昨日「ぷかぷかさん カナダをゆく」の話を書いたら、コピーライターの方からこんなうれしい感想がきました。
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昨日「ぷかぷかさん カナダをゆく」の話を書いたら、コピーライターの方からこんなうれしい感想がきました。
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昨日ぷかぷかに見学に来られた方が感想を送ってくれました。
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お邪魔させていただいて印象的だったのは、障害の方が働いているという
特別感を感じなかったことです。
お店はおしゃれだし、ご飯はおいしかったし。そして働いているぷかぷかさん
たちも個性を生かして自然にお店の役割に溶け込まれている印象でした。
お話を伺う中で、理屈抜きに一緒にいて「得」だという話を何度もお聞き
しました。お伺いするまで、この「得」と思える感覚を理解することが
正直難しく、個人のフィーリングによるのかなと考えていました。
けれど、支援する側とされる側という話や、相模原の事件での施設の上から
目線の態度という話など、色々と伺う中で、必ずしもフィーリングに
よるものではないように思えてきています。
なかなかうまく表現できないのですが、フラットな姿勢でぷかぷかさんたちと
向き合い、彼ら彼女らを特別ひいきするわけでもなくその個性を受け止める。
その時に得と思えるのかなという気がしています。
短い時間の中でも(少しですが)個性を理解できた辻さんやせのーさんに
実際にお会いした時に、確かに面白い、楽しい、癒されるといった気持ちに
なりました。
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「得」というのは、彼らとおつきあいした方が、人生いろんな意味で「得」ですよ、といってるだけで、あまりむつかしく考えると話がややこしくなります。
人生が豊かになるとか、毎日が楽しいとか、癒やされるとか、彼らとおつきあいすると、いろいろ「得」なことがいっぱいあるのです。
いつだったか見学に来た人が、福祉の関係者で彼らとおつきあいすることが「得」だなんていう人は初めて、とか言う人がいましたが、福祉の世界の窮屈さを思いました。
「得」というのは、要するに彼らとのおつきあいを自分にとって「プラス」であることをいってるのです。あれができない、これができない、とマイナス方向ばかりの評価の中では、おつきあすることは「負担」になります。「社会のお荷物」などと言う評価も、そこからきています。
そんな中にあって、いや、彼らとおつきあいすることは自分にとってプラスなんだと言いきることはとても意味があるように思うのです。
彼らと出会って、本当に人生すごい「得した」と私は思っています。彼らとおつきあいしないなんて、もったいない話です。
「得」とか「もったいない」という感覚はすごく大事な気がしています。
ぷかぷかにはあまりお金がないので、カナダに行くための資金の一部をクラウドファンディングで集める予定です。これはその原稿です。この原稿がクラウドファンディングを運営するmotiongalleryの審査に通れば、motiongalleryのネット上に公開されます。
あっ、おもしろい!って思われたら、motiongallery上で、ぜひ寄付をお願いします。
「ぷかぷか」は横浜市緑区霧ヶ丘で障がいのある人たちの働くパン屋、お惣菜屋、ごはん処、アートスタジオを運営しています。代表の高崎が障がいのある子ども達に惚れ込んだところからはじまったお店です。彼らと一緒に生きていきたくて始めたお店です。ですから「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージを日々Facebookなどで発信しています。そのメッセージを映像にして伝えたいと思いプロモーションビデオを作りました(pvプロボノ=プロの映像クリエイターの集まるスキルボランテアグループに依頼)。「いっしょにいると心ぷかぷか」というメッセージがぎっしり詰まったプロモーションビデオです。
