ぷかぷか日記

幸せな家族が見えて、こちらの心まであたたまる映画「そらくんとたからくん」の上映会やります。

 映画「そらくんとたからくん」はそらくんとたからくんの日々の暮らしを淡々と撮った映画ですが、幸せな家族が見えて、こちらの心まであたたまる映画です。

 心があたたまるのは、やっぱりそこにそらくんとたからくんがいるからだと思います。そこにこの映画のミソというのか、キモがある気がします。

 

 バスの中でブツブツ独り言を言っていたそらくんに「うるせー!」「おりろ!」と怒鳴ったおじさんがこの映画を見ると、どんなことを思うのでしょう。そらくんの家族の幸せな時間をどんな風に受け止めるのでしょう。

 結局はそらくんのような人と出会う機会がおじさんにはなかったのだと思います。それはおじさんのせいではなく、社会の中に、障がいのある人達といい出会いをする場がまだまだ少ないのだと思います。

 

 おじさんに限らず、障がいのある人達のこと、なんとなく嫌だなと思う人はたくさんいます。そういう人たちと障がいのある人達のいるこの社会の中でいっしょに生きていくにはどうしたらいいんだろう、と思います。

 

 そんなことを映画「そらくんとたからくん」を手がかりに、みんなで話し合えたらと思うのです。

vimeopro.com

      

 

 参加希望者は高崎まで takasaki@pukapuka.or.jp

 

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夢を語ること、それは社会を、ほんのわずかですが前に進めます。

 新しく福祉事業所を開設したいという方が長野県から見学に見えました。いろいろ話をしたのですが、とにかくそこで何をしたいのか、何を実現したいのか、という夢をまず書いた方がいい、とアドバイスし、ぷかぷかを立ち上げる前に書いた設立計画案を紹介しました。

 で、あらためてあの当時の熱い思いにふれ、なんだか胸が熱くなりました。

 読み返してみると、ほんとうに夢があふれていましたね。その夢が実現できたこともあれば、実現できなかったこともあります。考えが甘かったなと思う部分もあります。それでも、あの時夢を語ったことで、社会が、ほんのわずかですが前に進んだ気がしています。

 夢を語った部分を太字にしました。

①ハンディのある人たちの働く場を街の中に作る。

 街の人たちにはハンディのある人たちといい出会いをして欲しいなと思う。彼らの中には字が読めなかったり、言葉がうまくしゃべれなかったりする人もいる。でも、そんなことをはるかに超えて、彼らは人としての魅力を持っている。その魅力にたくさんの人たちに出会って欲しいと思う。彼らの魅力に出会うことは、そのまま私たち自身の人としての幅を広げることであり、人として豊かになってゆくことだと思う。

 

 ぷかぷかさんたちといい出会いをし、「ぷかぷかさんが好き!」というファンもたくさんできました。これはうれしい想定外です。障害者はなんとなくいや、怖い、そばに寄りたくない、という人の多い中で、「ぷかぷかさんが好き!」なんて人が現れたのは画期的なことだと思います。

 

 

②街の中にほっと一息つける場所を作る。

 街の中にほっと一息つける場所を作りたいと思う。そんな場所が街の中にあるだけで、私たちはちょっとだけ元気になれる。
 知的ハンディのある人たちは、ただそこにいるだけで、こころ安らぐ雰囲気を作ってくれる。彼らの働く喫茶店は、ただおいしいコーヒーを飲ませてくれるだけでなく、こころの安らぎも提供してくれるはずだ。そんなお店を街の中に作りたい。

 

 そして実際にそんなお店が街の中に実現できたのです。みんなの心を毎日癒やしています。

 

③みんなが暮らしやすい街を作る。

ハンディのある人たちがごく自然に街の中にいる時、街の人たちにとってもそこは居心地のいい街になっていると思う。

 

 ぷかぷかさんたちは今ごく自然に街の中にいます。コロナでお店が休みの時、NHKがぷかぷかさんがいないことで、ぷかぷかさんのいることの意味がはっきりするのではないかと取材に来たことがあります。たまたま閉店中のお店の前を通りかかったおばあさんを取材したところ、週に何回がお店に来られている方で、ぷかぷかさんたちは自分の孫みたいだとおっしゃっていました。街で会うと大きな声で「こんにちは!」とあいさつし、そんな風にあいさつしてくれる人はぷかぷかさんしかいないといっていました。一人暮らしのおばあさんの人生をしっかり支えている感じがしました。

