ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • NPO法人ぷかぷかの活動への寄付が横浜市の赤字を解消するのに役に立つ
     今朝の朝日新聞に下記のような記事がありました。      横浜市はなんと102億3千万円の赤字だそうです。ちょっとびっくりしました。  魅力ある返礼品がないのかもしれませんが、「魅力」は自分の思い一つで全くちがうものになります。おいしい肉よりも、豊かな未来の方が魅力あると感じる方もいます。そんな方はぜひ横浜サポーターズ寄付金http://www.city.yokohama.lg.jp/zaisei/kifu/ の中の市民活動を応援する「横浜夢ファンド」へご寄付願います。 希望する団体欄に「NPO法人ぷかぷか」と書けば、横浜夢ファンドからNPO法人ぷかぷかへ寄付が回ります。  NPO法人ぷかぷかは障がいのある人たちもない人たちも、お互いが気持ちよく暮らせる社会を目指します。 そんな活動への寄付が横浜市の赤字を解消するのに役に立つ、という一石二鳥の寄付です。   横浜夢ファンド 横浜市 市民活動推進基金とは  横浜市 寄附をお考えの方に ★寄付の申込書の希望する団体の欄に「NPO法人ぷかぷか」とお書きください。 横浜市 基金の活用   横浜市 税制上の優遇措置      
  • 詩を書くとき、頭に浮かぶのは、ぷかぷかさんたちの笑顔
     先日、ぷかぷかの近くの東洋英和女学院大学でぷかぷかさんと出会う前と、出会ったあとの自分の中の変化をテーマにそれぞれ短い詩を書き、それをみんなの詩にまとめるワークショップをやりました。 pukapuka-pan.hatenablog.com  それぞれの詩を、一度ばらばらの言葉にし、それをみんなの詩にまとめるという作業は、すごく大変です。でも、その大変な作業の中で、言葉を吟味したり、人と話をする中で、自分の体験が更に深まり、幅を広げます。そうやってできあがった詩は、みんなの体験、思いを表現していて、ひとつの「新しい価値」といっていいと思います。ぷかぷかさんとの出会いが、一つの「新しい価値」=詩を生み出したのです。来年1月27日の「表現の市場」の舞台で発表してもいいくらいの価値ある詩です。  詩を書いたり、それをまとめたり、できあがったみんなの詩をみんなで朗読したり、といったことは、おそらく初めての経験で、しかもそこにぷかぷかさんとの出会いの物語が絡み、すごく新鮮で、おもしろかったのではないかと思います。  できあがった詩を見てみると、ぷかぷかさんに出会う前は、障がいのある人たちに対して、「怖い」「近寄りたくない」といったとてもネガティブなイメージの言葉が並んでいます。ぷかぷかさんに出会ってからは、「心が穏やかになった」「あたたかい気持ちになった」など、ポジティブなイメージの言葉が並びます。ぷかぷかさんと出会うということが、どういうことなのか、一目でわかります。今回のワークショップは、ぷかぷかさんと出会うことの意味を、あらためてみんなで共有できたと思います。  学生さんたちの言葉を見ると、ぷかぷかさんに「何かやってあげる的」な、上から目線の言葉はありません。どこまでもフラットな関係の言葉です。一緒にいることで私たちが豊かになるような言葉です。こういう言葉こそが、ぷかぷかさんと一緒に新しい時代を作っていくのだと思います。  「共生社会」「共に生きる社会」は、こういう関係から始まるのだと思います。あーだこーだの議論ではなく、こういう関係を丁寧に作っていくことこそ大事だと思います。  ちなみに学生さんたちは石渡教授の「共生教育論」という授業を受けていた人たちです。その授業の4枠をもらって、こういう関係を作りました。第1回目は『Secret of Pukkapuka』(カナダで上映した映画)の上映と私の話、第2回目は『すごろくワークショップ』、第3回目は『演劇ワークショップ』、第4回目は『みんなの思いをまとめる一本の詩を作るワークショップ』です。  そのときの学生さんたちの感想が上がってきましたので、紹介します。 ・今回の授業では一人一人がぷかぷかさんとの出会いを詩に書き、それをいったんばらしたあと、一つの詩にするという内容でした。