即興で自分の感性と身体を使って表現をするということがとても新鮮でした
先月のワークショップに参加した方からの感想です。初めての参加です。 ●●● 仕事柄、人前で話すことが多かったり、考えることが多かったりするので、ことばを用いるのでも頭で考えるのでもなく、即興で自分の感性と身体を使って表現をするということがとても新鮮でした。そして、たった一日だけの参加でしたが、たくさんの発見がありました。 認識や認知を基準にして生活していると、見えないものがいっぱいあるのだなと思いました。頭で考えてもなかなか腑に落ちないことが、感性や身体を使ったらいつのまにか落ちている。いつの間にか知らなかった他者とひとつになれている。とても不思議な時間でした。 今回ワークショップに参加して、初参加にもかかわらず、無理に誰かに合わせたり、無理に愛想笑いしたり、そういうことをしなくてよい空間にほっとすると同時に、とてもなつかしい気持ちになりました。 見渡してみると、みんなそれぞれ。寝転がったり、おしゃべりしたり、歌を歌ったり、昼寝したり、ぼーっとしたり。 「みんなちがって、みんないい」ってこういうことか(!)と、ひとり合点した瞬間でした。 また、初対面にもかかわらず、メンバーさんのひとりが仲良くしてくれて、彼女にぎゅっととハグされたり、顔を撫でられたり、背中をさすられたり、そういう肌と肌のふれあいをとてもあたたかく感じました。そういえば、小さいころ、よく障がいのある友だちと一緒に遊んでいたなと、昔を思い出しました。 いつからかな、わたしの生活のなかから彼らがいなくなってしまったのは(いなくさせられてしまったのは)。 これまで一生懸命にやってきたけど、わたしは何か大事なものを過去に置き忘れてきたのではないか、そんな思いに駆られました。でも、ここにいたらそれを少しずつ取り戻せそうで、また参加したいなと思うと同時に、何よりもここはわたしらしくいていいところなのかもしれないと思いました。 もともと引っ込み思案で、誰にも見つからず一人でそっと静かにいたいのに、年を重ねるにつれ人前に出ることが多くなっています。そんな自分も嫌いではないけれど、でもやはりどこかで無理をしています。なので、みなさんがそれぞれ思い思いに過ごしている姿を見て、「あー。無理しなくていいんだ。わたしのままでいいんだ。」って心の底から安心することができました。 いつの間にか彼らがいなくなった(いなくさせられた)わたしの暮らす社会では、特定の「規格」が良しとされ、みんなそれに合わせるように生きています。 同じように考えて、同じように行動することが想定されています。だから、想定外のことは歓迎されません。 今わたしが暮らすこのような社会と、ぷかぷかさんが創りだしている社会の大きな違い。 それは多様性と即興性なのではないかと思います。 多様性は、上記の通り「みんなちがって、みんないい」。 即興性は、一人ひとりが生み出す想定外と、それを周りが受け止める寛容性、そしてその場にいる者同士が一緒に新しいものを創り出す想像性と創造性で成り立っていると思います。 即興性は身体が閉じていてはだめだから、演劇ワークショップで少しずつ開いていく。 身体を開いて、心も開く。 そしてそれが一人ひとり異なる多様性につながっていく。 でも、多様性はバラバラに拡散するのではなく、みんなで一緒に生きていくことを志向する。 演劇ワークショップに参加して、そんなことを考えました。