ぷかぷか日記

日本フィルの舞台に当たり前のように障がいのある人が立つ

 2月26日(日)の日本フィルハーモニーのイベントにダイちゃんとコラボをする江原さんが練習に来ました。「上を向いて歩こう」とゴーシュの中で使った「愉快な馬車屋」の2曲を練習しました。ダイちゃん、疲れていたのか、途中江原さんとカメラマンの吉田さんに肩をもんでもらいながら練習しました。いい感じで仕上がりました。

www.youtube.com

 

 2月26日杉並公会堂で、午前と午後の2回、小ホールのリレーコンサートの舞台に立ちます。しっかりギャラももらえるそうで、日本フィルはすごい楽団だと思いました。

 日本フィルの舞台に当たり前のように障がいのある人が立つことをお客さんが当たり前のように受け止める社会こそ、お互いが気持ちよく生きていける社会だと思います。

 今回の舞台の評価がまた次の新しい展開に広がってくれたら、と思っています。

 26日は朝9時からリハーサルです。また報告します。

pukapuka-pan.hatenablog.com

彼らのチカラで街を元気に

 藤が丘駅前のマザーズに行って社長と壁面に絵を飾る話をしてきました。

 「あ、いいねぇ」なんて言ってました。

f:id:pukapuka-pan:20170223113116j:plain

 

 「これは障がいのある人たちの絵と言うより、アートだね」と言ってました。

f:id:pukapuka-pan:20170223113233j:plain

 

正面横の柱にも飾ってみました。

f:id:pukapuka-pan:20170223113347j:plain

この柱にはこの絵を飾ろうと思っています。

f:id:pukapuka-pan:20170223113454j:plain

 

 社長の方はなんの問題もなく、いっしょにアートで通路を楽しくしましょう、ということになりました。4月くらいからスタートできたら、と思っています。

 殺風景な通路がにぎやかなあたたかい通路になります。通りがかりの人も参加できる絵のワークショップもやろうと思っています。障がいのある人のメッセージがワンワンと鳴り響くような楽しい通路になるといいなと思っています。彼らのチカラで街を元気にするのです。

 こういう場を街のあちこちに作ること、それが相模原障害者殺傷事件を超える社会を作っていくことになります。

人の心のドアをノックしに行く感じの映像になれば

 昨日の日記に「心がほっこりするような映像のメッセージができたら、と思っています。」と書いたら、映像を作っている信田さんからこんなメールが来ました。

 

●●●

タイトルに「ほっこり」という言葉を使われていますが
「ほっこり」には「ほっとする」というイメージが強いように思います。
今回の映像はもう少し見た人の心の中に「染みこんでいく」感じになれば良いなと思います。
オーヤさんや僕が体験したような「感染」を映像で起こせないかという感じで
「ほっこり」というより(そういう側面ももちろんあるのですが)人の心のドアをノックしに行く感じになれば思っています。
●●●
 
 「感染」というのはぷかぷかウィルスに感染した、という意味です。
  最初に「ウィルスに感染した」という言葉を使ったお客さんの話。
 
●●●
子供2人を連れてカフェでランチを食べていました。お客さんは私の家族と他にもう一組だったかと思います。

お天気も良く明るくゆったりとした空気の中で

「おいしいねー」

「もう1回チョコパンとチーズのパンおかわりしたい」

などと子供と話をしていました。

 そしたら厨房の小窓のカーテンが急にシャッ!と開き、ニコニコ笑顔にマスクの方が

「おいしいかい!?」

と聞いてきました。

 一瞬何が起こったのかわかりませんでしたが、とっさに

「美味しいです!」

と負けじと大きな声で答えました。

 その方は、そうだろうと言わんばかりにニコニコのまま

「フフ〜ン」

と笑い、カーテンを閉めました。

  多分10秒程のできごとでしたが、この思ってもみない楽しいやりとりで、また食べに来ようと思いました。

 ぷかぷかウィルスに感染したのは、多分この時だと思います。

●●●

 

 去年プロモーションビデオを作った中島さんもウィルスの重症患者ですと自分でおっしゃってました。信田さんもぷかぷかに通っているうちにどうも感染したらしいのです。そして今回、その「感染」を映像で表現したい、というわけです。

