ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • 人は誰でもそのままで生きていていい
     近所の方から素敵な話を伺いました。   ●●● 【ツジさんと鶴さんのおはなし】 先日、こどもたちとぷかぷかパン屋さんに行きました。『あ!今日はツジさんいたよ!』こどもたちがお店をのぞいて、うれしそうに走っていきました。こどもたちも私も、ツジさんが外販でいらっしゃらないときは、とてもがっかりするのです。お店に飛び込んでいったこどもたちはまず、パンを選ぶ前に、ツジさんを囲んでニコニコ。ツジさんは、いつものように『マダガスカル   クロアチア  ・・・』国名を言いながら、てきぱきと働かれていました。店内には、他にお客様がいらして、コーヒーを飲んでおられました。『スペイン  マドリード ・・・』ツジさんの国名のおしゃべりの中、先ほどのコーヒーのお客様と私は、目が何度もあいます。 その表情から 私がツジさんのおしゃべりに驚いているか、すこし心配されているのかな、と思いました。そのとき、コーヒーのお客さまがスタッフの鶴さんに声をかけられました『(・・・)訓練した方がいいんじゃない?』全部は聞こえてこなかったので不確かなのですが、『訓練』という言葉は、まっすぐ聞こえてきて、おもいっきり反応してしまい、思わず、『訓練してほしくないです!わたしたち、ツジさんが大好きなんです。会いに来ているんです。訓練・・・してほしくない。』と、口をはさんでいました。久しぶりに聞いた『訓練』という言葉に、ちょっとカチンときたのです。そうしたら、スタッフの鶴さんは、何も動じずに、こうおっしゃったのです。『ツジさんにおしゃべりをやめて。と言うのは、ツジさんに息を止めて、ということと、同じことなんです。』『訓練は無理です。』『それに、ツジさんの声は、とてもいい声だから、α波というのかしらね、聞いていて、とても気持ちがいいんですよ』『お客様からクレームもありませんよ』コーヒーのお客さまが、お話されることに鶴さんは、丁寧に応えています。そのあと、コーヒーのお客さまは、ツジさんにもお話をされていました。ツジさんは、『はい!』と元気いっぱいの返事。『はい!』(そのとおりです!)(もう、その話は、おわりです!)そんな風に聞こえました。コーヒーのお客さまはもう、何も言われませんでした。そのやりとりの様子を、こどもたちは、じっと見つめ、じっと聞いていました。レジに行くと、ツジさんはいつもよりも はりきった感じで『760円です!』トレーの上のパンの代金をあっという間に計算して教えてくれました。そして、ツジさんはすこし、笑ったお顔で、言われました。『チキルーム✨』『はい、魅惑のチキルームですよね。』ツジさんが歌う魅惑のチキルーム。大好きです。ツジさんがぷかぷかマルシェで披露された歌声。ツジさんの生きている世界は、『魅惑のチキルーム』みたいに陽気で楽しくて、みんながしあわせな世界なんだなあって感動したことを思い出しました。胸がいっぱいになりながら、こどもたちとぷかぷかパン屋さんを出て空を見上げました。ぷかぷかのご近所に暮らせていることに誇りを感じました。そして、胸がいっぱいになるほどの幸せを感じました。人は誰でもそのままで生きていてよくて誰からも「訓練」されることなんて必要なくてきもちよく生きているその姿は、みんなの幸せにつながっている鶴さんの言葉ツジさん、とっても嬉しかっただろうなあコーヒーのお客さまもいいパスをしてくれて、すごいタイミングにお店にいることができてほんとうにラッキーだなあって思います ぷかぷかさんここに居てくださることが私たちの幸せですツジさんが歌う魅惑のチキルームが、いま、わたしの頭の中を流れています。 ●●●   社会はこうやって、少しずつ少しずつ変わっていくのだろうと思います。 近所の方と、スタッフと、ツジさんの対応がすばらしいですね。 ぷかぷかが街の中にあることで、どんなことが起こるのか、そのことが社会の中でどんな意味を持つのかがよく見えます。 「障がいのある人たちは社会に適合できるように訓練した方がいい」という考えが、社会の中で圧倒的な力を持つひとつの「文化」だとすれば、近所の方とスタッフ、ツジさんの対応から見えてくるのは、「訓練なんかしなくていい」という、もう一つの新しい「文化」だと思います。「文化」といっていいほどの、人の新しい生き方の提案。 「人は誰でもそのままで生きていていい」という文化。 「それぞれがきもちよく生きているその姿は、みんなの幸せにつながっている」という文化。 ぷかぷかは今、それをこの街で創り出しているのだと思います。
  • 彼らの絵には、人を楽しい気持ちにさせるチカラがある。
