ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • 花岡さん自身が舞台を楽しんでいる
     花岡さんが「表現の市場」の舞台にhanaちゃんといっしょに立った話を書いています。  ameblo.jp 《 大きな覚悟を持って社会に出て行くことと同じなんだ。  hanaの重みは、もうhanaだけではなく、色んなものを背負っている重みなのだと。》    確かにそうだと思いますが、そういったものを超えて、花岡さん自身が舞台を楽しんでいる、というところが大事だと思います。だから舞台があんなに楽しい。大きな覚悟だけでnahaちゃんを背負っていては、見る方もしんどくなります。  昔教員をやっていた頃、子どもたちとやる芝居にお母さんたちを巻き込んだことがあります。そのときお母さんたちにいったのは、 「お母さんとしてここに立つのではなく、お母さんを取っ払った一人の人間としてここに立ってほしい。そうしたとき、初めて舞台の上で子どもたちと出会えます」  いつもいつもずっとお母さんでいて、自分を忘れている気がしたからです。それを舞台に立つことで思い出してほしかったのです。  ちょうどその頃体育館の舞台ではなくプレイルームを占拠して「芝居小屋」という自由な空間で子どもたちと芝居をやっていました。お母さんたちもいっしょに立つ機会を作りました。 pukapuka-pan.hatenablog.com  
  • 本番前日
     本番前日の練習風景です。だんだん盛り上がってきています。場が熱くなってきているのです。ここがぷかぷかのワークショップのいいところです。今回も、どうなっていくのか、先が見えず、はらはらしながらの進行でしたが、発表前日になって、ようやく全貌が見えてきました。   蜘蛛の場面の影絵のところで使う小道具たち 目の見えないカゲロウがやってきます。いい雰囲気出しています。   カゲロウは蜘蛛に食われる前に「あはれやむすめ、父親が、旅で果てたと聞いたなら」と哀れな声で歌い始めます。   その後、蜘蛛は赤い女の蜘蛛と結婚します。 影絵ではこんな表現になります。 たくさんの子どもが生まれました。 舞台ではこんな風な表現になります。 オオカミの頭            
  • 芝居には日々の輝きが
    『pukapukaな時間』2号にこんなページがあります。  「表現の市場」で発表するぷかぷかの芝居は、ぷかぷかさんといっしょに丁寧に作り出した、一日一日の積み重ねの上にできあがったものです。ですから、日々の輝きが、芝居にはいっぱい詰まっています。  彼らといっしょに創り出す日々の輝きこそが、相模原障がい者殺傷事件を超える社会を作っていくのだと思います。あーだこーだの議論の果てに、新しい社会があるわけではありません。障がいのある人たちといっしょに、黙々といい一日を作り続けること、そのことの果てに、新しい社会があります。    相模原障がい者殺傷事件の犯人は「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」「障害者は生きる価値がない」などと言いました。私たちが舞台に上げる芝居は、それらのマイナスの言葉を超える世界をにぎやかに表現します。  「おまえのいってること、おかしいよ。見ろよ、このにぎやかで、楽しい世界を!」って。  事件を超える、前を向いた世界を、障がいのある人たちといっしょに舞台の上で表現するのです。   
  • 子供達を連れて行っても気遣わないでいられるから
     演劇ワークショップに親子4人で参加している方の感想です。お母さんとお子さん二人はミツバチのダンスをやりました。 ●●  はじめは、このお話の意味するミツバチらしさを、どう表現するのか全く想像がつきませんでした。  あの短時間で、先生のお話に引き込まれているうちに次々とダンスが出来上がっていき、出演者それぞれがそのままミツバチになっただけというか、大人だったり、子供だったり、ダンスが得意だったり、表現力豊かだったり、子連れだったり、全部を通してそのままの個が尊重されてる気がしました。  個々の表現がそのままどんどん場面に組み込まれていって、左右のグループに分かれて踊る所は、誰の踊りが一番と主張し合うのではなく、お互いの考えた踊りをマネし合っている所が、お互いを認め合っている様にも感じました。  