 ますます楽しみになりました。

 

 信田さんがすごいなと思うのは、そういった映像こそが、相模原障害者殺傷事件へのメッセージになる、と言っていることです。昨年、瀬谷区で障がいのある人たちのグループホームの計画が、住民の反対運動でつぶされてしまいました。「障害者はここに来るな」と言っている人たちの心のドアをノックするような映像になるなら、それこそが相模原障害者殺傷事件へのメッセージになります。

 あらためて信田さんはすごい仕事をやろうとしているのだと思いました。

心がほっこりするような映像のメッセージが作れたら

 ぷかぷかのプロモーションビデオ第二弾を撮影中のpvプロボノの信田さんがミズキさんの歌う様子を撮影に来ました。ミズキさんは歌が得意で、月一回「ゆりの木カフェ」でお年寄りの方たちが集まって歌を歌ったりお茶を飲んだりする集まりに参加して昔のなつかしい歌を歌います。集まったお年寄りの方たちはいつも大喜びです。その様子を撮影に来ました。

f:id:pukapuka-pan:20170221173454j:plain

f:id:pukapuka-pan:20170221173153j:plain

 

 こういう地域の人たちとのおつきあいがすごくいい、と信田さんはいいます。そういうおつきあいを作っていることこそが、相模原障害者殺傷事件へのメッセージになるのではないか、といいます。

 昨年7月の相模原障害者殺傷事件を受けて、プロモーションビデオ第二弾は事件へのメッセージを込めたいと思い、プロジェクトチームと何度か話し合いをしてきました。映像のあとにメッセージのテロップを入れる案もありましたが、言葉にすると、なんか軽くなってしまうというか、言葉だけが上滑りするような気がしました。言葉でいくらそれは間違っていると言っても、社会は変わりません。社会が変わるのは、人が変わるときです。人はどうやって変わるのか。何がきっかけで、どう変わるのか。

 そういう意味で、ぷかぷかが、お店、外販先、パン教室、演劇ワークショップ、アートワークショップ、ぷかぷかマルシェ、運動会、区民まつり、ぷかぷかしんぶんなど、様々な形で地域の人たちとのたくさんのおつきあいを作り出し、ぷかぷかのファンを作り、地域社会を少しずつ変えていることこそが相模原障害者殺傷事件へのメッセージではないのか。それを映像に収め、1時間くらいのドキュメンタリー作品にまとめるのがいちばんいい、と信田さんはおっしゃっていました。それを作るお金のないことがなんとも残念な気がします。

 今回のプロモーションビデオは見た人の心にしみこむような映像にしたいとおっしゃっていました。しみこむような感覚で伝わるメッセージです。言葉ではなく、どこまでも映像でメッセージを作りたいというわけです。それは今日ミズキさんが地域のお年寄りの方たちと楽しそうに歌っているようなあたたかな映像です。

 

 この撮影のあとセノーさんが毎朝入金に行っている郵便局に行きました。セノーさんの「ああああ…」のあいさつで郵便局のお姉さんたちの心を癒やしている様子を撮りたいとおっしゃっていたので、局長さんと撮影がOKかどうか交渉しました。セノーさんの撮影はともかく、お姉さんたちの撮影はむつかしいだろうと思っていたのですが、なんと「ああ、いいですよ」とあっさりOK ! 「撮影に来るときは事前にお知らせした方がいいですよね?」「そうですね、その日はお化粧してきますから…」と、こんな具合でした。

 いい郵便局です。これもみんなセノーさんのおかげです。セノーさんがこんな関係を作ってくれました。それを映像化したいと信田さんはいうのです。相模原障害者殺傷事件へのメッセージとして。

 

 以前描いた大きな絵地図を区役所のロビーに飾ることを決めた区政推進課の課長さんのインタビューも撮りたいということで、これも電話してみたら一発でOK。障害支援課とかではなく、区政推進課とのおつきあいの方が社会に出ていくという意味ではおもしろいと思っていたので、どんなインタビューになるのかすごく楽しみです。課長さんの心を揺り動かしたのはなんだったのでしょう。ぷかぷかさんたちのどこが気に入ったのでしょう。