 ぷかぷかで買い物するともらえる「ありがとうカード」を机の上いっぱいに広げていました。このカードは10枚集めると景品と交換できるのですが、もったいなくて交換できないとおっしゃっていました。

 写真はテレビの映像

 

④街の活性化につながるお店にしたい

 彼らとおつきあいしていると毎日が本当に楽しい。そんな楽しさであふれるようなお店を街に中に作れば、街がもっともっと元気になるような気がする。

 

 街が元気になった、といえるかどうかわかりませんが、ぷかぷかのお店のまわりが賑やかに楽しくなったとことは確かです。区役所などの外販先もぷかぷかさんたちが楽しく賑やかにしています。

 

 夢を語ること、そこから夢の実現が始まります。語らなければ、何も実現しません。

 

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社会の障害者排除への怒りを、私たちはもっともっと表現してもいいのではないか

9月3日のブログ

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でふれた「モナ・リザ」スプレー事件を起こした当事者を取材した記事はとても興味深いものでした。

digital.asahi.com

 

 スプレーを噴射したのは

「障害者だけでなく子連れの母親なども排除した。いくらなんでもひどすぎないかと怒りを感じたから」

「モナ・リザ展での私を突き動かしていたのは、障害者である自分になりたいという強い思いでした」

 

今思うこと

「気がかりなのは、出生前診断の広がりです。障害者である自分は『なぜ生まれる前に障害の有無を調べて選別しようとするのだ』と怒っています。でも女性である自分は『それでも産むか産まないかは女性にしか決められないのだ』と思います。この二つのことを、統合した一つの言葉で言おうとしても、現状ではできません。障害者である自分と女である自分が引っ張り合って、ちぎれそうです」

「障害は不幸だという価値観と、健康な子を産めという女性への圧力。」

「自分は親にとって負担な子なのだと思ってしまう瞬間は今でもあります。でもそんなときは、この苦しみは私個人の問題ではないはずだと再び考えを進めます。障害は思われているほど不幸ではないし、生まれてこない方がいい障害なんてない」

 「女であることや障害者であることは、私にとって色々なことを考えられるチャンスでもあった。そう伝えたいのです」

 

 米津さんの話を読んで、社会の障害者排除への怒りを、私たちはもっともっと表現してもいいのではないかと思いました。「それはまちがっている」「それはおかしい」と、スプレーを噴射するくらいの怒りを持ちたい。

ひろ兄ちゃんはダウン症

5年ほど前に書いたブログですが、やまゆり園事件を超える社会をどうやって作っていくのかに関して中学3年生がすばらしい提案をしているので、再度アップします。

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 「ひろ兄ちゃん」と呼べる関係があったことが、やまゆり園事件を深く考えるきっかけになったのだと思います。ひろ兄ちゃんの優しい人柄が目に浮かびます。ひろ兄ちゃんはアーダコーダ小難しいこと言わずに、事件を超える社会を作るにはどうしたらいいかを姪っ子に伝えていたのだと思います。ひろ兄ちゃんのような人こそ、社会のみんなで大事にしたいですね。「支援」といった上から目線の関係ではなく、どこまでもフラットな関係で大事にする、いっしょに生きる。

 その関係の中で、こうやって若い人達が思いを語ってくれるといいなと思います。それが新しい社会を作ってくれます。

障害者を排除している社会に抗議する彼女の行動を「犯罪」とする社会とは、一体何なのだろうか

 芥川賞受賞の『ハンチバック』に〈東京国立博物館にやってきたモナ・リザに赤いスプレーを引っ掛けようとした彼女には、少なからず共感する〉とあり、1974年に起こった「モナ・リザ・スプレー事件」を取り上げています。

       

 東京国立博物館で開かれた「モナ・リザ展」で、過度な混雑が予想されたため、主催者によって「入場制限」が設けられていました。介助を必要とする障害者や高齢者、付き添いのいない小学生未満の子ども、乳幼児連れの人(実質的には幼児のいる母親)の来場が、あらかじめ「お断り」されていました。それに抗議して「身障者を締め出すな」と叫んでスプレーを噴射した人がいました。スプレーを噴射したのはポリオの後遺症で装具を付け、右足を引き摺っていた人です。

