ぷかぷか日記

「いっしょにうたお」

 上映会で第一期演劇ワークショップの記録映画、久しぶりに見ました。

 ワークショップの場の豊かさがとてもよく伝わってきます。最後の発表会の舞台がどんな風にできあがってきたのかを、とても丁寧に追いかけていて、あらためていい映画だと思いました。

 「障がいのある人たちとフェアにつきあう」つまり「一緒に生きる」ということがどういうことか、それが何を生み出すかがよく伝わってきます。映画は「一緒に生きる」ことの意味をとてもわかりやすく伝えています。

 芝居の最後のシーン、冬のさなかに春に咲くマツユキソウが欲しい、などととんでもないことを考えた勝手きわまる人間達をどうしようか、と神さまたちが考えるところがあります。ここはワークショップの中でどういう結末にするか一番もめたところです。いろんな意見が出て、すごく大変でした。

 結局「一緒に歌おう」というセリフで、人間達と一緒に「森は生きている」を歌うことになりました。ぷかぷかのメッセージでもあります。

 映画の中、子どもが人間達に

 「いっしょにうたお」

って、呼びかけたとき、なぜか涙が出てしまいました。何度も見ている映画なのですが、

 「いっしょにうたお」

っていう短い呼びかけが、心にジ〜ンと響いたのです。

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 「いっしょにうたお」は、一緒に生きていこうよ、という呼びかけです。わがままきわまる人間達に、言いたいことはいっぱいあるし、腹の立つこともいっぱいあるけれど、それでも「いっしょにうたお」と呼びかける子どもの優しい声についほろっとしてしまったのです。

 人間達は社会です。その社会に対して

 「いっしょにうたお」

って、呼びかけているのです。一緒に歌うと、こんなに楽しいよ、こんなにステキなものが生まれるよ、って舞台で言っているのです。

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 第一期演劇ワークショップの記録映画は2時間11分もの長編記録映画です。長いですが、見る価値はあります。ぷかぷかが創り出そうとしているものがとてもよくわかります。費用などはご相談下さい。045-453-8511  pukapuka@ked.biglobe.ne.jp 高崎まで。

 第一期演劇ワークショップの記録映画のダイジェスト版はこちら

www.youtube.com

プロモーションビデオ第2弾です

プロモーションビデオ第2弾です。

 映像の内容についてはこちら

pukapuka-pan.hatenablog.com

  プロモーションビデオは一人で見るよりも、たくさんの人たちと見て、いろいろ気がついたことを話し合うのがいいと思います。いろんな新しい発見があります。お互いが深まります。できればプロモーションビデオ第1弾、第3期演劇ワークショップの記録映画とあわせて見ると、ぷかぷかの空気感がよく伝わります。高崎を呼んでいただくと、ぷかぷかについていろんなお話ができると思います。

 ぷかぷかの空気感があちこち広がっていくと、社会がもう少しゆったりします。みんなが生きやすい社会になります。 

 自主上映についてはこちら

 http://pukapuka-pan.xsrv.jp/index.php?自主上映のすすめと申込書

 

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自主上映のすすめ

 ぷかぷかの映画の自主上映をおすすめします。

 第3期演劇ワークショップの記録映画(38分)、とプロモーションビデオ2本(5分と15分の作品)あわせての上映会です。

 自主上映というのは、映画館に行ったり、どこかの上映会に行くのではなく、自分で企画し、上映します。

 お金がかかります。ぷかぷかの映画の場合は上記3本で3万円です。それに会場費、宣伝費などを入れると4万円くらいかかるかも知れません。そんなにお金のかかることをどうしてやるのか。

 

 ひとことで言うと、自主上映は自分を磨き、自分を豊かにします。なぜか。

 ぷかぷかの映画を人に見せたい、ということは、ぷかぷかのことをたくさんの人に知って欲しい、ということです。どうして知って欲しいのか、それを一生懸命考えます。

 そのためには、ぷかぷかって自分にとってなんなのか。その意味を考えます。

 どうしてぷかぷかが好きになってしまったのか、何がきっかけだったのか、それを一生懸命思い出して下さい。

 楽しいよね、心癒やされるよね。それはどうしてなのか。

 ぷかぷかは障がいのある人たちが働いています。社会の中ではどちらかというとなんとなく嫌われている人たちです。ところが「ぷかぷか」だと嫌われるどころか、彼らのファンが増えたりします。どうしてなのか。

