ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • オペラ『ロはロボットのロ』の稽古場に行ってきました。
     オペラシアターこんにゃく座の稽古場に行ってきました。 このトラックに大道具、小道具、衣装などを乗せて旅をします。洗濯機も運びます。公演のあとはすぐに現地で衣装を洗濯し、生乾きのままトラックの中につるして次の公演の場所へ。 今日から7月の公演に向けて稽古が始まりました。『ロはロボットのロ』は2年ぶりくらいの公演だそうで、今日は作曲家の萩さんを迎え、歌合わせでした。  2年ぶりとはいえ、歌はハーモニーのきれいなむつかしい歌をいきなり歌えたりするので、さすがプロですね。泥棒市場のいかにも怪しい雰囲気の歌のハーモニーはしびれるくらいすばらしいです。  歌を一通り通したあとは、振り付け師の伊藤多恵さんがやってきて、振り付けのチェック。伊藤多恵さんはぷかぷかの演劇ワークショップにも来ていただいて、ミツバチのダンスを作っていただきました。  テトが旅に出る場面。 https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=-Ap5Mfs98U0  音楽監督と歌役者さんからの《オペラ『ロはロボットのロ』の見どころ》ひとことインタビュー  まずはオペラ『ロはロボットのロ』を作曲し、音楽監督を務める萩京子さん https://www.youtube.com/watch?v=8R5mt_JmWqU  主人公テト役の金村慎太郎さん。いつも笑顔で大活躍。 https://www.youtube.com/watch?v=nvEyTJd2Ajc ココ役の飯野薫さん。とにかく元気な歌役者さんです。 https://www.youtube.com/watch?v=4yhnyVvjkMM テトのお母さんママモンロー役と魔女ノーマ役の相原智枝さん。クライマックスシーン、魔女ノーマの迫力はすごいです。もう30年もおつきあいがあって、ぷかぷか3周年のイベントに駆けつけてくれ、私のリクエストで、オペラ『フィガロの結婚』の中の「マルチェリーナのタンゴ」を朗々と歌ってくれました。 https://www.youtube.com/watch?v=7qM7iiyZtM4 王女ジーンとおっちゃん役の沖まどかさん。パンの食べっぷりがいい。ハロー役の小田さんと二人のハーモニーがすばらしい。 https://www.youtube.com/watch?v=ITHrA-ANJSA ハロー役ほかの小田藍乃さん。泥棒市場の歌のハーモニーがすばらしい。それと誰もまねできない早口言葉。 https://www.youtube.com/watch?v=o5lYCQ9ZUOo もう絶対に見なきゃソン!です。 チケットの申し込みはこちらから pukapukaopera.peatix.com お店でも買えます。おしゃれなチケットです。
  • 私たちが夢見ること、そこから社会が少しずつ変わり始めるのだと思います。
    子どもたちにオペラをプレゼントする企画に、なんと10万円もの寄付を下さった方がいます。はじめはお金にゆとりのある方かな、と思っていたのですが、その方とのメールのやりとりで全く違うことがわかりました。  《 今の日本の社会システムが、人を楽しく幸せにする方向から絶望的にずれてしまっているとう事をひしひしと感じます。間違っちゃいけない、早くしないといけない、場の空気を読んで、言われなくても察して完璧に物事をこなさなくちゃダメ。》 という社会の雰囲気の中で、拷問といえるほど辛い思いをしてきた、とその方は書かれていました。 《そんな中で、子供たちにオペラをプレゼントすることで、世の中を変えていく!という発想にビックリ仰天し、とても遠大な計画だなぁと思い、第一、それに目を向ける人なんてどのくらいいるのかしらといぶかしく思いながら時々ブログを拝見していました。  そこで、思いもかけず50%達成、の報告を見て、世の中に無言で文句を言うだけで何もしていなかった自分は一体何だろうかと思いました。恥ずかしいなと思いました。取りあえず出来る事と言えば、昔 事務職で神経をすり減らしながら蓄えたお金の中から、世の中を変えていく一歩として、わずかではありますが精一杯応援させていただくという事でした。》  ああ、こんな人がいたんだ、って、ちょっと涙がこぼれました。  この方は三人のお子さんを育てていらっしゃるそうです。