先生が、ダンスを作る段階でそれを自然と盛り込んでしまっているところがすごいと思いました。  このお話の設定のミツバチの様に、型にはまらない、自由なダンスが出来上がって楽しかったです。  ななは自分の自由な表現が出来た事も嬉しかった様でした。りょうやも珍しく脱走する事も少なく(笑)楽しそうに参加していました。 www.youtube.com  私が真ん中でやる役になり、りょうやが本番でどういう動きをするか分からないので、それが心配だと、先生にお伝えしたら、先生が(はっきり覚えていないのですが)「みんなで見るから大丈夫」という様な事を仰って下さった時、同時にその場にいた他の方達も自然に同じ事を仰って下さったのが嬉しくてありがたかったです。  以前、主人に、私がぷかぷかが好きなのは「子供達を連れて行っても気遣わないでいられるからなんだろうね。」と言われた事があります。  うちの子供達は人一倍、好奇心旺盛なので、外に行くと私はヒヤヒヤして目が離せないのですが、ぷかぷかでは、自由にさせていてもいつも皆さん温かく見守って下さるので、元々自分自身にとって居心地のいい場所ですが、子供達にとっても、親の立場としても、優しい場所なのだと思います。  それを、お芝居を作る過程で自然と作り出したのでしたらすごい事ですね。   1月27日(日)親子で舞台に立ちます。
  • 新しい文化が生まれます。
      今度の日曜日1月27日(日)は午後2時から第5回表現の市場です。障がいのある人といっしょに作り出す「表現」の「市場」です。彼らのパワーあふれる表現には、いつも圧倒されます。彼らのチカラは、「あれができない、これができない」「社会のお荷物」「生産性が落ちる」といった障がいのある人へのマイナス評価を一発でひっくり返します。  そしてここから新しい文化が生まれます。彼らは社会にいた方がいい、彼らが社会にいることで、社会は豊かになる、という文化、圧倒的に多い彼らに対するマイナスの評価に対して、彼らは「プラスの価値」を持っているという文化。そういったものを舞台で表現します。  相模原障がい者殺傷事件の犯人は「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」といい、それを支える社会の空気があります。障がいのある人たちを社会から排除する文化です。彼らを排除することで、社会を息苦しくしている文化です。  それに対し、私たちは「障がいのある人たちはいた方がいい」「彼らがいることで社会は豊かになる」「障がいのある人たちは、周りの人たちを幸せな気持ちにさせる」といった思いを舞台で表現します。障がいのある人たちを社会から排除しない文化です。社会をほっこりあたたかなものにする文化です。  そういったものを目に見える形で舞台で表現します。  相模原障がい者殺傷事件の犯人の言葉を批判することは簡単です。でも、いくら批判しても、事件を生み出した社会は変わりません。大事なことは、犯人の言葉を超えるものを、実際に障がいのある人たちといっしょに創り出すことです。障がいのある人たちとクリエイティブな、新しい関係を創り出すことです。表現の市場の舞台は、まさにそのための舞台です。 鮮明なチラシはこちら pukapuka-pan.xsrv.jp  表現の市場および6ヶ月にわたる演劇ワークショップをやるために、200万円を超える経費がかかります。助成金、参加費などで約180万円のお金が集まる予定ですが、まだ30万円ほど足りません。ぜひみなさまのお力を貸してください。当日はカンパ箱なども用意しますが、当日来られない方、遠方の方は、下記口座をご利用ください。  ●郵便振替口座 口座記号 00260-4  口座番号 97844         加入者名 NPO法人ぷかぷか ●ゆうちょ銀行 NPO法人ぷかぷか 記号:10230  番号:19645501  ●横浜銀行 NPO法人ぷかぷか 理事長高崎明         支店名 中山   口座番号 1866298
  • オペラ『ロはロボットのロ』をまたやります。
