ロはロボットのロ
オペラシアターこんにゃく座の新作オペラ『おぐりとてるて』を観てきました。いやぁー、面白いオペラでした。中世の人たちは、かつかつの貧しい暮らしの中で、なおもこんな物語を生きていく支えとして楽しんでいたんですね。こういう物がないと押しつぶされてしまうくらい過酷な人生だったのだと思います。人生の楽しみ方が違うんだと思いました。テレビのバラエティ番組観ながらへらへら笑っているような私たちとは、人生の今を生きる姿勢が違うんだと思いましたね。 今を生きるために物語が必要だということ。フィナーレの歌は本当に素晴らしかったと思います。 作曲家、演出家、歌役者達の思いがびっしり詰まった2時間半、いい時間過ごさせて頂きました。 頂いたたくさんのチラシの中に『ロはロボットのロ』が10年ぶりくらいに再演されるというお知らせがありました。パン作りが得意なロボット「テト」が主人公の楽しいオペラで、パン屋を始める前、もうけが出たら、そのお金を貯めて、地域の子どもたちにこのオペラをプレゼントできたらいいなと思っていました。子どもにもわかりやすい、ワクワクするようなオペラです。 毎日1,000個作っていたパンが、ある日999個しか作れなくなり、その次の日は998個、その次の日は997個とだんだん減ってきて、心配になります。調子の悪いところを直してもらうために、テトを作ったドリトル先生に会いに行く事になりました。オペラはその旅の物語です。 魔女の支配する街でさんざんな目に遭います。大火事の中で、旅の途中で出会ったパン屋の娘ココを救い出します。でも、そのためにエネルギーを使い果たし、横たわって息が切れる直前、ココの頬にふれながら ♩ ぱんつくりより、もっとすてきなものを、ぼくは見つけた ♩ と、息絶え絶えに歌います。 ♩ テトォ! おまえ、ロボットなんだろ、死んだりなんかしないんだろ ♩ とココが悲しみをこらえて歌います。悲しみをこらえ、強がって歌うその歌が心にしみて、涙がこぼれてしまいました。 ♩ テト、おまえが眠りから覚めるまで、私はパンを作りながら待つよ。おばあさんになっても、ずっと待ってるよ ♩ 新しい明日に向けて、希望を歌うオペラでした。 このオペラは日本各地を回り、海外公演までやったあと、もうやらないことになっていました。こんにゃく座はどんどん新しいオペラを作っているのです。 それでも再演はないのか、と何度も問い合わせしていました。それが来年の5月から7月にかけて再演するというのです。やったぁ!って感じでした。 今、パン屋はぷかぷか3軒長屋にたくさんのお金を使って、もうけがほとんどないのですが、地域にたくさんの知り合いが出来たので、仲間を募ってやってみようかなとひそかに思っています。 1ステージ80万円だそうです。ずいぶんいい値段ですが、やる価値はあると思っています。一緒に、子どもたちに楽しい夢のあるオペラをプレゼントしてみたい方、新しい元気をプレゼントしたい方、連絡ください。 takasakiaki@a09.itscom.net 高崎