ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • どこかゆるっとする世界があるということ
     先日のワークショップの報告で「むっつりに感染しない人たち」のことを書きました。ぷかぷかのメンバーさん達のことです。彼らこそ、この「むっつり」で覆われた、息苦しい世界から私たちを救い出すのではないか、というわけです。しかも「むっつり」をやっつけるといった暴力的な方法ではなく、ありのままの彼らがそこに立ち続ける、というきわめて平和的な方法で。  hanaちゃんのお母さんがブログに感想を書いていました。 ameblo.jp    発表会の芝居にはどこかで「世界がhana基準になったら」を朗読してもらう予定です。  このところ車の顔の表情がとてもきつくなっている気がします。一昔前はもっと親しみの持てる表情でしたが、このきつさはやはり社会のきつさを反映しているのではないかと思います。  「むっつり大王」も多分車の表情と同じなんだろうと思います。その「むっつり大王」が支配する世界の中で、「むっつりに」感染しない、どこかゆるっとする世界があるということ。そこにこそ希望があるように思うのです。    
  • 絵地図がパネル張りに
      絵地図のパネル張りができあがり、今日は一度はがした似顔絵、お店の絵などをプロの方に貼り込んでもらいました。  表具用の糊を丁寧に塗ります。  貼った上に薄い紙を置いて刷毛で丁寧に伸ばしていきます。 修行中の娘さん 三人がかりでマスキングテープを貼ります。 色のはげたところを修正します。 完成!4時間ほどかかりました。これだけのクオリティがあれば、どこへ展示しても恥ずかしくない、と額装屋さん。 区役所へ運び込みました。 パネル張りにするとものすごく立派になりました。 こんなよれよれだったのです。 年明けに緑区役所ロビーに展示されます。
  • ぷかぷかさんと一緒にいると、癒されて、平和な気分
     ワークショップに参加した方からの感想です。 ●●●  嫌な気分が伝染していくワークや、むっつり大王から文句を言われるシーンでは「演技でやっている」とわかっているのに、一瞬「ムっ」としたり「イラっ」と心がざわついたりして、どんどん続けていたら、本当にはどめがきかなくなるのかもしれない・・・と、一瞬ですが少し怖さを感じました。 そんな中、ツジさんとか小山さんの、怒ってる演技なんだけど全然怖くない顔やセリフに、ついついまわりが吹き出してしまうシーンがいっぱいありました。 こんな意地悪なことをしたら(言ったら)、相手はきっとこんな感じで嫌がる(怒る)だろうとある程度予測をして、人は行動してるのだと思います。そして、予測通りの反応が返っていると、お互いにどんどん過剰になっていく・・・。  反して、予測とは全然違う反応が返ってくると、なんだかやっていることがバカみたいに思えてきて、続けるのをやめる。というか、続けたくても続かない。ぷかぷかさんと一緒にいると、癒されて、平和な気分になるのは、こういったところにも一因があるような気がしました。 「生きる」の詩では、困ったことを表現し、手をさしのべていくシーンをやってみましたが、そういえば、このワークショップにくるといつもぷかぷかさんの誰かしらが手をさしのべてくれていることにも気づきました。「大丈夫、元気?」と話しかけてくれたり、「がんばろうねっ」て抱きついてくれたり。 その壁のない自由なふるまいに、勝手に癒されて、どんどん心が自由になっていくのです。ぷかぷかさんといると、癒されるのは、ぷかぷかさんが自分らしく生きているからなんだと思います。だから、私も自分のもっているものを発揮して、のびのび生きていれば、誰かを癒したり元気づけられる存在になれるのだと信じています。そうだ、私はそういう存在になりたくて、このワークショップに参加しているんだ!と改めて確認することができた回となりました。
  • むっつりに感染しない人たち