 

 3月初めには郵便局の取材、オーヤさんのインタビュー、区政推進課の課長さんのインタビュー、区役所外販の取材、お客さんのインタビューと続きます。

 前回は5分ちょっとのプロモーションビデオでしたが、5分では収まらないだろうと信田さんはおっしゃってました。それくらいいろんな思いが渦巻いているのだと思います。

 

 相模原障害者殺傷事件は本当に気が重くなるような事件でした。それに向けてとんがった言葉のメッセージではなく、やわらかな、心がほっこりするような映像のメッセージができたら、と思っています。

 

   ミズキさんを撮影中の信田さん

f:id:pukapuka-pan:20170222000524j:plain

 

 

 

 

 

ひとつの舞台をつくるのに、どれだけの人が関わり、どれだけの人とつながっているんだろう

 ワークショップに参加された方の感想、アップしようと思いつつ、忘れていました。ごめんなさい。

●●●

 「ぷかぷかになれた日」

ふと、そんなタイトルが浮かびました。

私はワークショップのドキュメンタリー映画に出会ってから今日まで「満たされる」感覚を体感しています。
「楽しい」なんて薄っぺらいものではない何か!
ただ、言葉で表現することが苦手なので、歌の仲間や同僚から送られたメッセージを紹介します。
その1
和太鼓ではリズム乱れずに
驚き、表現力に感動。
ラップはこちらも一緒に か、き、くけこ、かきくけこ!と一緒に乗って歌ってしまいました(^^;;
劇は 多分当日もどんな展開になるか予測がつかずドキドキだったでしょうね。
自分達で筋書きを書いたり伝えたり素敵な絵で表現出来ていましたね。
沢山の動物達が出来てきて
楽しかったです。
客席の小さな子供はストーリーや面白いところに笑いが起きていました。子供は客観的で無く、面白いと自分もその中に入り込んでいけるから、つまり正直。
楽しんでいたと思います。
これからも活動続けられるのね。大変でしょうけど、やり甲斐や感動がいっぱいですね。
新しい楽譜を入れるカバンに付けようとぷかぷかの可愛いブローチ手に入れました(^_^)

その2
本当にすばらしい体験をさせてもらいました。想像以上のパワーと愛に満ちた時間でした。
帰ってからも胸に灯った暖かい灯は心を暖めてくれます。
これからも応援しています。

その3
いい空気でしたね。
私も今の職場では接する事がない幸せな空気を久々に感じました。
舞台上で「どんどん発信して」とおっしゃっていたので、SNSに載せちゃいました。
いつかお店にも行ってみたいです。

等など
そして、みんなが「誘ってくれてありがとう♪」と…
ワークショップで豊かな時間を過ごし、舞台裏で心地好い緊張感を味わい、舞台でみんなのキラキラした笑顔や真剣なまなざしからパワーをもらっていた私。
ただただ、私がハマったぷかぷかワールドを知って欲しかっただけなのに。

そして、最後に出口でファッションモデルのお姉さんを抱えて立っていると、「一緒に写真を撮ってもいいですか」と小さな女の子を連れたお母さん。「この子も一緒に造ったんです」と!
「ありがとう♪どこをやってくれたの?」と聞くと、その子は「これとこれ貼った」と衣装の一部を覚えていて、自慢気に指さしてくれました。
勿論、私がカメラマンになって、モデルと親子のスリーショットをパチリ。
ひとつの舞台をつくるのに、どれだけの人が関わり、どれだけの人とつながっているんだろうと考えると嬉しくてたまりません。

今も涙で画面が見えないくらい、感謝(そんな一言で片づきませんが)の気持ちでいっぱいです。
そして、これからもその豊かな連鎖が拡がることにもワクワクします。

●●●

 