このような詩作は初めてで、本当にまとまるのか、最初は想像できませんでした。ですが、できあがってみると、自分の詩には考えられない広がりのある詩になり、とても感動しました。詩を朗読したときは、とても神秘的でなんとも言えない空間になって、心がほっこりしました。 ・みんなで詩を読んだり、作ったりするのは初めての体験でした。またみんなが作った詩を聞くのも楽しかったです。同じ体験をしていても、それぞれ思っていることがちがっていて、みんなの意見を聞くことができてよかったです。 ・初めて詩を書くのは、とてもむつかしかったけど、みんなが一人一人書いた詩がばらばらになって、一つの詩になるのがすごくステキなことだと思いました。 ・障害を持つ方と関わる機会はほぼ初めてだったので、この授業が始まる前は緊張していた。でも、ぷかぷかさんはとても心を開いて私たちに接してくれた。その人のことを詩にすることができてよかったと感じた。 ・一人一人が書いた詩をつなげて、こんな大きな詩になるんだと驚いた。このつなげた詩を見直すと、ぷかぷかさんとふれあった体験がよみがえってきた。 ・ぷかぷかさんたちとの思い出を、みんなで一つの詩にすることはとても楽しかったし、達成感がありました。ぷかぷかさんと出会えて、本当によかったとあらためて思うことができました。 ・最初にみんなで順に詩を読んでみて、心を込めて読んだり、音楽をかけて読んでみると、詩の印象が大きく変わることがわかりました。実際に自分で4〜5行の詩を書いてみて、一人一人ちがった詩だったけど、とてもきれいにまとまり、驚きました。どのグループも、はじめは障がいのある人のこと怖かったけど、ぷかぷかさんと会ってから、元気をもらえた、考え方が変わったなど、マイナスのイメージがプラスに変わったものが多かったです。みんなで一つの詩を作るのは初めてでしたが、楽しかったです。よい詩ができたと思います。 ・本日のワークショップ、みなさんと言葉を交わすことで、たくさんの思いにふれることができて、非常に勉強になりました。他のグループの詩もとても素敵でした。もっと時間をかけて、みなさんと詩を作りたいと思いました。ばらばらな言葉が一つにまとめることが、とても難しかったですが、一つにまとめたとき、本当に楽しかったです。 ・詩にすることで初めて気づくこともあり、先生もいっていたが、障がい者の人々に介護したりすることだけではなく、自分たちもぷかぷかさんに与えられているということに気づいた。みんなの思っていることも自分と同じだったり、わかり合えることも多かったです。 ・最初は何をやるのか全くわからなくて、戸惑っていましたが、声に出して詩を読んで、とても気分がよくなりました。声に出して読むということはいいことだと感じました。淡々と読むのではなく、気持ちを入れて読むことが大事だと思いました。 ・他の人の詩を組み合わせることで、一人の詩よりも、更に深い詩になった気がする。 ・詩なんて自分に書けるだろうかと不安だったけど、思ったこと、感じたことをそのまま書いてみた。グループでつなげてみると、似たような言葉や、気づかなかったことが書かれていた。一つの詩にまとめてみたら、なんと素敵な、すべての思いが入った詩ができて、心があたたかくなった。 ・今日は詩を作ると聞き、私は文才がないから書けないと思っていた。それぞれが書いた詩をグループで組み合わせた。みんなの作った言葉を組み合わせたことで、すばらしい詩ができあがった。 ・それぞれ感じた素直な感想を聞き、自分にはなかった感情などを共有することで、新たな気持ちを発見することができて、楽しかった。言葉をつなげることで、みんなの意見をより感じることができたので感動した。三つのチームそれぞれ全くちがった詩ができていて、自分にはなかった感情も共有できる作業だったので、おもしろかった。 ・詩を書いたことがなかったので、最初は戸惑いましたが、みんなの言葉を合わせるとよいポエムになったので、よかったなと思いました。詩の流れが変わる時に言い方を変えたり、気持ちを入れるのが大切だと感じました。 ・詩を作る(こんなに長い)のは初めてだったので、最初は不安だったけど、それぞれの思いがちがっていて、みんなの思いが聞けてよかったです。