     今期のワークショップは谷川俊太郎の詩《生きる》をモデルに、参加者一人ひとりが自分の《生きる》をテーマにした詩を作り、その詩をみんなの詩としてまとめ、それを芝居の形にするドラトラ(詩劇)の方法を取り入れました。  それぞれの《生きる》が見えたりしておもしろかったのですが、一人ひとりの詩をみんなの詩としてまとめる段階で、どうしても言葉のやりとりが多くなり、ぷかぷかのメンバーさんがそのやりとりの中には入れない場面が生じました。抽象的な議論はメンバーさんの苦手とするところです。  言葉ではなく、体で表現しながら先へ進んでいこう、という試みを今回のワークショップではやりました。歌も、歌の場面を想像し、体で表現してみました。 1,歌を体で表現 《つまさききらきら》は 地面に写った葉っぱの影の上を飛ぶ歌です。床の上にガムテープで葉っぱの影を描き、その上を飛びながら歌ってみました。   《岩手軽便鉄道の一月》は宮澤賢治作詞、林光作曲の歌で、キラキラ光る凍った木々の立ち並ぶ雪原をのどかに走る蒸気機関車の軽便鉄道です。「かがみをつるし」という表現がいかにも宮澤賢治の世界で、歌っていると鏡のようにキラキラ光る雪原の風景が目に浮かびます。  クルミの木ジュグランダーのジュグランダーとか、かわやなぎサリックスランダーのサリックスランダーはクルミや柳の学名から宮澤賢治が作った造語のようです。それを体で表現してみました。「クルミの木ジュグランダー」とか「かわやなぎサリックスランダー」っていいながら、ぱっと体で表現すれば、それが「クルミの木ジュグランダー」になり「かわやなぎサリックスランダー」になるところが芝居のおもしろいところです。  これが「クルミの木ジュグランダー」 これが「かわやなぎサリックスランダー」  ね、そんなふうに見えるでしょ。   2,誰かに届ける朗読  谷川修太郎の詩「生きる」の朗読は、一人ずつ順番に一行ずつ読んだのですが、今回は次の読み手を自分で選びました。この詩の読み手をあなたに引き継いで欲しい、と。「生きる」の世界を誰かに引き継ぐ、ということをみんなで共有した気がしました。 www.youtube.com   3,クジラになる  みんなの大切にしたいことをことごとく破壊してしまう「むっつり大王」は実は自分の中にあったことを前回のワークショップで見つけました。その「むっつり大王」問題を解決するために「ぷかぷか」で作った段ボール製のクジラがどこかで使えるんじゃないか、という案が出ました。  そのクジラをワークショップ会場のみどりアートパークまで持ってこようとしたのですが、大きすぎで、ぷかぷかが持っている一番大きなワゴン車にも入らないことがわかって断念。それで今回はわんどのワークショップで描いた大きなクジラの絵を持ってきて、クジラの登場するDVDを見ました。クジラの鳴き声が聞こえます。  みんなでクジラの形を作りました、   みんなでクジラや魚になって海を泳ぎました。ツジさんがクジラの鳴き声をやっています。 www.youtube.com  この体験はとても好評でした。   4,大切にしたいこと  みんなで作った詩をもう一度取り出し、グル−プ毎に大切にしたいことを三つ取り出して、それを簡単な芝居にしました。  野球をやったあと、家に帰ってカレーライスを食べて早く寝たい、という作品がありました。それが大切にしたいこと、というあたりがメンバーさんならではの発想。ふつうの人ばかりのグループでは、こういうことは絶対といっていいくらい出てきません。 www.youtube.com    電車に乗りたい、アイスクリームが食べたい、という作品もありました。車掌がアイスクリームを販売していました。   5,むっつりが広がる  「むっつり大王」は自分の中にいる、という発見から、「むっつり」の感情がどんなふうに広がっていくかをやってみました。「むっつりの階段」をやりながら、そのむっつりを外に広げてみました。 「むっつり」がどんどん広がって、恐ろしいくらいでした。   仮面をかぶって「むっつりの言葉」を言ってみました。 www.youtube.com     6,むっつりに感染しない人たち  終わってからの反省会。「むっつり大王」を消滅させるためには何をすればいいのか、がなかなか見えてきません。クジラを登場させるにしても、それが「むっつり大王」をやっつける魔法の杖になってはワークショップをやってきた意味がなくなります。  「むっつりに感染しない人たちもいるんじゃないか」という意見が出ました。ぷかぷかのメンバーさん達のことです。「むっつり」は様々な不満、欲望から生まれます。慎ましく自分の人生を楽しんでいる彼らには、そういう気持ちがほとんどありません。彼らこそ、この「むっつり」に覆われた世界からみんなを救い出すんじゃないか、というわけです。  ワークショップの中で、いらいらした気分でどうしようもなくなったときや落ち込んだとき、ぷかぷかに行くとなぜか救われた気分になるんです、とおっしゃった方がいました。