「そういう立場に自分が立たされたらどう思うんだろう」 って想像すること
先日、東洋英和の学生さんがぷかぷかのPR動画を作る話を書きました。 pukapuka-pan.hatenablog.com 映画『Secret of Pukapuka』の中でダウン症の子どもを持つお母さんが子どもが生まれたときの絶望的な気持ちを語る場面があって、その気持ちを受けて、学生さんは 「自分も結婚して子どもが生まれ、ひょっとしたらその子が障がいを持っているかもしれない。そのとき自分はどんな風に思うんだろう」 と、想像を膨らませます。 今までたくさんの女子大生がこの映画を見ているので、同じようの思った人はいるかもしれませんが、今回のように明確に口にした人は初めてです。 「自分に障がいのある子が生まれたら、どんな風に思うんだろう」 映画を見て、自分も将来、そういうところに立たされるかもしれない、そのとき、どう思うんだろう、って想像する。この「想像する」ということがすごく大事だと思います。そして学生さんは、想像することで生まれた問いに、PR動画を作る過程の中できちんと向き合おうとしています。ここから新しい物語が生まれるような気がしています。 障がいのある人たちとなんの関わりもないところで、そういう問いを突きつけられたら、障がいのある人たちに対するマイナス評価の圧倒的に多い中で、やはり絶望的な気持ちになってしまう人が多いと思います。障がいのある子が生まれたら、人生真っ暗かも、と。 障がいのある子どもが生まれるかどうかを調べる出生前診断を受け、生まれるかもしれないという結果が出た人の96%が生まないことを選ぶそうですが、社会が障がいのある人たちをどんな風に受け止めているかがよくわかります。 学生さんの場合、救いは、ぷかぷかのPR動画を撮りに来ている、というところです。これからぷかぷかさんとのいい出会いがたくさんあります。その出会いが、学生さんが想像した不安に、 「大丈夫だよ」 って、あたたかなメッセージを送ってくれるかもしれないと思っています。 アート屋わんどでぷかぷかさんの絵を使ったすてきなデザインのシャツを見つけました。 相模原障害者殺傷事件の犯人は 「障害者は不幸しか生まない」 といいました。障がいのある人とおつきあいがなければ、 「そうかも」 と思ってしまいます。 でも今回取材に来た学生さんはぷかぷかさんの絵を使ったシャツを見て 「すてき!」 と絶賛していました。 「障害者は不幸しか生まない」 のではなく、 「まわりの人たちを幸せな気持ちにさせる」 って思ったのではないかと思います。 クッキーの製造現場にも入り、おいしそうなクッキーの映像を撮りながら、ぷかぷかさんたちにいろいろ話を聞いていました。 ぷかぷかさんのインタビューもたくさんしていました。笑いが絶えないインタビューだったので、楽しくなるような映像がたくさん撮れたのではないかと思います。 「自分に障がいのある子が生まれたら、どんな風に思うんだろう」 という不安を超えるものを、今回の取材で見つけられるかどうかは、なんともわかりません。でもぷかぷかさんたちと笑顔でおつきあいしている彼らを見ていると、きっと何かいい手がかりを見つけてるのではないかと思います。 「障がいのある子どもを産むと人生真っ暗かもしれない」 という重い問題を、ぷかぷかさんとのおつきあいが、 「いや、そうでもないかも」 って思わせてくれるなら、そしてそういうメッセージがPR動画に込められたら、すばらしい動画になるような気がします。 動画ができたら、『Secret of Pukapuka』と一緒に東洋英和で上映会しませんか?って提案したら、ぜひ!ということでした。女子大の学生さんと、 「自分に障がいのある子が生まれたら、どんな風に思うんだろう」 をテーマに映画をたたき台にいろんな話ができたら、と思っています。素直な不安がたくさん出てきて、それに今回ぷかぷかに取材に来た学生さんが答える、というやりとりができたらすごくおもしろくなると思います。映像の記録を撮りたいですね。