また、ぷかぷかさんとも一緒に詩を作りたいと思ったので、今度はぷかぷかさんを連れてきてください。 ・今回の授業は楽しみにしていた詩作りでした。詩を書いたり、みんなと言葉をつなげていくうちに、ぷかぷかさんとの思い出が浮かんできた。浮かぶ映像は笑顔や輝きだったので感動しました。素直に意見を述べてつなげることがどんなに重要なことか理解できた。  自分の言葉がばらばらになっても、一つにまとまることには驚いた。ポジティブな言葉、ネガティブな言葉、印象が変わる言葉など、それぞれでまとめていくのがおもしろかったです。  読むだけでも感動しましたが、音楽に合わせたり、個々の個性がつらなる音読で詩のイメージががらりと変わることがわかった。  中学校の時に詩にふれることが多く、懐かしく感じたのだが、大人になってあらためてふれてみると、より新鮮な印象でした。先生もおっしゃっていたのだが、集団詩の偉大さ、飾らずに正直にできあがったものが一番よいものになると感じた。 ・今日は一人一人作った詩を更にばらばらにして、それをまた集めて一つの詩にしたが、ふだんから詩を作ろうなんて思うことがないので、新鮮だった。ほかの人の言葉も使って一つの詩を作ると、一人では絶対にできない詩ができたと思う。 ・文章を考えることが元々好きだったので「4〜5行の詩を考えよう」となったとき、すぐ書くことができました。しかし自分の詩だけならまだしも、他の人の詩とつなげるとなった時、「人それぞれ考え方や文章の表現の仕方がちがうのに、一つの詩になるのだろうか?ちぐはぐになってしまうのではないか」と不安でした。でも、いざ作るとなって、みんなで提案し合いながら作り上げていくことで、みんなの気持ちのこもったとてもいいものになったと思います。 ・実際に思いを書き出してみると、みんなはこんな意見や思いを持っていたんだなと感じた。読み方や音楽が加わることで、またちがった印象で見えた。 ・グループで作る詩は、たとえ私の変な詩も、素敵な詩になり、みんなの心が一致した気分になった。 ・みんなの素直な感想がすべてつながって詩になるのがすごいと感じたし、とても思いのこもった詩に3組ともなっていて感動した。出会う前後で気持ちの変化があったことがわかった。また、音楽の効果が安らぎ感や思い出を振り返るような時間になっていると感じた。 ・詩をつなげるというのは初めての体験で、最初は戸惑いました。やっていくうちに友人の意見を聞くことができて、感じ方が様々でおもしろいなと思いました。場面が変わる瞬間の言葉など、感情を込めて読むことで、またいい味が出てきてよいなと思いました。個人で作るよりも、みんなで作った方が、よりよい意見が出てよかったです。素直な気持ちが出て、おもしろかったです。京都駅前の路上でやった劇の話を聞いて、驚きました。ワークショップで、そんなことができるなんてすごいと思いました。 ・みんなで詩を作るのは大変だった。並べ替えたり、間を置いて話すのも、簡単に見えて、意外と大変だった。詩を作るなんて十数年ぶりで、正直不安だったし、いやだったけど、人の詩を聞くのはおもしろく感じた。集団詩なんてものがあるとは知らなかった。「作らないことを意識しながら作る」という言葉がとても記憶に残った。 ・ポエマーになった気持ち。自分が「ぷかぷか浮く空にあるくもみたい」と書いたら、ほめられてうれしかった。  ・詩を作る体験も、読む体験もしたことがなかったから、とてもよい機会になった。更に個人の詩をばらばらにして、全員のものを合わせることはしたことがなかったので、楽しかった。 ・詩を朗読することは初めてだったが、自分が素直に感じたことをグループで話し合って、考えながらつなげていくというワークは、小学生の時以来、自分がやった記憶がなく、懐かしい気持ちになった。 ・「出会いとは必然」「出会いとは奇跡」とても素敵な詩が書けたと思う。 ・ぷかぷかさんがおっしゃっていた「飾らない自分」というのは大切だと思いました。今の自分に必要だと思いました。
  • それは 私たちの生き方