 ネズミのシーンで登場したファッションモデルのお姉さんはわんどのワークショップで作ったものです。

pukapuka-pan.hatenablog.com

 この時に参加した子どもが表現の市場に来ていたみたいですね。こうやって人と人とがつながっていくのがぷかぷかです。

f:id:pukapuka-pan:20170220234759p:plain

このお姉さんたち、最初はカフェの壁にただ飾るだけの予定だったのですが、ふと思いついて秋のマルシェでこのお姉さんたちを先頭にファッションショーをやってしまいました。

f:id:pukapuka-pan:20170220235918p:plain

  お姉さんたちもお姉さんたちといっしょにパレードした人たちも、壁にただ飾るよりも、ずっと楽しそうでした。アートはこうやって生かすことで、原型の2倍も3倍も楽しくなります。

 ゴーシュの舞台で踊ったのも、ほんの思いつきでした。はじめはただ舞台に登場させようとだけ思っていたのですが、どうせならいっしょに踊っちゃおうと思い、タンゴの曲で踊ってみようと思っていました。ところがゴーシュの中にそんな音楽はなく、どうしようかなと思っているときに、ネズミのシーンで歌う「よかぜとどろきひのひはみだれ…」の歌を思いつき、ワークショップの中で実験的に踊ってみました。これが思いのほか面白くて、舞台で踊ることになったのです。踊りの最後にお姉さんにチュッてやろうと思ったのですが、お姉さんの腕が邪魔をしました。

www.youtube.com

  そして今度は藤が丘駅前のマザーズの壁を飾るかも知れません。ほんとうにファッションモデルの雰囲気です。

f:id:pukapuka-pan:20170221001922p:plain

 

 「思いつき」というのはなんだか無責任な響きがあるのですが、でもこうやって「思いつき」によって思ってもみない新しい広がりができたのですから、「思いつき」もバカにはできません。

  考えてみれば緑区民まつりのブースのデザインから始まった「絵地図物語」も思いつきのひとことで始まったのです。

pukapuka-pan.xsrv.jp

 

テトのパン

 「テトのパン」ができます。テトはオペラ『ロはロボットのロ』の主人公のロボットの名前。テトはロボットですが、空は飛べません。走るのは苦手です。泳ぐのも苦手です。喧嘩は苦手です。算数も、鉄棒も、跳び箱も、犬も、お化けも、ピーマンも苦手です。

 苦手なものを数えると、両手の指と足の指を足しても足りません。

 たった一つ得意なもの、それはパンを作ることです。

 オペラ『ロはロボットのロ』は、そんなテトのわくわくするような冒険の物語です。

 そしてぷかぷかは近々「テトのパン」を販売します。どんなパンが出るか楽しみにしていてください。テトのパンを食べると元気が出て、楽しくなって、歌を歌いたくなるようなパンです。

 ♪ テトのパンは あ

   あいうえおの あ

   晴れた日も 曇った日も 雨の日も

   哀しい時も 苦しいときも 寂しいときも

   やって来る

   朝の あ

   新しい元気と 新しい喜びと

   新しい元気が窓たたく

   朝の あ

   ああああ

   新しい朝の あ

 

 「テトのクッキー」「テトのコーヒー」「テトのバッチ」も出ます。いずれも寄付金付きで500円くらいの予定です。

 テトのパン、あるいはクッキーをかじりながらテトのコーヒーを飲むのがちょっとはやるかも知れません。子ども向けにテトのジュースも用意した方がいいですね。今、書きながら気がつきました。

 

 3月4日(土)にはみどりアートパークリハーサル室で「歌のワークショップ」があります。歌役者さん二人といっしょにオペラの中の歌を楽しみます。ふつうの会話がオペラになるとどんな風になるかをやったりします。オペラの舞台に豊かな世界が立ち上がる理由がよくわかります。

 昨年やった歌のワークショップです。まだチケットの余裕がありあすので、「あ、面白そう」って思った方はぜひおいで下さい。

pukapuka-pan.hatenablog.com

f:id:pukapuka-pan:20170110172723j:plain

f:id:pukapuka-pan:20170110172749j:plain

 

 

 

レクイエムー未来への希望をもたらす演奏

 表現の市場の「レクイエム」の演奏シーンをYouTubeにアップしました。これを聞きながら相模原障害者殺傷事件で犠牲になった方々のことを思い浮かべてください。そしてどうしてあのような事件が起こったのか、どうしてなんの罪もない障がいのある人たちが殺されてしまったのか、考えてみてください。単なる容疑者の特異性の問題なのか、容疑者を生み出した社会には問題はなかったのか、あるいは私たちの障がいのある人たちの受け止め方はどうだったのか、等々、考えてみてください。

 考えて、考えて、考え抜くことでしか、相模原障害者殺傷事件は超えられません。

www.youtube.com

 この演奏がぷかぷかで働いているダイちゃんとのコラボで成り立ったことの意味は大きいと思います。相模原障害者殺傷事件を超える未来への希望をもたらす演奏だった気がします。

 

★撮影は信田眞宏さんです。

今月もお誕生日の方が!