 相模原障害者殺傷事件の容疑者は「障害者はいない方がいい」「生きている意味がない」などと言い、社会の多くは「障害者はいろんなことができない」「役に立たない」「社会の負担」などと考えています。

 でも、「ぷかぷか」で働く障がいのある人たちを見ていて、そんなふうに思えないのはどうしてなんだろう、何がちがうんだろう。

 

 そういったことを考える作業が自分を磨き、豊かにするのです。

しかもその作業をなんとなくやるのではなく、上映料、経費をペイするという「負荷」の中でやるので、緊張感のある作業になります。それが更に自分を磨きます。

 

 自主上映は、準備をしていく中でいろんな人を新しい出会いがあります。上映会のあと、いろんな人と話し合いをする中で、自分の中が更に深まります。そして場合によっては新しい動きなどが出てくるかも知れません。

 

 どんなわくわくが待っているか、さぁ、新しい物語の始まりです。

 

★自主上映の申込書はこちら 

http://pukapuka-pan.xsrv.jp/index.php?自主上映のすすめと申込書

 

明日の上映会は相模原障害者殺傷事件に向けたぷかぷかのやわらかな提案

 障がいのある人たちと一緒にいて楽しいと思える関係は、豊かな空気感を生みます。空気感は社会を、ちょっとずつですか、やわらかく変えていきます。

 

 社会の中では「障害者はいろんなことができない」「役に立たない」「社会の負担」といったマイナスイメージが一般的です。相手との関係が楽しくなくて、そこからは多分わくわくするようなものは何も生まれません。

 ぷかぷかは障がいのある人たちと一緒に生きていきたいという思いからスタートしました。いろいろできないことはたくさんあっても、それを超える魅力を感じたからです。一緒にいて毎日が楽しかったからです。

 障がいのある人たちとのそういった関係が何を生み出すか、といったことまでは設立当初は考えていませんでした。ただ一緒に生きていきたい、そのことだけでスタートしたのです。そのことだけでスタートしたにもかかわらず、振り返ってみると、彼らとの関係の中からたくさんの価値あるものを生み出していました。

 「なんとなくいや」と思われている障がいのある人たちの働くお店が好き!という人が現れました。「ぷかぷかのファン」という人がどんどん増えてきました。別に大宣伝したわけではありません。お店に来て、心のなごむ、ホッと一息つけるような「空気感」のようなものにふれたのだと思います。

 その「空気感」は、障がいのある人たちとの関係性が生み出しています。「彼らと一緒に生きていきたい」「一緒にいると楽しい」と思う関係性です。「障害者はいろんなことができない」「役に立たない」「社会の負担」と思うような関係性からは、こんな「空気感」は絶対に生まれません。せっかく一緒にいるのに、すごくもったいないと思います。

 ぷかぷかが作りだしている「空気感」はみんなをちょっとだけ幸せにします。そして息苦しい社会を、ちょっとだけ変えます。

 6月17日の午後上映する2本のプロモーションビデオは、その「空気感」うまく伝えています。

 

 演劇ワークショップの記録映画は、障がいのある人たちと一緒に何が作り出せるか、を芝居作りを通して見せてくれます。彼らと一緒だからこそ創り出せる豊かな世界がよく見えます。彼らと一緒に生きる理由が見えます。

 明日の上映会では相模原障害者殺傷事件に対して私たちに何ができるのか、といったことも話題にしたいと思っています。あれはけしからん、といった批判で終わるのではなく、じゃあ、私たちは何をするのか、何をすればいいのか、何ができるのか、といった前向きの話し合い、提案ができれば、と思っています。

 演劇ワークショップの記録映画も、プロモーションビデオも、相模原障害者殺傷事件に向けたぷかぷかのやわらかな提案です。

 