この映像がANCA世界自閉症フェスティバルの映像担当者の目にとまり、カナダのバンクーバーで開かれる自閉症の人たちのアートフェスティバルで上映することになりました。カナダで上映決定
上映会にはスカイプで参加してもいいということでしたが、やはり現地でプロモーションビデオの反応を直接自分の目で確かめたいことと、自分の言葉でぷかぷかのメッセージを世界の人々に伝えたくて(フェスティバルには世界35カ国から参加)、現地に行くことにしました。
せっかくなので「ぷかぷかさん」(ぷかぷかで働いている障がいのある人たちのことを「ぷかぷかさん」と呼んでいます。よく言われる「障害者」ではありません。「いっしょにいると心ぷかぷか」になる人たちです。お互いが豊かになれるようなおつきあいです。)もいっしょに行くことにしました。言葉によるメッセージの発信だけでなく、「ぷかぷかさん」達といっしょに参加することで、外国の人たちと、たくさんの新しい出会いを作りたいと思いました。新しい出会いを作るのは、私たちではなく、どこまでも「ぷかぷかさん」たちのチカラです。
ぷかぷかさん
「ぷかぷかさん」達と行くと、多分、前代未聞の「珍道中」になります。想定外の楽しい出会いがあります。カナダを始め、外国の人たちが「ぷかぷかさん」達をどんなふうに受け止めるのか、すごく楽しみにしています。それぞれの国の社会が障がいのある人たちをどんなふうに受け止めているのか、が見えるからです。日本の社会とは多分、かなりちがいます。このちがいを知ることがとても大切だと思っています。
またとない機会なので、すべて映像の記録を撮ろうと思っています。
ぷかぷかさんの「珍道中」の記録は、『ぷかぷかさん カナダをゆく』という映画になります。抱腹絶倒しながらも、ぷかぷかさん達の作る出会いは、カナダからの新しい風を呼び込みます。
ANCAというフェスティバルへの参加は、ぷかぷかのメッセージを世界に向けて発信する、今までにない大チャンスだと思っています。「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」「いっしょにいると心ぷかぷか」のメッセージが、外国の人たちにどんなふうに受け止められるのか、とても興味があります。ぷかぷかにとってはメッセージがどれくらい普遍性を持っているのか、大きな勝負所だと思っています。
プロモーションビデオの中で、「ぷかぷか」は「Puka-Puka」という表現になります。日本語の「ぷかぷか」のイメージをどこまで伝えられるかが大きな課題になります。でも、いずれPuka-Pukaがそのまま世界中で通用するようになり、それが世界を変えるくらいになればいいなと思っています。そのプロモーションビデオを外国の人たちがどんなふうに受け止めてくれるのか、映像のチカラと、言葉のチカラ、それとぷかぷかのメッセージのチカラが試されます。
アメリカ人と日本人では障がいに関する考え方が大きく違います。そもそも英語では障がい者を「disabled people」とは言いません。障がいを持つ人は、障がいと共に生きる人「people with disabilities」という言い方をします。子どもの場合は、障がい児「disabled children」とは言わず、特別なニーズのある子ども「children with special needs」と呼ぶのが一般的です。あくまでも「人」に焦点を当て、「私たちには人間として同じ権利があることを強調する。」とアメリカで長く暮らす人がブログに書いていました。
障がいと共に生きる人「people with disabilities」という言い方がすばらしいと思いました。「人」をしっかり見ているのだと思います。
日本において、障がいのある人たちは「障害者」いわれ、存在を丸ごと否定するような言葉で表現されています。障害者は「社会のお荷物」「社会の負担」という受け止め方をされています。果ては「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」(犯人の言葉)と、2016年7月26日相模原で重度の障がいを持った方が19人も殺され、26人もの人が重症を負う、という悲惨な事件まで起こりました。