「ぷかぷかが好き!」という人がどんどん増えているのも、社会の中で生きづらさを感じている人が多いからではないのかという気がします。  「むっつり」がどんどん増えていって、「むっつり大王」がグワァ〜ンと最大限大きくなって暗転した舞台にスポットライトが当たります。そこにはぷかぷかのメンバーさん。  コヤマさんはワークショップが終わると必ずお母さんに電話します。 「もしもし、ショウヘイです、きょうは、♪ おひさまーが りんごのー はっぱをとおして ひーかる おひさまーが りんごのー はっぱのかげをつーくるー ♪ と歌いました。たのしかったです」と、電話口で歌うのです。  スポットライトの中で、こんなエピソードをやれたら、と思っています。      
  • 発表会の舞台に50万円
     読売福祉文化賞の副賞100万円が入り、ぷかぷかはさぞ裕福になったのではないかと思われる人が多いのですが、残念ながら使い道が決められていて、ワークショップの運営資金にしか使えないのです(ワークショップの企画で申請し、それが評価されて受賞に至ったので)。  ワークショップの運営資金はワークショップの進行役、ピアニスト、舞台監督、照明係、ピアノ調律などの人件費と、ワークショップの会場費(毎回リハーサルルームと会議室2部屋を使います)、発表会に使うホール、楽屋、リハーサルルーム、会議室、ピアノ、照明、音響器具などの会場費です。  ワークショップは月一回集まって6ヶ月かけて芝居を作ります。発表会のある月は追い込みのため、月に2回集まります。ですからワークショップの回数は6ヶ月で7回、それに発表会が加わる形で人件費、会場費の経費が計算されます。  発表会は1日ですが、仕込み、リハーサルがあるため、ホールは楽屋も含め2日間貸し切りになります。照明器具、音響器具、ピアノなどの付帯設備も2日間借ります。舞台監督、照明、音響などの人件費も2日分で、これらを合わせると発表会の舞台を作るのに約50万円かかることになります。  この舞台に50万円!  ちょっとびっくりですが、でも50万円では買えない《新しい価値》をこの舞台では生み出したと思っています。   ピアニストはこだわりの強い方で、ピアノの調律はキースジャレットが日本に来るときに指名するピアノ調律師と同じ調律師を指名します。  ピアノは神奈川県で一番といわれるグランドピアノで、夏も冬もエアコンで温度、湿度が一定に保たれた部屋に厳重に保管されていて(私なんかよりはるかにいい環境で過ごされています)、本番前日に部屋から出して調律します。  舞台の費用に、ワークショップ進行役、ピアニストの人件費、ワークショップ会場費を加えると、6ヶ月に亘るワークショップで、ざっと150万円かかります。今まで獲得した助成金が80万円弱。不足分70万円強を読売福祉文化賞の副賞100万円でまかないます。  30万円の余裕がでるのですが、今年度のワークショップはまだ終わっていないので、その予備費として取っておきます。もし余れば、来年のワークショップのための資金になります。  ワークショップは毎年様々な助成金の申請書を書くのですが、必ずしももらえるわけではありません。今年は6本申請して、パスしたのはわずか2本。今年もらえたから来年もまたもらえるわけではなく、またゼロからの出発です。  というわけで、楽しいワークショップも、その裏では資金をどうやって工面しようかとタカサキはいつも頭を抱えています。だったらやめればいいじゃん、とも思うのですが、こんなに楽しいことはそう簡単にはやめられないと、もう来年度のスケジュールを考え始めたりして、これはもう病気です。  といいながらも、まじめな話、横浜アートサイト(横浜市文化観光局)、日本財団などがワークショップの意義を高く評価しているので、しばらくは続けていく予定です。評価しているからといって、毎年無条件で運営費を出してくれるわけではなく、あらためて申請書を書き、審査されることになります。なぜワークショップをやるのか、ワークショップで何を作り出すのか、社会的にどういった意味があるのか等々、毎年必死になって考えます。この緊張感が、ワークショップの質を高めています。    昨年のワークショップの記録映画『ぷかぷか』のアンコール上映会は来年1月7日みどりアートパークホールでやります。 午前と午後の上映の間に、ぷかぷかのパンと釜飯弁当を販売します。釜飯弁当はすぐになくなります。食べたい!って方は、予約を。923-0277おひさまの台所    今年度のワークショップの発表会は来年2月14日(日)にみどりアートパークホールです。詳しいスケジュールは後日発表します。      