 その場で逮捕され、後日裁判で罰金3000円が課せられました。肝心の『モナ・リザ』は防弾ガラスに保護されていたため被害はなかったそうです。

 当時の文化人を含む世間一般の男たちの反応は、「自分の容姿を評価してもらえない嫉妬から、美人の象徴とされるモナ・リザに八つ当たりしたのだろう」などというものだったそうです。『暮しの手帖』編集長花森安治は、この女性が〈モナリザにこだわりすぎている〉と述べ、漫画家の手塚治は〈とにかく嫉妬からか〉と記したそうですが、当時の社会状況がよく見えます。

 「障害者を排除している社会に抗議する彼女の行動を「犯罪」とする社会とは、一体何なのだろうか」と作家の橋本愛さんは書いています。

 「『モナ・リザ』スプレー事件」とは単なる「悪戯」だったのか。裁かれる「犯罪」だったのか。裁かれるべきは、本当にあの女性だったのか。事件を突飛なエピソードとしてのみ消費し、真っ正面から受け止めなかったこの国は、この社会とは、一体何なのか…と二松學社大学准教授の荒井裕樹さんは書いています。

 

 事件が起こったのは約50年前です。でも50年たって、障害者を排除しない社会になったのでしょうか?つい先日も、バスの中で楽しそうに独り言を言っていた浅川そらくんに「うるせー!降りろ!」と怒鳴りつけたおじさんがいました。幸いヒーローの登場でその場は収まったのですが、ヒーローが登場しなければ、そらくんもお母さんもとても辛い思いをしたと思います。

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 障害者は自分らしく生きるよりも、社会にあわせることを求められます。ありのままの障害者を認めない、ということです。バスの中は静かにしろ、と。どう頑張っても社会にあわせられない障害者もいます。そらくんを見ればわかります。

 事件から50年たっても、障害者は自分らしく生きられないままです。彼らが自分らしく生きられない社会は、私たち自身も自分らしく生きられない社会です。

 そんな中で私たちに何ができるんだろうかを話し合う集まりをやります。どうやったら彼らを排除しない社会ができるんだろうか、そんなことを話し合います。ぜひお越し下さい。

 日時 9月24日(日)9時30分〜12時

 場所 みどりアートパークリハーサル室

 やること 映画「そらくんとたからくん」の上映

 ゲスト 浅川そらくん、たからくん、お母さん

 参加費:800円 (小中学生、高校生、ぷかぷかさんは無料)

 問い合わせ、参加申し込みは高崎まで takasaki@pukapuka.or.jp

まっすぐに楽しむ彼らと一緒にいるだけでもらうものがあったように思います☺️🌸

第8期演劇ワークショップ第一回 8月26日(土)

 ぷかぷかしんぶん9月号に演劇ワークショップの簡単な報告。全体がわかりやすいです。

 

 

で、ここでは写真、映像も入れて演劇ワークショップの場の雰囲気がよりリアルに伝わるようにします。

●自己紹介 自分の名前とワンアクション みんながアクションをまねる。

 

●お題に合わせて仲間を見つけるゲーム 

  ・誕生日 ・好きな食べ物 ・色 ・好きなこと

 

●ゲーム 木とネズミ

3人組になり、2人が木のお家を作る。1人がネズミになり木のお家に入る。

「木こりがきたぞ〜」 木は切られてしまうので、逃げて別のネズミのところへ行きお家を作る。

「ネコがきたぞ〜」 ネズミは捕まってしまうので逃げて別の木のお家に入る。

「嵐がきたぞ〜」 みんな飛ばされてしまうので、新しい3人組を作る。        

   

 

   

→中には「巨人がきたぞ〜」という人がいて(このあたりがぷかぷかさんといっしょにやるワークショップの楽しいところ。予想もしない言葉が飛び出してくる。)、逃げる人もいれば逃げない人もいておもしろかった。

 

●シェイプ(体を使って形を作る)

 ・1人で花、ネコ 

 

      なぜか寝っ転がっている人も

      