     この夏、子どもたちに本物のオペラをプレゼントしようと思っています。オペラシアターこんにゃく座のオペラ『ロはロボットのロ』という、すばらしく楽しいオペラです。このオペラ、子どもたちに大好評で、今回で3回目の公演です。  ドキドキ、わくわくが止まらない、恋と冒険の物語。    子どもたちにオペラをプレゼントする,というのは、おもちゃやお菓子をプレゼントするのとは、全く意味合いが違います。オペラはひとときの夢の世界です。それを子どもたちにプレゼントするというのは、何かこう、企画自体に夢があるというか、わくわくします。  ひとときの夢の世界を子どもたちに楽しんで欲しい。それをすると何かが変わるとか、何かリターンがある,というわけではありません。ほんのひととき、夢の世界を子どもたちが、思いっきり笑顔で楽しむ、ただそれだけです。ただそれだけのために、子どもの好きな大人たちで汗をかきたい。そういう企画です。    オペラ『ロはロボットのロ』は1ステージ80万円ものお金がかかります。わずか2時間ちょっとの、ひとときの夢の世界を80万円で買うのです。そして「さぁ、思いっきり楽しんで」って子どもたちにプレゼントするのです。  たくさんの、とびっきりの笑顔が見られます。    上演後、歌役者さんたちと握手、握手   魔女は子どもたちに大人気    子どもたちにひとときの夢の世界をプレゼントしたい方、子どもたちのために汗をかきたい方、募集します。詳しくは後日ぷかぷかのホームページで発表します。                        
  • 詩に命が宿った感覚になった
     ぷかぷかの近くの東洋英和女学院大学でぷかぷかさんとの出会いを「みんなの詩 」にまとめ、それを朗読するワークショップをやりました。「みんなの詩」を作った日に、とりあえずそれを朗読しましたが、今回はもう少し丁寧に朗読しました。  前回は立ったままで読みましたが、今回は歩きながら読んでみたり、座ってみたり、読むときに表情を作ったり、声のトーンを変えてみたりしました。そのことで、詩の印象がどんな風に変わるか確かめてもらいました。  そうやって、言葉に丁寧にふれる、という体験をしました。それはとりもなおさず、ぷかぷかさんとの出会いを、いつもとはちがう方法で振り返ることになります。  詩は丁寧に朗読することで、読み手と聞き手の間で、むくむくと生き始めます。みんなの体験が、生きた言葉として、人に伝わるのです。  授業が終わったあとの感想に    《 詩に命が宿った感覚になった。》    というのがありましたが、むくむくと生き始めた言葉をしっかり受け止めたのですね。  「共生教育論」という、福祉の授業です。その中で、こんなにも深い言葉が出てきたこと、それがすばらしかったと思います。         ぷかぷかさんたちとの出会いを、朗読の中ではっきりと追体験した人たちもいました。   《 ぷかぷかさんと出会う前はみんなよいイメージを持っていなかったから、声のトーンを低くしたり、座って読んだりしました。出会ってからは彼らのよい面にたくさんふれられて、明るいイメージになったことをうまく体と声のトーン、表情で表現できたと思います。  私がよいなと思ったのは「いっしょに笑うこと」という文では、みんな目を合わせて笑顔になったり、手を繋いでみたりして読んだことです。》      ぷかぷかさんたちの自由さに、自分たちが助けられていたことに気がついた人もいました。   《 大勢の中で演技することはとても恥ずかしくて、照れくさかったです。ぷかぷかさんたちがいれば、恥ずかしさが少し消えるなーと感じました。》      いずれにしても、ぷかぷかさんとの出会いが、学生さんたちにこんなにも豊かな時間をプレゼントした気がしています。それぞれが体験したことを詩に書き、それをみんなの詩としてまとめ、更にそれを思いを込めて朗読する。すべてぷかぷかさんとの素敵な出会いが出発点です。その出会いがなければ、こんなにも豊かな時間を学生さんたちが持つことはなかったと思います。  障がいのある人たちとの関係を、こんなふうに豊かなものに変えていく試みを、もっともっとあちこちでやった方がいいと思います。   