こんな事件が起こる社会は、やはり、病んでいると思います。どうしてこんな事件が起こってしまったのか、私たちはどうすればいいのか、の問いを、ずっと自分に、そして社会に問い続けようと思っています。それが事件を生んだ社会に生きる私たちの責任だと思っているからです。
『ぷかぷかさん カナダをゆく』の映画は、その責任の一つとして位置づけられます。私たちは事件を生んだ社会の中で、何ができるのか、その手がかりが、海外の人たちとの出会いの中で見つかれば、と思っています。
募集するお金は、映画『ぷかぷかさん カナダをゆく』製作費と「ぷかぷかさん」4人、ぷかぷか代表者、映像カメラマンの渡航費の一部になります。映画製作は社会を変える小さな一歩になります。そして何よりも、募金をしてくれる方が、社会を変える一員になります。
『ぷかぷかさん カナダをゆく』の映画は、日本の社会にカナダの新鮮な風を送り込みます。風は、「障害者は社会のお荷物」「障害者は社会の負担」といった発想を問い直すものになります。そういう発想から自由になることができれば、障がいのある人たちへの目線が変わります。彼らと新しい出会いが生まれます。彼らとの出会いは私たち自身を豊かにします。
相模原障害者殺傷事件を生むような社会は、社会が許容する人間の幅が狭く、とても窮屈で、息苦しい社会です。そんな中で『ぷかぷかさん カナダをゆく』は、どこかホッとするような雰囲気があって、窮屈で、息苦しい思いをしている私たちを、いっとき解放してくれます。いっしょにいると心ぷかぷかになるような、そんな映画です。
障がいのある人たちは「社会のお荷物」ではなく、いっしょにいると心ぷかぷかになる人たちであり、私たちの心が豊かになる人たちです。社会全体をゆるやかに、心地よいものに変えていく人たちだと私は考えています。映画はぷかぷかさんのカナダの旅を通して、そのことを伝えます。
『ぷかぷかさん カナダをゆく』は私たちを変え、社会を変える「ぷかぷかな映画」なのです。
「ぷかぷかな時間」はホッと一息つける時間、ほっこり心があたたまる時間です。私たち自身が自由になり、自分を取り戻したりできる時間です。
「ぷかぷかな映画」はホッと一息つける映画であり、ほっこり心があたたまる映画です。私たち自身が自由になり、自分を取り戻したりできる映画です。
『ぷかぷかさん カナダをゆく』は「ぷかぷかな映画」なのです。
みなさまのあたたかいご賛同、ご支援を期待しています。
3000円(ぷかぷかが好きコース)
お礼のメッセージ、アート屋わんどの小物商品、『ぷかぷかさん カナダを旅する』上映会(11月5日(日)午後1時半〜みどりアートパークリハーサル室)招待券
5000円(ぷかぷかが大好きコース)
お礼のメッセージ、アート屋わんどの小物商品、『ぷかぷかさん カナダを旅する』上映会(11月5日(日)午後1時半〜みどりアートパークリハーサル室)招待券、ぷかぷかさんのお昼ごはんペア招待券
10000円(ぷかぷかが熱烈に好きコース)
お礼のメッセージ、アート屋わんどの小物商品、『ぷかぷかさん カナダを旅する』上映会(11月5日(日)午後1時半〜みどりアートパークリハーサル室)招待券、ぷかぷかさんのお昼ごはんペア招待券、映画のエンドロールにスペシャルサポーターとしてお名前記載。
20000円(ぷかぷかがいてもたってもいられないくらい好きコース)
お礼のメッセージ、アート屋わんどの小物商品、『ぷかぷかさん カナダを旅する』上映会(11月5日(日)午後1時半〜みどりアートパークリハーサル室)招待券、ぷかぷかさんのお昼ごはんペア招待券、映画のエンドロールにスペシャルサポーターとしてお名前記載。映画のDVD進呈
30000円(ぷかぷかがこれ以上我慢できないくらい好きコース)
お礼のメッセージ、アート屋わんどの小物商品、『ぷかぷかさん カナダを旅する』上映会(11月5日(日)午後1時半〜みどりアートパークリハーサル室)招待券、ぷかぷかさんのお昼ごはんペア招待券、映画のエンドロールにスペシャルサポーターとしてお名前記載。映画のDVD進呈、あなたの地域で高崎のお話付き上映会をプレゼント(会場は用意して下さい)。