寄付せずにお子さんのために使うこともできたはずです。にもかかわらず、寄付にお金を回してくださいました。寄付に寄せる思いの深さを思いました。  社会というのはとてつもなく大きくて、 「それを変えていくのはものすごく大変」 とみんな思い、多くの人は、 「社会を変える」 なんてことは考えなくなっています。  でも、何もしなければ、それこそ社会は何も変わりません。何かすれば、ひょっとしたらちょっとだけ何かが変わるかも知れません。  NPO法人ぷかぷかは、その設立目的として 「障がいのある人たちの社会的生きにくさを少しでも解消する」 ということをあげています。社会を変えることで、障がいのある人たちの社会的な生きにくさを変えようと思ったのです。  そのためにいろんなことをやりました。そして10年がたち、ぷかぷかのまわりの社会が少しずつ変わり始めました。『ぷかぷかな物語』にそのことを書いています。ぜひ読んでみてください。 shop.pukapuka.or.jp  子どもたちにオペラをプレゼントしよう、という企画も社会を少しでも豊かにしたい、という思いから来ています。そういうことをみんなが夢見ること、そのことが大事だと思います。  政治が、あるいは行政が社会を豊かにするわけではありません。社会を豊かにするのはどこまでも私たちであり、子どもたちです。  私たちが夢見るところから、社会は少しずつ変わり始めるのだと思います。  クラウドファンディングはあと5日です。現在目標達成率は約72%です。もうひとがんばりです。ぜひご協力ください。あなたの熱い思いを寄せてください。 motion-gallery.net
  • ここからそれぞれが新しい物語を作るような上映会、やります。
    8月3日(土)長津田駅前みどりアートパークホールで「相模原障害者殺傷事件」をテーマにした上映会をやります。といって、事件に関する重い話とか、優生思想云々の大きな話ではなく、明るい、希望のある話をしようと思っています。  「相模原障害者殺傷事件」を明るく超えていく、というのも変ですが、犯人の言った「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」といった言葉や、それに同調する社会の雰囲気を超えるには、そういったことを言葉で批判するだけに終わるのではなく、「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」「その方が、人生、トク!」「障がいのある人たちは、まわりの人たちをほっこりあたたかい気持ちにさせる」「幸せな気持ちにさせる」という事実を丁寧に作っていくことだと思います。  上映する映画は、ぷかぷかさんたちが地域を耕し、地域を豊かにしている事実を伝えてくれます。それはそのまま事件を超える社会を作っていくための具体的な手がかりです。  上映する映画は『ぷかぷかさんカナダをゆく』(50分)、『Secret of Pukapuka』(27分)、『第5期演劇ワークショップの記録映画』(60分)、『すごろくワークショップ』(17分)、『ぷかぷかさんのいる町』(9分)。  いっぺんに見ると疲れるので、午前と午後に分けます。午前は10時から『ぷかぷかさんカナダをゆく』『Secret of Pukapuka』、午後は1時半から『第5期演劇ワークショップの記録映画』『すごろくワークショップ』『ぷかぷかさんのいる町』です。   『ぷかぷかさんカナダをゆく』は一昨年カナダのバンクーバーで開かれた世界自閉症フェスティバルに参加したとき記録映画。  ドキドキわくわくハラハラと次々にいろんなことが起こるぷかぷかさんのカナダ珍道中。とどめは、ちょっと怪しい雰囲気の夜のダウンタウンで、なんとぷかぷかさんが行方不明!  カナダに行くことになったのは、4年前に作ったぷかぷかのプロモーションビデオが、フェスティバルの主催者レオノーラさんの目にとまり、ぜひ上映してほしいと依頼されたことがきっかけ。日本語の映像だったにもかかわらず、「一緒にいると心ぷかぷか」というメッセージが届いたのだと思います。 プロモーションビデオ「一緒にいると心ぷかぷか」 https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=pbJd0aCpO-s   「一緒にいると心ぷかぷか」というメッセージは、「障害者はいない方がいい」のではなく「一緒にいると心ぷかぷか」になる存在なんだというまさに事件を超えるメッセージです。