みんなの詩 第Ⅰグループ      ぷかぷかさんと 出会う前 分かり合えるか不安だった     どのように接していくか 最初は心配だった はじめは不安だった       何をするか分からない 未知の世界だった 緊張とワクワク     どのように接したらいいか はじめは分からなかった     近寄りがたかった そんな彼らが怖かったけど     手をつないだ時 印象が180度変わった 温かさ 伝わってきた     言わば奇跡  互いを理解しようと努力した     出会いとは偶然ではなく 出会いとは必然     出会ってみると 触れることで あたたかい気持ちになって   ハイタッチ効果 予測不可能だからこそ わくわくした すごく自由な人たちだった 仲間になった 人と関わる 楽しさを知った 楽しいと思える瞬間があった  彼らはおもしろい ぷかぷかさんと出会えて よかった 出会いに感謝   第Ⅱグループ      出会う前は どこか避けている自分だった     障害者は怖かった 相手にしたくなかった 不安でいっぱいだった     どんな人が来るか とても緊張していた     でも ぷかぷかさんに出会って それは変わった     自分らしく 自由な心で 素直な生き方 ありのままの姿     優しい方ばかりで 知らないことを知って 理解して 考えてみた       よりよい世の中とは 一緒に笑うこと 楽しく過ごす     関わってみて 心が穏やかになった 元気付けられた     ぷかぷかさんと接して 楽しかった 楽しい気持ちになれた     お互いのことを もっと知りたくなった 教えたくなった     思い出ができた 自由で様々 みんないい    第Ⅲグループ     最初はこわかった 出会ったことでなくしてくれた     近づきづらい イメージがあった     壁のようなものを感ずるが 分かり合えた     出会う前は むずかしそう     最初は不安だった 近づきたくなかった     出会ってすぐのハイタッチ 「よろしくね」「仲良くしよう」     怖いとかじゃない 身近になった     ぷかぷかの人との出会いが 楽しい時間     人との関わりの中で 知らなかったことが 思い出せた日々     我々にないポジティブな世界 ただただ自由なんだ     かざらなくてよい とても素直な笑顔がたくさん     生まれるものは 「素直」ということ        たくさんの優しさ ぷかぷか浮く 空にある雲みたい      全ての人が 繋がる世界へ      
  • たかが直感、されど直感
     先日、福岡でやったワークショップに参加した方の感想です。ぷかぷかに対するこんな評価いただいたのは初めてです。あらためてぷかぷかが創り出してきた新しい価値を思いました。 indigohorizon.info  私は戦略を立てて事業を進めてきたわけではなく、「気色悪い」に代表される直感や思いつきでぷかぷかを作ってきました。今のぷかぷかの雰囲気は、この「気色悪い」という直感から始まったといっていいと思います。たかが直感、されど直感なのです。  障がいのある人たちが自分らしく働ける場を作ろう、といって始まったわけではないのです。そういう正しい、美しい思いでは、多分今の泥臭いぷかぷかはできなかっただろうと思います。  そもそも私には福祉を始めよう、という思いは全くありませんでした。どこまでも惚れ込んだ彼らといっしょに生きていきたい、そのための場を作ろう、という思いだけでやってきました。だからこそ、今までの福祉では語れないようなおもしろい場ができたのだと思います。    最近関わり始めたぷかぷかの近くにある東洋英和女学院大学では石渡先生のやっている「共生教育論」で5コマもらい、私の授業をやりました。石渡先生は福祉の業界ではとても有名な方で、相模原障がい者殺傷事件で神奈川県の事件検証委員会の委員長を務めた方です。そんな先生の授業を受けている学生さんたちが、私の授業を受け、ぷかぷかさんたちと出会い、ぐんぐん変わってきました。  授業のあと、自分の人生を振り返るような感想がたくさん出てきました。今まで石渡さんがやってこられた従来の福祉の授業では、多分出てこなかった感想です。私を語るような感想です。  学生さんの変わりように、石渡先生がびっくりし、最初3回の授業予定が5回まで伸び、とにかく自由にやらせてもらいました。  