ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • 王様の発想は
     昨年のワークショップで、わがままな王様をどうやって懲らしめるかで、みんなでアイデアを出し合ったとき、どう問いかけても、なかなかいいアイデアが出て来ませんでした。終わったあとの反省会で、ピアニストのあみちゃんが 「彼らって、悪意というものがないんじゃないのかなぁ」 とぼそんとつぶやきました。悪意がないから、相手を懲らしめるとか、やっつける、という話に、どうけしかけても乗ってこなかった、というわけです。そういう発想自体がない、というか…  相手をやっつける、なんてことは誰しも考えることだとそれまで思っていましたから、そんなこと考えたこともない人もいる、という発見はとても大きいものでした。すばらしい人たちだと思いました。こういう人たちこそが、お互い住みやすい世の中、平和な世の中を作っていくんだと思いました。   「相手をやっつける」という発想のないすばらしい王様    一方で、少し前になりますが、安倍首相はインターネットの放送で「喧嘩が強くて、いつも自分を守ってくれている友達の麻生くんが、いきなり不良に殴りかかられた時には、一緒に反撃するのは当たり前ですよね」なんて言い、「安保法制」の必要性を説きました。  でも、「一緒に反撃するのは当たり前」という発想自体が間違っています。そんなふうに思わない人がたくさんいることを忘れているのではないでしょうか? 多くの人たちは争いを好まないのです。  更に怖いのは、この発想自体が際限のない反撃を生み出すことです。反撃すれば、さらなる反撃があり、更にそれに対して反撃し、というふうに喧嘩はどんどん広がっていきます。これが「安保法制」の本質だと思います。    ぷかぷか出身の王様が、もし総理大臣なら 「反撃するのは当たり前ですよね」 なんてことは絶対に言いません。相手をやっつけるなんて、発想自体がないのですから。こういう人こそ総理大臣になるべきです。  「相手をやっつけない」というのは、戦争放棄を宣言している憲法第9条と同じです。王様の発想は、ですから憲法9条の発想と同じであって、彼らといっしょに生きていくことは、そのまま平和を実現することにつながっていきます。    オペラを子どもたちと一緒に楽しめるような日々が続くことを願っています。子どもたちといっしょに元気が溢れる新しい朝がやってくるような日々が続くことを願っています。  でも、願うだけでは、そんな日々が続かない時代がやって来ます。今のアベ政治に対し、はっきりと《 NO 》を表明していかないと、本当に怖い時代がやって来ます。来てから、あああのとき、ああ言っておけばよかった、では手遅れです。                                  (高崎 明)                                    「じゆうと へいわの ための きょうだい ゆうしの かい」の人たちがこんな宣言を出しています。京都大学の有志の方々です。   くにと くにの けんかを せんそうと いいます せんそうは 「ぼくが ころされないように さきに ころすんだ」という だれかの いいわけで はじまりますせんそうは ひとごろしの どうぐを うる おみせを もうけさせますせんそうは はじまると だれにも とめられません せんそうは はじめるのは かんたんだけど おわるのは むずかしいせんそうは へいたいさんも おとしよりも こどもも くるしめますせんそうは てや あしを ちぎり こころも ひきさきます わたしの こころは わたしのものだれかに あやつられたくないわたしの いのちは わたしのものだれかの どうぐに なりたくない うみが ひろいのは ひとをころす きちを つくるためじゃないそらが たかいのは ひとをころす ひこうきが とぶためじゃない げんこつで ひとを きずつけて えらそうに いばっているよりもこころを はたらかせて きずつけられた ひとを はげましたい がっこうで まなぶのは ひとごろしの どうぐを つくるためじゃないがっこうで まなぶのは おかねもうけの ためじゃないがっこうで まなぶのは だれかの いいなりに なるためじゃない じぶんや みんなの いのちを だいじにしていつも すきなことを かんがえたり おはなししたり したいでも せんそうは それを じゃまするんだ だからせんそうを はじめようとする ひとたちにわたしは おおきなこえで 「やめて」 というんだ                                         