     ぶんぶんマルシェがありました。ぷかぷかで作った横断幕が、あんばいよく収まっていました。  こういう雰囲気の中でこそ生きる横断幕だと思いました。「ぶん!ぶん!」という勢いをどうやって出そうかといろいろ悩みましたが、なんとかいい雰囲気が出せたと思っています。    横断幕を描く中で、楽しいミドリンがたくさんできました。  絵を見ながら、ミドリンて本当はこうやってすごく楽しいキャラクターなんだと思いました。区役所の職員の名刺にはプロの方が描かれたミドリンが印刷してあるのですが、正直言ってあまりおもしろくないですね。絵はうまいのですが、「あ、楽しい!」って感じではないのです。  アマチュアで、障がいのある人の描いたミドリンの方がはるかに楽しいと思います。見る人を楽しい気持ちにさせる、彼らの絵にはそんなチカラがあります。彼らはそうやって、社会を楽しくしているのだと思います。だとすれば、彼らは社会にとって、とても大切な存在になります。 こんな絵を描く人は、社会の宝だと思います。      「ぶんぶんマルシェ」は初回だっただけに、マルシェを目指してきたお客さんは、ほとんどいないようでした。下の写真のような雰囲気で、いるのはほとんどスタッフだけでした。    お昼休みに区役所の職員が出てきたりして、そこそこ売れたようでしたが、やはり「ぶんぶんマルシェ」を目指してくるようなお客さんをしっかり作っていかないと、これから先、だめだろうなという気がします。商品の魅力、雰囲気の魅力をどうやってこれから創り出すのか、というところですね。
  • ぶんぶんマルシェと映画『ぷかぷか』の上映会
     明日緑区役所で「ぶんぶんマルシェ」と映画「ぷかぷか」の上映会がおこなわれます。  「ぶんぶんマルシェ」は緑区内の福祉事業所の自主製品を売るのですが、みんなでぶんぶん元気に自主製品を売りまくろう、というイベントです。街の中で本当に売れるものを本気で作っていかないと、福祉事業所はどんどん社会から取り残されていく気がしています。  福祉事業所の自主製品を「障がいのある人が作ったものだから買ってあげる」から「いいものだから買う」というところへシフトしていこう、というわけです。  「いいものだから買う」というのは、「お客さん目線」で「いいもの」という評価を受けるところから生まれます。ですから何か商品を作るとき、それが「お客さん目線」でほんとにいいものと思っていただけるかどうか、というところを大事にしようというわけです。  「いや、うちはみんな障がいが重いから、そんなの無理」と言ってしまえば、話はそこで終わりです。それでも尚、彼らのいいところ、いい味が出せるような商品を目指すかどうかです。そんな「志」がどこかに見えれば、お客さんは敏感に反応します。「志」とはそういうものだろうと思います。  「うちは福祉だからそんなことが関係ない」という話もよく聞きます。いいものを作って、お客さんに喜ばれれば、それは商品を作る利用者さんの励みになります。利用者さんの日々が充実してきます。笑顔が増えます。職場が明るくなります。職場が明るくなれば、更にいいものが生まれます。  「お客さん目線でいいものをつくる」というのは、そういった好循環が生まれるということです。  「ぶんぶんマルシェ」がそういったことのきっかけになれば、と思っています。    映画「ぷかぷか」はぷかぷかのメンバーさんと地域の人たちがいっしょにやった演劇ワークショップの記録映画です。障がいのある人たちと一緒にやると、こんなに楽しい豊かなものが作り出せるということが伝わってくる映画です。地域社会に新しい文化をもたらしていることが評価され、昨年12月、読売福祉文化賞を受賞しました。  「読売福祉賞」ではなく、「文化賞」とつけたところに、この賞の意味があります。つまり、福祉は「施し」を受けるものではなく、新しい「文化」を生み出すものだ、という認識です。それは映画を見ればわかります。  区役所主催なので、入場料は無料です。来ないと損!です。 http://pukapuka-pan.xsrv.jp/index.php?ぶんぶんマルシェ    
  • 参加するカフェ