海外は言葉が通じません。習慣も違います。海外の人たちとおつきあいする上で、それは大きなリスクとなります。そのリスク故に、私たちはどうしてもいつもより引っ込み思案になってしまいます。私は英語ができないので、英語をしゃべる人を前にすると、なんとなく引いてしまいます。でもぷかぷかさん達は、そんなことは気にもしません。どんどん新しい出会いを作っていくのではないかと思っています。
ですから、そういう映像はどんどん撮れるのですが、そこで起こっていることをちゃんと理解していないと、せっかく撮れた映像が、意味不明の映像になる可能性があります。
そういうリスクを抱えながらも、多分言葉を超える楽しい出会いがあるのではないかと思っています。それをしっかり撮ってきたいと思っています。
身振り手振りで苦労しながらの出会いは、言葉を通しての出会いよりも、はるかに意味のある出会いだと思います。
そんなことを期待しながら、旅をしてきます。
結果を楽しみにしていて下さい。
カナダまで行くには大変なお金がかかります。お金をかけてでもいく価値があるかどうかの判断がむつかしいところです。今回は世界に向けてぷかぷかのメッセージを発信する大チャンスと考えました。世界に向けてメッセージを発信したからといって、かけたお金がすぐには回収できるわけではありません。それでも先行投資する価値はあると思っています。ぷかぷかのメッセージがどこまで届くのか、よくわかりません。それでも、今回のフェスティバルを開くカナダにはいままでにない新しい可能性、新しい広がりを感じるのです。そこにこそ、賭けようと思っています。
ぷかぷかさん達がカナダでどんなふうに受け入れられるかも、行ってみないとわかりません。言葉も習慣もちがいます。だからこそすべてが新鮮で、なんだかわくわくします。わくわくしながら映像の記録を撮ります。カナダの風がいっぱい詰まった映画になります。映画はあちこちで上映します。
長い文章読んでいただいてありがとうございます。あなたの中で、ちょっとでもわくわくするようなことがあれば、書いた甲斐があります。
あっ、おもしろい! 乗った! ということであれば、ぜひご協力下さい。
そう思われたあなたはもう私たちの仲間です。ぷかぷかさん達といっしょに社会を耕していきましょう。障がいのある人もない人も、みんなが気持ちよく暮らせる社会を目指して。
オペラシアターこんにゃく座のCD『世界は劇場』に納められている萩京子さんの歌が好きです。とても元気のいい歌です。
♪ いまはいつだろう いつもの朝
ここはどこだろう いつも場所
いまはいつだろう いつもの夜
ここはどこだろう いつもの場所
でもどこかちがう
ここはどこかに似ている
おとなもこどもも 犬も鳥たちも
虫たちも集まる あの広場みたい
耳をすませば見えてくる
目をみはれば聞こえてくる
少しずつ 少しずつ
歌が生まれ 人は踊り出し
物語がはじまる あの広場がここに
昔 広場に一本の柱
ここに立てよう 目には見えない柱を
昔 広場に一本の柱
ここではじまったオペラを いまここで ♪
「表現の市場」は、いわば、こんな広場じゃないかと思っています。みんなが元気になれる広場、ぷかぷかさん達を軸にした、大切な大切な広場です。
歌が生まれ、お芝居が生まれ、人は踊り出し、物語がはじまる、そんな広場が、「表現の市場」ではないかと思っています。
ぷかぷかさん達とは一緒に生きていった方がいい、という新しい物語がここから生まれています。この物語をもっともっと広げていきたいと思うのです。
昔 広場にあった一本の柱を いまここでみんなで立てよう! そんな思いでいます。
ピアニストの安見ちゃんに頼んで、ぜひこの歌をみんなで歌ってみようと思っています。テンポが速いのと、手拍子がむつかしいので、うまく安見ちゃんが引き受けてくれるかどうかわかりませんが、とにかく頼んでみます。
毎日新聞の「記者の目」にぷかぷかの話が載っています。
https://mainichi.jp/articles/20170824/ddm/005/070/004000c?fm=mnm
短い文章でうまくまとめているなぁ、と感心しました。
たとえばこんなことが書いてあります。