      1月27日(日)に第5回「表現の市場」を開きます。場所は横浜線長津田駅前みどりアートパークホールです。    相模原障害者殺傷事件から2年半がたちます。19人もの命が奪われるという大変な事件だったにもかかわらず、社会は何も変わっていない気がします。グループホーム建設をめぐって、「障害者はここに住むな」という建設反対運動にあい、立ち往生している現場に関わったことがありますが、反対の声の大きさに驚きました。障がいのある人たちの地域からの露骨な排除です。  「障害者はいない方がいい」と事件の犯人は言いましたが、グループホーム建設反対運動は「障害者はこの地域にいない方がいい」とはっきり言います。異質な人間を排除することで、地域社会は本当に豊かになるのかどうか、みんなが幸せに思える地域社会になるのかどうか、を今一度冷静になってみんなで考える必要があると思います。  ぷかぷかは「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」と言い続けています。それは彼らと一緒に生きていくことで、たくさんの豊かなものがそこから生まれるからです。  ぷかぷかさんと地域の人たちがいっしょにやっている演劇ワークショップは、その豊かなものを芝居の形で表現します。「表現の市場」の中で発表します。  ぷかぷかの舞台のとんでもない楽しさは、ぷかぷかさんと一緒に生きる関係から生まれたものです。この楽しさにふれると、彼らとはやっぱり一緒に生きていった方がいい、とあらためて思うのです。  ぜひぷかぷかの舞台を見に来て下さい。とんでもない楽しさにふれ、「ああ、やっぱりこの人たちって、社会にいた方がいいね」ってちょっとでも思っていただけたらすごく嬉しいです。更にふだんの彼らって、どんな仕事しているんだろうって、ぷかぷかのお店に来ていただけたら、もっと嬉しいです。おいしいパンがあります。おいしいお弁当、お惣菜があります。おいしい食事があります。心がほっこりあたたまるアートがあります。そして何よりもたくさんのぷかぷかさん達の笑顔があります。  ぷかぷかに、単なる福祉事業所を超えるものを見つけた人もいます。  音楽プロデューサーのFujikiさんは「ぷかぷかはアミューズメントパークだ」なんていっています。「楽しいや、びっくりや、ほっこりがあって、おいしいものがあって、アートショップやお土産もある。スピードものんびりもある。似顔絵を常時やったら、アミューズメントパークにありそうなものが全部そろってしまいます」と。「ぷかぷかさんと一緒に生きていこうぜ!」っていう「テーマパーク」なのかも知れません。ぜひ来てみて下さい。    「表現の市場」は、そのテーマパークをお店とは違う形で表現します。ロビーではぷかぷかの商品を販売します。ラブエロピースの演奏もあります。楽しいや、びっくりや、ほっこりがあって、おいしいものがあって、アートショップやお土産もあります。      「表現の市場」は「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方が絶対にいい」を舞台で表現し続けます。相模原障がい者殺傷事件の犯人のいった言葉「障がい者はいない方がいい」はまちがっている!と、毎年体を張って表現し続けるのです。  それは「障がいのある人たちと一緒に生きていく」という、私たちの生き方なのです。    問い合わせは045−453−8511 ぷかぷか事務所高崎まで  メールはpukapuka@ked.biglobe.ne.jp       鮮明なチラシはこちら pukapuka-pan.xsrv.jp                  
  • ぷかぷかさんとの出会いを一本の詩にしました。
      東洋英和女学院大学でみんなの思いを一本の詩にするワークショップをやりました。  ウォーミングアップで谷川俊太郎の詩「生きる」をみんなで朗読しました。   生きているということ   今生きているということ   それはのどが渇くということ   木もれ陽がまぶしいということ   ……  を、一人一行ずつ声を出して読みました。声を出して読む。ただそれだけで、心と体が、ほんの少し自由になります。   少しからだがあたたかくなったところで、ぷかぷかさんとの出会いを4〜5行の詩に書いてもらいました。出会う前はどうだったのか、出会ってからはどうだったのかを短い詩で表現してもらいます。  