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言葉をしっかり受け止めてくれた人がいた

 北九州でぷかぷかの上映会を考えている西山さんのFacebook。

 

 

 何をどう書けばいいのか考えても上手く書けるはずがないので思いきって書きます。

ぷかぷかの高崎さんとの出会いは4年前、私が育児でぼろぼろだった頃、ぷかぷか日記で「障がいのある人とは一緒に生きていったほうがいい」と。今までそんなストレートな言葉を聞いたことがなくて、ボロボロの私=障がいのある人、とは一緒に生きて行った方がいい、と自分を認められた気がして、いつか横浜に行こう!ぷかぷかに会いに行こう!と思ったのです。その時すでにぷかぷかウィルスにやられてたんですね。2015年、ついに家族で横浜へ。ぷかぷかでパンを買い、お惣菜を買い、カフェで美味しいランチを頂きました。ツジさんやいつものメンバーさん達。あれから随分経ちますが、ぷかぷかな日々はより進化し、新たな文化がうまれているそうなのです。

ぷかぷかさんから、「ぷかぷか」上映会のご案内を頂いたのは先週のこと。直ぐに、北九州でも上映会やりたいなぁ〜と思いました。

ぷかぷかさんは、地域の中にとけこむパン屋さん。
障がいのある人たちが働いていますが、一人ひとりの魅力がいっぱい詰まっていて、障がいがあるから…と言う言葉だけでは片づけられない不思議なハテナな気持ちで溢れる場所です。
一度触れたらぷかぷかウィルスにやられて幸せになります。
上映会には高崎さんも来てくれます。幸せな希望の種をいっぱいばら撒いてくれるはずです。
そんな心から幸せになれる上映会を一緒に開きませんか?

 

 

  「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」は、理念とか理屈から出てきたものではなく、自分の気持ちを素直に表現しただけの言葉です。だからこそその言葉をしっかり受け止めてくれた人がいたのだと思います。

 そこから新しいおつきあいがはじまりました。そのおつきあいの中で、今回自主上映の話が始まり、そこから更に新しいグループとの関係が生まれ、新しい物語がはじまりかけています。今日はまた別のグループとの関係が生まれたと連絡がありました。ここからどんな物語が展開していくのか、とても楽しみです。

 北九州で映画を見た人が、今度は自分のところで、とぷかぷかの思いがあちこち広がっていき、そこでもまた新しい関係ができたり、新しい物語が生まれたりするとおもしろいなと思います。

 

 障がいのある人たちと一緒に生きていくことで生まれる物語。それは社会を豊かにしていきます。ぷかぷかの映画は、それを目に見える形で見せてくれます。

 

 6月17日(土)みどりアートパークでの上映会、ぜひお越し下さい。

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きっとキラキラした何かを持たれているに違いない!

 北九州市でぷかぷかの映画の上映会を考えている方がプロモーションビデオを見て感想を書きました。

 

 

 昨日の「べてるの家」を見たあとなのでなおさら感じたのですが、福祉サービスの1つではあるけど、それを感じさせない職員の理念や取り組み、そこにはおそらく
支援者・利用者という関係性ではなく、同じ町に住む仲間として地域との繋がりを作っているんだろーなーと感じました。
1人1人が役割を持つのは勿論、仕事を楽しそうにされている姿や
地域の人の言葉の中に
『今までは上からみてた。』ってあったと思うんですけど、実際にはそのように感じている人もいると思います。でも、そこで同情で店を訪れるのではなくて、地域に存在する必要な資源として認められているからこそ、あのようなプロモーションもできたんだろうと感じたので、あそこまでのコミュニティーに作り上げてきた経緯やその中での支援者の姿勢、または地域に結びつけるときの周りへの働きかけや
あとは利用者自身がどう変化してきて、これからどう展開していくのか…を純粋に聞いてみたいですね。
あとは、今回西山さんを通じて北九州でも上映会をってところからだと思うんですけど、逆になぜ映画にまでしてそれを広めたいと思ったのか、今の日本の福祉の在り方に対して何かを伝えたいのか…と色々と考えてて、直接会えるならそのあたりも聞いてみたいなと。。
 