ぷかぷかさんたちは何を生み出しているのだろうか。
常連客に魅力を尋ねると「普通の店では味わえない、パンを買うだけじゃない何かがある」「彼らと話していると癒やされる」と言う。近くの主婦、大家邦子さん(44)は幼い娘を連れて通った。「ぷかぷかさんたちが話しかけたり、子どもと遊んでくれたり。スタッフが優しく見守る雰囲気もよく、私も受け入れてもらった気がして居場所になった」と話す。
これくらいはよくある話。ぷかぷかさんの存在が人生を変えた話はすごいと思いました。
ぷかぷかさんの存在が人生を変えた夫婦もいる。主婦の金子美香さん(29)は有名大学を卒業後、就職3年目に心身のバランスを崩して退職した。「勉強はできたけど、人生の目的がわからなかった」。症状は落ち着いたが孤独な子育てがつらく地元の関西に戻ろうと思っていた頃、店に来た。ありのままに生きる彼らの姿に「人の期待を想像して動けなくなっていた自分の生き方を見直したい」と店の近くに住み続けることを決めた。研究者から塾講師に転じた夫の裕さん(33)も「彼らみたいに自由に生きたい」と教育事業で独立する決意を後押しされたという。
記者自身もぷかぷかに通ううちに変わったといいます。
一見、コミュニケーションを取るのが難しそうな人には、どう接すればよいか分からず目をそらす人は少なくないだろう。私もその一人だった。理由は障害者と接する機会がないからだ。しかし、店に通ううち、ぷかぷかさんの笑顔、ちょっと風変わりな楽しい会話や動き、そしてお互いを思いやり大切にする姿、それを見守るお店の空気感に引き込まれた。やまゆり園の元職員だった被告は「障害者には生きる価値がない」と言ったが、私は、なんて価値のある人たちだろうと感じた。
ぷかぷかが大事にしている「お互いの出会い」
非生産的なものを切り捨てる社会は、健常者たちをも息苦しくしている。一方で、障害者の芸術作品が評価され、認知症の人たちが働く「注文をまちがえる料理店」が話題になるなど「できないことを楽しみ」、障害者の作り出す作品の魅力を理解する人たちは存在する。能力主義とは違うものに価値を見いだし、それが豊かさをもたらすと実感している人は少なくない。ならば後は、お互いがもっと出会うだけではないのか。
事件を超えるにはどうしたらいいのか。
悲しい事件が起きた時だけ「命の大切さ」や「差別反対」を訴えるのは、もうやめよう。堅苦しい議論は一旦脇に置き、彼らの深い世界に歩み寄ってみてはどうだろう。電車で乗り合わせたら温かい目で見守る、町にある福祉作業所をのぞいてみる。そして福祉現場の人は積極的に彼らの魅力を発信して出会いの場を作ってほしい。日常の中で、一人一人が名前と顔がある人として出会い、関係を築いていくことだけが、事件を超える社会を作ることにつながるはずだ。
土曜日のワークショップに参加された方の感想です。埼玉県からわざわざ見えた方で、感想がとても新鮮です。いつものように、ふつうにやったワークショップなのですが、こんなふうに受け止めてくれる人がいるって、うれしいですね。ぷかぷかさん達が作り出す空間、場の豊かさを思いました。
「ぷかぷかさん」は「障害者」ではありません。どこまでも「ぷかぷかさん」であり、「いっしょにいると、心ぷかぷか」になる人たちなのです。いっしょにいないともったいない人たちです。
カナダでは第三期演劇ワークショップの記録映画も上映してきます。1時間半も時間を取ってくれているので、思いっきり演劇ワークショップの話をしてこようと思います。カナダの人たちがどんなふうに受け止めてくれるのか、とても楽しみです。
第4期みんなでワークショップがはじまりました。月一回集まって、6ヶ月かけて芝居を作ります。できあがった芝居は来年1月21日(日)にみどりアートパークホールの舞台で発表します。
今期は宮澤賢治『注文の多い料理店』に挑戦します。もちろん原作を忠実に芝居にするのではなく、演劇ワークショップの中で作るので、どこまでも『注文の多い料理店・ぷかぷか版』になります。ぷかぷかさん達がいてこそできる、オリジナルな楽しい芝居ができあがります。