◆5日SHOHEIさん〜ハンバーグ、コーンスープ、オレンジゼリー

f:id:pukapuka-pan:20170216134619j:imagef:id:pukapuka-pan:20170216134646j:imagef:id:pukapuka-pan:20170216134746j:imagef:id:pukapuka-pan:20170216134803j:image

◆7日ハセ〜カレー、ポテトサラダ、りんご

f:id:pukapuka-pan:20170216134703j:imagef:id:pukapuka-pan:20170216134719j:image

◆11日しょうへいさん〜フライドチキン、ブロッコリーのサラダ、バナナケーキ

f:id:pukapuka-pan:20170216134843j:imagef:id:pukapuka-pan:20170216134901j:image

フライドチキンを作りながら頭の中で某チキンのフランチャイズチェーンのメロディーが頭の中でグルグルとまわっていました。

まだ24日にも1名さまが。

皆さんの希望通りの出来上がりになっているかしら。

 

殺風景だった通路が、心あたたまる通路に変身

  藤が丘駅前の大きな自然食品店「マザーズ」の壁をぷかぷかさんたちの絵で飾ろうと思っています。駅前の通路に面した壁です。

  藤が丘の駅前から見て正面の太い柱の左側の面に「え?なに?あの絵、面白いじゃん」て思えるような思いっきり楽しい絵を飾ります。駅前からお客さんを引っぱってくるのです。左側奥に延びる通路の壁に絵を飾ります。

f:id:pukapuka-pan:20170216000226j:plain

 今日は、自然食を象徴する野菜の絵を描きました。

 長ネギくん

f:id:pukapuka-pan:20170216000645j:plain

 ブロッコリーさん

f:id:pukapuka-pan:20170216000714j:plain

 ジャガイモくん

f:id:pukapuka-pan:20170216000720j:plain

カボちゃん

f:id:pukapuka-pan:20170216000723j:plain

ゆずくん

f:id:pukapuka-pan:20170216000727j:plain

長いもさん

f:id:pukapuka-pan:20170216000730j:plain

 

 こんな楽しい絵が飾られます。

 

 先日、ぷかコレ秋のファッションショーのモデルのお姉さんたちを飾ってみました。通りかかったお客さんが「や〜、楽しい!何が始まるんですか?」なんて言ってました。

f:id:pukapuka-pan:20170216000945p:plain

 

 カフェの壁を飾っていた春の絵も飾ってみました。今日はこの絵に季節が更に進んで、すっかり春らしくなりました。

f:id:pukapuka-pan:20170216001058p:plain

上の絵が春に!

f:id:pukapuka-pan:20170215130015j:plain

 

 殺風景だった通路が、ぷかぷかさんたちの絵を飾ることで、思わずニッと笑ってしまったり、心あたたまる通路に変身します。ぷかぷかさんたちの絵は、窮屈な社会の中で、ガチガチにこわばった心と身体を、ふっとゆるめてくれます。

 一ヶ月か二ヶ月ごとに絵を変えていきます。通路を通る人たちが絵の変わるのを楽しみにし始めます。頃合いを見て、ライブペインティングをやります。通りがかりの人も参加できるようにします。ぷかぷかさんと一緒に絵を描くのです。ぷかぷかさんといっしょに生きる、そんな街がここから始まります。

  こんな絵が街にあると楽しいね、っていう声が出てきます。そんな声が、こんな絵を描く人が街にいるといいよね、っていう思いにつながっていくといいなと思っています。

 こういったことを積み重ねることで、相模原障害者殺傷事件を起こしてしまった社会を超えることができるように思うのです。

 