北九州にも山口にも地域の中で機能しているコミュニティーもあるとは思います。思うというかありました。でも、やはり支援者主体な部分もあったり、利用者さん自身も福祉サービスとして捉えているような気はします。
ぷかぷかそのような事業所とは何が違うのか、そして僕自身の知見を深めていくためにも、そして常に新しい発想をするには色んな人との出会いは求めていきたいですね(^_^)
 
あとは、西山さんがそんなに惹かれた方なので、
きっとキラキラした何かを持たれているに違いない!と感じました。
 
ぷかぷか日記を見ました‼
 
死にたいって人にぷかぷかの映画を見せて『生きる』ってことを伝えてたり、
プロモーションとかもなぜそんなに作成しよーと動かれてるのか、、
ぷかぷかに感染って西山さんも言われてましたけど、
何がそこまで動かすのか、ら、
 
特別なことを言葉にしてるわけではなく、パン屋はパン屋。
劇をしたり、地域とのコミュニケーションとしてのパン教室、どこの県でもやってそうなことなのに、ここまで惹き付けるものは何があるのか、、
ぷかぷかの魅力ってなんなのか?
高崎さんの想いはどこからきてどこへ向かうのか、、
 
こうして考えて考えて知りたいと思うことが
ぷかぷかに感染する始まりなんですかね(^_^)
 
 
 
 文中にある西山さんはぷかぷかのホームページを見てわざわざ九州から一家4人でぷかぷかを訪ねて来るほどのぷかぷかの大ファンの方です。その西山さんが仲間に呼びかけてぷかぷかの映画の上映会をやろうとしています。
 
 この感想に書かれているほど、ぷかぷかはむつかしいことを考えてやっているわけではなく、ただみんなと一緒に楽しいことやりたくてパン教室をやったり演劇ワークショップをやっているだけです。その結果、いろんな新しいつながりができ、そこからいろんな新しいものが生まれたのです。
 
 大きなポイントとしては、
「障がいのある人たちと一緒に生きていきたい」
とだけ思っていて、
「支援」しようとか「なにかをやってあげる」とか「彼らを社会にあわせる」
という風に考えていないことです。
 上から目線の関係ではなく、どこまでも彼らとフェアな関係です。そのフェアな関係からすばらしく豊かなものが生まれました。それを映像は伝えてくれます。
 
 あちこちで上映会をしたいと思っているのは、相模原障害者殺傷事件を生み出すような病んだ社会を変えたいからです。みんなが気持ちよく暮らせる社会にしたいからです。
 
 第3期演劇ワークショップの記録映画(約38分)とプロモーションビデオ2本(5分と15分の2本)をあわせて、上映料は3万円です。3万円は上映料としてはかなり安く設定したつもりです。売り上げはぷかぷかの非収益事業に回ります。演劇ワークショップは6ヶ月やって舞台で発表会をすると講師料、会場費などで約200万円のお金がかかります。助成金とカンパだけで運営しているので、とても厳しいです。
 無料の映画より、有料の映画で自分に負荷をかけた方が自分を鍛えます。一人でもたくさん来てもらうために、なぜこの映画を見て欲しいのかを一生懸命相手にしゃべります。しゃべることで、いろんなことが見えてきて、自分が成長します。自分が豊かになります。
 映画を見て「ああ、おもしろかった」で終わるのではなく、映画を手がかりに上映会に集まったみんなでいろんな話をしていただくのがいいと思います。話をすることでいろんな新しい発見があり、新しい出会いがあり、先へ進む手がかりがつかめます。何よりも新しい動きがはじまるかも知れません。
 高崎を呼んでいただければ、ぷかぷかのいろんな話ができます。お金にゆとりがなければ、ボランティアで話をさせていただきます。ゆとりがあれば多少の講師料払っていただけるとうれしいです。高崎は貧乏なので(給料は10万円しかない上に、退職金はぷかぷかを立ち上げるときに全部使ってしまったので、老後の蓄えもなく、かつかつのその日暮らしです)遠いところは交通費をお願いします。
 第3期演劇ワークショップの記録映画を作った映像作家も希望があれば呼ぶこともできます。何に惹かれてぷかぷかの映画を撮ったのかなど、いろいろ聞いてみるとおもしろいと思います。この方もお金がなければボランティア、あれば講師料払ってあげてください。
 6月17日の上映会で、
「あっ、おもしろい!」
って、思われた方は、ぜひ自主上映を考えてみて下さい。自主上映をすることで、きっとあなた自身が大きく変わります。たくさんの人たちと新しい出会いがあります。自主上映はですからすごく楽しいです。そしてあなたのまわりの社会が、ほんの少し変わります。
 