机の上ではなく床の上でやったので、みんな初めての体験で、どうかと思ったのですが、やり始めるとみんな集中して取り組んでいました。  個人詩ができあがった段階で一人一人発表すればよかったのですが、これに時間をとられると、次の集団詩を作る時間がとれなくなるので、発表を飛ばして、個人詩をばらばらにし、ばらけた言葉たちを組み立て直す作業に入りました。  なんとなく似たような言葉を集めていくのですが、50個近い言葉が並んでいると、似たような言葉を探すにも大変です。それで、なんとなく始めにあるといい言葉、終わりにあるといい言葉をまず探しました。次に物語が始まりそうな言葉、物語の中身を語る言葉などを探しました。 www.youtube.com  この時間が一番大変だったようです。たくさんの言葉たちとにらめっこするように、言葉の場所を変えたり、入れ替えたりの試行錯誤が続きます。お互いいろんな話ができたと思います。お互い話をする、というところがこのワークショップの大事なところです。話をすることで、できあがったみんなの詩が、チカラを持ちます。  みんなの詩ができあがったところで、壁に貼り、それを朗読します。 www.youtube.com www.youtube.com   最後の朗読は、もう少しゆっくりと言葉にふれながら読んでほしかったのですが、ま、初めてだったので、みんなの詩ができただけでもすばらしいことだったと思います。  いずれにしても、短い時間で自分たちの体験をまとめ、一本の詩に仕上げ、それを朗読するところまでいけたのはすばらしいことだったと思います。   「最初は怖かった」「近づきたくなかった」「不安だった」といったネガティブな言葉が並んでいるのですが、ぷかぷかさんたちと出会ってからは「我々にはないポジティブな世界」「ただただ自由なんだ」「楽しい気持ちになれた」といったポジティブな言葉に変わります。  学生さんたちは、ぷかぷかさんたちと本当にいい出会いをしたのだと思います。何かをやってあげる関係ではなく、自分の人生がもっと開いていくような関係ができたように思います。それが一本の詩から読み取れます。  いつもなら、このみんなの詩を元に芝居を作るのですが、今回は時間がなくて、詩を作るところで終わりました。機会があれば、ここから芝居を起こしたいと思っています。芝居にすると、詩にした世界がもっと自分のものになります。   この関係の中で、これからもっともっとおもしろいことができれば、と思っています。  創英大学では文化祭にぷかぷかさんが出かけていって一緒におもしろいことができればいいね、という話まで出ています。先日はクリスマス会をやりましたが、今度は文化祭で、よりクリエイティブなことをやりたいと思っています。    ★学生さんたちの感想は後日アップします。       
  • ぷかぷかさんたちが社会に必要な理由が、また一つ加わった気がします。
     第5期5回目の演劇ワークショップがありました。   ほら熊学校の校歌を歌いましたが、 歌いながらあらためて   なんでもいいから いちばんになれ   なんでもいいから いちばんになれ   なんでもいいから いちばんになれ ということばが目指す世界のむなしさを思いました。はじめはこのことばを超えるものをぷかぷかさんと一緒に作りたいと思っていましたが、彼らといっしょにワークショップをやっていると、なんだかムキになって作るほどのものでもないように思えてきました。  一番のきっかけは3回目のワークショップでした。そのときのブログにはこんなふうに書いています。  歌詞に「なんでもいいからいちばんになれ」とあるので、「大金持ちになるには、どうしたらいいか」を提案しました。「大金持ちになる」というのは、すごくわかりやすいと思ったのです。  ところがその目標に興味を持った人はほぼゼロでした。もっとほかのことで一番になりたいというのです。お金こそ一番価値があり、みんな共感してくれると思っていた私の浅はかさに、初っぱなから気がついたというわけです。  生産性はお金をどれだけ生み出すか、で測られます。お金こそ一番の価値であると社会のみんなが思っているからです。でも、ぷかぷかさんはそうじゃありませんでした。世の中、もっと大事なもの、大事にすべきものがあるんじゃないか、って。