  • オーラルピース
     昨夜オーラルピースの関係者の交流会がありました。オーラルピースは天然由来の口腔ケア用製剤です。植物性乳酸菌由来抗菌ペプチドと梅エキスから作られた口腔ケア用製剤で、飲み込んでも安心です。  石油由来成分、合成殺菌剤、エタノール(アルコール)、ラウリル硫酸ナトリウム等の合成界面活性剤(発泡剤)、シリカ等の研磨剤、安息香酸ナトリウム・プロピレングリコール(PG)・ソルビン酸K・パラベン等の合成保存料、合成香料、合成着色料等、化学合成成分は使用しておりません。  市販の歯磨き剤にはこういったものがたくさん入っていて、飲み込んだりするととても危険です。  oralpeace.com  3年前、たまたま知り合いの手島さんがこの事業を始め、ぷかぷかでもお店に置かせていただいています。健康な命を未来に引き継いでいきたいというぷかぷかの思いと重なるものがあるからです。  その手島さんの事業は「JAPAN VentureAwards 2015」の最高位賞である「経済産業大臣賞」を受賞。  《革新的な口腔ケア製品「オーラルピース」にて、お年寄りの健康長寿と介護負担・介護コスト削減を推進すると共に、全国の障害者の収入を創出する社会的課題解決を目的とする事業を展開するバイオ×ソーシャルベンチャーである株式会社トライフ(本社 横浜市中区、代表 手島大輔)は、 2015 年 2 月 17 日、独⽴⾏政法⼈中⼩企業基盤整備機構が主催する「JAPAN VentureAwards 2015」の最高位賞である「経済産業大臣賞」を受賞いたしました。 「JAPAN Venture Awards」は、過去13回の歴史を誇る全国規模、日本最大級のビジネスグランプリで、「社会性」「先進性」「革新性」「地域性」「国際性」「技術性」等に優れた事業を行い、リスクを恐れず挑戦する起業家を表彰する表彰制度です。》  昨夜はその審査委員長がスピーチをおこないました。  100人近い参加者で熱気むんむんの会場におひさまの台所のオードブルを届け、とても好評でした。 www.facebook.com   オーラルピースはパン屋とカフェに置いています。  
  • 社会が失うものを《想像》して欲しい。
     緑区役所の人権研修会に講師として呼ばれたのですが、私一人で行ってもなんだかつまらない気がして、ぷかぷかのメンバーであるツジさん、アサノさん、コンノさんを連れて行きました。  人権問題について抽象的な話をしても何も前に進みません。こういうことは人権問題になるからやってはだめです、とか、障害者を差別することは人権上許されません、とかの話をしても、「ああ、そうですか」で終わってしまい、何も変わりません。  大事なことは研修会がきっかけで、参加した人の中で何か新しい発見や出会いがあり、ほんの少しであっても、よりよい社会に向かって前に進むことです。そのためには人権問題の当事者、障害者差別に関しては障がいのある人本人に会うのが一番だと考えました。《障害者》という言葉には、社会のお荷物だとか、厄介者といったマイナスイメージばかりが詰まっています。でも、本人に会えばすごく楽しくて、心あたたまるところもあって、マイナスイメージばかりじゃないよな、ってすぐにわかります。  そういう人と人との出会いこそが、社会をよりよい方向へ変えていく出発点になると思うのです。  参加者のほとんどの方は障がいのある人たちと接するのは初めてだったようです。ですからツジさんが会場に着いたときからずっとしゃべりっぱなしだったことにちょっとびっくりしたようでした。このびっくりすることも大切な出会いです。  一人ひとり簡単な自己紹介をしてもらいました。ぷかぷかでどんな仕事をしているのか、仕事でおもしろいのはどんなところか、給料は何に使っているかなど聞きました。アサノさんは彼氏の話もしていました。コンノさんは秩父鉄道というマイナーな路線の話をしていました。ツジさんは紅白歌合戦が大好きなので、2005年の出場歌手の名前を全部言ってましたが、これがほんとうにあっているかどうか誰もわかりませんでした。ついでに2014年の歌手も言ってもらい、これはみんなよく知っている歌手なので、それを機関銃のように次から次に名前を言い、これにはみんな驚いたようでした。  