     土曜日に金子さんのワークショップで作ったおしゃべりする野菜たちをカフェの壁に飾りました。まずはフランスパンから。 え?これがフランスパン?という感じですが、ま、このよくわからない感じがいかにもぷかぷからしくていいなと思うのです。「あ、フランスパンだ!」ってすぐにわかるような作品は、なんか、あまりおもしろくない気がするのです。  お皿を貼って… どんどん貼り付けていきます。    カフェの壁がこんなに楽しくなりました。  金子さんと二人、できあがった壁を眺めながら、 「見る人が参加できる仕掛けを作りたいね」 「どういう仕掛けがいいだろうね」 なんて話をしていたのですが、 「画用紙とクレヨン用意して、野菜の絵を描いてもらって貼り付けるのもいいし」 「吹き出しを用意しておいて、野菜のおしゃべりをお客さん自身に書き込んでもらったら」 「あ、おもしろいおもしろい、それやろう」 という話になり、明日からそのようにします。  お客さんが壁を眺めながら、吹き出しに野菜たちのおしゃべりを書き込んで貼り付けます。  題して「参加するカフェ」です。カフェの壁作りにお客さんが参加するのです。どんな壁になるのかなぁ、すっごく楽しみです。一ヶ月もすると、野菜たちのおしゃべりがわぁ〜んと渦巻いているカフェになるのかなぁ。  これこそが「みんなでワークショップ」です。  
  • 階段の上のパフォーマンス
    「タカサキさん、ちょっ、ちょっと聞いて下さい、それは、たとえば、こういうことですか……」と階段の上でパフォーマンスが始まりました。   ずっとしゃべりまくっていて、ほとんど聞き取れないのですが、それでもセノーさんのパフォーマンスは、見ているだけでホッとします。こういう人はやっぱり街にいた方がいいですね。  
  • カフェの壁で野菜たちがおしゃべりし始めます。
       金子さんのワークショップをやりました。金子さんのワークショップのおもしろさは、はじめはただ色を塗ったり、紙を切ったりなのですが、いろんな人がいろんなやり方でそれをやっていくと、それぞれの違いが新しいエネルギーを生み、場全体がダイナミックに動き始めることです。その結果、全く新しいものがそこに出現します。大きなクジラの絵も、富士山の絵も、いろんな人がいることで生まれたダイナミックなエネルギーがあの作品を生み出したことがよくわかります。 pukapuka-pan.hatenablog.com  演劇ワークショップにおいても、進行役をやっていておもしろいのは、ワークショップを進行させていく中で、場が少しずつ熱くなり、エネルギーが渦巻き始め、その中でみんなが予想もしなかった新しいものが生まれるときです。  2年前、ぷかぷかのメンバーさんと地域の人たちでやったワークショップでは、6ヶ月かけて芝居を作ったのですが、最後にみどりアートパークホールでやった『森は生きている』のすばらしい舞台は、全く誰も予想していませんでした。ああいうものができてしまうところがワークショップのすごいところだと思います。(5月30日(月)午後1時半から緑公会堂で、そのときの記録映画が上演されます。ご都合つくようでしたら、ぜひ見てください。ワークショップが生み出すすごいエネルギーが何を生み出すかがよく見えます) ぶんぶんマルシェ - ぷかぷかパンの店『カフェベーカリーぷかぷか』   ワークショップのおもしろさは、こんなふうに思ってもみない新しいものをみんなで生み出すことにあります。  ただ色を塗ったり、紙を切ったりすることの先に、何を産みだしたのか、写真を見ながら想像して下さい。 ここで「野菜たちに目を入れよう」という提案が金子さんからありました。ワークショップで創り出すものを更に前に動かしていこうという提案です。おとなしかった野菜たちがおしゃべりを始めます。おもしろい物語が始まるのです。 ね、ずいぶんとにぎやかになったでしょ。これがワークショップのおもしろさです。これを来週火曜日の午後2時からカフェの壁に飾ります。どんなふうに飾るかは、実際にカフェの壁を前にしてから、あるいは飾りながら考えましょう、と金子さんは言ってました。こういうアートに関することは、きっちりと予定を立てて、予定通りやったのでは全くおもしろくありません。そのとき、そのときに感じたことをそのまま表現に生かしていく、それがアートのおもしろさであり、ワークショップのおもしろさです。野菜たちのおしゃべりがもっともっとにぎやかになります。あ、おもしろそう!って思われた方は、ぜひ来てみて下さい。  25日以降、大変身したカフェの壁をぜひ見に来て下さい。どんな壁になっているかなぁって、この写真見ながら想像してみて下さい。想像するだけでドキドキわくわくしますね。
  • 河内晩柑が届きました。
      川野さんの河内晩柑が届きました。見かけは悪いですが、本当においしいです。  見かけのいいミカンは様々な薬を使っているせいです。私は川野さんの見かけの悪いミカンを見るとなんだか安心します。そしておいしそうって思ってしまいます。20年ほど前、始めて川野さんの作った温州ミカンを食べて、そのコクのある味に感動したことがあります。以来、見かけの悪いミカンを見ると、おいしそうって思うようになりました。知り合いの自然食品店では「川野さんのミカン」はブランド品で、「川野さんのミカン」というだけで値段が高いそうです。ぷかぷかの甘夏パンは、その「川野さんのミカン」の皮を使って作っています。安心でおいしいです。  あの人が作っているから安心、あの人が食べるから安全でおいしいものを作ろう、ってお互いが思う関係をしっかり作っていきたいと思っています。   川野さんの甘夏については下記のブログに書いています。 pukapuka-pan.hatenablog.com