 

 ・2人でコップ、割れたコップ

     

  ここにも寝っ転がっている人が…

 

 

 ・3人で三輪車、とうもろこし

     

     映画撮影のシダさんと。『Secret of Pukapuka』を作った人です。

     

今日は記録映画を作るウチダさんはじめ、フジキさんも応援に入ったので、計6台のカメラが回りました。どんな映画ができ上がるのか、すごく楽しみです。

 

 ・5人で公園

 

 

 ・7〜8人で牧場

 

●大型絵本でフレデリックの本を紹介

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感想タイム

ネズミがかわいい、最後フレデリックが照れている姿をやりたい、など

フレデリックの「そういうわけさ」という言い方について

恥ずかしそうに言ったり、自慢気に言ったり色んな言い方がある

 

詩の部分をあみちゃんといっしょに歌う   

あみちゃんと歌の練習

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休憩

 

イクミンの戦隊ダンス

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サイロの写真、野ねずみの映像、野ねずみの巣の写真をみんなで見る

 

詩の中でかかりが書かれているが、どんなかかりがあるのか

                     

 

 

はるねずみ・なつねずみ・あきねずみ・ふゆねずみに分かれて、それぞれかかり決め、食べ物を運んでみよう!

まずは相談

 

はるねずみ

花に水をやるかかり、蝶々を飛ばすかかり、日向ぼっこをするかかり、居眠りしている高崎さんを起こすかかり、いちごかかり、ねずみ男かかり

    新聞紙を巻くねずみ男。どういうわけかこのねずみ男がジュースを作る。

    

 

いちごをみんなで運んで、その日の内に食べる。

余ったいちごはねずみ男にジュースにしてもらってのむ。

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なつねずみ

海かかり、バーベキューかかり、屋台のおじちゃんかかり、花火かかり

花火を打ち上げる

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あきねずみ

秋祭りかかり、さつまいもかかり、くりかかり、お月見かかり

月からうさぎがおりてきて、だんごを運ぶ

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ふゆねずみ 

雪かかり

みんなで雪を降らす 

ホッカイロを運ぶ

まだ寒い

マフラーを運ぶ

みんなでマフラーを巻いてあたたまる

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あみちゃんと歌の練習

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振り返り、終了

 

 

参加した人達の感想

●初めての参加で緊張していたりもしていましたが、ぷかぷかさんの枠に囚われない発想に驚きました。

寝ている方、寝そべっている方、元気にかけまわっている方、いろんな方がいて、、、まっすぐに楽しむ彼らと一緒にいるだけでもらうものがあったように思います☺️🌸

屈託なく話しかけてくれる方もいて嬉しかったです。

最後にみんなで手を取り合って輪になった時に、心がじんとあたたかくなれました。

ぷかぷかさんと知り合えてよかったです。

 

●今日は、ありがとうございました 生まれ持った性格からか、 地味に地味に生きて来て、きっと表舞台に出るのはとても苦手で、人生最後までじふを表現する事はなく終えるだろうと思っていましたが、何故か運命が途中から変わってしまって、開き直りの人生がスタートしました。 そして今回演劇なる物に声を掛けて頂き、挑戦して見ようではないかと言う気持ちになりまして、初参加と言う形で、皆様に混じって、身体を動かし、唄を歌い、失敗しても構わないと言う楽な気持ちで挑みました。 その結果、とても良いあと味、これなら最後まで挑戦出来るとの感覚 (「大好き」エフェクト付きで送信しました)

 

●刺激的すぎて、消化しきれていなくて今日の時点ではうまく言葉にならないのが正直なところです。 ですが、ぷかぷかさんの自由な発想が楽しかった。ずっと笑っていた気がします。歌を覚えることに、自分の歌うことに集中したのはいつのことか思い出せないくらいでしたが、詩の意味を考えたり歌い方を考えながらみんなで声を合わせることが、とても心地よかったです。 お芝居は身体が動きませんでした。自由に即興で表現できる皆さんを尊敬の眼差しでみていました。

 