驚きの中で《障害者》という言葉に詰め込まれた社会のお荷物だとか、厄介者といったマイナスイメージはどこかへ行ってしまったのではないかと思います。《障害者》といわれながらも、そこにはあたたかな生身の人間がいるということ、泣いたり、笑ったり、日々自分の人生を楽しんでいる人がいるということ、その当たり前のことに気がついたことはとても大きかったのではないかと思います。何よりも彼らと接すると、なぜか心がぽっとあたたまるということ。  そこを押さえた上で今一度《想像力》を働かせて欲しい。《障害者》を社会から排除するとき、私たちは何を失うのか、ということを。私たちはそれで幸せになるのか、ということを。  ぷかぷかのプロモーションビデオのプロデューサーの中島さんが撮った映像を紹介します。 www.youtube.com  彼らのインタビューの最後にツジさんに《ヨイトマケの唄》を歌ってもらいました。決してうまいわけではないのですが、しんしんと心にしみるものがあって、歌い終わったとき「ツジさん、ありがとう」といいながら、ついうるっと来てしまい、ちょっと困りました。  どうしてツジさんがこの歌を歌うのか、本人に何度聞いてもよくわかりません。紅白歌合戦で聞いたときいっぺんに気に入ったらしいのですが、そのどうして気に入ったのかがよくわからないのです。しつこく聞くと「勉強するよ」のところ、といったりするのですが、どうしてそこなのか、よくわかりません。そういう説明を彼は一切しないのです。 父ちゃんのためなら エンヤコラ 母ちゃんのためなら エンヤコラ もひとつおまけに  エンヤコラ 今も聞こえる ヨイトマケの唄 今も聞こえる あの子守唄  工事現場の昼休み たばこふかして 目を閉じりゃ 聞こえてくるよ あの唄が 働く土方の あの唄が 貧しい土方の あの唄が  子供の頃に小学校で ヨイトマケの子供 きたない子供と いじめぬかれて はやされて くやし涙に暮れながら 泣いて帰った道すがら 母ちゃんの働くとこを見た 母ちゃんの働くとこを見た  姉さんかぶりで 泥にまみれて 日にやけながら 汗を流して 男に混じって ツナを引き 天に向かって 声をあげて 力の限り 唄ってた 母ちゃんの働くとこを見た 母ちゃんの働くとこを見た  なぐさめてもらおう 抱いてもらおうと 息をはずませ 帰ってはきたが 母ちゃんの姿 見たときに 泣いた涙も忘れ果て 帰って行ったよ 学校へ 勉強するよと言いながら 勉強するよと言いながら   ツジさんは人とのおつきあいの苦手な方で、会話が成り立たないことが多いので、人の生きることについても、それほど考えてないんだろうな、とつい思ってしまいます。でも、この《ヨイトマケの唄》を一度聞いただけで気に入って、歌詞を全部覚え、人の前で、人の心に響くように歌うところを見ると、人が生きることについて、すごく深いところで見ているように思うのです。  そんな彼も社会の中では《障害者》であり、さげすみの対象です。これこそが人権問題です。人権問題は、私たちの側の貧しさに他なりません。
  • ごちそうさまでした
    うれしいメールが来ましたので紹介します。 ●●● おひさまの台所の皆様   こんにちは。 土曜日は豪華なオードブルを届けて頂いてありがとうございました。 どのお料理もとても美味しかったです。   おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に16日に10歳になる息子の一足早い誕生日祝いでした。 障がいの親の会で知って、カフェに伺ったのがぷかぷかさんとの出会いでした。 行く前は利用者さんがどんなところでどんな風に働いているのだろうという興味と応援の気持ちでしたが、伺ったら美味しいから、雰囲気が良いから、コストパフォーマンスが良いから、好きなお店になりました。 一度オードブルを頼んでみたかったので、チャンスがめぐってきて嬉しかったです。 おじいちゃんは前から春巻きがお気に入りで今回は他にも色々なお料理が食べられて、おばあちゃん共々大満足してもらえました。 ぷかぷかしんぶんとリーフレットを見ながら、今度はぷかぷかカフェに行ってみたいと言うので、近いうちに連れていってあげようと思っています。 皆でゆっくりと美味しいランチを食べて、お惣菜とパンを買って帰る日を楽しみにしています。 本当にこのたびはごちそうさまでした。
  • 悩むおじさん−2  とても深いところを揺すぶられ…
