悔しいけど、おいしい
障がいのある人たちといっしょに弁当作りを長くやっている方が、先日ぷかぷかの弁当を食べる機会があり、 「悔しいけど、おいしい」 とおっしゃったそうです。 ぷかぷかのお惣菜屋はまだできて1年。ま、たいしたことないだろう、と思って食べたのだと思います。ところが、思いのほかおいしかった、それをすなおに「悔しいけど、おいしい」と表現したのは、やはり長年やってきたキャリアがあってのことだと思います。 福祉に関わる人たちがこんなふうに、相手の作るものに「悔しいけど、おいしい」と素直に負けを認め、「よ〜し、それなら」と相手に負けないものを作ることに意欲的になれば、この業界はもっともっといいものを生み出すように思います。 以前、ある区役所でパンの外販をやった時、そこには福祉事業所が運営するパン屋がお店を開いていて、区役所の方は、同じ業種が入ることにずいぶん気を遣っているようでした。 「お互い相手に負けないくらいおいしいパンを作ればいいんじゃないですか?」 「競合した方がおいしいパンができますよ。」 といったことを区役所の担当者に何度も言ったのですが、そういう感覚が全く理解できないようでした。 たまたまその区役所の地元の方が先日お店に来られ、あそこのパンはあまりおいしくないのよ、なんて言ってましたが、区役所の中にいて、全く競争にさらされてないと、そういうことになるのだろうと思います。 「悔しいけど、おいしい」と、素直に負けを認める思いこそが、更においしいものを生み出し、新しい未来を切り開くのだと思います。