『注文の多い料理店』はセノーさんが養護学校高等部の2年の時に、私が担当で舞台を作りました。作品の登場人物は紳士二人だけ、それにねこの声が入るくらいです。学年に30人くらい生徒がいたので、全員が舞台に立つために、いろいろ工夫をしました。セノーさんはその中で、顔にクリームを塗る場面の紳士の役をやりました。もう10年くらい前のことですが、セノーさんはしっかり覚えていて、今回、『注文の多い料理店』をやることを聞いて、ワークショップにはじめて参加することになりました。さて、どうなりますか…
その初日。ネーム&アクションで自己紹介したあと、モンチさんと渡辺さんによるリズム遊びをやりました。
「パン パン パン パン ぷかぷかパン」
を歯切れのいいリズムで表現します。歯切れはいいのですが、ぴょんぴょん跳び上がりながらやるので、息が切れました。
お互いの似顔絵を描きました。紙を見ないで、ひたすら相手の顔を見ながら描きます。紙を見ないので、どういう絵が描けているのか全くわかりません。でも、意外と相手の特徴を捉えた絵が描けるのです。
あみちゃんが描いたコンノさんの似顔絵
タカサキの描いたヒロシさんの似顔絵
似顔絵を描いた相手にいろいろインタビューし、自己紹介ならぬ「他己紹介」をしました。
注文の多い料理店「山猫軒」を経営(?)する山猫を体で表現しました。
体で形を作ることを演劇ワークショップの中では「ギブ・ミー・シェイプ」といいます。一人でやることもあるのですが、こうやってみんなでやることで、表現について学ぶだけでなく、お互いのつながりを作ります。
今回は形を作っただけでしたが、これに動きをつけると、そこから簡単な芝居がはじまります。たとえば、この山猫のそばへ間抜けな人間がやってきました。山猫はどうするでしょう、実際に動きを作って下さい、と問題を出すと、そこから物語が生まれ、芝居がはじまります。
これが演劇ワークショップの面白いところです。これがみんなでお芝居を作る、という意味です。ここにぷかぷかさん達がいると、ふつうの人たちだけの演劇ワークショップよりもはるかにおもしろい芝居ができあがります。
今回も歌をたくさん歌いたいと、オペラシアターこんにゃく座のオペラ『注文の多い料理店』のDVDを見ました。オペラの前のソング集の中に「ボレロ」が入っていて、うまいなぁ、としみじみ思いました。こんにゃく座の歌のチカラみたいなものを感じました。
『注文の多い料理店』10年くらい前の舞台でしたが、原作の言葉をほぼそのまま使っていて、面白い作品でした。
二人のイギリスの兵隊のような格好をした紳士が鉄砲をかついで森の中をウロウロしているとき、ふと後ろを見ると立派な一軒の西洋造りの家がありました。
玄関には
RESTAURANT
西洋料理店
WILDCAT HOUSE
山 猫 軒
という札がでていました。オペラの中ではこんな歌が歌われます。
この歌を歌い、西洋料理店「山猫軒」を体で作ってみました。
注文の多い料理店「山猫軒」で散々な目に遭った紳士は、恐怖のあまり顔が紙くずのようになります。
その顔をやってみました。
そしてオペラの中の歌です。
「東京に帰っても、お湯に入っても、もう元の通りには直りませんでした。」で物語は終わるのですが、こんな歌です。
今回の芝居の最後に宮澤賢治作詞作曲の「星めぐりの歌」を歌おうかなと思っています。
今日初めて歌ったのでまだまだという感じですが、それでもみんなすぐに覚えたようでした。
さて今期はどんな芝居に仕上がるのか、楽しみにしていて下さい。
お客さんからステキな感想が送られてきたので紹介します。お客さんがどんなふうにぷかぷかを楽しんでいるかがよく見えます。
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先日ぷかぷかに行った時の事を、お伝えしたくてメールさせて頂きました。
その日は娘の誕生日でした。
最近なかなかイベントにも参加出来ない為、ぷかぷかさんのおひるごはんも気になっていたので、下の子も一緒に、とりあえず久しぶりに行ってみることにしました。
うちは緑区とは少し離れている為、ホームページで7月下旬オープン、とは見ましたが、その日やっているのかも特に確認しないまま、もし入れなくても、おひさまの台所でお弁当買って食べてもいいし、とにかく行きたくて行きました。