  • 「死にたい」が口癖の人と一緒に舞台に立つ
     9月から始まる演劇ワークショップにかかる費用の助成金がうまく集められなくて困っています。あちこち助成金の申請をしているのですが、パソコンとかミシンといった「もの」ではなく、ワークショップといういわば抽象的なものはなかなか相手に伝わらなくて、むつかしいですね。NHK障害福祉賞というのを友人が紹介してくれたので、トライすることにしました。1等賞は50万円です。サッカー日本代表のように、優勝しか考えていません。締め切りは今月末。まだ手直しする時間があります。ここはこう直した方がいいとか、優勝するにはこういう書き方した方がいいとか、いろいろアドバイスなどいただければうれしいです。     「死にたい」が口癖の人と一緒に舞台に立つ    まーさんは鬱病と知的障がいを持っています。いつも暗い顔をし、一週間に一回は「もう死にます」なんて言ってきます。人生に絶望したというわけでもなく、些細なことで落ち込み、「やっぱり死にます」なんて言って来ます。  鬱病なので、万一のことも考えて、医者と連絡取り合いながら対応するのですが、そんなに深刻そうでないときは 「首をつると息ができなくなってものすごく苦しいし、高いところから飛び降りると大けがして痛いし、やめた方がいいと思うよ」とか「富士山の裾野の原生林は自殺する人が多いらしいから、死ぬんならあそこがいいんじゃないかな。一度一緒に見に行かない?せっかく富士山の裾野まで行くんなら、死ぬ前に富士山にも登った方がいいよ。山登りは絶対に楽しいし、もう死ぬのやめようって思うかも」とかなんとか話してると、途中で笑い出したりして、たいていは収まります。  数年前、妹さんが亡くなっているため、その妹のところへ行きます、というときもあります。妹の後を追う話だけは、妙にリアリティがあるので、やっぱりほうっておけません。心配なので、そんなときはすぐに心療内科の先生に電話して連れて行きます。  「下北半島の恐山に死んだ人の霊と話のできる人がいるから、先生と一緒に行って亡くなった妹さんと話をしてこない?」 といった話を30分ぐらいすると大概すっきりします。  画用紙に「つらい、苦しい、死にたい…」と殴り書き、おいおい泣き出したこともあります。そのときもすぐ病院に連れていたのですが、画用紙を見た先生曰く 「あのねぇ、本当に死にたい人は小さな字で書くんだよ。こんな大きな字で書く人は絶対に死なないよ」 と実にうまい返し方をしてくれ、まーさん、つい笑ってしまい、一件落着でした。    「気持ちが前向きになる薬を飲んだのですが、全然前向きになりません。ですからやっぱり死ぬしかありません」 といってきたこともあります。薬で人生が前向きになるとはとうてい思えません。もっと違う方法で人生前向きになって欲しいと思うのです。  まーさんには趣味というものがありません。自分のやりたいことも特にありません。テレビを見る楽しみもないので、晩ご飯食べて、お風呂に入ったらすぐに寝てしまうような生活です。  生きていてもおもしろいことなんかない、とよく言うのですが、そう結論づけるほどに人生でいろいろやったのかというと、そんなことは全くありません。自分のやりたいことも見つけようとせず、それでいて何かおもしろくないことがあると、すぐに「仕事やめます」「死にます」というふうになってしまいます。   「あっ、楽しい!って思ったことないの?」 「ないです」 「自分でやりたいと思っていることないの?」 「ないです」 「夢は?」 「ないです」 いつもこんな調子で、全くとりつく島がありません。  そんなまーさんが、珍しく前向きなことを言ったことがありました。 「マッキー、かっこよかったね」  ぷかぷか4周年の記念イベントで、デフパペットシアターひとみのマキノさんがパフォーマンスをやってくれました。それがかっこよかったといったのです。あんなふうに自分もやってみたい、と。 「マッキーに弟子入りする?」 「はい、したいです」 「じゃあ、マッキーが進行役をやっている演劇ワークショップに来てみる?」 「はい、行きます」 というわけで、ぷかぷかのメンバーさんと地域の人たちがいっしょにやっている演劇ワークショップに参加したのでした。  最初は暗い顔して隅っこにうずくまっていましたが、マッキーに声をかけられ、一緒に人形作りをし、その人形を持って舞台に立つところまでやりました。  