最後の2回はぷかぷかさんとの出会いを詩に書き、それをみんなの詩としてまとめ、それをお互いの前で朗読しました。こんなことは従来の福祉の授業では絶対にやりません。  最後の朗読の授業のあと、「劇団四季の気分で楽しかった」と感想を書いた学生さんがいました。授業の中で「自分を開く」あるいは「自由になる」ような体験をしたのだと思います。  ぷかぷかさんとの出会いは、そんな風に人を自由にするものを持っているのだと思います。それを授業の中で実感できたのだと思います。  障がいのある人たちは、人を自由にするチカラを持っている、ということです。  授業の名前は「共生教育論」でした。学生さんたちは、いっしょに生きていった方がトク!ということを学んだと思います。この学びが今後どんな風に発展していくのか、楽しみなところです。    
  • ほんまにうまくできるんか、とはらはらしながら…
    第五期演劇ワークショップの6回目。 青い目のミツバチたちの踊りを作るためにプロのダンサー伊藤多恵さんに来てもらいました。 www.jafra.or.jp  ほらくま学校の「なんでもいいからいちばんになれ」の目標にみんな振り回されている社会にあって、青い目をしたミツバチたちは全くマイペースで日々を送っています。  赤い手の長い蜘蛛と、銀色のナメクジ、顔を洗ったことのない狸がそろってほらくま学校を卒業し、謝恩会などをやりながらも、腹の中ではお互い  「へん、あいつらに何ができるもんか、これから誰たれがいちばん大きくえらくなるか見てゐろ」 と思っていました。かたくりの花の咲く春です。  《ちゃうどそのときはかたくりの花の咲くころで、たくさんのたくさんの眼の碧あをい蜂はちの仲間が、日光のなかをぶんぶんぶんぶん飛び交ひながら、一つ一つの小さな桃いろの花に挨拶あいさつして蜜みつや香料を貰もらったり、そのお礼に黄金きんいろをした円い花粉をほかの花のところへ運んでやったり、あるいは新らしい木の芽からいらなくなった蝋らふを集めて六角形の巣を築いたりもういそがしくにぎやかな春の入口になってゐました。》  赤い手の長い蜘蛛が、なんとか一番になろうとがんばってがんばって巣をどんどん広げ、えさをとりまくり、ため込みすぎたえさがどろどろに腐って、蜘蛛もいっしょに腐って地面に落ちてしまいます。つめくさの花の咲く夏です。  《ちゃうどそのときはつめくさの花のさくころで、あの眼の碧あをい蜂はちの群は野原ぢゅうをもうあちこちにちらばって一つ一つの小さなぼんぼりのやうな花から火でももらふやうにして蜜みつを集めて居りました。》  銀色のナメクジは、やってきたかたつむりをとトカゲを相撲で投げ飛ばしたり、うまいこといって食べてしまいます。ぐんぐん大きくなって、カエルが来たときも相撲で投げ飛ばすのですが、塩をまかれ、溶けてしまいます。蕎麦の花が咲く秋でした。  《さうさうこのときは丁度秋に蒔まいた蕎麦そばの花がいちめん白く咲き出したときであの眼の碧あをいすがるの群はその四っ角な畑いっぱいうすあかい幹の間をくぐったり花のついたちひさな枝をぶらんこのやうにゆすぶったりしながら今年の終りの蜜みつをせっせと集めて居りました。》  顔を洗ったことのない狸は「山猫大明神様の思し召しじゃ」とか、うまいこといってウサギとオオカミを食べてしまいます。オオカミが持ってきたもみの袋も食べてしまい、そのもみがおなかの中でどんどん育ち、おなかが破裂します。冬の始まりの頃でした。  《このときはもう冬のはじまりであの眼の碧あをい蜂はちの群はもうみんなめいめいの蝋らふでこさへた六角形の巣にはひって次の春の夢を見ながらしづかに睡ねむって居りました。》  この、春、夏、秋、冬の場面のミツバチたちの踊りを考えました。  伊藤さんは季節ごとのちょっとしたエピソードを拾い上げ、一人一人から表現を引き出していきます。  たとえば春の場面で 《日光のなかをぶんぶんぶんぶん飛び交ひながら…》の「ぶんぶん」はどうする? 《一つ一つの小さな桃いろの花に挨拶あいさつして蜜みつや香料を貰もらったり》の「もらったり」波動する?  と、みんなに聞き、アクションで返してもらいます。そのアクションを今度はみんなでやります。そういったことを繰り返しながら、その場面での振り付けをどんどん作っていきます。わずか2時間足らずで春、夏、秋、冬の場面の振り付けを作ってしまいました。  