わんどの染め物のワークショップに参加した方が、染めた布を使ってバンダナ作りました、とお店にやってきました。
少し前にはスカートを作った方が来ました。
こういったおつきあいがいいなと思うのです。福祉施設、といった匂いが全くないおつきあいです。
ただパンやお惣菜を買いに来たお客さんよりも、もう少し先へ進んだおつきあいです。一緒に人生を楽しんでいるというか、そんなおつきあいです。
今、ぷかぷかの本をまとめているのですが、編集者の方から、福祉事業所なら相模原事件のことは避けて通れないし、そのことについてはぜひ書いて下さいと言われました。相模原障害者殺傷事件についてはずいぶんいろんなこと書いてきたので(ブログを55本もアップしています。ホームページ左側メニュー欄の「相模原障害者殺傷事件」のタグをクリックすると出てきます)、正直ちょっと疲れたなぁ、という感じでいたのですが、今日、バンダナをつけたお客さんが来て、
「そうだ、大事なことは、こういう関係を日々作っていくことなんだよなぁ」
と思ったのです。あーだこーだの議論も大事ですが、実際にこういう関係を地域の中でこつこつ作っていくこと、それが相模原事件を超えるということなんだと思います。
このお客さん、7月1日にパン教室やります、ってお知らせすると、
「あ、いきます、いきます」
って、すぐに紙に名前と連絡先書いていました。
別の子どもを連れたお客さんは、
「子どもはぷかぷかさん達のこと、別に障がい者だなんて全然思ってないのよねぇ」
なんて話していましたが、全くそうだと思います。そしてそういう関係をぷかぷかは作ってきました。お店はもちろん、パン教室にしてもワークショップにしても、障がいのある人たちへの配慮、なんてことは今まで一度も話したことがありません。ですから子ども達はなんの意識もなく「ぷかぷかさん」達とおつきあいしています。初めて来た大人は、障がいのある人たちだから、といろいろ考えているみたいですが、それでも一緒になっていろいろやっているうちに、そんなこと全部忘れてしまうみたいです。
ぷかぷかに来るとなんだか楽しい、って、そのことだけ考えて、おつきあいが続いています。
相模原事件についてちょっとだけ書いた原稿の最後にこんなこと書きました。
どこまでも「彼らと一緒に生きていくこと」、それが事件を超えることだと思っています。「支援」という上から目線の関係では、社会は変わりません。「彼らと一緒に生きていきたい」という、ただそれだけの思い、それが社会を少しずつ変えていくのだと思います。
この本で書いたことが、事件を超える社会を作っていくために少しでも役に立てば、と思っています。