それが言葉の違うカナダまで届いたことは、このメッセージの普遍性を意味します。  実際カナダ上映に向けてプロモーションビデオを再編集した『Secret of Pukapuka』は、外国の人たちから「障がいのある人たちが地域を耕す」「地域を豊かにする」といった発想は、自分の中の今までの障がいのある人たちの概念をひっくり返した、という感想がいくつも寄せられました。  午後はぷかぷかさんたちとワークショップを通していい出会いをした桜美林大学の学生さんに何人か舞台に上がっていただいて、ぷかぷかさんたちのことを若い目線で語ってもらおうと思っています。  コーディネーターとして神奈川新聞の「時代の正体」で何度も相模原障害者殺傷事件を取り上げた成田記者に舞台に上がってもらいます。事件を超える社会をどんな風に作っていくのか、という視点で、学生さんたちの発言をうまくコーディネイトしてもらう予定です。  相模原障害者殺傷事件を考える集まりのメインイベントはぷかぷかさんとの握手会。相模原障害者殺傷事件を考える集まりで、どうして握手会?という疑問が出ると思うのですが、たかが握手会、されど握手会なのです。そしてここから新しい物語をそれぞれが作っていくのです。 www.pukapuka.or.jp
  • 寝たまま愛されているセノーさんの作り出す価値は、産業革命以来の価値の大転換
     「 福祉にファンができるヒミツ」と題したセミナー、「とてつもないすばらしさを再認識」とか「とても刺激的なセミナーでした」といった言葉をいただきました。 会議室のすぐ外では  魔女系アーティスト宮原さんが、「最近イノベーションだのなんだのとやたら騒いでいるけれど、ぷかぷかさんと出会ってみれば、〈ケッ!〉っていう感じです」といったのがすごく印象に残りました。なんとなくその感覚はわかるのですが、一応本人に聞いてみました。で返ってきたのがこれ。メッセンジャーでのやりとりをそのまま載せます。 ●●● (宮原)「ケッ!という感じ」の説明しますね。 私は広告代理店のクリエイターだったので、新商品、新機能、新成分、新発想… にまみれて働いてきたわけです。正直、全然新しい感じがしない「画期的な新商品」をたくさん世の中に送り出してきました。 そんな業界で10年ちょっと前から、「デザイン思考でイノベーションを起こす」っていうブームが起きて、「破壊と創造」とかね、 https://www.buildinsider.net/enterprise/designthinking/02 もちろん、新しい考え方を生み出すためには破壊が必要なんですけど、 そういう掛け声の下に生まれたもの、もてはやされていたものが、小さな違いに過ぎないというか、個人的にはちっとも新しく見えなかったんです。 昨日、ぷかぷかさんは自由、 ぷかぷかさんと一緒にいると自由になれるっていう話をしていたときに、 あー、働かないで愛されてるセノーさん、働かないことが(ブランド)価値を生み出す、って、産業革命以来の価値の大転換だなあ、デザイン思考とか、ハッカソンとか、イノベーション思考という名の下でうまれたどんな発想より破壊力がある! って思ったんです。  猫も杓子もハッカソン。新しいアイデアをみんなで生み出すための手法なんです。でも、新しい視点、っていう意味では、ぷかぷかさんにはるか及ばないと思いますよ。 ●● (高崎)この人も寝たまま新しい価値を生み出しています。 www.pukapuka.or.jp ●● (宮原)そうそう! 何かすることが人の価値だっけ?そうじゃなかったよね!赤ちゃんでうまれた時、泣いても笑っても、いきてるだけで宝だったよね。 っていうことを気づかせてもらう気がします。 これは個人的な意見ですけど… 何が出来るからこの人はこういう価値がある、って考えるのって、人間が道具になりさがってますよね ●● (高崎)養護学校に勤めて一番最初に受け持った子どもたちはみんな重度の子どもたちで、おしゃべりも着替えもトイレの始末もできない人たちでした。でも、その人たちに、ただ一緒にいるだけで心あたたまる人がいる、ってことを教わりました。 ●● (宮原)この人が大切、っていう気持ちって、何をしてくれるから、っていうことじゃないんじゃないか。 子どもについて言えば、勉強やスポーツができるからお前は大切だけど、お前はできないからいらない、っていうものじゃないですよね 誰かに対して、その人の存在そのものが大切って思う気持ちを ぷかぷかさんは思い出させてくれると思います ●● (高崎)すばらしい!