「大金持ちになる」という提案を、全然興味ないよ、っていわれて、あらためてぷかぷかさん達が提案する「価値」にこそ耳を傾けようと思いました。  南青山で児童相談所の建設に反対する人たちは「土地の価値が下がる」などといってますが、なんだかなぁ、とむなしくなります。なんでもいいからいちばんになれ、と、がんばってきた人たちのことばです。彼らは何を守ろうとしているのでしょう。何を大事にしようとしているのでしょう。  そういう価値観とは全く関係ないところで生きているぷかぷかさんたち。だから彼らの周りには、ホッとするような空気感にあふれているのだと思います。  舞台では目の青いミツバチたちが、「なんでもいいからいちばんになれ」というほら熊学校の方針とは全く関係なく、ぶ〜んと飛び回っています。  この目の青いミツバチこそ、「なんでもいいから いちばんになれ」と追いまくられている社会にあって、マイペースで生きるぷかぷかさんたちではないかと思います。  「こんなに素直に生きてていいんだ、と気づくことができました。」 は、ぷかぷかさんといっしょに演劇ワークショップをやった学生さんの感想です。ほんの1時間程度のワークショップでしたが、学生さんはぷかぷかさんと出会い、自分の人生を振り返る機会になりました。  南青山の人たちも、ぷかぷかさんのような人たちと出会う機会があれば、もう少しちがうことばが出てきたのではないかと思います。  ぷかぷかさんたちが社会に必要な理由が、また一つ加わった気がします。  演劇ワークショップの発表会は来年1月27日(日)午後2時からみどりアートパークホールで開かれる「表現の市場」で行います。  
  • みんなの思いを一本の詩にまとめるワークショップ
      この一ヶ月くらいで 東洋英和女学院大学で授業を3コマもらって上映会とぷかぷかの話、双六ワークショップ、演劇ワークショップをやりました。そのときの学生さんたちの感想がすばらしかったので、その感想をみんなが共有できるような一本の詩にするワークショップを明日やります。みんなの感想が一本の詩にまとまれば、絵本の手がかりがつかめます。  まず一人一人がぷかぷかさんと出会う前と、出会ってからの自分の変化を4〜5行の詩にします。出会う前は障がいのある人たちをどんな風に見ていたのか、出会ってからはどうなのか、彼らを見る目が、自分の心がどんな風に変わったのか、これからどんな関係を作っていきたいか、などを短い詩で表現します。  たとえば     障がい者はいやだった   怖くて近寄れなかった   でも、ぷかぷかさんと知り合って   少し心がなごんだ   一緒に楽しいことやりたい   という感じで、ぷかぷかさんに出会う前と、出会ったあとの心境の変化を短いことばで表現します。この詩を一行ずつ切り離します。10人のグループであれば、10人分のばらばらになったことばが集まります。  ことばたちをシャッフルします。仮に一人5行書いたとすると、10人で50のことばがばらばらになって集まります。そのことばたちを似たような要素で分けていきます。  一本の詩にまとめることを考えたとき、なんとなく始めに来ることば、終わりの方に来ることば、なんとなく新しい物語が始まりそうなことば、物語の展開が見えるようなことば、ほっこりあたたかい気持ちになれることば、風景が見えるようなことば、わくわくするようなことば、人生にふれるようなことば、新しい未来を感じるようなことば、といった感じで、ことばたちを分けていきます。  みんなで話し合いながら分けていきます。一つのことばを巡って、それをどう解釈するか、お互いの思いを語り合います。お互いの違いが見えてきます。共有できる思いも見えてきます。このみんなで話し合う時間がとても大切です。今までただ一緒に授業を受けていただけの関係から、新しいものを一緒に作る関係になります。このワークショップの、一番のキモの部分です。  何よりも、そういう関係の中でできあがった詩は、個人で作った詩の何倍もの力を持ちます。そのことをできあがった段階で、みんなで感じることができます。このみんなの詩の力がみんなの背中を押します。  こういう力ある詩を生み出すのが、ワークショップのいう場のすばらしいところです。    