まず郵便局に用があったので、ぷかぷかさんのおひるごはんを通り過ぎて行くと、ちょうどお昼を食べに行くぷかぷかさん達とすれ違いご挨拶すると、ゆみさんが子ども達の事を覚えて下さっていていつもの様に話かけて下さいました。
郵便局に行くと、窓口の方々が子供達に話しかけて下さり、娘が自ら今日が誕生日だと言ったら、郵便局の方々がすぐ「何かあげられるものないかな」と探して、お菓子の入った袋を下さいました。娘は思いがけないプレゼントに喜んでいました。その方々のお人柄ももちろんあるのでしょうが、あたたかさを感じ、ぷかぷかさんが耕してるって事なんだなと思いました。
そして、ぷかぷかさんのおひるごはんに行き、メニューを確認し、下の子がどの位食べられるかわからなかったので、おひさまの台所でお惣菜を買わせて頂き、パン屋さんにも行くと、また娘が自ら今日が誕生日だと言い、柿澤さんのお声掛けにより、辻さんにハッピーバースデートゥーユーを歌って頂きました。後から気づいたのですが、動画を撮らせて頂けたら撮らせて頂いて、思い出に残しておきたかった時間でした。
あと、以前ワークショップに参加した際、わんどの入り口にあったフウセンカズラの種を娘が柿澤さんに頂いて、うちで植えたら今ちょうど花が咲いているので、そのお話もさせて頂きました。
そうこうしているうちに、あと10分で14時という時間になってしまい、やっとぷかぷかさんのおひるごはんに。ゆみさんにまたお会い出来たので少しでしたがお話させて頂けました。時間も遅かったですし、子供を見ながらだったので、ぷかぷかさん達とゆっくり食べられず残念でしたが、次回は主人も連れて行き、皆さんと楽しくごはんが食べられたらと思います。
また、その日いらしたスタッフの方が、表現の市場の時、出口で、娘が製作に関わったモデルさんを持って下さっていた方でした。
その後、わんどにも寄らせて頂き、娘が選んだヘアゴムのお会計の応対に来られたあさのさんが「これ、私が作りました」と教えて下さいました。
文書を書くのが苦手でうまく言えませんが、こんなにも一つずつの関わりが、それだけでは終わらないというか、プラスの意味を持ち、あたたかみを感じる事ができ、私達親子にとって本当に良い1日となりました。
娘の誕生日なのに、すっかり自分が嬉しい気持ちになって帰ってきました。
住んでいる所は離れていますが、いつでも皆様があたたかく迎えて下さる事が嬉しいです。ぷかぷかさん、スタッフの方だけでなく、郵便局の窓口の方、そのお客さん、道ですれ違ったご年配の男性、その地域の雰囲気もとても優しく感じられました。
娘が帰り際「まだ知らないぷかぷかの人いるー」と言っていました。またおひるごはんを食べに、ぷかぷかさんに会いに行きたいと思います。またイベントにも参加させて頂きたいと思います。
このお母さんが感想を送ってくれました。
ぷかぷかではぷかぷかで働く障がいのある人たちのことを「ぷかぷかさん」と呼んでいます。「ぷかぷかさん」にはぷかぷかの雰囲気がそのまま込められています。「障害者」はもちろん、「障がいのある人」という言葉ともちがう、もっと大きな意味が込められています。ぷかぷかが障がいのある人たちとどんなふうにおつきあいしているかが、このひとことには込められています。
で、カナダでぷかぷかのプレゼンをするとき、この「ぷかぷかさん」をどうやって英訳するのか、が問題になります。
「ぷかぷか」は簡単な説明をした上で、Puka-Pukaと表現します。じゃあ「ぷかぷかさん」はどうなるんだろう、ということです。
アメリカ在住の方のブログに、障がいのある人たちのことをどう表現するかのことが書いてありました。
私は長年アメリカに住んでいるが、アメリカ人と日本人では障がいに関する考え方が大きく違う。そもそも英語では障がい者(disabled people)とは言わない。障がいを持つ人、障がいと共に生きる人(people with disabilities)という言い方をする。子どもの場合は、障がい児(disabled children)とは言わず、特別なニーズのある子ども(children with special needs)と呼ぶのが一般的だ。あくまでも「人」に焦点を当て、私たちには人間として同じ権利があることを強調する。