だから「支援」なんてやっちゃだめなんだと思いますね。「支援」というのは、彼らのそのままはだめっていうことですから。社会に合わせたいびつな彼らより、彼らのそのままが一番魅力的だと思いますね。だからそのままの彼らにファンがつく。彼らのそのままがいい、と思うかどうか、私たちの価値観が問われています。 昨日のデザートのお菓子に貼ってあった紙、こういうの、心がきゅ〜んとなってしまいます。 ●● (宮原)この温かさ、愛おしさ、ですよね ●●●  宮原さんはアーティストだけに、「ケッ!」ていう感覚が鋭いですね。  ぷかぷかさんと一緒に生きていくと、みんなが豊かになる、ということを、「ケッ!」ていう感覚から見事に語ってくれたように思います。  これこそが新しい福祉、つまりぷかぷかさんと一緒に生きていくことで生まれる新しい価値の創造なんだと思います。
  • 7月1日(月)、桜美林大学で、学生さんとぷかぷかさんが一緒になって絵巻物を完成させます。
     桜美林大学の学生さんが作った詩(ぷかぷかさんとの出会いの物語)を元にぷかぷかさんが絵巻物を作りました。まだ完成ではなく、7月1日(月)の授業で、学生さんと一緒に完成させます。  絵の元になった詩  絵巻物は別の詩を元にしたもう一枚があります。  7月1日(月)はもう一度詩を振り返り、ぷかぷかさんの描いた絵巻物をしっかり見て、更に必要な絵、言葉を描き込みます。  全盲の学生さんも参加しますので、その方へ、どのように伝えるのかが、大きな課題です。ぷかぷかさんがどのような言葉で説明するのか、すごく楽しみにしています。目の見える学生さんが目の見えない学生さんにどのように説明するのか、ものすごくいろんなチカラが問われると思います。  でも、ここでみんなが、目の見えない人にどうやって伝えようかと一生懸命考えることがすごく大事だと思います。そのことが、このワークショップの場を更に豊かにします。  今回は演劇ワークショップ、すごろくワークショップの2回のワークショップで、学生さんとぷかぷかさんがすごくいい出会いをしました。その出会いを元に学生さんたちが、まずそれぞれで詩を書き、その個人の詩を一旦ばらばらにし、みんなの詩として構成し直しました。みんなの詩には、みんなのエネルギーが集まり、一つのチカラを持ちます。 詩を作るところまでの記録 https://www.pukapuka.or.jp/2019/06/27/3134/  みんなの詩を元にぷかぷかさんが絵巻物を作りました。学生さんのエネルギーにぷかぷかさんのエネルギーが加わって、完成した暁にはどんなチカラを発揮するのだろうと、すごく楽しみです。  更に今回は全盲の学生さんがいることで、新しいエネルギーが加わります。  今回の授業に参加した学生さんのうち何名かは8月3日(土)みどりアートパークホールで開かれる相模原障害者殺傷事件をテーマにした上映会に参加し、壇上で、ぷかぷかさんとの出会い、今回の絵巻物作りのワークショップの話をします。  相模原障害者殺傷事件の犯人は「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」といいました。本当にそうか、学生さんたちに聞いてみたいと思います。
  • 全盲の学生さんに、絵巻物をどうやって伝えたらいいんだろう
     桜美林大学で4回の連続授業。1回目は6月10日(月)演劇ワークショップ、2回目は6月17日(月)すごろくワークショップ、3回目は6月24日(月)詩を作るワークショップ、4回目は詩を元にぷかぷかさんの描いた絵巻物のブラッシュアップ。  1回目6月10日(月) 簡単な演劇ワークショップ  台湾、中国からの留学生、全盲の学生さん、学部外からの参加者等、いかにも桜美林大学らしい雰囲気でした。 「まるまるまる」の歌 左から三番目の女性は全盲の方ですが、ちゃんと参加しています。 アクションじゃんけん「サムソンとデライラ」 「笑いの階段」 全盲の学生さんも小さな笑いを隣に送ります。 椅子のシェイプ(形作り) ヨットを作ります。 2回目6月17日(月) すごろくワークショップ グループの中でさいころを転がし、さいころの止まったコマのことをみんなでやります。自分のことを語ったり、アクションをしたり。知らない間にお互いのことがわかってきます。 