  • 5,000人の人が見てくれたら
      プロモーションビデオを作ったプロデューサーに、いつか機会があれば、もう少しメッセージの入った映画を作りたいという相談をしました。5分のプロモーションビデオでは、やはり伝えきれないものがたくさんあります。いままでどちらかといえば社会のお荷物のような扱いをされてきた彼らが,本当は街を豊かにするような存在なんだ、ということをぷかぷかは街の中で彼らの働くお店を運営することで実証してきました。演劇ワークショップの発表会の舞台では、そのことを目に見える形で表現してきました。  そういったメッセージをしっかり入れ込んだ映画を作りたいと思っています。そういうことをプロデューサーに相談したところ、500万円くらいあれば短い映画はできる、ということでした。500万円は大金ですが、仮にYoutubeにアップした「いっしょにいると心ぷかぷか」のプロモーションビデオを5,000人くらいの人が見て、その人たちがクラウドファインディングで1,000円出してくれれば、500万円のお金は集まります。  というわけで、賛同される方は、このプローモーションビデオを、ぜひ拡散してください。よろしくお願いいたします。 www.youtube.com  
  • いっしょにいると心ぷかぷか
     ぷかぷかの「障がいのある人たちとは、いっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージが映像になりました。  プロモーションビデオの完成です。タイトルは「いっしょにいると心ぷかぷか」  ほっこりあたたかい気持ちになります。  このプロモーションビデオがあちこち広がっていくと、社会がほっこりあたたかくなります。  ほっこりあたたかい社会は、障がいのある人たちだけでなく、みんなが暮らしやすくなります。  あなたもこの映像を見て「心ぷかぷか」になって下さい。  そして「心ぷかぷか」をあちこち広げてください。 www.youtube.com   製作はpvプロボノ pvprobono.com ぷかぷかのホームページは pukapuka-pan.xsrv.jp
  • あり得ないことがあり得るパン教室
     パン教室は、普通をパンを作ることに集中します。根詰めてやるわけではありませんが、パンを作ること以外のことはやりません。ところがぷかぷかパン教室では、そのあり得ないことが、あり得るのです。  先日のパン教室、ふと気がつくと、調理室のコーナーで「人間知恵の輪」が始まっていました。手を結びあい、それをほどいていくゲームです。それに刺激されてか、別のコーナーでも始まりました。更に別のコーナーでも。  みなさん、パン作りに慣れて、仕事がはかどり、余裕が出てきたことはもちろんあります。それでも、その余裕の中で、お茶を飲んだりは十分考えられますが、「人間知恵の輪」は普通あり得ません。でも、突然誰かが、「人間知恵の輪やろう」といいだし、「あ、おもしろそう、やろうやろう」と後に続く人が出て、瞬く間に調理室の三つのコーナーで「人間知恵の輪」が始まったのでした。  そういえば、以前、パン教室のさなかに「詩の朗読」をやったことがありましたね。長田弘さんの「イタリアの女に教えてもらったこと」という詩です。  こんな一節があります。      パンのみにあらずだなんて    うそよ。    パンをおいしく食べることが文化だわ。    まずはパン、それからわたしはかんがえる。    この一節はパン教室にぴったりだと思いました。こういうことを学ぶことこそパン教室の一番大事なところではないかと思ったりするのです。  突然朗読して下さい、とお願いした参加者のお父さんは、かなり面食らっていましたが、それでもふだん詩を朗読するなんてことはまずないので、すばらしくいい体験をしたようでした。  パンを作る経験をするだけでなく、詩の朗読までやった、となると、すごいお得なパン教室です。    というわけで、ぷかぷかパン教室は、あり得ないことがあり得るパン教室なのです。        
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