 自主上映の問合せは高崎まで
   045-453-8511   pukapuka@ked.biglobe.ne.jp
 
 
 

空気感をたっぷり味わってください

 セノーさんのこの写真、アップしただけで600近いアクセスがありました。ぷかぷかのFacebookページではダントツのアクセス数です。

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 仕事中なので、本当はこんなふうに寝てたりしたらまずいのですが、でも、大人気なのです。

 養護学校で担任しているとき、実習に行って、1日で実習を断られたことがありました。こんな調子で働かないからです。

 卒業後行った作業所でも働かないからと結局居場所を失い、ぷかぷかにやってきました。多分こんな感じで度々寝てたのだろうと思います。

 同じように寝ていても、どうしてこんなに評価がちがってくるのでしょう。一方では居場所を失い、一方ではその寝姿に600近いアクセスがある、というこの落差はどうして生まれるのでしょう。

 要はセノーさんとどういうつきあい方をするか、です。セノーさんは一生懸命働く人ではありませんが、だらだらしながらも、職場にとてもいい雰囲気を作ってくれます。みんなを癒やしてくれます。そのことをみんな大事にしているので、それが外の世界にも伝わって、この寝てる写真に600近いアクセスがあるのだろうと思います。

 6月17日の上映会で公開する新しいプロモーションビデオのプロデューサー信田さんは「ぷかぷかの作り出す豊かな空気感」という言葉で表現していましたが、セノーさんはその空気感を作り出す代表みたいな存在です。ですから寝てる写真にも、その空気感がにじみ出て、たくさんの人がアクセスしてくるのだろうと思います。

 そしてこの空気感こそが、硬直して息苦しい社会から私たちを救ってくれるのだろうと思います。

 

 相模原障害者殺傷事件に対して、

「あれはけしからん!」

といったメッセージではなく、ぷかぷかの作り出す豊かな空気感こそ差し出したいと信田さんは言ってました。

 6月17日、ぜひ見に来てください。そしてその空気感をたっぷり味わってください。

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「渋谷のラジオ」でのいちばんの発見

 「渋谷のラジオ」に行ってきました。「渋谷のラジオ」は小さいながら、「様々な多様を認め合うメディアとして、社会的なテーマも積極的に取り上げていきます」ということで、毎週火曜日、サービスグラントが様々なプロボノ活動を紹介しています。月一回pvプロボノの時間があって、今日はpvプロボノが2年続けて映像を作った「ぷかぷか」がテーマになったというわけです。

 

 今日の司会をやったpvプロボノのプロデューサー中島さん。昨年のプロモーションビデオは中島さんが中心になって作りました。手前はコピーライターのいなおさん。

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 私の話はいつも通り適当にしゃべっていたので、何を話したか、横浜まで帰ってきたらもうほとんど忘れてしまいました。でも、先ほどの放送がもうアップされていましたので、興味のある方は今日の日付の「渋谷のプロボノ部」にありますので、聞いてみて下さい。

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この写真が貼り付けてあるコーナーです。

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 昨年のプロモーションビデオを見てぷかぷかで働こうと思ったサエグサさんの話は新鮮でした。

 以前はカフェのお客さんだったそうですが、プロモーションビデオを見て、

「ぷかぷかで働きたい!」「彼らと一緒に生きていきたい!」

と思ったそうです。

www.youtube.com

 わずか5分の映像です。その映像が人を動かした、ということです。pvプロボノのホームページに「映像のチカラ」という言葉がありますが、サエグサさんの話を聞きながら、映像には本当にそのチカラがあるんだと思いました。映像を作る前、pvプロボノの方には「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージを込めて欲しいとお願いしました。それをどう表現するか、すごくむつかしいテーマだったと、今日も司会の中島さんがお話しされていました。

