にアップしてくれました。

       

       

 

 障がいのある人達の働く場所が、ほっこりしたいい時間を提供しています。彼らが社会にいることの意味を端的に語っているように思います。

 彼らが社会にいることの意味がそんな風に変わってくれば、彼らにとってはもちろん、誰にとっても社会はもっと居心地のいいものになります。それを阻んでいるのはなんなんだろう、と思います。

 以前ほかの福祉事業所に行ったお客さんが、

「やっぱり、ぷかぷかに来るとホッとします」

とおっしゃってましたが、要はそういうことなんだろうと思います。

 彼らとどういう関係を作っているのか、という私たち自身の問題であり、そここそが問われているように思うのです。

 支援ではなく、いっしょに生きる。そういう関係の時、彼らの働く場がほっこりしたいい時間を提供することになるのだと思います。

看護学校で授業

 看護学校の精神科看護で授業をすることになりました。中身はお任せということだったので、『不安の正体』という、精神障害者のグループホームの建設反対運動を取り扱った映画を上映し、自分の関わっている精神障害の人がそういった問題に直面した時、どういった言葉をかければいいのかを考える授業をやろうと思っています。こういった社会的な問題は教科書に載っていないし、看護学校では多分取り扱わないので、貴重な授業になると思います。

       

 映画の中に反対住民の怒号が入っていますが、精神障害の人達に対する偏見が満ち満ちています。その偏見にどう向き合うのか、というのが授業のテーマです。

 精神障害はそれ自体、幻聴、幻覚をはじめ、体が動かなくなるなど、生きることに私たちが想像できないほどの困難さ(=生きにくさ)をもたらします。精神障害者への地域の人達の偏見は、社会的生きにくさを生みます。ですから彼らは二重に生きにくさを背負い込むことになります。

 障害そのものが生み出す幻聴、幻覚などの生きにくさは私たちには手に負えません。でも偏見から生じる社会的生きにくさについては、社会を構成する私たちの問題であり、何か私たちにもできることがあるはずです。そこでは何が問題であり、どうすればいいのかを授業の中で考えてもらおうと思っています。

 精神障害者への偏見はどうして生まれるのか、どうすれば偏見は解消できるのか。反対住民の怒号を聞いていると、心がとがっていることを感じ、本当に悲しくなります。そのとがった心を丸くするにはどうしたらいいのか。そういったことを考える授業です。

 私たちの生き方そのものが問われるような授業になると思います。

頑張らなくていい、ありのままのあなたでいい。

昨日の東京新聞に載っていた伊是名夏子さんの「障害者は四つ葉のクローバー」

 

 記事の最後に「頑張らなくても、その人がその人のままで安心して、幸せに生きていける場所が増えることを願います」とありますが、ぷかぷかはひょんなことがきっかけでそういう場所になりました。

 

 何度か書いていますが、ぷかぷかを始めてすぐの頃、接客の勉強をしようと、講師を呼んでぷかぷかさんとスタッフで勉強会をしました。接客マニュアルというのがあって、その通りにやるとうまくできると教わりました。ところが実際にぷかぷかさんがやってみると、なんだか気色悪いのです。接客マニュアルに合わせようと頑張れば頑張るほど、自分を押し殺すことになり、その姿はひたすら痛々しく、彼らに惚れ込んでいた私にとってはもう耐えがたいほどに気色悪かったのです。

 で、接客マニュアルに合わせることはやめました。もうそのままでいいよ、と。

 とはいうものの、そのままの彼らでお店をやっていけるんだろうかと不安でした。ところが、そのままの彼らの魅力に気づいたお客さんが次々に現れ、「ぷかぷかさんが好き!」とまでいってくれるお客さんが現れたのです。