マッキーの稽古場に行く約束もしました。  デフパペットシアターひとみの稽古場に行ったのは夏の暑い日でした。二人で汗だくになって電車、バスを乗り継ぐこと1時間半。ふだんのまーさんからは考えられない行動でした。  『森と夜と世界の果てへの旅』の稽古をやっていました。すぐそばで見ると、すごい迫力でした。ちょっとした動き、間合いを何度も何度もやり直します。まーさんも初めて見る舞台稽古の迫力にびっくりしたようでした。  真剣に見入っていたので、これはもう本番を見せるしかないと思い、一番近い公演は岐阜だと聞いたので、  「よし、まーさん、岐阜まで追いかけていこう!」 と突然思い立って言ったのですが、まーさんは 「お金がないです」 と、またいつもの調子で消え入りそうな雰囲気。 「お金なんてなんとかなるよ。行こう!」 とか何とか言っているうちに、長野県の飯田では8月3日(日)にワークショップをやり、8月10日(日) 『森と夜と世界の果てへの旅』の舞台の最後のシーンに出演できる話を聞きました。舞台を見るだけより、舞台に立った方が絶対におもしろいと 「まーさん、飯田に行こう!」 と、大きな声で誘ったのでした。  飯田は横浜から行くにはかなり不便なところにあり、まーさんを説得するのは至難の業。でも、まーさんのこれから先の人生がかかっている気がして、なんとしてもまーさんを飯田まで連れて行こうと思いました。  1時間ほど見て、そろそろ引き上げようかなと思っていると、マキノさんがまーさんを舞台に呼び、本番で使う人形を持たせてくれました。ジュジュマンという物語の主人公の人形です。  音楽担当のやなせさんが「左手」を担当し、まーさんが「右手」をやると、とたんにジュジュマンが舞台を生き始めました。マキノさんがどんなふうに動かしたら人形が生きてくるのかアドバイスしていました。  マキノさんは女性の人形を持つときは歩き方も変えるんだとまーさんに教えてくれました。恐ろしい魚の人形の持ち方も、どうやったら恐ろしく見えるかを説明しながら教えてくれました。骸骨の人形は胴体がありません。その使い方も丁寧に教えてくれました。  実際に人形を持ってのレッスンはまーさんにとっては初めての体験であり、すごく楽しかったようでした。この体験がまーさんの気持ちを動かしたようでした。  ワークショップをやる飯田は長野県にあります。 「え〜っ、長野?そんな遠いところまで行けません!」 と最初言っていたのが、レッスンの数日後、 「飯田まで行くのにいくらくらいかかりますか?」 と聞いてきたのでした。バスを使うと安いのですが、片道5時間もかかり、新幹線と飯田線を使うことにしました。往復で約24,000円。今までのまーさんなら絶対に乗ってこない金額です。のるかそるかの提案でした。でも 「いいです、それで行きます」 と言ったのでした。  いつも暗い話ばかりで、毎週のように、もう仕事やめます、なんの希望もないので、もう死にます、と言っていたまーさんが、24,000円も払って長野の飯田まで行くといいだしたのです。    朝、7時に新横浜で待ち合わせし、飯田まで行きました。デフパペットシアターの舞台になる会場までタクシーで乗り付け、ワークショップに参加。心と体をほぐしたあと、本番舞台で使う3拍子の歩き方の練習。  デフパペットシアターの『森と夜と世界の果てへの旅』はジュジュマンという飲んべえが椰子酒を求めて世界の果てまで旅をし、ひどい目に遭い、最後はなんでも願いが叶う卵が割れて、世界の終わり、といった感じになります。その中でなおもジュジュマンが自分の足で前に向かってぎこちなく歩き始めます。アフリカの太鼓のリズムでぎこちなく歩き始めるジュジュマンの姿には、どんなの辛い中でも自分の足で歩いて行く、という希望があります。そのジュジュマンを支えるように、みんなで歩くのです。  ワークショップでは、その歩き方を何度も何度も練習しました。一緒に歩きながら、まーさんが、ぎこちなくとも、自分で前に向かって歩き出してくれれば、と思いました。  このときの映像が後日、デフパペットシアターから送られてきました。 『森と夜と世界の果てへの旅』のラストシーン、まーさんが横たわっているところから映像が始まり、アフリカの太鼓のリズムの中でゆっくり起き上がり、ひょこたんひょこたんと三拍子で歩き、あいさつして退場するまで、わずか1分20秒でした。  この1分20秒のシーンを作るために3時間のワークショップがあったのですが、そのわずか1分20秒の舞台に立つために、まーさんはまた長野の飯田まで横浜から3時間半も電車に乗ってでかけようというのです。  