●今日はとにかく楽しかったです。ほとんど初対面なのに、以前からの知り合いのように接してくれたぷかぷかさんたちにありがとうと言いたいです。

 最初から最後まで口角が上がりっぱなしでした。仲間の面白い発言に対するリアクションが楽しいし、ファシリテーターの問いに対しての一生懸命で素直な答えにも感心しました。
「好きな事」での仲間探しの時に、「歩くこと」が好きな人探していたら、たから君が私の手を取ってくれたのが嬉しかったです。
 脳の活性化にもなりますし、これから先もどんな笑いや嬉しいことが起きるのか楽しみです。
 どんな時も相手を否定せず、時間がかかっても気長に見守って上手にリードしてくれるファシリテーターさんたちにも感謝いっぱいです。
 
●率直な感想としては…「演劇ワークショップ」と聞き、期待と不安がありましたが、想像以上に楽しい時間を過ごせました!なんとなく、気構えてしまい、普段、ついつい考えてしまう「ちゃんと上手に出来ているか」「自分はこれで良いのか」ということからは離れて、自分が今、思っていること、動きたいことに素直に行動し、表現して良いんだ!と、皆さんを見てて感じました。と同時に、とても気持ちも体も軽くなり、頭で考える(判断)ことなく、気持ちに素直に従い動けた気がします。気付くと、ずっとニコニコと笑っていた自分がいました。

 
ぷかぷかさんは、緑区役所ワーカーの頃に何回かお邪魔し、お世話になっていたので、メンバーの皆さんに久しぶりに会えて懐かしく嬉しかったです。自由な発想を持つ個性的な皆さんを、演劇ワークショップという形でまとめていくスタッフの方は大変かと思いますが、おかげさまで、皆と一緒に楽しくあっという間に過ぎた時間でした。ありがとうございました。
 
普段、凝り固まっている思考と体を解放して動けたのはとても楽しかったですが、疲れもしました。きっと、目一杯、頭も体も動いたんだと思います。
 
●●●
 さてこれから話がどんな風に展開していくのか、楽しみなところです。今回は、はるねずみ、なつねずみ、あきねずみ、ふゆねずみにわかれ、簡単なお話しを作りました。
 ♪だれがこおりをとかすの♪の歌からわかるように、空には4匹の小さなねずみがいて季節をつかさどっています。
 このねずみたちと、みんながやったねずみたちがどんなふうに関わり、どんな話を生み出すのか、演劇ワークショップはドキドキわくわくしながら進みます。乞うご期待!です。
 
 今回初めて参加した人の感想の中に
「まっすぐに楽しむ彼らと一緒にいるだけでもらうものがあったように思います」
という言葉がありました。障がいのある人というと、すぐに何かやってあげる、といった上から目線で見る関係が多いのですが、
「いっしょにいるだけでもらうものがあった」
と謙虚な感想が出てきたのはすごくよかったと思います。こういう関係が今までにない新しいものを生み出します。何が生まれるか、すごく楽しみにしています。

はるねずみがある時風邪を引いてしまい、いつまでたっても春がやってきません。

今週から始まる演劇ワークショップはレオレオニ作『フレデリック』を使って芝居を作っていきます。

                       

  とても平和なお話しなので、この絵本だけでは芝居まで持っていくのはむつかしいかなと思っています。できればフレデリックたちが、何かピンチに追い込まれるとか、といった緊張する場面がないと芝居が立ち上がりません。

 進行サイドでまだそこまでの詰めができてないのですが、たとえばこんなことが起こったらどうなるんだろうと思います。そらには四ひきの小さな野ねずみがいて、そのねずみたちの働きで春、夏、秋、冬が来るそうです。

     

 はるねずみがある時風邪を引いてしまい、いつまでたっても春がやってきません。フレデリックたちは困ってしまいます。どうする?どうする?どうすればいい?と大騒ぎ。

 あなたならどうする?と、みんなでアイデアを出し合います。こうやって演劇ワークショップが進行していきます。

 あ、おもしろそうって思ったら、ぜひ一緒にやりましょう。参加申し込み、まだ間に合いますよ。

 

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バスの中で楽しそうに独り言いってるそらくんに「うるせー」「おりろ」と怒鳴りつけたおじさんがいた

ぷかぷかに時々遊びに来るそらくんがバスの中で怒鳴りつけられた話を先日お母さんがブログに書いていました。そらくんはバスが大好きで、乗っていると嬉しくて嬉しくてつい声が出てしまいます。そのそらくんに向かって