要素ごとに集めたことばを模造紙に張り出します。張り出す順番も考えます。順番を考える中で、全体のストーリーが見えてきます。  壁に貼りだした詩を朗読します。まずは一人一行ずつ声を出して読みましょう。聞き手にことばを届けるつもりで声を出します。ことばに思いを込めます。ことばを声に出したとき、目で見るだけだったことばが、少し違う感じで体に入ってきます。それがことばにふれる、ということです。それをしっかり感じ取りましょう。  聞き手の側も、目で見るだけだったことばが、声になって届くと、どんな風に聞こえるか、耳を澄まして聞きましょう。  声に出して読む側も、その声を聞く側も、いつものことばが、人の肌を感じるような生きたことばとして行き交うことを経験できると思います。ことばは声に出すことで、生きたことばとして人と人を結びます。  朗読することで、詩は体温を持ち、むくむくと生き始めるのです。  今までばらばらだったみんなの感想が、ワークショップを通して、みんなが共有できる思いとしての詩が立ち上がることになります。  詩は、学生さんとぷかぷかさんの出会いの物語です。  この詩を体で表現すれば、そのまま芝居になります。でも、今回は時間がないので、朗読するところまでにします。    第2期演劇ワークショップでは「みんなの《生きる》」という詩を作ったのですが、そのときの記録です。 pukapuka-pan.hatenablog.com         
  • 授業を受けている時の表情よりもずっと素敵です
     創英でクリスマス会をやったときの写真を授業を担当している平野先生に送ったところ、  「学生さんたちの笑顔が、授業を受けている時の表情よりもずっと素敵です」 とメールがありました。  これって、なんなんだろう、と思いました。ぷかぷかさんが何かやったわけではありません。ただ普通に接しただけで、こんな笑顔にみんななったのです。  やっぱりこれは、ぷかぷかさんたちの「魔法のチカラ」としかいいようがありません。  笑顔は、幸せな人生そのものです。ですから、みんなをこんなふうに笑顔にするぷかぷかさんは、やっぱり社会に必要な存在なんだと思います。  共生社会を作ろうとか、共に生きよう、とか、ごちゃごちゃ言わなくても、こうやって一緒に楽しいことをやれば、みんなが笑顔になれるのです。そういう機会をこちらがお膳立てするのではなく、学生さんたちが自主的にやった、ということが、今回すごくよかったと思います。自主的にやりたくなるようないい関係ができていたことが大事です。
  • 創英でクリスマス会
     ぷかぷかの近くの創英大学でぷかぷかさんを招いてクリスマス会がありました。今まで障がいのある人たちとほとんどおつきあいのなかった学生さんたちが、ぷかぷかさんたちを招いてクリスマス会をやる、というのはすごいことだと思います。  創英大学では講義のコマを3コマいただき、上映会と私の話、双六ワークショップ、演劇ワークショップを行い、それと平行して学生さんそれぞれの都合のいい日に3日、ぷかぷかに体験実習をしに来てもらいました。その流れの中でぷかぷかさんととてもいい出会いをして、クリスマス会の企画が持ち上がりました。ぷかぷかさんたちと楽しい時間を一緒に過ごそう、という企画です。  よくある、彼らのためにクリスマス会をやるのではなく、一緒にやると楽しいから、という理由がすごくいいと思います。ほんのまだ一ヶ月ちょっとのおつきあいですが、ぷかぷかさんておつきあいするとすごく楽しい、という思いがみんなで共有できていたのだと思います。  「今日はイエスキリストの2018回目の誕生日をお祝いする会です」 という辻さんの開会宣言とUSAの歌で、いきなり盛り上がりました。 学生さんたちの考えた双六ゲームをやりました。 クリスマスカードの交換をしました。  こんなすばらしい関係ができたので、この関係の中で新しいものを作り出せたら、と思っています。たとえばぷかぷかマルシェで、学生さんとぷかぷかさんが一緒にお店を出すとか、創英の文化祭に学生さんとぷかぷかさんで一緒に何かを作って出すとか、クリエイティブな関係ができたら、と思っています。  来年1月半ばには、ぷかぷかさんと出会ってからの学生さんそれぞれの思いを一本にまとめるようなワークショップをやる予定です。みんなの思いをうまくまとめられたら、絵本の手がかりが見つかります。  いずれにしても、今後が楽しみです。