この通りに英語に直訳するとpeople with disabilitiesということなんですが、「ぷかぷかさん」とは全く意味合いがちがいます。
「ぷかぷか」の意味合いを込めるにはどうしたらいいのか、一番の悩みどころですが、ここで悩むことこそが自分を磨くいい機会だと思っています。プロモーションビデオの翻訳をお願いしている辻さん、演劇ワークショップの記録映画の翻訳をお願いしている瀬能さん、ドラムの勉強でロンドンに5年住んでいた森さんと相談しながら「ぷかぷかさん」の英訳を見つけたいと思っています。
これが「ぷかぷかさん」。「いっしょにいると心ぷかぷか」になる人たちです。この雰囲気を表現する英語を探しています。
プロモーションビデオの最後に出てくる「いっしょにいると心ぷかぷか」は、カナダでいちばん伝えたいメッセージです。
日々発信している「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」のメッセージを、インパクトある短い言葉で表現したものです。pvプロボノのコピーライターいなおさんがpvのために作ってくれました。
何よりもこれは、日本における障がいのある人たちとの関係に対する異議申し立てであり、新しい提案でもあります。
障がいのある人たちは基本的に「あれができない」「これができない」とマイナス評価ばかりで、結果、彼らは「社会のお荷物」であり、「社会の邪魔者」であり、「なるべく関わりたくない人たち」であり、「いない方がいい人達」ということになります。いろいろできないことが原因なので、できないことをできるように「支援」が必要だと。社会にあわせるべく努力が必要だと。福祉の世界ではこの関係がほとんどです。
そんな中での「いっしょにいると心ぷかぷか」の提案なのです。
できないことはいっぱいあります。それでも「いっしょにいると心ぷかぷか」なのです。
理解がむつかしいこともいっぱいあります。それでも「いっしょにいると心ぷかぷか」なのです。
みんなより遅いこともいっぱいあります。それでも「いっしょにいると心ぷかぷか」なのです。
ただいっしょにいる、それだけで、心ぷかぷかだよ、っていってるのです。
無理して社会にあわせることなんかないよ、そのままのあなたがいちばん魅力的、と「いっしょにいると心ぷかぷか」は言っています。
もちろん困っていれば手助けはします。それは人として当然のことです。支援ではありません。手助けすることを「支援」と呼ぶとき、そこでの関係は人と人との関係を離れ、いびつなものになる気がします。
「いっしょに生きていく」から必要なときは手助けします。「いっしょにいると心ぷかぷか」になるから手助けするのです。
「いっしょにいると心ぷかぷか」は彼らの関係をプラス方向で受け止めています。そういう意味で、今までマイナス評価の多い関係とは全く逆方向です。彼らとの新しい関係の提案です。マイナス評価で彼らを見るのはもったいない、といっているのです。
お店で「ぷかぷかが好き!」とか「ぷかぷかのファンです」というお客さんが増えているのは、「いっしょにいると心ぷかぷか」の雰囲気がお店にあふれているからだと思います。それに共感した人たち、そうだよねって思った人たちが、「ぷかぷかが好き!」とか「ぷかぷかのファン」になっているのです。
パン教室が人気なのも、「いっしょにいると心ぷかぷか」の雰囲気がパン教室に充満しているからだと思います。
そして演劇ワークショップでは彼らとクリエイティブな関係を作り、そこから今までにない新しいお芝居、新しい文化を生み出しています。「支援」ではなく、「いっしょにいると心ぷかぷか」の関係だからこそ、そこから新しいものが生み出せるのだと思います。「支援」という相手を上から目線で見るような関係からは、新しいものは生まれようがありません。
「いっしょにいると心ぷかぷか」の関係で創りだした新しい文化は、障がいのある人たちを排除しません。みんなが気持ちよく、豊かに生きられる文化です。
こんな発想がカナダでどんなふうに受け止められるのか、とても楽しみにしています。
障がいがある人と一緒に暮らす社会について掘り下げて考えるためのトピックス集です。