「うるせー」「おりろ」と怒鳴りつけたおじさんがいました。

 お母さんは「すみません」と謝って「静かにしようね」とそらに声をかけているのに「うるせーからおりろ」とさらにまくし立てられました。

 その時ヒーローが現れます。

「バスはいろんな人がいるのが当たり前で、そんなにいやなら自分がタクシーに乗ればいいんじゃないですか」

 そらくんと同じくらいの年だったというので高校生くらいでしょうか。すばらしい青年です。

 おじさんは「おお、そうか。」とそれからは黙ってくれたそうですが、ずっとお母さんをにらんでいたそうです。

 そらくんは電車やバスの中で静かにする、といったことができません。そんなそらくんといっしょに生きて行くにはどうしたらいいんだろう、という問題が私たちに問いかけられていると思います。

 そらくんの声を気にしない人もいれば、迷惑だと感じる人もいます。そらくんのような人を社会から排除すれば、社会はすっきり気持ちよくなるのかどうか、むしろ、社会が許容できる幅が狭まり、お互いが息苦しくなるのではないか、といった問題がここから見えてきます。

 

 お母さんがブログに書いています。

 あなたは知らない その言葉に私がどれほど傷ついたのかを

 あなたは知らない 「うるせー」「おりろ」という以外に解決方法はいくらでもあることを

 あなたは知らない 「降りろ」と怒鳴りつけている自分がどれほど恐ろしい顔をしているのかを

 あなたは知らない 障害を持つ人を排除すれば自分がどれほど生きづらくなるのかを

 あなたは知らない そらがあなたに気を使ってそらなりに声を抑えようと頑張っていたことを

 あなたは知らない ずっとあなたを気にかけて優しく見つめていたそらを

 あなたは知らない あなたのその言動の先に「やまゆり園の事件」があることを

 あなたは知らない そう、あなたがあの事件に加担していた一人だということを

 あなたは知らない 私も息子たちもあなたに排除されていい人間ではないということを

 あなたは知らない 優しさを知らないあなたを私はとても不憫に感じていたことを

 

 お母さんがブログで提起した問題を知らんぷりすると、また同じような問題が起き、辛い思いをする人が出てきます。社会の許容範囲が狭まり、私たち自身が生きづらくなります。なによりもこのおじさんの言動の先に『やまゆり園事件』があります。なのでみんなでこの問題について話し合う機会を作ります。話し合ったからって、すぐに解決策が見つかるわけではありません。でも、話し合うことで、少なくとも一歩前に進めます。何事もまず一歩からです。

 

 9月24日(日)9時30分から〜12時 みどりアートパークリハーサル室にて、今回の問題についてどうしたらいいんだろうってみんなで話し合います。『そらくんとたからくん』の映画を見て、お母さん、そらくん、たからくんに来てもらい、わいわい楽しく話をする予定です。お問い合わせ、参加希望者は高崎まで(takasaki@pukapuka.or.jp

 

写真はにじメディア作品「そらくんとたからくん」オンライン無料配信のページより。左がそらくん。

上映会と詩のワークショップ

  先日上白根地域ケアプラザで『Secret of Pukapuka』の上映会がありました。

 映画を見たあと「詩のワークショップ」をやりました。詩を書くことでお互いの気づきを共有し、更にグループとしての詩にまとめ、それを発表します。ただ「いい映画だったね」で終わるのではなく、そこで気づいたことを手がかりに、もう少し前に進めないかな、という思いで企画しました。

 

それぞれの気づきを短い詩にします。

 

詩ができ上がったらグループの中で発表。それぞれの気づきをグループの中で共有します。

 

詩の言葉を一行ずつ切り離し、グループの中でシャッフルし、並べ替えてグループとしての詩を作ります。

 