     近所の悩むおじさんことオーヤさんがワークショップの感想を送ってきました。 pukapuka-pan.hatenablog.com  発表会の直前のワークショップに仕事が休めなくて参加できないかもと言っていたオーヤさん、仕事が忙しいのにワークショップがますますおもしろくなって、更に悩みが深くなったようです。 ●●●  今回、チームに分かれて「挨拶を無視される」「さいふを落とした」「こまっている」の芝居をすることや、皆でむっつり大王のお面を作り嫌なことを言うことを初めてやりました。 芝居では、それぞれのテーマについて、どのような場面を表現するかを皆で考え発表しました。「さいふを落とした」という芝居では、実際はもっと焦りそうだけど、思ったことを表現できない、もどかしさがありましたが、ヨッシーが穴を掘って財布をさがす芝居をしたときは、驚きとともに、笑えました。こんなことは思いつかないし、できないという感じです。  芝居を通し、普段の生活では、考えないことや感じないことを経験することができました。 芝居の面白さってこんなところにあるのかと思いました。  むっつり大王では、各々がイメージするむっつり顏のお面を作り、かぶって嫌なことを言いました。お面をかぶるだけで、普段言えないことを言えたことに驚きました。  むっつり大王が登場する劇は、どんなことになるか予想できませんが、面白くなりそうです。 非常に楽しみです。 ●●●  発表会直前のワークショップ、オーヤさんはどうするのかなぁ、と楽しみにしています。仕事を取るのか、ワークショップを取るのか、まじめなサラリーマン人生を送ってきたオーヤさんにとっては、人生の大きな分かれ目と言っていいほどのこれは出来事になると思います。  私の話を聞いて、なんだかおもしろそうって思ってワークショップに参加したのですが、まさか自分の人生とこういう形で向き合うことになるとは思ってもみなかったのではないかと思います。でもね、こういうことがあるから、ワークショップはおもしろいんですよ。それだけワークショップでやっていることは、人間にとって、とても深いところを揺さぶるのだと思います。  ちょっとだけですが、新しい人生が始まるのか、それとも今まで通りの人生なのか。どちらが正しいというものでもありません。大事なことは思いっきり悩むこと。悩んで悩んで悩みきって欲しいなと思います。
  • なんだか面白い、特別なお兄さんお姉さんたち
    ぽんちゃんから再び娘さんがワークショップに参加する理由についてメールがありました。   ●●● 昨日ははっきりとは書かなかったのですが 娘に「障がい」や「障がい者」という言葉を使ったこともないし 教えたことがありません。   カフェベーカリーぷかぷかで働く人たち=ぷかぷかさん   私は娘にメンバーさんたちのことをそう伝えているし、 娘もそのまま認識しているはずです。   「障がい」という言葉や概念を知らない娘にとって メンバーさんたちは、他の大人たちとどこも違わないのだと思います。   それどころか、自分が出逢った大人たちよりも なんだか面白い、特別なお兄さんお姉さんたちだと思っているのではないでしょうか。   以前、ぷかぷか5周年イベントで辻さんの歌を聞いたことがあります。   歯磨きしながら歌う姿がおもしろくて仕方がなかったようで、 家でもよく「歌のお兄さん」の話をしていました。   そして、しばらく後のパン教室に参加した時に、試食の時間、辻さんが娘の隣にすわって来ました。 その瞬間、娘はこっそりと、すごーく、嬉しそうな顔をしたのです。   それは、例えば「有名人が偶然隣の席に座ってきた」ときのような びっくりやら嬉しいやら、恥ずかしいやら、何とも言えない感覚というか…   端から見ると、そんな感じに見えました。   娘にとってメンバーさんたちは、テレビに出ている人たちに近いような存在なのかもしれません。 よく子ども番組に出てくる、歌のお兄さんやお姉さんのような。   ああ、だから、そんな憧れで大すきな人たちとワークショップでたくさん触れ合えて 距離が近づいて、それで嬉しいのかもしれませんね。   娘がワークショップを楽しみにしている理由は、きっとひとつではないのかもしれません。   これからの娘がメンバーさんたちとどういう関係を築いていくのか、楽しみです。 また次回、娘と一緒に参加させていただきます。  
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