この振り付けにチェロとピアノが入ります。チェロは日本フィルハーモニーの江原さん、ピアノはオペラシアターこんにゃく座の湯田さんです。春、夏、秋、冬を同じ楽譜でイメージを変えて即興で演奏してくれました。 www.youtube.com 花岡さんの感想です。 久々にダンスなるものをやりました。 講師の振り付けをひたすら覚えるダンスしか経験なかったので、   ブンブンはどうする? もらうはどうする? あげるはどうする?   とみんなで考えた振りをつなげてダンスにしてしまう流れがとっても楽しかったです。 面白い振りを考えるのには、結構自信がありましたが、 二見さんの振り付けが、もう天才的に面白く、どう頑張っても、逆立ちしてもマネできないレベルでとっても悔しかったです笑            ●● 金沢から参加した菊池さんは ダンスつくるプロセス。あんなに自由にそれぞれの内から出てくる動きをつなぎ合わせて。 個人から出た動きをみんなの動きに変化させるマジックみたいでした。 ●●  今回初参加のMiyanoさんは ダンス、とにかく楽しかったです。もともとダンスには苦手なのですが、ひたすら楽しくできました。うまくやらなきゃ、とかいいとこ見せなきゃ、という気持ちを持たずにできたからかと思います。それもやはり、ミツバチチームボルトさん、いくちゃん、さらにななちゃんのおかげです。全力で取り組んでいたので、私もただ全力で楽しむことができたんだと思います。朝、ゆみっちさんに会ったとき、ずっとやってたいくらい楽しいよと言われたのですが、本当にそうでした。 他のチームも、1人ひとりの存在がすごい・・。 改めて、表現するってどうゆうことか、考えてしまいました。 あまりに楽しかったので、来週のワークショップも参加できるように調整しております。  ●●  蜘蛛の場面はデフパペットシアターひとみの人たちとの影絵とのコラボになります。 子どもの蜘蛛たち 怪しい山猫大明神のお祓いの練習 ダンスの打ち合わせ ちょっと休憩 音楽ディレクター藤木さんと 金沢から参加した菊池さんの感想です。 ●● 今回で2回目の参加でしたが、 練習回数が残り少ないをわかっていたので、ちょっとした焦りも漂う雰囲気を感じていました。 自分らしさというか、お茶目さなのか。それぞれなぷかぷかさん達をみていて、本番を経験したことのない私は、正直 「このままでいいの?!」 というきもち… それでも、ワークショップが終わる頃には失敗とか成功ではなくて、今、この場に様々な人がいることが、まず素晴らしいことなんだ。 と思いました。 ずっと近くにいて、お昼ゴハンも一緒に食べようと誘ってくれたぷかぷかさんと関わる中で、ぷかぷかさん達だけじゃなく、参加しているみんなや観てくれる人でつくるのが 「表現の市場」なのかもしれない。 “私たちが共に在るという表現” それは、ぷかぷかさん達と一緒じゃないと完成しないよなぁ。 と思います。 …そうだとしても、何十人という多様な人を一緒にステージに立たせようとする高崎さんたちのパワーを感じずにはいられませんでした。  ●●   26日にもう一回ワークショップをやり、27日午前中舞台でリハーサル、午後本番です。ほんまにうまくできるんか、とはらはらしながら先へ進めるこの時期が一番楽しいです。  27日「表現の市場」で発表します。 n                              
  • NHKラジオ深夜便
     2016年12月16日にNHKラジオ深夜便で放送した「明日への言葉《障害者の力をビジネスに》」が1月25日午前1時台に再放送される予定でしたが、先日『世界の旅』で有名な兼高かおるさんが亡くなり、以前インタビューしたものを25日、26日に放送することになり、ぷかぷかの話の再放送はなくなったという連絡が入りました。別の日に再放送するようにディレクターの方から強くプッシュするそうですが、それがかなうかどうか、今の時点ではわかりません。もし再放送が決まればまたお知らせします。     とりあえずテキスト版がありますので、興味のある方はご覧下さい。 pukapuka-pan.hatenablog.com
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