でき上がったグループの詩を壁に貼り、みんなで声を出して読む。誰かに向かって朗読するなんてみんな初めて。

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参加した人達の感想

●ぷかぷかさんの映画は2度目ですが、見るたびに発見がありますね。詩のワークショップも、みなさんの自由な感想が聞けて、それがひとつの形になっておもしろかったです。

●ワークショップがあると、知らない方、はじめましての方と交流ができるのがありがたいです。結論がない、それぞれが何か考えるきっかけになるイベント、素敵ですよね。

●映画の中のメンバーさんが楽しそうに働いていた。パン作り、パンの販売が楽しそう。いきいき働いている姿を見てホッとする。ボーッとしているメンバーさんも、それはそれでホッとする。評価とか、地位とか関心のないことがホッとする。

●皆で自由に作った詩が、まとまったものになるとは意外だった。

●詩を作る作業が楽しかったです。

●障がいという言葉がない世界がいつか生まれますように。

●頑張らないで、楽しみたいと思います。

●映像を見て、それぞれ感じたことを言葉にしてつなげた詩から大きな力をもらうことができたと思います。自然で飾らない、ありのままの生き方を私も自分の気持ちに正直に生きていきたいと思いました。

●言葉の力のすごさを感じました。言葉にできない子どもたちに接していますが、、その子たちの心の声を言葉にしていきたいと感じました。

●人として出会う、という言葉、素敵でした。

●コーヒーの見ながら映画を見る…肩の力を抜いて、笑ってみられました。

●親も子どもも、ぷかぷかさんを知ることができて、とても力になっていることがたくさんあると思います。いつまでも、ありのままでいて欲しいです。

●相手のことを知らなくてよい環境下で、言葉を通じて自分をさらけ出すことができて楽しかった。

●できるできないにこだわっているのは、自分自身かも知れないと気づかされた。

●上映会だけかと思いきや、驚きの楽しい時間を過ごせました。

●ぷかぷかさんの様子を知りたいと思い、上映会に参加しましたが、みなさんとても楽しく生活していらっしゃる様子に感動し、障害のあるなしに関係なく、人としてどうしていくことが大切なのか見せていただきました。

●映像の内容などはとてもすばらしかったと思います。ワークショップの内容が苦手分野でした。

●特性を活かす(個性を殺さない)できることを増やす

 乳幼児期、学齢期の適切な支援による「可能性を広げる」メリットはあると思う。

●しょうがい者の方に対して見る目が変わりました。もっと知りたい。ぷかぷかに行ってみたくなりました。

●私自身も学習しょうがいをもっているので、昔皆についていくことが大変で、くろうしました。でも今回映画が見れて、楽しく色々と知れて、もっと色々な事を知り、ぷかぷかに行って、皆と話をしてみたい。ご飯食べたい。パンも食べたいです。少しずつしょうがい者の方を知っていきます。

 

 

こういうの、自分のところでもやってみたいと思った方、高崎まで連絡ください。takasaki@pukapuka.or.jp

「映画を見ると心ぷかぷかになる」って、こういうことなんだ。

 先日の『かぐやびより』の上映会に来てくれた高校生の方がぷかぷかの『Secret of Pukapuka』を見て感想を送ってくれました。

 

 

  映画を見ていると、自然に笑顔になっていることに気づき、「映画を見ると心ぷかぷかになる」って、こういうことなんだと思った、ととても新鮮な感想です。感想を送ってくれた方は大学に入って福祉を勉強するそうです。大学でどういう福祉を教えるのか知りませんが、一般的には障がいのある人達に何かやってあげる、という上から目線の福祉ではないかと思います。それよりも彼らとはいっしょに生きていった方がいいよ、そうすればみんな心ぷかぷかになって、社会全体が豊かになるよ、と『ぷかぷかな物語』を読んでもらい、『Secret of Pukapuka』を見てもらいました。で、早速感想が届いたというわけです。

 「一緒にいると心ぷかぷか」という福祉がもっともっと広がると、世の中、ゆるっとゆるんで、誰にとってももっと居心地のいいものになるのではないかと思います。

 一緒にいても心ぷかぷかにならないような福祉が、あの忌まわしいやまゆり園事件を生んだのではないかと思っています。事件後も続いた施設における虐待事件も同じです。そういうことに福祉の関係者には気がついて欲しいのですが、彼らといっしょにいて心ぷかぷかになるような経験をしたことがないのか、そういう思いがなかなか届かないようです。あんなに素敵な人達がすぐそばにいるのに、なんとももったいない話です。 

 

一緒にいると心ぷかぷか

 

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