 「なんだそのままでいいじゃん」と思いましたね。その延長に今のぷかぷかがあります。

 「頑張らなくていい、ありのままのあなたでいい。」「ありのままのあなたが一番魅力的」は、こうやって生まれました。

 頑張らなくても、その人がその人のままで安心して、幸せに生きていける場所にぷかぷかはなっています。

インクルーシブ教育というのは、学校だけでなく、社会においてこそ必要

 先日インクルーシブ教育について考える集まりにいってきました。

 大阪の豊中市立南桜塚小学校は、障がいを理由に学びの場を分けない取り組みで注目を集めていて、そこの校長先生がきていろんな話をしてくれました。全盲の子どももみんなと一緒に給食当番をするそうです。そういう子どもを特別扱いすることなく、当たり前のように一緒に給食当番をしています。こういうところがすごいなと思います。色々大変こともあると思います。でも、その大変なことをみんなで背負い込み、どうしたら一緒にできるんだろうとみんなで考え、みんなで解決していってるところがすばらしいと思います。そこにこそ障がいのある人と一緒に学ぶ意味があります。この子たちが将来どんな未来を作るんだろう、とちょっとわくわくします。

 

 ぷかぷかは法人の設立目的に、障がいのある人達の社会的生きにくさを少しでも解消する、ことを挙げています。非インクルーシブな社会の中で、障がいのある人達はいろんな場面で生産性が低いとか、理解力がないとか、みんなのできることができないとか、負のレッテルを貼られ、様々な形で社会的な生きにくさを背負わされています。

 そういった問題が少しでも解決できないかと考え、街の中に彼らの働くお店を作りました。彼らが排除される一番の理由は、彼らのことをよく知らないことにあります。学校では障がいのある子どもとない子どもをわけられ、社会に出ても、お互いがおつきあいする機会がほとんどありません。知らないが故に、負のイメージばかりがふくらんで、彼らがいない方が社会が効率よく回る、と彼らを排除する方向に動いてしまいます。

 街の人たちに障がいのある人達に出会って欲しい。そんな思いで街の中に彼らの働くお店を作ったのです。結果、彼らとのたくさんの出会いが生まれました。「ぷかぷかさんが好き!」というファンまで現れました。障害者はなんとなくいや、怖い、近寄りたくない、という雰囲気がまん延する中で、彼らのことが好き!なんていう人が現れたのは画期的です。ぷかぷかのまわりが少しずつインクルーシブな社会に変わっていったのです。

 インクルーシブ教育というのは、学校だけでなく、社会においてこそ必要な気がします。

たかが似顔絵

 リクエストに応じてお客さんの似顔絵を描くことが多いです。写真を撮り、それを見ながら何人かのぷかぷかさんが楽しい似顔絵を描きます。

               

             

             

             

        

       

 

 この似顔絵たちは、障がいのある人達に何かやってあげる関係を、私たちの側がハッピーな気持ちをもらう関係に変えます。名刺に使うと、相手もちょっとハッピー。

 

 何かやってあげるとか、支援するとかではなく、私たちがハッピーな気持ちをもらう。似顔絵は、ともに生きることの意味を端的に語っています。似顔絵のチカラをあらためて思ったりするのです。このチカラは、社会を少しずつ変えていきます。

 たかが似顔絵です。ですが、なかなか侮れません。

ありのままのあなたが、美しい

昨日の東京新聞「ありのままのあなたが、美しい」はとてもいい記事でした。

www.tokyo-np.co.jp

 

 当事者だけでなく、誰にとっても自分に自信が持てるように思いました。こういうところから社会は少しずつ変わっていきますね。 

 障がいのある人達は社会にあわせなきゃやっていけない、みたいなことを言われ、社会にあわせる努力を強いられることが多いと思います。でも、ぷかぷかでは、「そのままのあなたが一番魅力的!」というメッセージを発信し、お店でもそのままの彼らで働いています。接客マニュアルに合わせて働こうとすると、気色悪かったので、もうそのままの姿で働いてもらうことにしたのです。詳しくは『ぷかぷかな物語』をご覧下さい。