 メンバーさんの楽しそうな顔、生き生きと働く姿、笑顔、笑顔、笑顔。「いっしょにいると心ぷかぷか」というすばらしいコピーが最後のさくらの花びらが散るシーンと重なります。あのシーンに感動しました、とサエグサさんはおっしゃっていましたが、映像を見た次の日にぷかぷかに電話し、面談を受けたそうです。

 「一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージがストレートに伝わったのだと思います。

 今日の放送のはじめに、どうしてメッセージを映像にしたかったのか聞かれました。第一期演劇ワークショップの記録映画を見たとき、映像が伝えるものの多さにびっくりしたことがあります。それまでワークショップのことを何度もブログに書いていましたが、それをはるかに超えるものが映像からは伝わってきました。言葉を超える圧倒的なチカラを感じたのです。それがpvプロボノに映像制作を依頼するきっかけでした。

 そうやってできた映像が、本当に人を動かしたこと。そのことが今日の「渋谷のラジオ」でのいちばんの発見でした。

 

 6月17日(土)の上映会では、今年できあがった新しいプロモーションビデオも上映します。このpvは制作途中で相模原障害者殺傷事件が起こり、それへのメッセージを込めたいと思いました。プロデューサーの信田さんは映像制作を終えて次のように書いています。

 

 今回の映像の打ち合わせが始まったのは2016年秋、当初高崎さんは7月に相模原でおきた障がい者殺傷事件に強い憤りを感じていて、事件に対する具体的なメッセージとしての映像を望んでいた。しかし具体的なメッセージを描こうとすればするほど、僕は意見の異なる人たちと同じ土俵に上がることへの違和感を感じるようになっていた。同じ土俵に上がることは同じモノサシで意見を述べることであり、「いなくなればいい」とか「いた方がいい」という直線的な論議では、ぷかぷかが生み出している豊かな空気感(仮にぷかぷか現象と呼ぶこととする)を伝えきれないと思ったのだ。もっと立体的な座標軸の中でぷかぷか現象を捉え映像にすることで、結果としてメッセージになるようにしたいと思った。

 

 去年の映像もそうでしたが、「ぷかぷかさん」達の作り出す豊かな空気感 こそが人を動かすのだと思います。

 

 たまたまですが、今日、渋谷からの帰り、電車の中で藤沢周平の『暁のひかり』を読みました。何度も読んだ作品ですが、朝、出がけにふっと読みたいと思い、カバンに入れて出発したのでした。

 賭場で壺ふりをやっているやくざな男が主人公です。明け方、窖(あなぐら)のような賭場から出てきた主人公が、朝の光りの中で、杖をついて必死に歩こうとしている足の不自由な少女に出会います。この出会うまでの風景の描写が、何度読んでもすばらしいです。少女に出会う中で、主人公はもともとあった優しい心、まっとうな心を、つかの間、取り戻します。

「あの子が一生懸命なのが気持ちいいっていったんだ。俺にもあんな気持ちの頃があったからな。親方に叱られながら、鏡を磨いていた頃だ。腕のいい職人になることだけを考えていた」とバクチ打ちはつぶやきます。

 バクチ打ちの世界から人を引っ張り上げるほどのチカラを実にうまく表現した作品だと思います。ただ作品そのものは救いのない結末を迎えるのですが…

 

 「ぷかぷかさん」達の映像は、多分、そんなふうにして、人を変える可能性を持っている気がするのです。

 

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この映像を見ると、見た人にも「ぷかぷかウィルス」に感染する可能性があります。

 6月13日(火)朝8時から「渋谷のラジオ」にpvプロボノの方たちと生出演します。下記のアプリをダウンロードするとスマホで聞けるそうです。

 iPhoneの方はこちら

渋谷のラジオ公式アプリ

渋谷のラジオ公式アプリ

  • RecoChoku Co.,Ltd.
  • エンターテインメント
  • 無料

 Androidの方はこちら

play.google.com

 

 pvプロボノの人たちがどうして2年も続けてぷかぷかの映像制作を引き受けたのか、といったあたりからはじまって、ぷかぷかの魅力ってなんだろう、という話ができればいいなと思っています。リハーサルなしの、ぶっつけ本番の1時間です。