今まで何度も、 「もうなんの希望もありません、生きててもつまらないので、もう死にます。」 と言っていたまーさんが、まさかここまで来るとは思ってもみませんでした。  舞台の持つ力というのは本当にすごいと思いました。デフパペの舞台を見るだけでは、多分ここまで変わらなかったと思います。  私自身にとってはちょっと物足りないくらいの舞台でしたが、まーさんにとっては、また新幹線に乗って出かけるに値する舞台だったようです。  ワークショップから1週間後の公演の日、11時からのリハーサルに間に合うように、朝5時50分に駅でまーさんと待ち合わせして出かけました。輝くような1分20秒の舞台のために。    いよいよ本番の舞台。まーさんは緊張で前日眠れなかったといってました。  白い衣装を着てリハーサル。大音響と煙の中でのリハーサルは、ピーンと張り詰めた緊張感があり、まーさんも必死に動き回っていました。ふだんの生活では絶対に味わえないこの緊張感、こんなにも密度の濃い時間をまーさんにしっかり味わって欲しいと思いました。  そして本番。『森と夜と世界の果てへの旅』のラストシーンを舞台裏でじっと待ちました。汗だくになった役者たちが走り回っているそのすぐ側でじっと待ちました。  合図で舞台の後ろに横たわります。希望をかなえる卵が破裂すると、大音響と共に、照明が落ちます。目くらましのライトが客席に向かってつき、煙がもうもうと立ち上がって、すごい迫力。倒れたジュジュマンがゆっくり立ち上がって歩き始める気配を感じながら、まーさんたちもゆっくり立ち上がり、歩き始めます。傷ついても傷ついても、人はまたその傷ついた体で歩き始めるしかないというメッセージ。  「まーさん、こうやって歩くんだよ、つらくても、苦しくても、歩き始めるんだよ」って、祈るような思いでまーさんの後ろを私は歩きました。  今までにない、にぎやかな、すばらしいラストシーンだったと思います。    まーさんの1分20秒の舞台は終わりました。ものすごく緊張して、ものすごく楽しい舞台だったように思います。  この舞台で感じた「心のほてり」が、これからのまーさんの人生にどんな影響を与えるのか、全くわかりません。またいつものように暗いまーさんに戻るのか、それとも少し違ったまーさんになるのか。  帰りの電車の中であこがれのマッキーと撮った写真を見せてくれました。舞台のあとの心のほてりがそのまま出ているような写真です。この1枚の写真を撮るために飯田まで行ったんだなと思います。
  • ただオペラを観に行っただけなのに
     歌のワークショップとパン教室に来てくれた方が、先日のオペラについてすばらしいブログを書いていました。   『ただオペラを観に行っただけなのに』ameblo.jp    あらためて『ロはロボットのロ』やってよかったと思いました。反響がまだまだ広がっていきそうですね。    この方、お子さんの担任(支援級)に 「夏休みの宿題はないんですか?」 と聞いたら 「hanaちゃんが元気に過ごすことが宿題だと思います」 って言ったというのですから、いいセンスしてますね。こういう方が学校に中でどんどん増えて行ってくれると、お互いがもっともっと生きやすくなると思います。    
  • ロはロボットのロ 収支報告
    今回の収支報告です。  収入    チケット収入      675,000円    ワークショップ参加費    25,500円    寄付          303,388円    収入合計        1,003,888円    支出    公演費用        800,000円    ワークショップ費用   160,000円    会場費 付帯設備     74,190円    ピアノ調律        56,000円    チラシ、チケット印刷代  46,400円    雑費           23,000円    支出合計         1,159,590円             収入ー支出=ー155,702円      たくさんの寄付が集まりました。本当にありがとうございました。この寄付こそが地域社会の希望を作り出すのだと思います。  赤字は出ましたが、ま、銀行に眠らせておくより、こういうことに使った方がずっといいと思います。とにかく子どもたちがあれだけ笑顔になれたのですから… 
  • たくさんのありがとう