すごろくワークショップ映像 https://www.youtube.com/watch?v=OtphKt4pSYY&feature=youtu.be 感想(6月10日) ・こんなに深く関わったのは初めてで、みんな素直で、思ったよりたくさん話してくれて、いろいろ知ることができました。ゲームを通して楽しみながら知るのが一番よかった。教科書じゃないのがよかった。 ・一番印象的な答えはハヤちゃんのです。一番の宝物やほしいものに対して、物ではなく、思い出だったことです。とても心があたたまった。 ・ぷかぷかさんのお話は、記憶や感情を含んで、豊かで、知らないことも多かった。特にお弁当と共に歌を送る仕事というのはおもしろいと思った(★歌付き弁当は、弁当を配達し、歌を歌ってくる)。そして歌が上手だった。 ・自分から自己紹介するだけでは伝わらないその人らしさがすごろくを通してたくさん感じられました。また、今日は人の思いやりや優しさを感じました。特に私がぷかぷかさんのオリタさんと腕相撲をしたときに、私に勝たせてくれたときにオリタさんの優しさを感じました。 ・ハヤちゃんの回答がすごくロマンティックで、家族や妹をすごく大切にしているんだなと感じたし、スティッチに会いたいからハワイに行きたいのもすごくかわいいな。リエちゃんも渋滞が好きな理由が「渋滞」。最初はなんだろうと思ったけど、話せば話すうち、新たな一面やおもしろい一面が知れてうれしかったです。ぷかぷかさんとの授業は毎回元気をもらっています! ・ぷかぷかさんはみな夢があります。この授業から彼らに対して新しい認識を持ちました。 ・はじめでぷかぷかさんと交流して、みんなが自分の本音をアピールしていた雰囲気がとても好き。・ ・ぷかぷかさんたちはみんなとてもやさしくておもしろい人たちです。時間が過ぎるのが早く感じました。もう一度会いたいです。 ・みなさんのこと、やさしいと思ってます。それぞれ目標や宝物を持って、とても前向きな感じでした。  3回目6月24日(月)詩を作るワークショップ  谷川俊太郎の詩を朗読。誰かに向かって言葉を届ける、ということを体験。 ぷかぷかさんとの出会いを4〜5行の詩にする。 個人の詩を一行ずつ切り離し、グループの中でシャッフル。はじめに来る言葉、中程に来る言葉、終わりの方に来る言葉、等に分ける。 できあがった詩を発表。全盲の学生さんも一緒に朗読。 感想(6月24日) ・詩を作って思ったことは、自分と同じ気持ちだった人もいれば、全く違う気持ちを持っていた人もいて、同じ経験をしても、人それぞれ違うように感じていたことがわかった。 ・「詩」っていつも言葉にできないことを表現できると思った。ふだんから言葉というかたちで相手に伝える機会が少ないと思うので、人として言葉にして伝えるという時間はあらためて素敵だと感じた。 ・詩の文章は自分が書かなかった言葉を、他の人が書いてくれたりしていて、不思議な感じだった。また詩の言葉をばらばらにして再構成することで、方向性の違う言葉がメリハリになって詩のおもしろみを強くしていたし、詩の朗読は、感覚の再認識につながったよかった。 ・今回4人一組でそれぞれ個人の詩を一つにしました。みんなの意見をもう少し聞いて制作したかったな、と感じます。こういった詩を作ったのは初めてで、言葉だけでは足りない感情。その感情をどう言葉に乗せて伝えるのかすごくむつかしかったです。 ・ふだん、自分の気持ちを言葉にしたり、言葉に感情を乗せたりしたことがないので、とてもむつかしかった。淡々に読むのではなく、音楽のリズムに乗せたり、声のトーンや間をあけることによって、詩はより味わい深いものになって行くことを感じた。自分の当時の気持ちを言葉にすることで、再確認だったり、思い出せてよかったです。次週、ぷかぷかさんたちが絵にしてくれるのを見るのが楽しみです。 ・今日、この授業を受けて、私はこのような授業を一回もやったことがなかったので、とても新鮮な気持ちでした。私たち個々に思ったことや感じたことが、あんなに違うのに、こんなにひとつになるなんて、思ってもみませんでした。読んで、聞いて、みんなの感じたこと、思ったことが伝わって、伝えられて、あんなに素敵な詩ができるとは正直思っていませんでした。これからこの詩がぷかぷかさんたちと一緒にどんどん素敵なものになっていきますように。 ・最初は気持ちをこめて読むことが少しはずかしかったが、クラスのみんなとやっていくうちに、どうやったら相手に伝わるかを考えることに集中していた。 ・ばらばらだった詩を一つにまとめることで、より私達が感じたことをリアルに、具体的に表すことができた。 ・声のトーンや間野あけ方によって、どんな気持ちだったか伝わるということを朗読を通してわかった。この部分は、どんな風に読めばいいかグループの人と話し合うのが楽しかった。 ・ぷかぷかさんがどんな絵を描いてくれるのかが楽しみになった。 できあがった詩①  わくわくする気持ち     出会う前に話す経験さえなくて  どんな人かな  新しい出会いにワクワク     自分が誤解をよばないか心配だった     いらない心配だった  自分はなんの中心でもない みんな気さくで良い人    会ったときゲームで雰囲気が盛り上がった  今まで知らない世界を教えてくれた     対話は一人では成り立たない 自分にないものを持っている    普通の友達みたいに遊んでいた    また一緒に遊んで欲しいと感じた できあがった詩②           わくわくする気持ち                 知らない人たち     守ってあげなきゃ 助けてあげなきゃ     でも、皆なにも自分達と変わらない 話してみたらとても楽しかった 気づいたらたくさん笑っていた 自然とずっと笑っていた      あたたかい気持ちにしてくれる           包み込まれている感じ 一緒に笑えられた  一緒に共感できた           いろんな表情をみれた 私達はなにも変わらない仲間だと思った お母さんに話すくらい心に残った思い出     もっと話してみたくなった           ぷかぷかさんは場作りのプロ 今はもう共に生きる仲間たち           今、私のほうが助けられている 3回の授業のまとめ  1回目、2回目はぷかぷかさんと出会うワークショップ。いずれも、何かやってあげる関係ではなく、フラットな関係で出会えたことがよかったと思います。  3回目はその出会いをまず一人一人4行ないし5行の詩に書きました。個人の詩の言葉をばらし、シャッフルし、グループの詩としてまとめ、それを朗読しました。  詩を作るワークショップは、ぷかぷかさんとの出会いのふり返りでもあったのですが、みんなの詩としてまとめる作業の中で、みんなで一歩前に踏み出したようなふり返りであったと思います。それはできあがった詩を見てもわかります。  この詩を元に、今ぷかぷかさんたちが絵巻物に取り組んでいます。詩①②とも幅1.2メートル長さ6メートルの大きな絵巻物。  7月1日(月)はこの絵巻物のブラッシュアップを学生さん、ぷかぷかさんが一緒になってやります。  おもしろいのは全盲の学生さんが、この絵巻物をものすごく楽しみにしていて、その方にどのように絵巻物を伝えるかが、大きな課題です。  絵をどんな風に語れば全盲の方に伝わるのか。色、かたち、大きさ、雰囲気など、どこまで言葉で表現できるのか。上の写真のネコの絵は言葉にするとどんな風になるのか。蜂の絵は?  でも、ここでみんながどうやって伝えるかを悩み抜くこと、それが第4回目の授業をものすごく豊かなものにするのではないかと思っています。障がいのある人と一緒に生きることで生まれる豊かさです。
  • やさしい社会がね、ちょっとだけ実現できるように思うのです
     「子どもたちにオペラをプレゼント」の企画に、なんと10万円寄付してくれた方がいました。本当に涙が出そうなくらいうれしいです。ありがとうございました。  世の中にこういう人がいることは、大きな希望です。  子どもたちにオペラをプレゼントする、という夢のような企画に協力を申し出てくれた方は、現在この方も含め41名もいます。集まったお金は474,666円、目標額70万円の約67%です。ほんとうにありがとうございます。   先日の朝日新聞にこんな記事がありました。   こういうやさしい人たちによって、社会のやさしさが支えられているのだと思います。こういう人たちがいるからこそ、社会に希望が持てます。  今回の企画に協力を申し出てくれた人たちも、社会に希望を作り出しています。  「え?子どもたちにオペラをプレゼント?」   「すばらしい!」  「夢があるね」  「よし、協力しよう!」 って思ってくれる人が、もっともっと現れたら、やさしい社会がね、ちょっとだけ実現できるように思うのです。  あと225,334円です。クラウドファンディングのサイトは、残り10日。なんとかがんばって、足りないお金を集めたいと思います。ぜひご協力ください。まわりのお友達にお知らせください。  応援はこちらから motion-gallery.net  ぷかぷかの各店舗には寄付箱が置いてあります。お近くの方はこちらをご利用ください。  チケットがまだたくさんあります。チケットの申し込みはこちらから pukapukaopera.peatix.com お店でも買えます。おしゃれなチケットです。