 にしても、面白いですね。たかが福祉事業所です。障がいのある人たちが働く場です。毎日黙々と仕事をやっているだけです。それでも人を惹きつける何かがあって、映像クリエイターの人たちの心を動かし、すばらしい映像ができ、今回ラジオにまで出ることになっちゃいました。

 「ぷかぷかウィルス」に感染した、とpvプロボノの中島さん、信田さんはおっしゃっていましたが、「渋谷のラジオ」ではこの「ぷかぷかウィルス」の謎に迫ろうと思っています。が、うまく語れるのかどうか、なんとも心許ない感じではあります。

 ウィルスの発生源はタカサキではありません。どこまでも「ぷかぷかさん」なのです。でも「ぷかぷかさん」達に聞いても、多分何のことかわかりません。それでも感染者はたくさんいるので、ぷかぷかの責任者としてはそのウィルスについて何か語らないといけないと思いつつ、どう語ったものかと悩んでいます。

 「ぷかぷかウィルス」に感染するとどういうことになるかは、中島さん、信田さんの作られたプロモーションビデオを見てもらうのが一番です。6月17日(土)の午後、みどりアートパークホールで上映しますので、ぜひ見てください。中島さんは昨年のプロモーションビデオ、信田さんは今年のプロモーションビデオを作られました。

 問題は、この映像を見ると、見た人にも「ぷかぷかウィルス」に感染する可能性があることです。感染した場合の、何らかの保証とか、特効薬といったものはありません。もう「ぷかぷかウィルス」と一緒に生きていくしかない、と重症患者さん達は言っています。 

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よかった! 本当によかった!

 Facebookでたまたま

「もう死にます」

という書き込みを見つけました。その前の投稿を見ると、孤立無援で、かなり追い込まれた上での、すごく深刻な書き込みでした。

 全く知らない人でしたが、知らんぷりして通りすぎるわけにも行かず、かといって

「死んではだめです」

なんて月並みな言葉を書いても何にもならないし、つまらないこと書いて自殺の引き金にでもなれば、それこそ目も当てられません。一生それを引きずっていかねばなりません。ならば黙って通り過ぎた方がいい、とも思いましたが、でも何か書かなければちょっとやばい感じもあって、いろいろ悩みました。

 そうだ、ぷかぷかに来るときっと元気になる!ぷかぷかの映画もいい!と思い、どうやって誘えばいいか、いろいろ考えました。友人のお葬式に出て、すごく落ち込んでいるときにぷかぷかの映画を見て、《「生きる」ということを深く感じる時間でした。と感想を書いた人のことを思い出し、思い切ってそのことをその方のFacebookに書きました。

 

 ぷかぷかの映画を見てこんな感想を書いた人がいました。「私事ですが、昨日は自殺した友人のお葬式でした。心の整理がつかないまま、今日、こちらに伺い、「生きる」ということを深く感じる時間でした。みなさんの豊かな表情は、本当に心にしみました。こちらに足を運んで本当によかったです。」ぷかぷかの映画ぜひ見てください。何か見つかるかも知れません。ぷかぷかにもあそびに来て下さい。ぷかぷかのホームページは「ぷかぷかパン」で検索するとすぐに出てきます。

 

 そんなことを書き込みました。ハラハラしながら反応を待っていました。

 しばらくして、

 

 投稿を削除しました。ぷかぷかに遊びに行きます。ぷかぷかの映画も見に行きます。

 

 と連絡がありました。

 よかった! 本当によかった!

 言葉が届いた! 素直にうれしかったです。

 元はといえば、ぷかぷかさん達のワークショップが映画の中身を作り、その映画が見た人の心を動かしました。そしてその言葉が、いのちのぎりぎりのところまで追い詰められた人を、最後のところで引き留めました。 

 ぷかぷかさん達が一人の命を救ったのだと思いました。

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