     オペラの公演を企画する、という大変な事業をやりながら、タカサキは肝心なところが抜け落ちています。公演のあと、うきうき気分での帰り道、みどりアートパークから電話がありました。 「お金忘れていますよ」  公演のあと、握手会などでごちゃごちゃしていたので、30万円近いチケットの売り上げが入った金庫をアートパークに預かってもらいました。あろう事かその金庫を忘れたのです。  慌てて車をUターンさせて取りに戻ったのですが、翌日になって、今度はアートパークに会場費を払うのを忘れていたことを思い出し、電話しました。職員の方が請求書を持ってパン屋まで来てくれたのですが、そのときになって、会場費がかなりの額が減免という扱いになっていることを知らされました。これは本当にうれしかったですね。  昨年9月、六本木の俳優座で、『ロはロボットのロ』再演のニュースを聞き、「やります!」って手を上げた翌日、みどりアートパークの館長に電話し、すぐにホールを押さえました。そのときにこちらの趣旨(こんにゃく座のオペラを子どもたちにプレゼントしたい)を聞き、二つ返事で「みどりアートパークと共催でやりましょう」と言って下さいました。このあたりのセンスと決断力がすばらしいですね。  みどりアートパークがただ場所を貸す、といった事業にとどまることなく、地域社会の未来を作っていくことに積極的に関わることはすばらしいと思います。  減免にするかどうかは館長が一人で決めるのではなく、理事会のような会議で決めるそうで、ですから今回も館長が相当がんばった結果だろうと思います。あらためて感謝!感謝!です。本当にありがとうございました。  というわけで、会場費として計上していた経費がかなり減り、最終的な赤字は55,512円になりました。寄付をして下さった方、宣伝に協力して下さった方、チケット販売に協力して下さった方、寄付金付きチケットを購入して下さった方、寄付金付きコーヒーを飲んで下さった方、公演当日の準備を手伝って下さった方、歌役者、制作の方たちの弁当を作って下さった方、そのほか私の気がつかないことをいろいろやって下さった方、本当にありがとうございました。  協力していただいたみなさんの力は地域の未来を豊かにすることにつながっていきます。機会があればまたみんなで楽しいこと、一緒にやりましょう。      
  • 実はカメラで顔を隠してたんですよ
      『ロはロボットのロ』の公演に向けて書いたブログを『子どもたちにオペラを・ゆめ基金』のページにまとめていたら、なんと25本もあって、自分で書いていながらちょっとびっくりしました。  おもちゃやお菓子ではなく、オペラを子どもたちにプレゼントするなんて、そんなことができるの?と思った方も多かったと思うのですが、それができちゃいましたね。元々タカサキの思いつきで始まったもので(パン屋の構想が持ち上がった8年前、パン屋が儲かったら地域の子どもたちにオペラ『ロはロボットのロ』をプレゼントしたいな、なんてふと思ったことがすべてのはじまりでした)、タカサキ自身、最後の最後まで、ほんまにできるんだろうか、という思いで、ブログを書きまくってきた感じがします。 『ロはロボットのロ』公演物語 - ぷかぷかパンの店『カフェベーカリーぷかぷか』pukapuka-pan.xsrv.jp  公演そのものはお金さえ用意すればできます。そうではなくて、『オペラを子どもたちにプレゼントする』つまり、子どもたちにオペラが届くかどうか、ほんのひとときの夢の世界を楽しんでくれるかどうか、といったソフトな面がうまくいくかどうかです。  力のある作品なので、絶対にみんな楽しんでくれる、と思っていましたが、子どもたちの笑顔を見るまでは、やっぱり不安でした。  公演のあとのロビーでの握手会。あのすごい人だかりと、子どもたちの笑顔、笑顔、笑顔に、一人で『やったー!」って喜んでいました。カメラのファインダーが涙でにじんでぼやけていました、というより、カメラで顔を隠していた、と言う方が正確です。ですから、あのときはシャッターチャンスが山ほどありながら、あまりいい写真が撮れていませんでした。    公演の二日後くらいに、《毎朝、子どもと一緒に「テトのパンは あ」を歌っています》ってメールが届いたときは、予想をはるかに超えた結果に、本当にうれしかったですね。 毎朝「テトのパンは あ」 - ぷかぷか日記pukapuka-pan.hatenablog.com    こうやって『ロはロボットのロ』は毎日の暮らしを元気にする、というか、歌にあるように「新しい希望と、新しい喜びと、新しい元気」が溢れる新しい朝を子どもたちの家で作り出すんですね。  「子どもたちにオペラをプレゼントする」ことの意味の広がりを、あらためて思いました。      