  • 10年ぶりに高校生になった息子と見に来ましたが、又感動しました。
     オペラは芝居の台詞が歌になります。台詞が歌になるとどうなるか。同じ言葉の表現する世界が、ぐ〜んと広がります。  たとえば 「あ、おいしい」 という言葉。これをどんな風に言うか、が芝居のおもしろいところですが、オペラはこれを歌で表現します。歌で表現すると、びっくりするくらい世界が広がります。  2015年にやった「歌のワークショップ」での映像です。  https://www.youtube.com/watch?v=Magpanlpvx0  この楽しさを子どもたちにプレゼントしたいと思うのです。  この楽しさは大人も味わわなきゃソン!です。ぜひ子どもと一緒に見に来てください。  子ども向けのオペラとはいえ、大人が見ても十分楽しめる内容です。何よりも音楽のクオリティがすばらしく高いです。  2015年の公演を見た方の感想です。 ・すばらしい舞台でした!わらってないて…子どもたちもこわいシーン(?)で大泣きしたわりにでたがらず、最後まで見切ることができました。子どもをつれてオペラをみるなんて、なんてすごいことをしてくださったのか…ありがとうございます!そして本ものは子どもを引き付けることを証明した舞台でした!また是非見たいです! ・10年前、熊谷の「さくらめいと」に当時7歳と14歳の子どもたちと連れて「ロはロボットのロ」を観に行きました。軽い気持ちで観に行ったのですが、なかなかの名作でCDも買って帰り、ずっと車で流してました。ぜひ又、見たいとずっと思っていて待ち続け、やっと今日再び見ることができました。10年ぶりに高校生になった息子と見に来ましたが、又感動しました。待ち続け、遠くまで来たかいがありました。計算されつくしたすばらしい舞台だと思います。お疲れ様でした、ありがとうございました。次の機会が早めにあることを楽しみにしています。 ・とってもおもしろかったし、泣けました。ありがとうございました。 ・笑いもあり、家族で楽しみました。内容もちょっと考えさせられるものもあって、みんなでまた話してみようと思いました。 ・サイコーによかった。見応えがあった。子ども向けのオペラだと思ってさいしょそんなキタイしてなかったが。とてもよかった。 ・やはり、生のプロの歌・演技は迫力がありますね。オペラはテレビでは見たことがありますが、贅沢でもあり、生で見たことはありませんでした。気軽に楽しくオペラを見る機会になり、嬉しく思っています。息子は帰りにテトと握手出来ました。 これからも、大好きなぷかぷかのパンを楽しみにしております。 チケットはこちらから pukapukaopera.peatix.com この企画の応援はこちらから motion-gallery.net
  • プレゼントすることを通して未来を夢見る
    子どもたちにオペラをプレゼントするためのクラウドファンディングの寄付金が、目標額70万円の50%を超えました。集まった寄付金は365,166円。サイトはあと14日しか開いていないので、その間で残り50%、金額にして334,834円を集めないと、とても厳しい状況でオペラを開催することになります。  オペラはひとときの夢の世界です。ひとときの夢の世界を思いっきりあそぶのです。  ですから、子どもたちにオペラをプレゼントする、というのは、オペラというわくわくするようなひとときの夢の世界を子どもたちに思いっきりあそんでもらう、ということです。  これは、お菓子やおもちゃをプレゼントするのとは、全く意味合いが違います。  どう違うのか。それはプレゼントすることを通して未来を夢見ることができるのです。未来を私たちの手で素敵にできるのです。  オペラは、わくわくしたり、ドキドキしたり、大声出して笑ったり、ちょっと怖かったり、時にはほろっとしたり、の連続です。そんな夢のような時間を子どもたちは思いっきりあそびます。  そんな時間を経験した子どもたちは、人生がちょっぴり豊かになります。子どもたちが大人になって、社会を担うようになったとき、きっと今よりも豊かな社会を作ってくれると思うのです。  そうやって今回の企画を通して、みんなで未来を夢見るのです。自分たちの手で、未来をもっと素敵にしようと思うのです。   