 結果、「ぷかぷかさんが好き!」というファンがたくさん現れました。「なんだ、そのままでいいじゃん」と、そのままの彼らで働いてもらっています。ぷかぷかさんもお客さんも、お互いが楽になった気がします。

 「ありのままのあなたが、美しい」 当たり前のことですが、誰にも当てはまる言葉であり、社会を変えるほどの力を持つ言葉だと思います。

 

BOTCHANのInstagram

 容貌で日々いろいろ辛い思いをしている人達へのメッセ−ジ「あなたらしさはあなたのもの。私たちは全力であなたの個性を応援します」。なんて力強い言葉だろうと思います。こういう言葉を福祉関係者ではなく、男性化粧品の会社が発信したところがすばらしい。こういうところから新しい文化が生まれます。

場の熱気がビリビリと伝わってきます

 第一期演劇ワークショップの記録映画のダイジェスト版です。演劇ワークショップの場の熱気がビリビリと伝わってきます。そういう場をぷかぷかさんと地域の人達で一緒になって作った、というところがすばらしいと思います。これがいっしょに生きる、ということです。参加した人達の言葉がすごくいいです。

www.youtube.com

 

 8月から第八期の演劇ワークショップが始まります。月一回みどりアートパークリハーサル室で演劇ワークショップをやり、6ヶ月かけて芝居を作ります。1月末の日曜日にみどりアートパークのホールの舞台で発表します。近々ワークショップの内容、スケジュール等も発表します。参加してみようかなと思われる方はぷかぷかの高崎までお問い合わせ下さい。

www.pukapuka.or.jp

こんな舞台に一緒に立ちます。ぜひ一緒に立ちましょう。

FACE of WONDERの世界2023

先日FACE of WONDERの世界2023に行ってきました。楽しい作品で埋め尽くされていました。

      

    

 

パレスチナの子どもたちの作品もありました。

    

 

  

お城の入り口を開けると

 

ぷかぷかさんたちの作品も頑張っていました。

 

今年もTOSHIKI画伯に似顔絵を描いてもらいました。

                              

インクルーシブ教育

インクルーシブ教育について考えるすばらしい番組(NHKプラスに登録すると見られます。メールアドレスがあれば登録できます)

https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2023050917763

 全盲の子どもの発言がすばらしい。障がいのある子どもたちを受け入れている学校の子どもたちの発言もすばらしい。お互いがこうやって豊かに育っていく。

 子どもたちに比べて大人たちはまだまだという感じで、ここを変えるにはどうしたらいいんだろうと思う。

 

 

豊中に学ぶ】
 大阪の豊中市立南桜塚小学校は、障害を理由に学びの場を分けない取り組みで注目を集めている。過日、30年ほど前に豊中の小学校に在籍し同様の環境で育った車いす利用者らとともに訪問した
 ▼昼時に4年生の教室に行くと、かっぽう着姿の全盲の子がクラスメートに支えられながら給食を配って歩いていた。やがて昼休みが終わり、校庭で遊んでいたダウン症の4年生が階段でへたり込んでしまうと、一緒にいた子たちが付き添いながら教室に戻っていった
 ▼障害のある子が当たり前にそばにいて、クラスで役割を担い、支え合う。校内が柔らかな雰囲気に包まれているのは、誰もがありのままの自分でいいと思える空間だからだろう
 ▼校長は「普通の学校ですし、特別なことは何もしてないですよ」と謙遜するが、豊中の教育は誰も排除せずに関係性を紡ぐことを大事にしてきたという。地域で共に生きていくのだから共に学ぶのは当たり前という考えが根付いている
 ▼神奈川では障害のある子が小学校就学を拒否される事例が相次いでいる。学びの場を分ける傾向も根強く、一緒に学ぶ場合も必要な支援が得られない事例が後を絶たない。国連は昨秋、共に学ぶ教育を推進するよう勧告した。豊中から学ぶべきことは多い。

 

 

 鶴見でそのインクルーシブ教育について考える集まりがあります。興味のある方はぜひ!

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