  • ここに来ると、ゆっくり休む気持ちになれる
     保護者の方から、こんな書き込みがありました、と送ってくれました。                 ●●● 今日は朝イチで通院介助。時間が空いたので、つい!ぷかぷかに行ってしまった。   ぷかぷか(カフェベーカリー)に入ると、ウルトラ・メガ・スーパーいい匂いがしている!!何を作ったらこんな美味しそうな匂いになるの??さて・・パン屋さん。暗算がすごい辻さんに、会いたかったのに?外販に出ていると言う。そっか・・残念。クリームチーズ&ベリークルミのパン、ピロシキをコーヒーと頂く。この2つのパン、最強!!美味しい。  是非皆にも食べて欲しい。(来れる人は♪)背後で、お惣菜作りや、パン屋の作業をしている美味しい匂いと、レジのお兄さんのお喋りと鼻歌(日本昔話)が聞こえて、平和なBGMの中、しあわせ~な気持ちになる。  その後、アートスペースに行って、展示物を見て、ピンバッジ購入。プラ板と、レジンの組み合わせで、色々な素敵な商品を作っている。絵がね、ものすごく凄い。すごいとしか言いようがない。味わい深く、すごい。店の窓ガラス、この前行った時はみんなの絵で一杯だったのに、今日は何も描かれていないので、お店の方に聞くと、  あんまり沢山になってしまったので、一旦消したとの事。ちょうど夏休みなので子供たちが描いてくれると思う、と言ってた(斜め前に学童が出来ていたから、良いかもね)。私も描いてみようかな・・ちっちゃい、2つの寄り添うキノコの絵を描いた。絵を描くなんて久しぶり・・どの位ぶりなのかな? やっぱりさ・・絵を描くのっていいね。やっぱり又描きたいな。モチーフは柴犬だな。ここに来ると、ゆっくり休む気持ちになれるのと、もの作りをする刺激を受けるなぁ。今日は息継ぎの日。              ●●●   「ここに来ると、ゆっくり休む気持ちになれる」というのがいいですね。ようやく「ぷかぷか三軒長屋」らしい雰囲気が出てきた感じで、とてもうれしく思いました。                 
  • またまたうれしい感想
     またまたうれしい感想が届きました。                ●●● 【ロはロボットのロを観ながら ずっと、高崎さんを感じていました】感想文に、こんな題名をつけてしまったら、こんにゃく座の方がずっこけちゃうかな、とおもいつつ、正直に書いています。『ロは ロボットのロ』とても楽しかったです✨夫と、7歳、4歳の息子と4人で観覧しました。後半は、4歳の息子がお金のオトコと魔女がこわい、とぽろぽろ泣き出し、まだ、『この世界は善である』の中で生きている彼には外面は悪人だけれど、良心もある、という仕組みはなかなか難しいだろうなあと親子室と、劇場外をうろうろしながらの観覧となりました一方、7歳息子は、とっても楽しかったそうです。『この世界は美しい』を生きはじめ、そしてお話が大好きな彼にとって、生のオペラは、たまらなく興奮する、楽しい時間だったようです。数日経った今も、兄弟で「テト」の歌を歌ったり、魔女のお尻をペンペンする真似をしたり、様々なシーンを思い出しては楽しそうに再現しています。さて。冒頭の高崎さんを感じていたというお話です。いま、ここにいる高崎さんがまるで、『ロはロボットのロ』の舞台の中に生きているように感じていました。それはぷかぷかを、なみなみならぬ想いで立ち上げ、毎日、どんなことがあっても大切なメンバーさんとともに生きるんだ、絶対いっしょに生きていった方が、人生楽しいよ、とみんなに発信しつづけるお姿を拝見していたからかもしれませんし、また、『ロはロボットのロ』をぷかぷかをつくったときにかならず地域のこどもたちにプレゼントするんだって決めていた、という力強い想いを知ったからかもしれませし、高崎さんが舞台を愛する人であると著書を読んで知っていたからかもしれません。なぜだかわかりませんがロボットと人間が同じ舞台の上で一番大切なもののために必死に生きる姿をみてああ、これは高崎さんの人生の一部なんだと思ったわけなんです。ロボットにも感情があって大切なものをわが身をかえりみずにまもりとおす貫き通す尊い意志を持っているどんな人にも弱い部分もあれば強い部分もあってそのすべてが愛おしいんだよ一人ひとりが大好きなことをしたらいいんだよってぷかぷかのページをとおしていつもいつも高崎さんがわたしたちに発信してくれているメッセージがあのオペラの中に生きているだから、ああ、この『ロはロボットのロ』には高崎さんがいるんだなあって思ったのかもしれませんとても胸を打つ作品でした。