何もしなくても、10年先、20年先、50年先の未来はやってきます。それはぼんやりした未来です。でも、自分なりの思いを込めていろいろ行動すると、思いのこもった未来がやってきます。  ぷかぷかを例にとって説明するとわかりやすいと思います。  障がいのある人たちと一緒に生きていけば、素敵な未来が実現できる、そう思ってぷかぷかはスタートしました。素敵な未来を夢見ながら、いろんな事やってきました。何やってもうまくいかなくて、心が折れそうなくらい苦しい時期もありました。でも、10年たって、思い描いた素敵な未来が、まだほんの少しですが、やってきたと思っています。  夢見ること、それがあったから、今のぷかぷかがあります。夢見ることがなければ、ぷかぷかはできなかったのです。  子どもたちにオペラをプレゼントすることを通して、みんなで素敵な未来を夢見るのです。未来を私たちの手でもっと素敵にするのです。それが今回のクラウドファンディングです。  あと14日、目標額334,834円です。ぜひご協力ください。まわりのお友達にクラウドファンディングのサイトを紹介してください。SNSで情報を拡散してください。 motion-gallery.net チケットはこちらから pukapukaopera.peatix.com
  • 社会の側こそ問われている
     昨日の神奈川新聞、成田記者のデスクノート、短いですが光っています。  スペースが小さいので、問題の入り口に立ったところで終わってしまっているのが、なんとも残念です。ただいつも成田さんが書いてくれるのを待つのではなく、私たち一人一人がこの入り口に立ち、何をするのかを具体的に考え、実践することが必要なんだと思います。「社会の側こそ問われている」のですから。  ぷかぷかは「引きこもり」といわれている人たちとのつながりはありませんが、障がいのある人たち(主として知的障がいの人たち)とのつながりの中で、様々なことを実践してきました。  たとえばやまゆり園事件で犯人が言った「障害者はいない方がいい」とか「障害者は不幸しか生まない」といった言葉に対して、「それは違う」というだけでなく、「障害者はいた方がいい」「障害者は周りの人たちをほっこり幸せな気持ちにする」事実を作ってきました。そこからたくさんのぷかぷかのファンが生まれました。たくさんのファンが生まれたことは、地域社会がそんな風に変わってきたことを示します。   たとえばこのTシャツとかバッグ。 こんなすてきなものを作り出す人たちとは、やっぱり一緒に生きていった方がトク!なのです。一緒に生きないとソン!です。   障がいのある人たちがぷかぷかで働いていること、そのことに価値がある、ということを日々のFacebookやブログで発信し続けてきました。生産性のない人も社会に必要、ということも。  成田さんのいう「社会の側こそ問われている」の言葉は、まさに私たちが当事者とのつながりの中でどれくらい「新しい価値」といえるものを作り出すのか、を問うているのだと思います。ぷかぷかは、障がいのある人がお店にいることで「ぷかぷからしさ」「ぷかぷかの空気感」を作ってきました。この「ぷかぷからしさ」「ぷかぷかの空気感」こそが、ぷかぷかが作り出した「新しい価値」です。社会の中に圧倒的に多い「障害者はマイナスの価値」に対する「新しい価値」の提案です。 『ぷかぷかな物語』は、成田さんの問いに対するぷかぷかの答えであり、ぷかぷかが作り出した「新しい価値」がどういったものかを書いたものです。ぜひ読んでみてください。 shop.pukapuka.or.jp 6月27日のセミナーでも、この「社会の側が問われている」という問いにぷかぷかはどう答えてきたかの話をします。福祉はそういう問いにこそ答えることが、社会の中での存在理由だと思います。 pukapukacanpan.peatix.com セミナーの参加申し込みはpeatixでするようになっていますが、ぷかぷか問い合わせ窓口info@pukapuka.or.jpに「6月27日セミナー申し込み」と書いてメールを送ってもらっても結構です。参加費1,000円は会場でお支払いください。おまけで『pukapukaな時間』がもらえますので、すごくトク!です。ぷかぷかさんといっしょに生きるとこんなにも豊かな時間が生まれる、ということをビジュアルに表現した冊子です。
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