  • ぷかぷかはアミューズメントパーク
      音楽プロデューサーのFujikiさんは「ぷかぷかはアミューズメントパークだ」といいます。「楽しいや、びっくりや、ほっこりがあって、おいしいものがあって、アートショップやお土産もある。スピードものんびりもある。似顔絵を常時やったら、アミューズメントパークにありそうなものが全部そろってしまいます」と。  そうか、ぷかぷかは「ぷかぷかさんと一緒に生きていこうぜ」っていう「テーマパーク」なのかと思いました。  ぷかぷかさん達が日々生み出すとんでもないおもしろさは、いわゆる福祉事業所の概念から見ていると、そこから大きくはみ出すものばかりです。福祉などという視点から見ていると、たくさんの新しい価値を見落としてしまいます。  Fujikiさんはpvプロボノというプロの映像スキルを持った人たちのグループで音楽プロデューサーをやっている人です。映画『ぷかぷかさんカナダをゆく』のエンディングの音楽をブラッシュアップしてくれた方です。私はそのエンディングの場面で涙が流れてしまいました。ぷかぷかさんがいることの幸せ感が、音楽に乗ってわ〜っと押し寄せてきて,もう涙が止まらなかったのです。Fujikiさんはそういう幸せ感を表現するのがものすごくうまい人だと思いました。何よりも幸せ感を大事にする人です。  Fujikiさんは福祉の人ではないので、私たちとは全く違う視点でぷかぷかさんを語ります。昨日は演劇ワークショップでぷかぷかさんが歌う歌を録音しに来ました。  ぷかぷかさんの歌をCDに焼き付けて世界に向けて発信しよう、なんとことおっしゃっていたので、CDにするなんて、ぷかぷかさんの歌はそんなレベルじゃないですよ、なんて言ったのですが、Fjikiさんは「ぷかぷかさんの歌はこんなの聴いたことない感に溢れているからお客さんも音楽家もフタッフもおいみんな集まれ、これやっべーぞ、って感じです。」といいます。  「こんなの聞いたことない感にあふれている」「だからみんな集まれ!」という評価は、ぷかぷかさんの歌の評価,一般的に彼らを見る評価を全くひっくり返します。  「こんなの聞いたことない感にあふれている」ことが、そのまま新しい価値なんだと思いました。目からウロコ、でした。  「ぷかぷかはアミューズメントパーク」という言葉も、そういう今までにない目線から出てきた言葉だと思います。ぷかぷかの生み出す新しい価値がここから見えてくるのかも、と思いました。  
  • 本の表紙が決まりました。
     先日、本の編集者、デザイナーと打ち合わせをしました。  この写真、ぷかぷかが作ってきた関係がよく見えるような写真なので、表紙に使いたいということでした。  これは「木とアートする」のワークショップの時の写真ですが、ここにはぷかぷかさんたち、地域の人たち,それにスタッフがフラットな関係で写っています。今、この時を一緒に楽しんでいます。  私は相模原障害者殺傷事件に関するブログを90本ほど書いていますが、書いていく中で気がついたことがあります。犯人がぷかぷかのように障がいのある人たちと一緒に生きていく関係、一緒に一日を楽しむ関係の中で仕事をしていれば、事件は起こらなかったのではないか、ということです。それはまた支援の現場の、当事者との関係性を問うものでもありました。  もし犯人がこの写真のような関係性の中で仕事をしていれば,事件は起こらなかったはずです。    その写真をあえて表紙で使うのは、ぷかぷかが作ってきた障がいのある人たちと私たちとの関係性がよく見えるからです。そしてこのフラットな関係の中からたくさんの物語が生まれました。この本はその物語たちを書き綴ったものです。  本のメインタイトルは『今日もせっせと街を耕して』、サブタイトルは『pukapukaな物語』の予定です。メインタイトルはぷかぷかさんに描いてもらうのがいい、とデザイナーさんはいってました。  完成は3月の予定です。      
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