支援はしていたけれど、人として出会ってなかった

 ぷかぷかの本を出す出版社の方と打ち合わせをした時、相模原障害者殺傷事件が話題となり、「どうして福祉事業所の職員だった人が、あんなことをやったんですか」と聞かれました。そのときはうまく説明できなかったのですが、その問いだけはずっと気になっていました。

 障がいのある人たちに一番接している人がどうしてあんなひどいことをしたのか。やっぱり障がいのある人たちと「人として出会ってなかった」のではないかと思います。支援はしていたけれど、人として出会ってなかった、ということです。人として出会っていれば、多分あそこまでひどいことにならなかっただろうと思います。そこに「人であることの意味」があるように思います。

 

 私は養護学校で働き始めた頃、障がいのある人たちに自分が人であることを気づかせてもらったと思っています。彼らのそばにいると、ただそれだけであたたかい気持ちになりました。やさしい気持ちになれました。

 会社勤めをやっている頃はそんな気持ちになったことはありませんでした。仕事でおつきあいする人のそばにいて、あたたかい気持ちになったり、やさしい気持ちになったことはありませんでした。人としての感覚を忘れていた気がします。

 障がいのある人たちとおつきあいが深まる中で、月並みですが、人間ていいなってしみじみ思いました。彼らのそばにいて、あたたかな気持ちになれる感じが、なんともいえずよかったのです。障がいのある人たちが、人としての感覚を呼び覚ましてくれたと思っています。

 立場上、私は教員でしたが、教員である前に人として彼らの前に立っていた気がします。彼らとの楽しい日々の中で、つい教員であることを忘れ、人として彼らの前に立ってしまっていた、という感じです。

 

 以前も書いたことですが、こんなことがありました。クラスのみんなで大きな犬を紙粘土で作ったときのことです。小学部の6年生です。何日もかかって作り上げ、ようやく完成という頃、けんちゃんにちょっと質問してみました。

「ところでけんちゃん、今、みんなでつくっているこれは、なんだっけ」

「あのね、あのね、あの……あのね…、え〜と、あのね…」

と、一生懸命考えていました。なかなか答えが出てきません。

「うん、さぁよく見て、これはなんだっけ」

と、大きな犬をけんちゃんの前に差し出しました。けんちゃんはそれを見て更に一生懸命考え、

「そうだ、わかった!」

と、もう飛び上がらんばかりの顔つきで、

「おさかな!」

と、思いっきり大きな声で答えたのでした。

 一瞬カクッときましたが、なんともいえないおかしさがワァ〜ンと体中を駆け巡り、思わず

「カンカンカン、あたりぃ! 座布団5枚!」

って、大きな声で叫んだのでした。

 それを聞いて

「やった!」

と言わんばかりのけんちゃんの嬉しそうな顔。こっちまで幸せになってしまうような笑顔。こういう人とはいっしょに生きていった方が絶対トク!、と理屈抜きに思いました。

 もちろんその時、

「けんちゃん。これはおさかなではありません。犬です。いいですか、犬ですよ。よく覚えておいてくださいね。い、ぬ、です。わかりましたか?」

と、正しい答をけんちゃんに教える方法もあったでしょう。むしろこっちの方が一般的であり、正しいと思います。まじめな、指導に熱心な教員なら多分こうしたと思います。

 でも、けんちゃんのあのときの答は、そういう正しい世界を、もう超えてしまっているように思いました。あの時、あの場をガサッとゆすった「おさかな!」という言葉は、正しい答よりもはるかに光っています。

 あの時、あんな素敵な言葉に出会えたこと、そしてけんちゃんに出会えたこと、それを幸福に思っています。幸福に思うことこそ、人と人の関係では正しいのだと思います。だからけんちゃんと私の間では「おさかな!」が正しかったのです。

 

 容疑者が、障がいのある人たちとこんな出会いをしていれば、あんな惨劇は絶対におきなかったと思います。

 優生思想を超える、といった小むつかしい話ではありません。彼らと楽しい出会いをすること、ただそれだけで、相模原障害者殺傷事件を生むような社会を変えることができると思うのです。

 

 

  

 

 

最近の日記
カテゴリ
タグ
月別アーカイブ