こんにゃく座の方たちの素晴らしい上演そして地域のわたしたちにプレゼントしてくださった高崎さんに心から感謝します。今度、高崎さんに会ったらきっと高崎さんの笑顔の中に大好きなこと大切なことをつらぬきとおした「テト」の笑顔を見つけるでしょう。これからも楽しみにしています✨              ●●●    あの、私は自分のやりたいこと、楽しいと思うことを、適当にやってるだけなので、こんなふうに受け止めていただくと、ちょっと気恥ずかしいというか…。  でも、とてもうれしいです。ありがとうございました。   
  • ブルーベリー狩り
     ブルーベリー狩りに行きました。  森を行くとこんな木彫りの像が… 味のある顔です。   1年ぶりのブルーベリー畑   ブルーベリーブルーベリーブルーベリー   こんなに採れました   アカギさん、セノーさん、ミヨシさん、それにタカサキでがんばりました。   帰り道、坂道をぐんぐん登っていくセノーさん   ブルーベリーはジャムにし、そのまま瓶詰めにして販売したり、パンの具材として使います。楽しみにしていて下さい。 ブルーベリー狩りは8月半ば頃まで時々行きます。夏の暑い盛りの仕事です。
  • 毎朝「テトのパンは あ」
     『ロはロボットのロ』のすばらしい感想が届きました。                  ●●●  「歌のワークショップ」に参加してから、息子(5歳)はオペラのCDを毎日聞きたがるようになり、『テトのパンは、あ』を全部歌えるようになりました。そして、毎朝のように「ママ、『テトのパンは、あ』を歌おうよ」と誘われ、一緒に歌いました。梅雨真っ只中のどんよりした朝も、歌い終わると歌詞通り「新しい希望と、新しい喜びと、新しい元気」が溢れる新しい朝になっている気がして、歌と言葉の力を実感する毎日でした。息子も最後の「新しい希望と〜」からの部分が一番気に入っていたようです。毎日歌を聞いていた一歳の娘も、ラストの「あ、あ、あ、あ〜」のところは「あ、あ、あ〜♪」と歌うようになり、これまたほっこりさせられる瞬間でした。 息子は、テトがピーマン嫌いで、無理やり食べさせられて「おえ〜」っとなるところと、エドとドリトル博士の早変わりのところが一番よかった!と終わってから何度も話していました。そして、ピアニストのすごさも改めて感じたようで、握手会の時には、緊張しながらも感想を伝えていました。お腹を抱えて笑ったり、真剣に見いったり。一緒に歌うのも忘れ、お話の世界に没頭しているようでした。 娘は、途中ぐずることもあり、座席と親子室を往復しながらの観劇になりましたが、歌が始まると階段を降りて舞台に近づこうとしていて、ワークショップの時同様、かぶりつきで歌を聴きたかったようです。 私にとっては、以前一度観た作品を、自分の子どもを連れて再び観ることができ、楽しさを共有していることに不思議な感慨を覚えつつ、夢のように過ぎていった素敵な時間でした。ラストの「テトのパンは、あ」を聴きながら、「どうか終わらないで〜。もっと聴かせて〜」と名残惜しくなりました。 終わってからの握手会の時間をたっぷり取ってくださって、余韻に浸れて嬉しかったです。 ワークショップに参加してから観賞するのは初めてでしたが、作品や役者さんに親しみを持ち、公演までの日々を期待を持って過ごすこともでき、当日もどっぷり楽しむことができ、とっても得をした気分です。 またいつか、こんな企画に参加できたら嬉しいです。 それと、キフ子さんの物語もブログをのぞいて楽しませてもらっていました!絵本やパラパラ漫画にできそうですね。続編も楽しみにしています。                  ●●●        オペラがこんなふうに毎日の生活に入り込んで、新しい朝を親子で楽しむなんて、ステキだなと思いました。毎朝、親子で歌って「新しい希望と、新しい喜びと、新しい元気」が溢れる新しい朝がやってくるって、最高に幸せだと思います。オペラの最後の歌は、そんな朝をみんな迎えようよ、っていうメッセージだったと思います。    オペラの感想、まだ受付中です。ぜひ送ってください。   pukapuka@ked.biglobe.ne.jp    
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